2007年12月26日水曜日

ドキュメントフォーマット

OpenOffice.orgについては先日書いたし、Adobeに関連してファイルフォーマットの標準化の話も何回か書いたと思う。OpenOffice.orgの話はアプリケーションレベルから書いたのだが、実はすでに「ファイルフォーマット」の戦いは今年の夏から始まっていたようだ。
オランダ政府がODF採用を決めた背景にはこのODFがISO/IECという国際規格として採用されているということがあるのだが、MSが自社開発したEcma Office Open XMLをISO/IEC国際標準にしようという動きがあるのだ。しかし、日本はコメント付きNO、そしてLinux陣営もコメントつきNOを表明しており、もともとMSがアンチトラスト違反だとしているEUは間違いなくNOに動くだろうから、Ecma Office Open XMLが国際標準になることはおそらくないだろうと思う・・・と思っていたらやっぱり通らなかったようだ。
しかし「マジョリティを押さえている」という強みのあるMSはそれくらいではあきらめないだろうが。

2007年12月25日火曜日

LEDライティング

CYVOGUEを開店した時、照明はハロゲンでした。外の看板を照らしているのは青い色のついた蛍光灯です。
ハロゲンランプは華やかな光で明るいのですが、実際使って分かったことは「恐ろしく熱い」ということでした・・・ランプをつけているだけで夜だというのにどんどん店内の気温が上がってしまうほどです。
しかし、凡庸な蛍光灯の内部照明に戻る気にはなれませんでした。蛍光灯は明るいですが、光が平板で安っぽいのです。
そんなとき、出会ったのがLED照明です。丁度パリに買い出しに出ていたのですがBHV (Bazar de l'Hotel de Ville:市役所の横にあるデパート)のライティングコーナーをウロウロしていて、なんか変わった色の壁面埋め込み照明があって「なんだろう?」と思って見たらLEDでした。そしてハロゲンと同じプロジェクタランプの形をしたLEDランプを発見したのです。
しかもLEDはいろんな色があります。赤、緑、黄色、そして青と白。これは面白い。しかも寿命が蛍光灯に比べても倍以上長く低消費電力で、しかもほとんど発熱しないという特質を持っています。
で、テストする意味でいくつか買って帰りました。結果は劇的でした。全然暑くないのです。すぐにアシスタントを街に出してダカールでLEDランプを探させると、パリの倍ほどの値段しますがありました。そして、全部のランプをLED化したのですが、誤算はダカールで入手したランプの光量がパリで手に入れたのの半分しかなかったことでした。つまり「暗い」のです。仕方ないので、2つだけハロゲンを混ぜ、絵にあてるように間接照明を作りました。外の照明が青いので店の入り口には青いLEDを。中央には白いLEDを配置し、奥には白と装飾用の緑と赤のランプを配置しています。ハロゲンの熱はほとんど感じられなくなりました。消費電力は
ハロゲン照明時:50wx7=350W
LED照明:1w x 12 + 50w x 2=112W
と1/3になっています。
ちなみに先日掲載したクリスマスツリーもLEDです。
ハロゲンを全廃して総LED化を果たせば劇的に消費電力を落とすことが出来るので、インターネットで調べてみると、ランプそのものが高価なものの、高輝度LEDを使った明るいLEDランプがあるようです。まあ、実際どれくらい明るいか、ハロゲン代わりになるのかはやってみないと分からないのですが。日本では電気が安いからか、LEDはまだ特殊な装飾用や業務用にしか使われてないようですが電気の高いヨーロッパではだんだん増えてきているようです。
あと、IKEAがかなりLEDに力を入れてきています。今年の春にパリのIKEAに行った時に、GIZMODOさんのところに紹介されていたスティック状のLEDライト(4本組)と丸い平らなスポットになっている(4個組)も手に入れました。店で使おうと思っていたのですが、スティック状のはベッドに取り付けてしまいました。2本をベッドの頭の板のところに貼って読書灯にし、2本を頭板の裏に貼ってアンビエンスライトにしています。そのときは白しかなかったのですが今はマルチカラーのものも発売されているようです。また、ペンダントライトや光のすだれを作る器具もLEDで売り出されています。

2007年12月19日水曜日

ソーラー化の遅延

予定では11月工事、12月稼働開始だったのですが、なんとソーラーパネルが手に入らず、遅延しています。
まあ、ソーラー化を決意したのは停電のせいもありますが、原油価格の高騰を背景に電気料金は上がりこそすれ下がることはないと判断したからですが、同じように考えた人がいっぱいいたようです。で、ソーラーパネルへの需要が急増して入手しにくい状態になっているのでしょう。小規模システムの自動稼働にはソーラーパネルは最も適したソリューションだと言えます。ナイジェリアのように自国で石油が出る国ならいざしらず、化石燃料に頼った発電設備しか持たないセネガルのような国では電気料金の高騰は避けられない。
ということでパネルを入手次第工事にかかる予定ですが、今週からはタバスキ(イスラム教の犠牲際)、クリスマス、そして年末と休みが続くので多分1月に入らないと動かないかと思いますが。

2007年12月17日月曜日

iPhoneはカントリーロックされている!?


Maclalalaさん経由、iPhone Atlasからの情報で、フランスで発売されている「フリー」なはずのiPhoneは実はフリーではなく、フランス国内でしか使用できないことがわかった。
よって、本当の意味でGSMのような「フリーでグローバル」なiPhoneは存在しない。いわゆる「不法な手段」を使って強制的にアンロックしないとフリーにはならないようだ。
これは今の段階では仕方ないのかもしれないが、数年後にはドラスティックな転換を図らないと「日本のケータイメーカー」と同じ運命をたどってしまうだろう。アップルが「キャリアと協力して」かなり高額のiPhone使用料をとっていることはすでに判明しており、これは日本のケータイメーカーがとっているビジネスモデルと実は同じなのではないだろうか。それをGSMというプラットフォームでやっているにすぎない。
想像するに、iPhoneの開発費をすばやく回収するためにやっているのだろうけど、回収後はすばやくこのようなロックは外して、iPhoneを解放するべきだろう。GSMの使い心地の良さというのは、旅行が多い人間なら経験済みだと思うが、旅行先でサクっとプリペイドのSIMを装着、クレジットをチャージして電話が使えるというそこにある。ややこしくてバカ高い「ローミング」などという手法を使わなくていいのだ。もちろん国際ローミングはたくさんのケータイオペレータが提供している。電話番号も変わらないし便利だという考え方もあるだろう。
でも帰国してからどんな高額なローミング料金を請求されるかわかったもんじゃないし、その点プリペイドだと払った分しか使えないのだから完全に安心できる。それに、出先で現地の番号にかけるときはローカル料金なのだから安い。
これができないとなると、GSMである意味がほとんどなくなってしまう。日本のケータイと同じハンディキャップを負ってしまう。マーケット自体が極端に限られてしまう。
これがアップルがiPhoneでとる戦略なのだろうか?

そうだとは思いたくないが・・・

2007年12月14日金曜日

オープンソースはEUから?


フランスの国民議会(Assemblee Nationale)がUbuntuへの全面移行を発表したのは記憶に新しいが、今度はオランダ政府が政府の文書を来年4月までにすべてODF (Open Document Format)化すると決めた。ODFはOpenOffice.orgのオフィススイートの標準フォーマットである。オフィススイートのoOoへの本格的移行が始まったのかもしれない。oOoはもちろん.docや.xlsをサポートしており、反対にMS OFFICEではODFが開けないという不具合があったのだが、最新版のMS OFFICEではODFをサポートするようになった。
つまり、MS OfficeであってもODFは作成できるわけだが、わざわざ高価なMSの製品を使ってODFを作るのが減るのは当然の成り行きであろう。アプリケーションレベルでもoOoを導入するところが急増するはずである。
MacにおけるoOoは従来X11が必要だったが、数ヶ月前にAquaバージョンのVer.2.3のベータが発表されている。またJavaで動くNeoOfficeはoOoを元に作られており、多少重いものの機能も充実している。
唯一、oOoとMS Officeが違うのはデータベースソフトで、Accessで作った文書はoOoでは開けなかった。しかし、他の文書は見事に開く。
このようにすべての人がアクセスできるソフトのファイルフォーマットが標準化されることはいいことである。

余談だが、Opera社がWindowsにIEがバンドルされているのはアンチトラスト法に抵触するとしてMSをEUで提訴したらしい。MSはEUではどんどん泥まみれになっていくようだ。

Sugar UIは直感的か?


GIZMODOさんの記事からなのだが、OLPCの要であるSugar UIの使い心地についてのレポート。
実は私もこのSugar UIを起動CD-ROMとして焼いてPCで使ってみたことがある。しかし、SugarはOLPCハードに依存しているのでネットワークカード(Ethernet)を認識しなかったり、実際は使えなかったが、ワープロなんかは使ってみた。
Sugar UIは従来のOSインターフェイスとは全く関係なく作られているのだが、従来のインターフェイスに慣れているとものすごく戸惑う。それにインターフェイスが変わっていても機能そのものはLinuxでありAbiwordだったりするのでできるはずのことがSugarに邪魔されてできない(子供用に限定)ことの方にイライラが来てしまう。まあ、これは大人の考えなのだろうなと思っていた。
OLPCの対象年齢は多分10歳以下なのだろう。
あとはXO Laptopのハード的制約、特にスクリーンサイズによって、常駐させるべき表示を非表示にせざるを得なくてある機能への動作パスが長くなりがち・・・つまり何回もクリックしたりタッチしたりする必要がある。もちろんマルチタスクではない。
OLPCの使い心地は多分PCでもなくゲーム機でもない、その中間的なモノだと思う。中身はPCだし機能もPCなのだがそれをSugarでゲーム機っぽくしてみた感じだろうか。しかしゲーム機の使いよさというのは非常に数の少ないボタンで体感的にナビゲーションできるという点であって、それに関してはOLPCはPCなのである。
そのあたりに「使いにくさ」の源があるのかもしれない。

とにかく小学校高学年以上はOLPCではなくEdubuntuのようなOSの方が向いている気がする。

クリスマスツリー


去年のホリデイシーズンには日本に帰っていたので買わなかったのですが、今年は買いました。直前だったのでスーパーで割引していた純白のツリー。それにIKEAで買ったパープルのLEDをつけてみました。あとは金モールを少々。

2007年12月13日木曜日

Adobeが熱い?

Winの世界ではあまり一般的とは言えないが、ドキュメントのやりとりやWeb公開文書の汎用フォーマットとしてのPDFは定着した。
また、Web上の動画・アニメーションプラットフォームとしてのFlashも定着したと言っていいだろう。Adobeはこの「汎用フォーマット」の世界ではMSになりつつあるのだが、最近のAdobeの動きはGoogleのそれに似てきた。枠組みを作って、SDKを提供し、オープンソース化するというやり方だ。実はこの手法にちょっと似た感じの手法で開発されたのが他ならぬMacOS Xだと言えないこともないのだが、GoogleやAdobeのやり方は時代の差もあってもっとドラスティックだ。そしてこの2つに共通するのがWebというプラットフォームを基本的媒体に据えている点である。
オープンソースの世界での常識は商用アプリの常識と全く違う。極端な例ではOffice for Macが売り出されてからアップデートされたのは2回ほどしかない。しかし、オープンソースのNeoOfficeはほとんど毎月アップデートされている。つまりMS製品のライフサイクルをざっと5年とするとMSの2回に対して60回、30倍の開きがある。もちろん、これによって製品の優劣をうんぬんするものではないが、ソフトウエアというものに対する考え方が基本的に違うということなのだ。同じくオープンなUbuntuも頻繁にアップデートがかかる。
GoogleやAdobeが取り入れようとしているのはこのソフトウエア進化のリズムなのではないだろうか?
Adobeのビジネスモデルは数年前までかなりMSよりなものであったと思う。今でもAdobeの商用アプリは非常に高価で、アクセシブルだとはお世辞にも言えない。数年前までAdobeが取っていたのはPhotoshop Elementなどの「ジュニアバージョン化」だった。機能を制限したものを安い値段で売るというやり方である。しかし、アップルなどがiPhotoのようなアプリをバンドルし始めたらPhotoshop Elementなど売れなくなる。AdobeはSaas化を行うことで対応している。
数年前といえば丁度AdobeがMacromediaを買収した時期と奇妙に符合する。Macromedia買収は一種の革命だったのだと思う。DirectorやFlashをAdobeはどうしても欲しかったのだろう。そしてMacromediaもAdobeという「経営母体」を必要としていたのだと思う。そうしてMacromediaの一種荒馬のような乗りこなすのが難しい技術はAdobeの分かりやすく洗練された形にまとめられ、統合されていった。
そのAdobeがFlash関連技術であるFlexをオープンソース化し、企業向けソリューションの一部(Blaze DS)もオープンソース化するという。これは画期的なことではないだろうか?Googleと似た手法で、Googleとは全く違う分野を切り開いているのがAdobeだという気がする。

2007年12月11日火曜日

低価格ラップトップ


OLPCのG1G1(Give One Get One)プログラムによる出荷とAsus Eeeの発売が同時に始まった。これで、実機が流通し始めることになり、実際に低価格ラップトップという新しいプラットフォームが開かれた。しかし、低価格とは言っても実売は事前に言われていたよりは遥かに高い。OLPCは2台分の価格で400ドルだし、Eeeも同じくらいの価格で売られているようだ。
多分、大量に流通し始めれば少しずつ価格は下がっていくだろう。この価格帯というのはまさにiPhoneの本体価格、あるいはiPod (Touch/Classic) の価格帯である。言ってみれば大人の高級ガジェット価格。
果たしてこの価格でXOやEeeがもともと目指した最終ユーザ=子供の手に渡ることになるのだろうか?Eeeは汎用プロダクトだから別に大人が使ってもいいわけだが・・・多分子供の手には渡らない気がする。
家庭に入り込んだPCは「みんなで使うもの」からどんどん個人用ツールに向かい、ケータイに近づいている。そのカタチがEeeではないかと思う。
OLPCが描いた世界はユートピアの美しさを持っているがその実現にはまだ長い道のりが残っているということだろうか?
しかし、ネグロポンテ氏が守っているOLPCのアイデンティティはむしろアップル的なもので、時間をかければ受け入れられるだろうと思う。OLPCと競合しそうなのはAsusではなくNintendoなのではないだろうか?

2007年12月9日日曜日

最近Bloggerがおかしい

なんか表示に問題が起きたりしているようです。
トラフィックが増えすぎているのでしょうか?

2007年11月28日水曜日

フランスでiPhone発売


昨夜、されたようです。フランス系TVでもここ数日しきりにiPhone/OrangeのCMが出てました。USバージョンをただ仏語に吹き替えただけで力はいってませんが、もともといらないくらいすでに宣伝されている・・・というところがiPhoneのすごいところですね。
で、面白いのが料金。
先日ドイツでT-Mobileが発売した時には通常ロック済みが399ユーロで、その他に完全にフリーなのを999ユーロで売られています。
めちゃめちゃ高いです・・・でもこの価格帯のケータイ、実はあるんです。PORSCHE DESIGNのメタリック、ヘアライン仕上げのやつでCDGの免税店にありました999ユーロ。まあ、同じ買うんだったらPORSCHE PhoneよりはiPhoneの方がマシですが、ほぼMacBookとかiMacが買えちゃう値段だったらたかがケータイ。高すぎます。
さて、フランスではというと、基本はドイツと同じですがフリーiPhoneの値段が違います。フランスでは749ユーロでフリーなiPhoneが買えます。これは649ユーロのフリーiPhone本体価格+100ユーロのアンロック手数料ということです。まあ、数ヶ月すれば街のケータイ屋がもうちょっと安くアンロックされたiPhoneを売り出すでしょう。最初は契約で手に入れても6ヶ月後にはタダでアンロックできるそうですが、この状態でも他のキャリアでは使えないということです。749ユーロ・・・やっぱり高い。
そもそもユーロがまだまだ高いのでユーロ圏ってApple製品が高いのです。フランスで買うより日本で買って送ってもらった方が送料入れてもまだ安いくらいで。
さて、アメリカではBlackBerryなどのスマートフォンが成功していたという土台があったわけですが、3Gもそれほど普及しているわけではないヨーロッパで、iPhoneは売れるのでしょうか?かなりな「隙間市場」という気がします。iPodさえ、それほど普及しているわけじゃない。むしろ安いMP3の方が多いのがフランスなのです。

2007年11月27日火曜日

MacMiniのRAM増設

RAMはやっぱり日本が安い!ということで、日本の通販で実家に送り、両親にこっちまで転送してもらいました。
実はこれらのMacMini、買ってからそのうちの2台がサウンドに問題を起こしており、修理したのですが最近はもう保証期間がすぎているので6000円近く請求するのです。やってられない!ということでネットでMacMiniの開け方を調べ、そのためにこの前日本にいたときに100円ショップでお好み焼き用のヘラもちゃんと買ってきてあったのです。いよいよ、その出番が来たというわけです。
それにしても先日の修理されたやつはヒドかった。ちゃんと動いているのはいいのですが、いったい何を使ったらあのアルミをそんなにギザギザにできるのか不思議ってくらい傷だらけです。まあ、高いのもさることながらこれを見てもうあそこには修理を頼むまいと思った次第です。「自分の方がうまく開けられる!」そう思った。(そこは一応、ここでのいわゆるApple正規販売店なんだけど)
MacMiniのケースの開け方についてはいろんなサイトに説明されていたし、やってみると思ったよりもカンタンでした。で、開けてからの方が大変でした・・・昔のMacMiniはメモリスロットがケースを開けた状態でアクセスできたらしいのですがIntel MacMiniはそこからドライブユニットをとりはずして、マザーボードに寝るような形でついているメモリスロットに到達しなければならず、このドライブユニットの取り外しがかなりクセモノでした。
でもしっかり日本語で解説されてるサイトがあってそれに従ってはずします。このへんはアマドウの方が器用なので(でも作業が雑)彼に手伝ってもらいながらやっとこさはずすと・・・ありました!しかもスロット2つ??私はMacMiniのメモリスロットは1つだとばかり思い込んでいました。もともとバラシちゃいけない機種なのでそういう情報ってあまりないんですよね。
一応、2枚ともはずして新しい1GBを指し、ドライブユニットをのせて、起動させてみると、しっかり認識していました。で、じゃあ空いてるスロットに余った256MBを刺してみよう・・・そうしたらこれも認識。図らずしも1.25GBのメモリ構成になりました。ドライブユニットをネジ止めし、カバーをかけなおして再び起動。ちゃんと動いているけど・・・なんかWiFiがヘン。パスワードが通らない??
そういえばアマドウがドライブユニットを載せてる時になんかブラブラしてるヘンなケーブルが1本あったけど・・・調べてみるとやはりあのケーブルはAirMacExtremeカードとアンテナをつないでるものでそれが外れていたわけです。
再びカバーを外し、ドライブユニットを外して例のケーブルを探すとやはりAirMacExpressカードから外れていました。このケーブル、アンテナをとりつけたままだと構造上引っ張られる形になるのでアンテナを外してケーブルを引っ張らないようにドライブユニットを載せる必要があるようです。で、2台増設したところで停電・・・アマドウは街に行ってしまい、電気が戻ってから自分で残る2台の増設をさっさと終了しました。慣れると簡単でした・・・

2007年11月13日火曜日

サイトのリニューアル


実は3週間前くらいからそろそろと始めていたのですが、この週末で一挙に作業を終えて、本日アップロードしました。
日本語はいまのところトップページだけで、日の丸をクリックすることで表示します。しばらく勉強をさぼっていたらなんかJavascriptを中心に新しい技術がたくさん開発されててあわてるやら戸惑うやら。
今回はかなり多くの部分、主にナビゲーション部分にFLASHを使いました。ImageReadyを使うことも考えたのですが、デザインの自由度と更新や変更の手間を考えるとFlashの方が簡単だし、ファイルも小さいので。
日本語化は徐々に行っていく予定です。

追記:11/23 日本語化を終了しました。次回のリニューアルの際にはテーブルを使わないデザインにしようと思っています。また内容についても徐々に充実させていくつもりです。

2007年11月8日木曜日

日経PCの「みっともない」記事

「壁を作るアップル、壊すグーグル。はてさて勝者は?」
というこの記事だが、とてもプロのジャーナリストが書いたとは思えない。
「みっともない」「大枚をはたいた」「必死」等、まるで某巨大掲示板に並んでいるような扇情的で意味のない表現が続くことに加え、特に斬新な切り口もなく、最後の最後でG-Phoneとの単純な比較を付け加えることでさらに記事全体を無意味にしている。個人ブログならいざしらず、日経の名を冠したサイトでこのような自己満足のための記事を見ようとは思わなかった。
昨日書いたが、私はOHA (Open Handset Alliance)とiPhoneの目指すものは全く違っており、比較は出来ないと思う。むしろ、これを比較しようとするのはGoogleに対してもAppleに対しても失礼だし、なにより「的を得てない」と思う。
Appleが自社でリテールまでを手がけるハードを作る会社だから、それなりのアプローチというものがある。もちろん、一連のiPhoneを巡る騒動に対しては複雑な感情を持たざるを得ないのは事実だが、それはAppleの新しいステップへの試行錯誤と見るべきだと思う。
Googleは会社そのものが全く性格を異にしているし、私はGoogleが巷で噂されていたような自社ブランドのハンドセットを出さなかったことに対してもGoogleらしい選択だと感心しているのである。Googleがハンドセットを出したら、まるでMSのようではないか?Googleはコンシューマー用のハードを作る会社であったことはないし、これからもないのだろう。
iPhoneは壁を作っているのではなく、壁を壊しにいっているのだ。その壁はDRMと音楽業界にあったような壁だ。G-Phoneは「地上の壁」を壊しているのではない。G-Phoneは地下をブチ抜いて地下街のショッピングセンターを作ろうとしているのだと思う。
この2つに共通点を見いだすとすれば、それは「通信会社をオープンにしようとしている」ということにあるのだと思う。

2007年11月7日水曜日

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?


G-Phone。Googleが放つiPhoneキラーと目されていたものの全容が知らされた。それは、Open Handset Allianceというもので、主要なケータイのハードメーカーやキャリアなどを集結させオープンソースのプラットフォームで次世代ケータイを開発する「プロジェクト」だった!はっきり言って感心した。
実は2年くらい前までGoogleっていまいちわけのわからない、不気味な存在という印象を持っていたのだが、一連のアプリケーション開発によってすごいという印象に変わり、今回のOHAでは本気で感服した。
アンドロイド・・・それがGoogleがこのプロジェクトに与えた名前だ。これに伴いYouTubeに2本の動画がアップされている。1本は子供達が夢の電話を語るイメージビデオでもう片方はAndroidのチームからのメッセージビデオになっている。これはGoogleの「開発というものに対する考え」をはっきりと形にしたものだ。そして、そのキイワードは「オープン」である。
技術を「オープン」にし、提供することで、情報をフルに流通させ、それによってみんなが便利になり、潤う世界・・・それがGoogleの「オープンな世界」でありビジネスモデルなのだろう。
Googleが自社ではUbuntuを自社仕様にしたGoobuntuというOSを使っているのは有名だが、これを見てもわかるようにGoogleにとって「オープンであること」は1つの哲学ですらある。
AppleとGoogleは比較できない。Googleの見せる夢は人を潤し啓蒙する夢だという気がする。それに対してAppleの見せる夢は人を酔わせ心地よく癒す、そういう夢だ。アンドロイドがどのような夢を見せてくれるのか、期待は膨らむ。
Open Handset Alliance

2007年11月4日日曜日

ワイヤレスの未来


3GかWiFi (802.11g/n)か?!
iPhoneの次世代を見据えてこの話題がホットだ。3Gはケータイから出たワイヤレスのデータ通信でWiFiはPCのワイヤレス規格。
今話題のiPhoneはGSM規格の携帯電話で、3GでなくWiFiを積んでいる。ここがミソ。ちなみにMSが出している携帯音楽プレイヤーZuneもWiFiを実装しているがこちらはwebをブラウズしたりするアプリケーションは積んでいない。
さらに噂では公共WiFiシェアリングを推進しているFONにJobs氏がアプローチしたとかしないとか・・・
しかし、Appleとしては3GではなくWiFiの方に進みたいというベクトルは感じる。でなければiPhoneを3Gにしていただろう。
もしかして、この「ワイヤレスの選択」は単に採用する規格やアプリケーションレベルの問題なのではなく、「次世代API」の問題なのかもしれないと思う。AppleがiPhoneをブロックし、サードパーティー製のアプリケーションをインストールさせずに他アプリをWiFiを通して動くWeb上のアプリケーションに限定しているのも、さらに爆発的スピードでこのWebアプリがここ数ヶ月で充実しつつあるのも無関係ではないだろう。「どこでもWiFiでつながる」これがiPhoneを通してAppleが提唱したいユビキタスのカタチなのではないだろうか?
似たような戦略を打ち出しているのがAdobeだ。AdobeはFlashの普及をテコに同社のキーアプリケーションをSaasつまりオンラインで提供する動きを進めている。これはパッケージソフトとそのライセンスの保護に固執するMSの姿勢とは180度逆のアプローチだ。そしてSaas化するAdobeソフトはAppleの進めるユビキタス化と驚くほど符合する。しかしながらiPhoneでは今のところFlashは動かず、iPhoneでのYouTubeはFLVではなくH264での提供となっている。最近のAppleサイトを見ても、あまり一般的ではないQTを多用し、Firefoxでもちゃんと表示できない部分があるのは気になるところだが、AppleはFlashをかなりライバル視しているのかもしれない。
ここで気になるのがOLPCの持っている「ネットワークメッシュ生成機能」である。OLPCはWiFiクライアントであるとともにWiFiアクセスポイントとしても機能し、作動している他のOLPCを通してWiFi接続できるようになっている。たとえ、iPhoneには無理でもラップトップならこれを実装することはそれほど困難ではないだろう。もちろんAppleが考えているのはそれよりさらに一歩先の技術であろうとは思う。
しかしながらこの先数年で現在の「ワイヤレス」というものの常識がまったく変わってしまうであろうことは確実だと思う。

2007年10月30日火曜日

BSOD


BSODとは新しいOLPCとかそういうのではなく、Blue Screen Of Death(死の青い画面)の略。それにしてもアメリカのGeekたちは四文字が好きなのか、こういうのをよく目にする。他にもTGIFとか(これはThank God It's Fridayの略)・・・まあそれはいいとしてBSODはもともとWindowsがもうにっちもさっちもいかなくなって表示できなくなっちゃったとき(死んだとき)に出る青いスクリーンのこと・・・だったのだが、何とAppleの最新OS、Leopardをインストールした時にこのBSODを体験しちゃった人が続出しているらしい。
今はこのバグはFixされたみたいだが。長年Macを使ってきて昔のSystem 7の頃には、ポロロロ〜という哀しい音とともに出るSad Macは何回も見ているものの、BSODは未だかつて見たことがない。
私は根がメカフェチなのか、こういうモノを見ると「治したい!」とかえって奮闘してしまう方なのだが、最近一番悲しいのは時々持ち込まれるiPod。多分ハードディスクがイカれてしまって立ち上がらない状態になってるのは、もうどうしようもない・・・開けてHD交換はもし自分のPodならやってもいいけど、他人のPodはそれで治るかどうかもわからないので、できませんと断っている。
そういう意味で私のメカフェチ魂を燃え上がらせてくれていたのが、Ubuntuだったのだが、Gustyはデキスギくんでなんでも自分で探してきてセットアップしてしまう。Edgyなんかのときにはxorg.confというMacでいえばFinderの表示に関する設定ファイル(Macではもちろんこれをいじることはできない)をマニュアルで書き換えないとちゃんと表示しなかったりNvidiaのグラフィックカードを認識しなかったりした。で、この設定を誤るとX(MacでのFinder)が立ち上がらなくなって、GUIが全く使えず、コマンドラインに切り替えてxorg.confを復元したりしたものだ・・・そこがまたかわいかったのだが、Gustyは他の人におすすめできるようになった反面、そういう楽しみは減ってしまった気がする。
とはいえ、本物のBSOD(Winのやつ)は見たくない・・・心臓に悪い。
画像はBSODの例。No one hears your scream.(あなたの悲鳴は誰にも聞こえない)が怖い・・・

2007年10月27日土曜日

Ubuntu 7.10 Gusty Gibbon


今日はLeopardのリリース日。しかし、こんなアフリカでリリース日に手に入るわけもなく、しゃくなのでUbuntu FeistyをGusty Gibbonにアップデートしてみた。アップデータをダウンロードすること約4時間あまり、そしてインストールにたっぷり1時間以上かかって、アップデート終了。
やっぱり一番変わったのはアピアランス。3Dデスクトップが標準装備され、今まではマニュアルでプロプライエタリのグラフィックカードドライバを入れ、そのあとでBerylをインストールしたりする必要があったのが、もうそういうの一切必要なくBerylとCompizが合体したCompiz Fusionが入っており、BerylのEmeraldテーマもしっかり引き継がれている。しかも、優雅ではあるもののトロい印象もなく、これがPentium 3のわずか6千円しかしない中古PCであることが信じられない動き。
Linuxは間違いなく最も要求マシンスペックが低く、どんなレガシーマシンでも動く優れたOSだ。もちろん、Mac OSなんかが持つ考え抜かれたユーティリティ性、洗練されたインターフェイス、ハードとソフトが一体となる「環境」は望むべくもないが、このマシンではMacOSは動かない。Winでもこれだけちゃんと動くとは思えないのである。
インストールに時間がかかること、ネットのリソースを常時必要とすることを除けばUbuntuはアフリカに適したOSだと思う。
問題はWinの海賊版で、これがほとんどタダで出回っている以上、Linuxは普及していくのが困難だ。というのはここで訓練を受ける技術者はWinの環境しか知らない。うちのアマドウのように他のシステムに興味を持つのは少数派だ。しかもWinは技術者を常に必要とする。ユーザにとっては迷惑だが技術者にとってはいいメシの種なのである。MacやLinuxのように基本的にあまり問題が起こらないOSでは技術者の出る幕があまりないのである。

2007年10月26日金曜日

MacOS X LeopardとiPod Touch


iPod Touchはやはり小さいので、家にいて文章書いたり、普通にWebをブラウジングしたりするのにはやっぱりMacBookを使ってしまう。そんなこんなで2〜3日放っておいた。昔のMacやPowerBookを使っていた人はもしかしたら経験があるかもしれないが、これらの機械は使ってやらないと機嫌が悪くなるのである。最近のiPodやMacBookはあんまりそういうことがなかったのだが、iPod Touchにはこれをやられてしまい、慌てるやら悲しいやら・・・でも今日ようやく機嫌が直り、ちょっとホっとしている。
何が起こったかというと、液晶のタッチパネルがまったく反応しなくなってしまったり、すごく反応が鈍くなったり、あげくのはてには画像の周りに黄色やら青の色ノイズが盛大に出たりして、とにかく使い物にならない状態。
Appleのサイトを見て、リセット、再インストールなんかをやってみたが、ハードの問題みたいでちっとも治らない。多分スクリーンのハード的な問題なのだと思う。夜、完全停止させてみたり、長いことMacにつないで充電したままにしておいたりしたけど、全然ダメ。半分あきらめて、今朝ふと思いついてスクリーンの輝度を最大に上げてみた。そうしたら、ウソのように色にじみが消え、反応も普通になったのだった。WiFiをOnにしているので、スイッチをいれてUnlockしたときに接続を探しにいくらしく、この状態のときはスクリーンの反応が鈍くなるがおとなしく待っていると普通に動くようになる。部屋の中で使うときはちょっとまぶしいので少し輝度を落としてみた。少しくらいなら大丈夫なようだけど、タッチスクリーンの感度もなんか落ちてる気がする。
アフリカにいて困るのがこの手のハードの問題が起こった時である。おとなしく、何ヶ月も帰国するのを待っていなければならない。Touchは別に困るものではないが、MacBookが例の熱暴走問題で使い物にならなかった時はファームウェアがアップデートされるまで約半年MacBookはお蔵入りした。PowerBookG4を持っていたので困りはしなかったが・・・あの時に何度も変な再起動をかけ続けたせいか、MacBookのHDは1年たたないうちに死んでしまった。
それにしてもiPhone/iPod Touchの可能性は使っているうちにひしひしとわかってくるたぐいのものだし、使ってみてアレが欲しい、コレも欲しいというのが出てくるのも理解できる。TouchはiPodとはいえ、普通のiPodとは全く違う性格の製品なのだ。
Leopardは明日発売される。ついに猛獣が檻から出るのだ。そして、この猛獣はiPhone/Touchも無関係ではない。Leopardが解放されるとともにiPhone/Touchの可能性も解放されるのである。どんなことが起こるのか、楽しみだ。
ちなみに昨年CYVOGUEを開店したあと数ヶ月、1時間の無料デモンストレーション(Macの使い方とインターネット)を行ったが、これをまた再開し、Touchについても紹介したいと思っている。

2007年10月22日月曜日

iWork 08の使用感


同じく日本でiWork 08を購入して、数台にインストールしてみた。私はAppleworksをそれがClarisworksと呼ばれていた時代から愛用してきた。これはたった1つのしかも軽いアプリケーションで通常の文書作成に必要な機能がすべて備わっていて、しかも直感的に極めて短時間で思い通りのものを作れる優れたオフィススイートであった。Appleworksはver.6から開発が止まり、KeynoteそしてPagesという2つのアプリで構成されるものとなったが、今回そこにスプレッドシートアプリNumbersが加わり、Appleworksからデータベースを抜いた感じになった。PagesもNumbersも最初開く時には多少とまどう。それはAppleworksやMS Office、NeoOffice (OpenOffice)と全く異なるUIを持っているからだが、使い始めるとそのとまどいはたちまち氷解する。というのは一見ほど根本的なインターフェイスは変わっておらず、「ここかな?」と思ったところにしっかりその機能があるアップルらしい心遣いにあふれたものだからだ。ほとんど10分も使っていれば慣れてしまう。Appleworksに比べると多少重いかな?とは感じるけど、NeoOfficeほど重たくない。Pagesのレイアウト機能は非常によく考えられているし作業中に自動的にユーザのやろうとしてることを感知して例えばオブジェクトをアラインさせるためのガイドが表示されたりとよく考えられている。Numbersはスプレッドシートの常識を超えたスプレッドシートだ。これは使いこなすのにちょっと時間がかかりそうだけど、使い込めば味が出るアプリケーションだと思う。Keynoteは以前から使っていたのでそれほど感想はない。
全体的に言えば、やはり文書の仕上がりが非常にキレイに決まるので、変な言い方かもしれないが「文書作成が楽しくなる」そういうアプリケーションだ。

iPod Touchの使用感


こっちに帰ってくる直前に心斎橋のアップルストアでで買った。

で、使用感なのですが、一言で言って、「すばらしい」・・・

出発直前にゲットしたので、こっちに着いてからようやくiTunesとの本格シンクロなんかをやっているのだけど、途中CDGでWiFi実験もやってみた。
これは、インターフェイスの革命だと思う。
従来のiPodのインターフェイスとは比較にならないほど隅々まで考えられ、しかもビヘイビアが心地よく磨かれている。ただ、Touchはスポーツ用ではないと思う。スポーツにはやはりShuffleがのぞましい。軽さ、小ささすべてにおいてベストな選択はShufleだと思う。
Touchはもっと旅行のお供とか、PCの代替機みたいな使い方に向いている。今Video Nanoを考えてる人はちょっと待って、ちょっと無理をしてもTouchをゲットすることを勧める。価格差を超えたアドバンテージをTouchは持っている。
もちろん、米国にいるのならTouchではなくiPhoneを買うべきだが、他の地域ではTouch。
今、Touchにはアレがないコレがないという話がいっぱいあるが、これはいずれ改善されていくと思う。とにかくこのUIだけで300ドル以上の価値があると思う。
Webのブラウジング、YouTube視聴(これらはWiFi経由)も実にスマートでスムースに行える。コンタクトリストやカレンダーもシンクロされる。カバーフローはタッチスクリーンではじめて真価を発揮するものだ。音もいい。(パワー感は昔のPodの方が優れている気がする。)液晶もiPhoneのそれと横において比べなければ5GのPodなんかとは比較にならないくらい優秀だ。
UIのデザインも黒を基調にしてここまで美しいモノができるのかと舌を巻いた。
なぜ、AppleがiPhoneやTouchのサードパーティアプリにそんなに神経質になるのか?多分Leopardがらみというのが本当のところだろうが、あまりiPhone/TouchがヒートアップするとMacが売れなくなってしまうという危惧もあるんじゃないだろうか?PC全体の流れを見るとデスクトップからラップトップへという流れがあるわけだが、ことMacについていえばiMacの存在というのはおそらくMacで一番魅力のあるポジションであって、むしろMac ProやMacBook Proなどが「数をさばく」存在ではない、そんな気がする。(でもニーズはある。値段は高くてもいい。)
そうなるとiPhone/Touchで淘汰されてしまう可能性のあるのはMacBookとMiniあたり。しかしMacBookにもMiniにもしっかりとしたレゾンデートルがあるので製造し続けてほしいが・・・
TouchはAppleの出したOLPCみたいなもの・・・という気がする。(子供向けではないが「大人向けのOLPC」という意味)
とにかく一度実機に触れてみてほしい。
しかし、Apple Store心斎橋では実機はあるが中身がほとんど空なのでカバーフロウの素晴らしさはわからなかったけど・・・

2007年10月18日木曜日

新しいCyvogue Desktop


実はちょっと日本に行ったりしていてパリのFnacに寄って新しいApple Keyboardを買ってきました。
このキーボード、やはりとてもエレガントで美しく、しかも前のキーボードほどゴミが入り込んだり、掃除しにくいところがないのでとてもいいです。あといくつか買ってきたものもあるのですが徐々にレポートしていきます。

iPhoneがやってくる?


フランスで11/29日にOrangeから発売されることが決まったiPhone。アメリカと同じようなSIM Lockのかかったものは399ユーロ(高い)で買えるようになる。
しかし、International Herald Tribuneによると、フランスの法律では特定のキャリアでしか使えないようにした電話機を販売することは違法とされているらしい。で、噂が飛び交い始めた。
「フランスではロックのかかってないiPhoneが発売される!」
これは、ロックのかかってないiPhoneを買えば世界中どこでもGSMサービスのある場所なら使えるようになるということ。もちろんアフリカでもiPhoneが使えるようになる。(もともと、セネガルではOrange.snなのでOrangeのiPhoneでもローミングという形で使えないことはない)しかし、高すぎるからほとんどセレブくらいしか使えないだろうけれど。

iPhoneを巡っては、昨日予想した通りLeopardのリリースによってオープンなアーキテクチャへの道を開かれ、ジョブス氏は来年早々に開発者向けキットがリリースされると発表した。これによってiPhoneは有望なプラットフォームとなっていくはずである。

時を同じくしてNOKIAからインターネットタブレットが発売され(これは多分Symbian OSだろう)、またHTCがGoogle Phoneを作ることも(こっちはLinuxベース)決まった。携帯デバイスにおけるOS戦争が本格化する中で、iPhoneの最大のネック・・・「価格」も下がっていくだろう。多分G-Phoneが出る頃には2ndか3rd世代のiPhoneが出てくるはずだ。

2007年10月17日水曜日

Asus EeeはOLPCキラーなのか?


私は違うと思う。Asus Eeeとは台湾のPCメーカーAsusが出すOLPCに似た構成の安価なラップトップのことである。7inchのスクリーン、小さな筐体、ノンスピンドルなどOLPCと似たスペックでOSはWin XPとLinuxから選べる。大量発注をかけるとさらに安く買えるらしい。
しかし、この機械はターゲットが違う。OLPCは子供が対象だ。しかしEeeはむしろ「安価な汎用ラップトップ」である。マシン構成が似ているからと言って、これをすなわちOLPCキラーだとは言えないと思う。
とはいえ、ネグロポンテ氏のOLPCプロジェクトがそれほどうまくいってないように見えるのも、事実だ。OLPCハードはよく考えられていると思うが、ソフトの面でキッズフレンドリーでなかったり、制約が大きい、サーバサイドのソフトウェアが見えてこない、オンラインサービスが伴ってないなど問題が山積みだ。MITは例えば任天堂のようなゲームメーカーの協力を仰ぐとかキッズ用のオンラインサービスをそれなりの企業とタイアップして立ち上げるなどするべきだと思う。そうしないとせっかくのOLPCハードやSugar UIがもったいない。
とにかく有料でもいいからXOラップトップを売り始めることじゃないだろうか?
アップルがiPhoneを発売してからわずか3ヶ月なのにオンラインのiPhone用サービスは日進月歩で増え続けている。ハードのユーザが増えればソフトを開発する層も広がっていくのだ。
Asus Eeeが注目されるのはその価格と「汎用」ということだ。途上国の現状は「コンピュータを子供『専用』にするほど余裕がない」というのが本音だろう。大人が欲しがっているのだ。それを「大人のエゴだ」と感じるのは「先進国のエゴ」というものである。例えば大学生など、論文を書いたりするのにラップトップをのどから手が出るほど欲しいけど高くて買えない学生がほとんどなのだ。そういう学生あるいは地方の役所や企業など「汎用ラップトップ」のニーズはめちゃめちゃ高い。
しかし、Asus Eeeの「未来」はあまりない気がする。それは基本的にEeeが「次のステップに達するための踏み台」にすぎないからである。XPやLinuxなどの汎用OSを走らせるにはハードが貧弱すぎる。すぐに「使い物にならない」ということで、別のよりハイスペックなPCに移行する必要が生じるからだ。そして、中進国などからは徐々にモバイルデバイスに取って代わられる。つまり、iPhoneやSymbian OSを積んだケータイなどである。
それに比べればOLPCの未来は明るいと言えるだろう。しかし、もうじらすのはいい加減にして先進国でもiPhoneくらいの値段で売り出す方がいいと思う。

MacOS X Leopard


ついに、Leopardの発売日が決まった。10月26日だそうだ。最近アップル関連のニュースがとても多く、ほとんど書ききれないほどなのだが、一般情報は他のサイトやブログにおまかせして、私なりの感想などを書いていこうと思う。
Leopardが発売されるということは、単にMacの問題ではなくPodやiPhoneももちろん影響を受けてくる。特に最新のiPod TouchやiPhoneに搭載されているOS XはLeopardだと言われているだけに、深い関わりがあると言えるだろう。楽観的なことを言えばLeopardが出たらこれらのデバイスにサードパーティアプリをインストールできるようになるんじゃないかとか、Leopard用のウィジェットとかがiPhone/Touchで使えるようになるんじゃないかとか楽しげな未来が見える気がするのだ。
しかし、どうなのだろう?TigerはPantherより軽くなっていたがLeopardはなんか重そうな気がする。
CYVOGUEのOSアップデートは年末あたりにしようと思っている。自分でしばらく使ってみてからにしようということだ。

2007年10月7日日曜日

iPhone/iPod TouchのOSは?

iPhoneのアップデート1.1.1をインストールするとSIMブロックをはずしたiPhoneが動かなくなったり後で足したアプリケーションが使えなくなる問題が出ていて問題になっている。
iPhoneが出たとき、アップルは「OS Xが搭載されている」と謳っていた。しかし基本的に同じものであってもiPod TouchはOS Xとは言ってないし、『Mac OS』とも言っていない。多分、iPhone/Touch用のカスタムOSなのだろうが、これはもちろんMac OS Xのコア部分をつかっているからOS Xなのだろう。ここで問題なのが「どのMac OS Xなの?」ということだ。
maclalalaさんの記事によると、やはりこれはLeopardなのではないか?ということ。私もそう思う。iPhoneのUIはTigerのものとは明らかに違う。そしてLeopardはTigerとは全く違う描画エンジンを搭載するとされている。
Leopardの発表・出荷の遅れとiPhoneのアップデート問題の間には関連性があるのだろうか?

2007年9月24日月曜日

OLPCの新しいマーケティング


面白い試みです。OLPCラップトップ(XOラップトップ)がまもなくアメリカで発売になり、クリスマスに向けて「1つ買うと、1つ寄付」というキャンペーンをうつようです。
売価は400ドル。ちょっと高い気がするのですが・・・
REDのように売価の何%が寄付されるというスタイルの方がマスには受け入れられやすい気がするのです。
でもチャリティが一般的な米国でのこと。成功するのかもしれません。
11月に応募をしてクリスマスに間に合う形で出荷されるということです。

REDがユニセフの募金のようなものなら、このキャンペーンはフォスターチャイルドのようなものだと思うのですがだったらそれなりのNGOとタイアップしてやる。つまり、あとで「この子にあなたの寄付したXOはあげました。」とフォローして、その子から寄付主にメールが届くとか、そういう仕掛けがあれば成功する気がする。

そういうことを見てもネグロポンテ氏とそのスタッフは人をネットワークすることがあまり得意ではない気がします。

2007年9月23日日曜日

パリでMacを買うには?


パリはアメリカやロンドン、日本と違いApple Storeがありません。Apple Expoがほぼ毎年パリで開催されることを思うと不思議な気がするのですが、確かに大昔System7くらいの頃に比べたらフランスでのMacのシェアはガタ落ちになったのかもしれません。
ということで、今までパリでMacを扱っている店(通販ではなく)はポンピドーセンターの裏にあるIC Computerと市役所のBHVの中のMacショップ、それにオペラの裏手にあるMacwayくらいしかありませんでした。
しかし去る6月末にFnacのストアinストアのかたちで大きなアップルショップができたようです。
場所は左岸のカルチエラタンのサンジェルマン大通りのFnacです。まだ行ってないので一体どれほどアップルストアらしさがあるのかは不明ですが、実機がほとんどないMacwayや実機はあっても店員が全然フレンドリーでないBHVやIC Computerよりは期待できそうです。9to5Mac.comのレポートはこちら

2007年9月21日金曜日

OS戦争は携帯デバイスが舞台に

iPhoneの登場でOSのマーケットシェア戦争は携帯デバイスに舞台を移したようです。iPhoneに先行してLinuxを搭載した携帯デバイスも登場しています。さらに先行しているのはWindowsを搭載するスマートフォン。しかし、携帯デバイスの世界はPCより入り組んでいて、スマートフォンはSymbian OSというオープンソースのOSがかなりのシェアを持っています。日本のFOMA携帯はこのSymbianを搭載しているのが多いし、NOKIAやSONY-EricssonのスマートフォンもSymbianを搭載しています。
最近の噂でSONY-EricssonがWINベースに移行すると言われていますがこれはやはりiPhoneの影響なのでしょうか?それにしても、イージーな解決法って気がするのですがRollyといい、最近のSONYはおかしなことをするものです。私も携帯はSONY-Ericssonをここ5年ほど使っていますが、iPhoneが使えるようになったら乗り換えようと思っています。もしかしたら、同じような人が他にもいて、iPhoneがSONY-Ericssonのシェアを食っているのかもしれませんね。でもWinベースにしたらさらにユーザ離れが加速しそうな気がするのですが。
NOKIA携帯のWebブラウザはAppleのWebキットというAPIを使って作られているそうです。すでに水面下では携帯デバイスにおけるOSのシェア奪い合いがかなり前から始まっていたのでしょう。
アフリカではキャリアのサービスが限定されていてほとんどがプリペイド携帯ということもあり、通話以外のサービスとしてはSMSくらいしかありません。セネガルではMMSが最近開始されて、画像などを送ることが出来るようになりましたが、実際にはあまり使われていないと思います。こういう状態ではスマートフォンなんかは無用の長物なんですが。(笑)

2007年9月20日木曜日

OLPCは成功するのか?


最近、OLPCやネグロポンテ氏の話を聞きません。聞くのはOLPCの更なる値上げの話だけです。ついに188ドルに達したということでもしかしたら100ドルPCは200ドルに達してしまうのかもしれません。その間に台湾のメーカーがWinXPかLINUXを載せた小型のラップトップを200ドル以下で出すと発表したり、LINUXのサーバ+シンクライアントで構成される教育用のソリューションが発表されたりと、「低価格」「教育用」のPC市場はある意味で活気づいているようにも感じます。
OLPCは私のような素人が見てもまだまだ未完成な気がします。むしろOLPCの開発チームはOLPCハードとSugarUIにものすごい労力をかけていますがそれをトータルなソリューションにまで完成できてないのではないかと思います。もちろん、OLPCがなければ例の台湾メーカーも低価格ラップトップを出したかどうかわかりません。しかし、OLPCは汎用PCではないのです。マシン構成も特殊なら、ソフトの面でも特殊です。だからこそ、サーバおよびネットワークのトータルなソリューションとしてプレゼンテーションしていかなければならないはずですがそこが見えてこない。もしかしたら、このあたりはアップルやMSとさえ組んだ方がよかったのではないかと思われるほどです。
CYVOGUEにも時々子供達が来ます。子供は柔軟で操作を教えるとすぐ憶えてしまいます。さっさとネット上のゲームサイトに行って1人で遊んでいます。一番手のかかるのはいわゆる「ビジネス」ユーザで、彼らはワープロに画像が貼れないとかそういう下らない壁にすぐブチあたってしかも自分で解決できません。これは「しくみ」を理解してないからなのですが、子供の方がこういうしくみを理解するのは速いようです。
これを考えるとOLPCの成功のカギを握るのはやはりネットワークなのだと思います。学校レベルでのサーバソリューション(現存するようですがLinuxベースという以外あまりわかりません。)そしてそれらのネットワークがインターネットレベルでネットワークするそういうグローバルサービス(SNSみたいなもの?)が必須だと思うのですが、これはMITが考えているのかどうかもわかりません。

2007年9月18日火曜日

ベナンGSM -正常化


8月24日に「行き止まり」と書いたベナンGSM騒動ですが、先週Telecelが、そして去る土曜日にAreebaが復旧しベナンの通信事情は7月はじめの状態に戻りました。
決着としては企業側が国側の要求をすべて呑んだ形でついています。もちろん、これらの企業は正常に営業していれば数年後には必ず投資分を取り戻すことが出来るわけだし、マーケットや今までの投資を丸ごと失うよりは賢いという判断だと思います。
通話は復旧していますがSMSは届かないなど、まだ100%元通りというわけではありません。一度止めてしまったものを元通りにするのはそれほど容易なものではないのです。

結局サービス停止2ヶ月を行う、その損失の合計を考えると結局誰にとっても得でなかった今回の騒動、やはりアフリカでのビジネスの困難さだけが強調されてしまったような気がします。どう考え、また政府が今後やっきになってプロモーションを行ったとしても投資控えが起こるのはもう避けられない事態だと思います。数年単位で停滞することになると予想します。

2007年9月16日日曜日

iPod Touchの示唆するもの

iPod Touchはジワジワ来る。iPhoneは実際見て「欲しい」と思うよりもその美しさにむしろ感動した。しかしiPod Touchは素直に欲しいと思うようになった。もし、米国在住でキャリアの問題がないのなら、iPhoneを買うだろう。でも使えないのなら持っていても仕方がない。Appleの機械はそういうものである。

前の記事でiPod Touchは外面ほどにiPhoneに似ていないのではないかと書いたがこれは杞憂だったようでそれも嬉しい驚きである。iPod Touchのハードは実にiPhoneであるらしい。そしてソフトもほとんど変わらないようである。もちろん、電話機能という大きな違いやBluetoothが搭載されていない、そして液晶も微妙に違うらしいというマイナーな差がある。しかし一番大きな共通点、それはUI(ユーザインターフェイス)である。iPodのヒットはもちろん宣伝戦略の成功や製品そのもののハードとしての格好よさもあるが、なんと言ってもすごかったのはあのホイールで操作するユーザインターフェイスのおかげだと思う。初期型iPodのあのホイールとそれを囲む4つのボタンをXで区切ったデザインは今見ても斬新だし、それから何回かの変遷を得てたどりついたクリックホイールの操作性はまさしく秀逸。言ってみればiPodの心臓はこのクリックホイールによるUIなのである。iPod Touchはそれをあっさりと捨ててしまった。これはAppleがOS9をさっと捨ててOS Xに移行した時のことを思い出させる。つまりiPod TouchのUIはAppleがそれだけ自信を持っているものなのである。

そしてそのUIはもちろんiPhoneのUIである。iPhoneが戦略的なのはiPhoneがAppleの出したSmart Phoneだからではない。iPhoneはSmart Phoneではなく、あくまでもiPhoneなのである。ハードのデザイン、ソフトのデザインの統合としてのiPhoneは携帯電話ではなく、Appleの「コミュニケータ」としてのカタチなのだと思う。そしてiPod TouchはそのUIの流れを汲む新しいiPodのカタチなのだと思う。

2007年9月13日木曜日

マーケットシェア神話の崩壊


マーケットシェア神話とは、マーケットをある決まったサイズのケーキに見立て、それを中心から切り分けるような形にモデル化することによって産まれたものである。いかにその取り分を多くするか、そのパーセンテージがすべてとなる。しかし、このタイプのビジネスモデルは言ってみれば最初から自分たちの限界を自分で決めてしまうという欠点。そして資本主義社会の根本的規則である「独占禁止法」と対決する運命にあるという欠点を持っている。しかも、その発展がある程度で頭打ちになり、その後は衰退するしかないという運命すら決まっているのだ。マーケットシェア神話は例えば昔はVHS対Betaの構図で見られた。そして、VHSはマーケットシェアで世界を制し、Betaは消えていったがさらにその数年後、VHSもその地位を別メディアに奪われ、消えていく運命にあった。
今このVHSにあたるのがWindowsである。MSはVHSを牽引した松下よりもはるかに大きくマーケットシェアに依存している。MSのビジネスモデルはマーケットシェアが下がれば崩壊してしまうのだ。そして、現在のMSのOSにおけるシェアはすでに独占禁止法に抵触するほどで飽和状態。つまり成長は見込めない。
それと全く反対のビジネスモデルを持つのがアップルだ。Macのシェアは6%前後で特に伸びもしないが極端に下がりもしない。今、Macのマーケットシェアが下がるのを恐れているのはアップルではなくMSの方だろう。そうなればLinuxを応援でもしないかぎり、独占禁止法につきまとわれることになる。しかし、アップルの製品開発力とマーケットの牽引力はMSなどよりはるかに上を行く。コンピュータのハードおよびソフトだけでなく、ネットワーク機器、携帯音楽プレーヤ、そして携帯電話。それをとりまくコンテンツ配信事業。アップルは言ってみれば新しいケーキをいくつも作り出していくことで独占禁止法やマーケットシェアの欠点にとらわれないビジネスモデルを作り出した。そしてもちろんそれを支えているのが「ブランド力」であるのは言うまでもない。MSはただ市場そのものが拡大するのを見ながらそのマーケットシェアを取ることしかしてない。新しいケーキを作り出してはいない。X-Boxだって言ってみれば既存のPSなどによって作られたマーケットを食っただけである。
さて、ヨーロッパではアップルは音楽配信においてマーケットシェアを食い過ぎてしまい、独占禁止法に抵触しているとされてしまったがこれに対するアップルの対応もユニークだ。DRMというものを持ち出してレコード会社つまり著作権というものをドンとまな板の上に出してみせたのである。MSやSONYなら絶対にやらない。MSやSONYはマーケットシェアの原理から出ていないので、これらの著作権そのものも自社で買ってしまう方向に出るだろう。またしても既存のケーキ・・・というわけである。
アップルはまたもや新しいケーキを作ろうとしている。マーケットそのものを作ろうとしているわけである。

2007年9月11日火曜日

もうWinはいらない


Firefox上でWindowsのデスクトップ環境を作るajaxWindowsが登場した。これによってMacやLinuxでもまったくWindowsをインストールすることなくWindows環境を再現できるようになった。もはやBootcampなどでダブルブートする必要もバーチャルマシンさえ不要になったのだ。もちろん、ajaxWinはまだ開発途上のものであり、Winデスクトップを完全に再現できているわけではないと思う。しかし、日頃Mac OSやLinuxのユーザにとってWinが必要になるのは「互換性」の点だけであって、アプリケーションレベルではほとんど互換性があるため、厳密に言えばajaxWinはそれほど必要なものではない。
しかしWin信者というのは多くて、何が何でもWin環境じゃないとイヤ!という人に見せるためのものとしてajaxWinは説得力を持っていると思う。
登録して使ってみようと思う。

ajaxWindows

2007年9月7日金曜日

iPod Touchの示唆するもの


iPodのラインアップが一新された。Shuffleは仕様に変化はないがカラーリングを変え、Nanoはビデオ機能を搭載、そしてiPod Classicは80G&160Gと大容量ポケットサーバとなり、iPhoneと共通するインターフェイスを持つiPod Touchが新たにラインに加わった。

注目すべきはやはりiPod Touchであろう。機能的に見ればiPhoneから電話機能を外したもの、となるのだがiPod側から見ると、従来のものとは比べ物にならないほどの進化を遂げていると言えるだろう。その中でも注目なのはWiFi機能。そしてSafariのフルブラウザを搭載しているところだろう。WiFi機能のついたミュージックプレイヤは今までにもあった。他ならぬMSのZuneがそうだ。でもZuneのWiFi機能はほとんど実用にはならず、ただ「ついている」にすぎない。iPodはWiFiがないからZuneに劣ると言われてきたわけだがTouchはそれに対する回答だろう。WiFiを搭載するにはここまでやってはじめて実用になるのだという。Touchは普通のプロトコルでWiFi接続するので家のWiFiにもつなぐことが出来るようだ。Bonjourに対応しているのかはわからないが、AppleはWiFi専用のiTunes Storeも立ち上げて、Touchから直接アクセスを可能としている。そしてTouchからMacへの楽曲の転送も可能とした。
こういったサービス展開やユーザビリティの向上があってはじめて、このタイプのデバイスにWiFiを搭載する価値が出る、というわけである。

しかし、Touchを使ったらきっとiPhoneが欲しくなる・・・のだと思う。
iPhoneとTouchの中身は外見ほどには似ていないのではないか?iPhoneはOSXが動いていると明言していたAppleだが、TouchはOSXだと言っていない。あるいはサードパーティのアプリケーションが動くとも言っていない。そういう意味ではTouchはiPhoneの縮小版なのでなくやはりiPodの流れを汲むデバイスなのだろう。でも表面的には酷似しているのでiPhoneの価格設定の見直しも行ったのだという気がする。

突飛な話かもしれないが、Touchを見てOLPCを何となくイメージしてしまった。OLPCは特殊なWiFi機能を備えている。それはOLPCそのものがWiFiのホットスポットとなり自動的にWiFiメッシュを生成するという機能。TouchのWiFiとBonjourが使えるのならこれと似たものが出来るのかもしれない。つまりTouchは新しいコミュニケーションの形を生み出す可能性を秘めていると思う。

2007年8月26日日曜日

Open Source vs. MS


MSはLinuxが気になって気になって仕方ないらしい。
当然と言えば当然なのだが、最近のLinuxディストリビューションの発達は高速で、一部のディストリビューションでは「アクチベーション」などという面倒な手続きが不要なためにWindowsよりもインストールが簡単になっているものもある。
しかもWinでは基本的に別売りになっているオフィススイートや数々のソフトウェアまで含めた形でディストリビューションされているしAdobeやGoogleといったソフトハウス大手、あるいはネットサービス大手もLinux対応を果たしている。
今までWindowsの敵はMacだけだったものがここにきてLinuxの猛攻にさらされているのである。
しかもAppleは基本的にハードウェアとソフトウエアをセットで出してくる企業なので、MSとはアプローチが違うが、LinuxはまさにMSのドンピシャリな競争相手なのだ。
OSそしてオフィススイート+基本的ソフトウエアのセットというものの性格を考えるとLinuxとWinを比較すれば論理的にWinに勝ち目はない。だからこそWinやOfficeはハードにバンドルされ、消費者がその価格を感じることはあまりないのだ。もちろん法人顧客をはじめとするMSの大口顧客はそう簡単にはMS離れを起こすとは思わないが、今までと同じような利益マージンの設定をすることは難しくなるだろうし、ライセンスを守る方にも投資をしなければならない分、利益は割り算的に減っていく。
つまりMS商法の根幹が崩れるのはもう目前のことなのだ。しかし、このドラスティックなパラダイムシフトにMSは生き残る道を見いだせないでいるようだ。X-Boxは以前よりはうまくいっているようだが、しょせんマーケット規模ではWinの比ではない。
となるとWinの環境を死守せよということになる。特にサーバのマーケットを奪おうということなのだ。
MSはこのパラダイムシフトは認識しているようでゲイツ氏が経営の第一線から退いたのもこのためだろう。
一方AppleはiPodやiPhoneといったデバイスを開発してそれを中心とした新しいビジネスを展開し、収益を上げているし、Macは非常に忠実で根強い固定ユーザ層に支えられている。単独で「蚊帳の外」に飛び出してしまっている。
ということで、MSが本格的なLinuxつぶしに乗り出したようだ。つまりLinuxに含まれるソースコードにMSの特許を侵害していると非難しはじめ、「我々と協力しないなら訴訟を起こす」と脅したのである。Ubuntuの創設者シャトルワース氏はこれを「ゆすり行為」であると非難している。というのはMSはその「侵害している」とされているコードがどこなのか開示しないからだ。しかしLinuxのディストリビュータの1つ、Novell社はMSの軍門に下った。(Novell社のディストリビューションはSuze Linux)しかし、Novell社のあとに続いたものは実質おらず、MSのオープンソースコミュニティを分断しようとしたもくろみは失敗に終わっている。
PCのハードウエア製造販売各社がWinのバンドルをやめない限り、Linuxが爆発的にWinのシェアを奪うことはないだろうが、Linuxは徐々に浸透するだろうと思う。MSがどんな策をろうしてもこのLinuxの侵攻を食い止めることはできないと思う。

2007年8月24日金曜日

ベナンGSM -行き止まり


この話を書くのは5回目になります。
ここに来て、Telecel/Areeba側からはようやくまともな動きが出てきました。しかし政府は一切の交渉を拒否している状態。月曜日にTelecel/Areebaの弁護士が記者会見を開いて、企業側のポジションを明らかにしました。そして、新聞も社説で「Telecel/Areeba側の主張は正しい」と論じています。その内容というのは、Telecelに関しては10年という期間を定めたライセンスを2004年8月に政府から取得しており、この際に5億CFAというライセンス料は契約期間中変更されないと明記されている、ということです。
つまり、2014年までTelecelのライセンスは有効なわけです。
政府の言い分というのはTelecelは商標をMoovに勝手に変更したから、というものなのですが、商標変更に関するルールは契約内容に含まれてはいない(届出制)ので、ライセンス取り上げというのはあまりな処置です。
なお、この会見を受けての政府の対応ですがどうやらTelecelとAreebaの通信施設を「押収する」方向に動きつつあるようです。

最悪、最低のシナリオです。

書面にした契約を言いがかりをつけてホゴにして、何年もかけて築き上げてきた施設は取り上げられる・・・
こんなことが民主的と言えるでしょうか?

内戦状態に入り、まだそれが続いているコートジボワールでさえ、このような政治権力の横暴は起こりませんでした。
ベナンは経済的に軍事政権に入ったと言えるのかもしれません。

もう何回も言いましたが、このGSM問題に対する政府の対応によってベナンの経済発展は10年、あるいはそれ以上に遅れていくでしょう。あるいはナイジェリア経済圏に完全に飲み込まれてしまうか・・・
とにかく、アフリカに投資することの危険性をお手本通りに示してくれたということです。だから、アフリカに投資する場合、何本も予防線を張り巡らせる必要があり、しかも、今回のような事態に陥った時に最低限のものを確保する用意を常にしておく必要があるのです。それにしても、一番の犠牲者は国民でしょう。CEDEAOの中で自由に往来できるのですから、ベナンは住民自体が減っていくかもしれません。

2007年8月22日水曜日

開店1周年

CYVOGUEを開店して1年が過ぎました。

長かったような短かったような複雑な気分です。何のノウハウもないまま、手探りではじめた昨年のことを思い出すと今は落ち着いているという感想はあります。客層、運営方法、やるべきこととやってはいけないことの見極め等、現在進行形の課題はあるものの、ほぼ狙っていたものに落ち着いたという感じがします。6月の日記でも書きましたが、CYVOGUEの基本コンセプトは「ワンコインでできる贅沢」そして「ダカールにおけるネットカフェの標準を底上げする」ことです。これは今ダカールのネットカフェではほとんどが海賊版ソフト(というかいわゆる「割れ」)で運営されていますが、それを正常化するということもあります。CYVOGUEで使っているソフトウエアはすべて正規ライセンスとオープンソースのフリーなソフトウェアです。多少高くても快適な環境で、海賊版ではなくオープンソースでというコンセプトは受け入れられたと思います。しかし、問題点もたくさんあります。まず、正規ライセンス品は高すぎるという厳然たる事実があります。CYVOGUEでは営業での損失は微々たるものですが、投資を回収できるにはほど遠い状態です。そしてダカールでのMacの値段は最も高いヨーロッパでの価格のさらに1.5倍と高すぎます。最初は1年ごとの機材更新を予定していましたが、到底無理で2年にせざるを得ません。やはりMacベースでのネットカフェの運用はビジネスベースでは難しいと結論付けざるを得ません。何かもっと収益率の高い事業を併設することが必要だと思います。
それはそれとしてネットカフェとしてはやはり機材コストを下げることが必須となるでしょう。そのラインで検討しているのが新しいLinuxデスクトップなわけです。CYNUXデスクトップの本体はグラフィックカードやらWiFiカードを足して1万8000円くらいです。CYVOGUEのMini Macはだいたい14万円くらいですから、かなり安いのですが(というより激安)手がかかるのと、やはり環境としてMacOSほどの快適さがないということ、そして古い機械なので電力消費がバカにならないというのもあります。しかしながら、昨今の電力供給事情では到底営業赤字しか出ないのが明白なので、プロジェクトは一応ストップしました。現在CYVOGUEの中にCYNUXデスクトップを置く実験をしています。
目下のプロジェクトはCYVOGUEのソーラー化と併設事業の検討です。

2007年8月17日金曜日

OLPCについて


私がLinuxがアフリカに定着するだろうと考えるもう1つの理由がこのOLPCプロジェクトです。One Laptop Per Childつまり「すべての子供にラップトップを」と名付けられたこのプロジェクトはMITによって提唱されたいわゆる100ドルPCと呼ばれるプロジェクトです。
仕組みとしては選ばれた途上国の政府がが100万台単位で発注し、それをできるだけ低い価格で提供するというモノでMITがハードウエアとソフトウエアの開発をしています。OLPCのハードウエアは一般PCとはいろんな意味で違っています。まずサイズですが子供用にかなり小さなものになっています。次に白黒とカラーのデュアルモードスクリーンを備えています。また、ノンスピンドルで記憶媒体は1Gのフラッシュメモリです。そしてハンドルをまわしたりヒモを引っ張ることによってバッテリを充電できるようになっています。あと特記すべきところは、WiFiのクライアントなのですが、アクセスポイントとしても機能し、OLPC-OLPCというワイヤレスネットワークを自動生成し、アクセスポイントからかなり離れていてもつながるように工夫されています。
ソフトウエアの方ですが、OSはFedora Coreをコアとして、独自に開発されたSugar UI(インターフェイス)を持っています。ブラウザは機能限定されたFireFoxでワープロはこれまた機能限定版のAbiwordそして独自のチャットプログラムおよび教育用プログラムがインストールされます。全部で約350MBほどのサイズです。Sugarは私も使ってみました。(OLPCのサイトからライブCDがダウンロードできます)かなり使い方は独特です。普通のPCに慣れていると戸惑います。でも「楽しい」インターフェイスになっていることは確かです。FireFoxはなんとURLフィールドがありません。スタートページがGoogleにプリセットされていてそこから検索をすることでスタートします。これもかなり独特な考えですね。
OLPC/Sugar UIは多分小学生までを想定して作られている気がします。中学生以上だとかえって使いにくいでしょう。むしろEdubuntuの方が向いていると思います。
面白いのはOLPCがネットワーク、特にインターネット接続を前提に作られているということです。これはLinuxの最初でも書きましたがLinuxそのものがそのように作られているのです。だからインターネットインフラの脆弱なところではOLPC導入は難しいでしょう。またOLPCは学校に置くサーバも開発しているのですが、このサーバについてはあまりまだ明らかになってきていない。しかし1GBしかストレージがないことを考えるとサーバとの連携が非常に重要になってくるわけで、サーバをどれだけメインテナンスが容易で教育に特化したものに仕上げるか、というところがOLPCの成功のカギを握っている気もするのです。

話は飛んでしまいますが、このプロジェクトを率いているネグロポンテ氏はかなり特長のある人みたいです。MSやアップルがOSを提供しようとしたそうですが両方断っています。つまりSugar UIはWindowsやMac OSとはまったく異なる考えの基に作られているということです。その割には教育系のソフトが少ないようにも思うのですがWebベースのもの(JavaとかAjaxとか)で供給していくのでしょう。

ちなみにアフリカではナイジェリアとルワンダが第一フェーズの対象国に選ばれています。

2007年8月15日水曜日

ベナンGSM問題4-脆弱な社会基盤


はっきり言ってこの問題の4回目を書くことになるとは考えていませんでした。
8/14日現在、状況は全く改善していません。そして、大統領はキューバに出かけてしまったそうです・・・


どうもベナン政府はこの問題を重く捉えてない気がします。しかし、実はこの一件はこの国の未来に深刻な暗雲を投げかけることになると思います。昨日、アフリカにおけるITのキーを握るだろうと書いたけど、その地政学的意味は変わらないものの、今回の問題で数年は遅れを取ったか、もう二度と浮上できないかもしれない。

なぜなら、社会基盤が脆弱なのはアフリカには共通した現象だし、特に差別化を図る点にはならないけれど、社会を支える政治基盤がダメとなれば民間の資本は流れてこない。大統領をはじめ、ベナン政府がこのGSM問題を軽く見すぎていることそのものが「政治基盤の脆弱さ」と受け取られるのを気づいていないのが問題なのです。民主主義は民衆あってのもの。民衆の利益を守ってこそ共和国政府であり共和国の大統領であると言えるのです。しかし、ベナン政府は民衆を犠牲にして政府の意地と「手数料」にこだわったのです。これは間違った選択でした。実際同じ問題をセネガル政府とSonatelも抱えているのですが、ここではサービス停止はだれの口からも出ていません。
次に、サービス停止を技術的にもベナン政府は甘く見すぎています。このサービス停止によって減収になるのはキャリアだけではなくベナン政府そのものも大きな損害を被ることになります。そういった直接的被害の他に社会全体にほとんど計算不能なほどの経済的損害を与えてしまっています。そして1日1日と解決を長引かせ、サービス停止期間が増えるに従って損害は天文学的数字にのぼるでしょう。
実際、1ヶ月のサービス停止でほとんどベナンという国が他国や世銀に借りている額くらいの損失は出ているはずです。また、純粋に技術的な面においても、たとえサービスが再開されてもしばらくは不具合が予想されます。
また大統領は「AreebaやTelecelがダメなら他のキャリアはいくらでもあるんだ」と言いたいようで、実際ナイジェリアのキャリアが新規参入するそうですが、サービス開始には2ヶ月もかかるのです。その間にベナンが出血多量で死なないといいのですが。
政府に全く危機感はないようですが、これは下手すると政権の命取りになる可能性すらあると思います。

セネガルでも同じことが言えますが大統領の力が強すぎてお山の大将になってしまっている場合、よい側近にめぐまれないものなのかもしれません。

2007年8月14日火曜日

アフリカでのITの発達に関する考察


個人的なことになってしまいますが、私がアフリカの土をはじめて踏んだのは1988年でした。場所はここ、ダカールです。
その頃はセネガルではまだカラーテレビが珍しかったのです。地方に行くと夕方6時頃からはじまるテレビ放送を、小さな白黒テレビを庭に出してご近所が集まって見ていたものです。
それから時は流れ、1995年に私はフランスで大学に通っていました。そしてそのころフランスでもサービスが始まったばかりのインターネットに出会ったのです。で、その時確信したのです。

インターネットがアフリカを変える!

それからは、一体ITやインターネットがどのようにアフリカを変えていく可能性があるのかいろいろ考えました。まだ、その頃はインターネットすら日本では一般に知られていませんでした。パソコン通信は一部のコンピュータ好きの間でしか使われてなかったのです。情報技術といえばそれはスタンドアローンのコンピュータ上で動作するビジネスアプリケーションかゲームのことだったのです。しかし、私はネットワークが、そしてインターネットが重要だと認識していました。インターネットのインフラは海底ケーブルを中心に急速に充実しつつあったのです。特にここダカールはSATと呼ばれるアフリカ周回ケーブル、およびAtlantisと呼ばれるヨーロッパから南アメリカに向かうケーブルの中継地になっています。ダカールはアフリカのITにおいて非常に重要な地政学的位置だと考えていました。
現在、セネガルはサハラ以南のアフリカで南アフリカに次いでインターネットが発達・普及した国になりました。
ちなみにダカールには日本の協力で作られた職業訓練校CFPTがあり、1999年からは短大相当のコースで情報技術を教え、その卒業生はセネガルのみならず、周辺国でも活躍しています。
セネガルではもうITの産業化が軌道に乗り、民間ベースのイニシアチブがさらなるITの発展を牽引していくでしょう。
さて、かく言う私が今注目しているのはベナンです。これはなにも私が個人的にベナンに思い入れがあるからというよりも、セネガルと同じくベナンはIT地政学的に重要な位置にあるのです。ベナンは内陸にニジェール、ブルキナファソを持っていますし、隣のトーゴは最近改善したとはいえ長い間政治的トラブルを抱えていたため、問題が残っています。そしてSAT3があります。
もちろん隣にナイジェリアがありますが、ナイジェリアはもうすでに商業ベースに乗っています。
GSM問題で、影が薄いのですがベナンはようやくSAT3を本格的に活用することを決めたようです。すでにUNDPの協力によってコトヌ=ニアメ間の光ケーブルは運用を開始しています。ベナンは小国だからこそ、ITなどの技術系を発達させて周辺国との差別化を図るのがこれから先、生き抜いていくために必要となるのです。

2007年8月13日月曜日

Dockを求めて-Linuxの壁3


3Dデスクトップの導入によりデスクトップ全体の環境は満足のいくものとなりましたが、MacユーザとしてはやはりDockのようなランチャーが欲しいものです。Ubuntu(というか正確に言うとGnome)では右上のアップルメニューにあたるところにUbuntuのロゴとApplicationというメニューがあってプルダウンでアプリケーションを開くことが出来ます。しかもカテゴリーに分けられていて使いやすい。
しかし、ネットカフェのようなところで使うにはもっとわかりやすくなければならないものです。一瞬でアプリケーションを見つけられるDockは重宝します。またこれは客にあんまりいじられたくないアプリケーション(システム関連のユーティリティとか)を隠してしまうという役目もあります。

Ubuntuのフォーラムなどを検索するといくつか出てきます。まず、Gnome Panelを使う方法。Gnome PanelとはMacでいうメニューバーを画面の上下左右の端に作ることが出来ます。このパネルは幅も長さも伸縮自在でセパレータを置いたりゴミ箱を置くことも出来るし、透明度も自由自在です。しかしバウンスのアニメーションとかはなく、動作状態についてはわかりにくい。
次にG-Deskletsを使う方法。これはMacでいうDashboardでいろんなWidgetをデスクトップに追加できます。Macと違うのはG-Deskletsはデスクトップに常駐します。このなかにアプリケーションランチャーがあり、これはDockに似せて作ってあります。しかしデザインがいまいちでデフォルトだとドックのまわりに太い黒い線が出るので、これはリソースをいじってやらないとなくなりません。
次にAvant Window Navigatorと使う方法。これはビジュアル的には素晴らしいのですが、正確にはアプリケーションランチャーではなく、動作しているアプリケーションしか表示されないのです。
最後にKiba Dockがあります。これはほぼMacのDockと同じですが、完成版と開発中バージョンがあって、完成版の方は安定しているのですが機能が非常に限定されていて、これなら普通にGnome Panelを使った方がいいし、開発中バージョンの方は機能とかビジュアルとかは素晴らしいのですが非常に不安定で実用的ではないのです。

Macではなんの気なしに使っているDock。これをLinuxでやろうとするとこんなにも難しい・・・
ということで、一応Gnome Panelを使ったバージョンと、G-Deskletsを使ったバージョンを作ってテストしています。
(写真はGnome Panelを使ったバージョン)

なお、Ubuntuのウインドウデコレータは非常に柔軟で、デフォルトでもたくさんのデザインから選ぶことが出来る上にGnome Look Orgなどで気に入ったデコレータをダウンロードして使うことも出来ます。FireFoxもプラグインでデコレーションできるのでカスタマイズしたデスクトップ環境を構築できます。

2007年8月11日土曜日

もうMS OFFICEはいらない


8月8日にiMac登場のニュースを書きましたが、「中途半端」というのは間違いではないと思うのですがどうやらもっとじわじわとすごさが伝わってくる、そういうアップデートだったようです。
iMacの方も実際にいろんな人がハンドリングしたレポートを見ていると派手さはないが内容的に非常に充実したモデルチェンジだということがわかってきました。Mac OSなんかはよく言われてきたことですがメジャーアップデートの直前くらいになると「枯れた」味になって非常に使いやすいもの、完成度の高いものになるのです。Tigerと新iMacの組み合わせもそれのような気がします。

それに、iMacやiLife08のことは記事にもなっているのですが、記事にならなかった部分でものすごいことが起きていました。

それはiWork08です。

なんと以前から噂されていたスプレッドシートがNumbersというアプリケーションとしてスイートに加わっていたのです。こうしてiWorkはほぼMS OFFICEと同等のオフィススイートになり、AppleWorksはよみがえったのです。もちろん、iWorkとAppleWorksは作りそのものが違いますし、機能においてもiWorkにはデータベースがありません。しかしAppleWorksで不満だった互換性の問題をiWorkの方はクリアしています。
そして、完全にAppleらしいインターフェイスに作り替えられて、オフィススイートよりはiPhotoやiTunesと似たユーザインターフェイスになっているようです。

私は昔から(Clarisの時から)AppleWorksを愛用してきました。軽く、コンパクトでまるで紙の上に並べるように自由にレイアウトできるAppleWorksは同じ書類を作ってもMS OFFICEで作る時の半分の時間で仕上げられます。(「慣れ」の問題もあるのでしょうが。)他の人とデータをやりとりして共同作業を行うとき以外は、AppleWorlsでサラサラ作ってPDFにしてメールで送るのが一番簡単でした。唯一AppleWorksの不満な点はスプレッドシートだったのです。これははっきり言って「おまけ」機能でした。だからエクセルだけは手放せなかったのです。

しかし、もうこのNumbersがあればエクセルもいらないと断言できます。むしろ、Numbersはエクセルよりも柔軟だと言えるでしょう。しかも、わずか9800円!ファミリーパックだと5ライセンスで11,800円ということはライセンス単価はわずか2360円です。ちなみにMS OFFICE 2004はシングルライセンスで49,800円です。

旧iWorkはレイアウトソフトとしては優れていましたが、スプレッドシートがないために完全なオフィススイートにはなり得なかったのですが、iWork08はまさにMS OFFICEとNeo Office (Open Office) の間をつなぐものとしてとてもいい製品だと思います。

もちろん、時代がAjaxベースのWebアプリを指向していることをアップルは知っているはずですが、この価格設定と内容ならオフィススイートは必要ということなのでしょう。

滅びゆくDRM


Steve Jobsのあの美しいDRM書簡、そしてそれに呼応するようにEMIがDRMを廃したデジタル音楽を販売しはじめてからしばらくたちました。今度はUniversal(レーベルの中では最大手)がDRMなしの音楽をオンライン販売するそうです。ただしiTunes StoreではなくGoogle、Wal Mart、Rhapsodyなどなどです。
GIZMODOさんの分析によると、Universalが今回試したいのは非DRM音楽のインパクトではなく、iTunes Store以外のオンライン音楽ショップの実力だというのですが、それはかなり手厳しい分析だと思います・・・
しかしUniversalがテストと称しても非DRMに手を出すということは大きな流れとして業界が非DRMを考え始めたということで、評価できるのではないでしょうか。
そして世界はジョブスが描いてみせた美しい世界への歩みを一歩進めることになるのでしょう。
日本では某著作権団体がうるさすぎて多分無理でしょう。

さて、アフリカにも音楽はたくさんあり、ミュージシャンもいっぱいいて、音楽は1つの産業です。しかし、市場では非常に安い価格でCDが出回っています。もちろん、海賊版もありますが、正規版でも十分現地の人の手の届く価格で売られているのです。
日本だと正規版CDはアルバムで3000円前後ですが、こちらでは1500FCFA(約400円)が相場です。海外ミュージシャンの海賊版もだいたい同じ価格で売られています。正規版は高くて買えません。(最低賃金の1/4もする。)
現地のミュージシャンは適正な価格で正規版を販売できるのだから、インターナショナルミュージシャンを多数抱える巨大レーベルが同じことをできないわけはない。それを「してない」ことが問題なのです。

これはYouTubeなんかの新しいメディアにも言えることですが、今までは売り手が自分の都合の良いように売ってきていて、消費者はそれをただ受け入れるしかなかったわけです。でもこれからは作品をリリースする側が消費者のニーズに近づくという努力をしていかなければならないのではないでしょうか?
DRMをめぐる動きをみていると、そう思えます。既得利権にしがみついて本来あるべき理想的な作品流通の姿を見えなくなったらおしまいです。もっとBigger Pictureを見ることが重要なのだと思います。

2007年8月10日金曜日

ベナンGSM問題-見えない出口


8月1日のベナン独立記念日に大統領自身が早期解決を国民に対して約束したわけですが、あれから9日がたつにもかかわらず、状況はまったく変わっていません。むしろ悪化しています。
もちろん、政府とキャリアの間の交渉は続いており好ましい進展が見えると言えるものの、90万人の電話は切られたままですし、救いを求めて政府系のLibercomのSIMカードを買った人も、Libercomはキャパシティオーバーのためついにダウンしてしまいました。そして、もう1つのBB Comももともとキャパシティが低いので通話不能状態が多く、ベナン全国の携帯電話網が麻痺しているという状態です。
最近ではジャーナリストもようやくこれでは国民が迷惑を被っている、損失を余儀なくされていることに気づき、それを書き立てていますがなぜもっと早くそのことに気づかなかったのか疑問です。
また通信省は技術的にこのような事態に陥ることを予想してしかるべきだったのに、警告すら出さなかったのは全くもってプロフェッショナリズムの欠如と言わざるを得ません。
90万人の電話が不通になるということはすなわち毎日ベナンの社会全体でものすごい経済損失が生じていることを意味します。それは単なる電話会社の儲けの話ではなく、コミュニケーションできないことによる損失が生じるからです。これはベナン政府が電話会社に支払いを求めている免許料30億CFAなんていうレベルではありません。それを、経済省は見通せたはずですが縦割り行政の弊害か、何もアクションを起こしていない。
また、こうして巨大な損失を出しながらダラダラを交渉を続けることによって大統領自身も自分の政治生命を危険に晒している気がします。むしろ、即時に電話をつなげと命令して国民の損失を食い止めた上で交渉させるべきだったと思います。そして、自分が出した制限時間を守れなかったことは「指導力不足」と認識されるでしょう。
とにかく、現状が長引けば長引くほど、損失は膨らみ、関係者に対する信頼は薄れていきます。

それにしても、なぜこのようなことがおこるのでしょうか?
ベナンにおける民主主義はまだ未熟だといわざるを得ません。国民のために働く「大統領」ではなく国民がその人のために働く「王様」というシステムの方を強く感じてしまいます。
私が大統領だったらそもそもサービス停止などはせずに、支払い方法を交渉しただろうし、免許料の代わりにこれらの会社が出す利益に対する税率を上げるなどという方策を経済省と話し合いながらとったでしょう。

2007年8月9日木曜日

Windows Vista Update


私には直接関係ないのですが、はじめてのメジャーアップデートだそうです。

でも、今更ながらこんなにいっぱい問題あったのかと感心しています。
笑えるのでいくつか突っ込んでみましょう。

・AVIStreamWrite機能を使ってAVIファイルにデータを書き込むと、AVIファイルのヘッダが破壊される
・オフラインファイルをサーバーに同期させると、オフラインファイルが破壊される
・RAW形式の画像を編集すると画像が破壊される(キヤノンEOS 1D/1DS利用時に発生)

>>怖いですね。ファイル破壊が趣味だったようで。

・PCを休止状態から復帰させると、PCがデフォルトゲートウェイのアドレスを忘れる
>>失言大臣ならずとも、あの病気か?と突っ込みたくなります。

・貧弱なメモリ管理性能
>>自分で言いますか?貧弱〜。

・ビデオドライバのアップデート時に画面が消える
・PCが反応しなくなり、「ディスプレイドライバが反応を停止し、復帰しました」というエラーメッセージが表示され、PCの電源ボタンを押して再起動するしかなくなる
・ゲームプレイ時やデスクトップ操作時に、予期せずPCの反応が止まったり、再起動がかかる
・プロジェクタなどPCに接続した外部ディスプレイの電源をOFFにした時、画面が消える
・NVIDIAのG80ビデオドライバがインストールされたPCの反応が停止する

>>相変わらずですね・・・OS7の頃を思い出してなつかしさで涙目に。

・Netcfgx.dllコンポーネントをロードするアプリケーションが予期せず終了する
・Windows Calendarで新しい予定、タスクを作成し、PCを再起動するとプログラムが予期せず終了する
・プリンタスプーラサービスが予期せず終了する

>>ここまでくると「予期せず終了」はお家芸ですか?と突っ込みたくなります。

ともかく、こういう危険な問題が解決されることはよいことです。

2007年8月8日水曜日

New iMac登場!


とうとう出ました。ただ予想されていたような大幅なデザインの進化はありませんでした。現行iMacをアルミ製にしたという感じ。本体が多少薄くなっている気がしますがこれは多分材質変更によるものでしょう。背面がブラックになってます。デザイン上の一番の変更点は先日ご紹介したキーボードかもしれません。これは前のモノとは全く違うものに仕上がっています。
ついで・・・になってしまいますが、一応Mac Miniもマイナーチェンジで新しくなってますがこちらはデザイン上の変更は全くなし。
なんか、はっきり言ってちょっと気の抜けたモデルチェンジになってます。たくさんのユーザはLeopardが出るのを待つのではないでしょうか?あと2ヶ月ですし。
まあ、今までさんざん言われていた液晶の質とかは実機を見てみないと何とも言えませんし、スペック上では光沢仕上げになったという以外に特記することはなくLED光源も見送られたようです。
やっぱり中途半端ですね。

以外と大きいかなと思うのはiLifeが8になっていることでしょうか。でも、これに関してもLeopard待ちでそのあとのアップデートを見てから導入した方がよいという気がします。

2007年8月5日日曜日

Ubuntu+3Dデスクトップ-Linuxの壁その2


ジェネリックPCに一応Ubuntuを入れることに成功した所までは書きました。UbuntuのWikiとCUIを使いながらCODECをインストールし、FireFoxのデフォルトムービープラグインをm-playerにシフトすることにも成功しました。またFlashも入り、ようやく普通にネットが使えるようになったのです。ちょっと脱線しますが、LinuxでのソフトのインストールはMacやWinとかなり違います。それぞれのディストリビューションに承認されたソフトのリストからインストールしたいソフトを選んでインストールします。それ以外はTar Ballという形で手に入れてMake(ビルド)してインストール(もちろんこれらのプロセスはすべてCUIで行う)ということが、まだ必要だったのです。しかし、2007年4月にリリースされたUbuntu 7ではかなりMacなどに近い形でインストールできるようになってます。

ここで再び壁が出現します。それはファイルシステムです。Winのファイルシステムもわけわかりませんが、Macのファイルシステムはたとえそれがメタファーにすぎないにしても、非常に整理されています。ソフトウエアは「アプリケーション」フォルダに入ってますし、CODECなどはライブラリの中の所定の位置に入れればいいのです。
しかしLinuxのファイルシステムには「アプリケーションフォルダ」がないのです・・・(あとでわかったことですが、はっきり言ってどこでもいいようです)そして、ユーザ書類以外のファイルシステムをGUI上からさわることはほとんどできないようになっているのです。
これにははっきり言って「慣れる」しかありません。

さて、Ubuntuの通常デスクトップに不満だったことはすでに説明しました。落ち着いてはいるのですが、これではMacのデスクトップのようにWindowsのユーザをうならせて、こっちが使いたいと思わせるようなものが何もないのです。そのころ、Linux系の掲示板などをにぎわせていたのが3Dデスクトップです。これはYouTubeなどにもたくさん動画が紹介されていたので見たのですが「コレだ!」と思いました。で、3Dデスクトップを導入するための情報を集めました。どうやら、オンボードのグラフィックチップではだめで、PCIバスに刺すカードが必要なようです。とういうことでアシスタントに買いにいかせました。彼が買ってきたのはNVIDIA GeFORCE FX5200というカード。で、これをNECに刺してWikiに従ってNVIDIAのドライバを入れ、3DデスクトップBerylをインストールします。一応Berylは動いていますがなぜか突然スクリーンが真っ黒になってしまうという現象がまったくランダムに生じます。ソフトをいじったりxorg.confという設定ファイルをいじったりしますがどうもうまくいきません。(このxorg.confはこれまたLinuxの壁だと思います。)知り合いのSEにSOSして質問すると「ハードの相性でしょう」ということなのでNECをあきらめて、中古のHP(ただしCDドライブなし)を6000円で手に入れまたUbuntuインストールからやり直しです。しかし、その甲斐あってHPでは何の問題もなくBerylを動かすことが出来ました。

(つづく)

2007年8月3日金曜日

Google Phone


来年出るそうなのだが、これでさらに携帯デバイスの動きが活発化しそうです。GIZMODOさんによると、1. すべてのGoogle Appsが作動する。2. プロトタイプはLG電子などと開発した。3. ヨーロッパではT-MobileとOrangeをパートナーとする。4. 台湾のメーカーとLinuxベースのOSを開発(?)ということのようです。

かなり面白いアプローチだといえます。毎日新聞によれば、広告収入によって無料化するというウワサも。

やはり気になるのはiPhoneとの関係ですが、違う切り口のデバイスになると思います。ただ、iPhoneの方が噂されているように廉価で機能の絞られたいわゆる"Nano"を出してくるなら、それはこのGoogle Phoneに近いものになるんじゃないかという気がします。アプローチとしては全く逆というか、それがまた面白いのですが、iPhoneの場合OS→アプリという感じがするのに対して、G Phoneの場合アプリ→OSという感じで作られてるように思います。
またiPhoneはまだ欧州でのパートナーを発表してないのに対して、GPhoneはすでに決めている。T-Mobileはドイツの携帯キャリアでOrangeはFrance Telecomの携帯ブランドです。これは実はアフリカに影響します。少なくともセネガルとコートジボワールはOrangeがすでにサービス展開を行っているからです。もちろん、セネガルでのOrangeのサービスはフランスで提供されているものの一部にすぎません。(WAPとかはいまだにありません)しかし、SMSオンリーだったのがMMSが入ってきたりと徐々に変わってきています。よって、すぐにではないにしろ、いずれGPhoneのサービスが開始される可能性がある。

iPhoneとGPhoneは内容的に競合するものではなく、むしろ共存するものなのでしょうが大きく見ればやはりマーケットシェアを「切り分ける」形になると思います。そのあたりの戦略はキャリアの方にまかされるのでしょうか?先ほど言ったように欧州でのiPhoneキャリアはまだわかりませんが例えばフランスにおいてAppleがFranceTelecom以外の例えばSFRとかBouigueと組むとは思えないのです。

とにかく来年は携帯デバイスにとって大きな転機になる可能性があると思います。

(Google Phoneの画像はGiZMODOさん経由でT3さんから。)

Ubuntuとの出会い-Linuxの壁その1


2007年6月20日の日記で書いていますが、MacintoshベースのCYVOGUEは曲がりなりにも軌道に乗っているし、安全性、性能、サイズなどMacがネットカフェに最も適したPCであるという考えに変わりはないものの、これを拡大した形で普及させるというのはかなり無理があると考え始めました。そして、もっと安くて安全で面白い選択肢はないものかと考えたとき、答えは1つしかなかったのです。
LINUX。
私はずっとMacユーザだったのでLinuxは「おぼろげながら」にしか知りません。そこでまず検索してみると一言でLinuxと言っても実にイロイロのものがあり、なんだかわけがわからなくなってしまいました。(Linux第一の壁:ディストリビューション)
そこで知り合いのシステムエンジニアの人やコンピュータに詳しい人に聞いたりしました。同時に自分なりに検索を続けてLinuxの世界を理解しようとしました。そして2006年の11月頃、Ubuntuに出会ったのです。(この時期を考えるとCYVOGUEを開店してから3ヶ月弱しかたってない・・・最初は営業がかなり苦しかったのです。)その頃、日本で主流だったのはFedora Coreでした。Ubuntuなんてあまり知ってる人いなかったし、日本語での情報もとても少なかったのです。質問した知り合いの人にもFedora Coreを勧められたのですが、私はなぜかUbuntuが気になったのです。それにUbuntuは古いPower PCのプロセッサを持つMacでも動きます。私としてはMacでも動くというのは安心感があったのです。
ということで、PPC版のUbuntuをダウンロードし、タンスに眠っていたPowerMac G4 QSにインストールしてみました。インストールそのものは簡単でした。言語リソースをダウンロードするのに数時間かかりましたが。でも、その結果は満足の行くものではありませんでした。基本的なメジャーサイトすらきちんと表示できないのです。最近のWebではFlashPlayerは必須ですがPPC用Linux版のFlash Playerはありません。
さて「ない」と言っていても仕方ないので探します。各国のUbuntuサイトは無論のこと、日本語のブログなんかも探します。で、ここでブチあたるのが第二の壁、CUIです。CUIとはコマンドベースのユーザインターフェイスのことで、Macで言う「ターミナル」を開いてここにコマンドを打ち込んで作業をするのです。私はコマンドなんて全然知りません。途方にくれていても仕方ないのでUbuntuのサイトなんかに載っているコマンドをそのままコピー&ペーストして作業していきます。
まあ、なんとかFlashは美しくないながらも一応動くようになりました。
この時点で私はPPC版Ubuntuを見捨てました。
というのは、将来Ubuntuベースのネットカフェを開くとしても、PPCマシンではありえないからです。安いAT互換機しかありえない。だからAT互換機の中古を探すことにしたのです。この時点で2007年1月になっていました。
アシスタントのアマドゥに探させるとNECのP3を約1万5千円で仕入れてきたので、早速これにインストールします。でUbuntuのWikiなどを参考に標準的なセットアップ、他のソフトのインストール、そしてCUIを使ったCODECなどのインストールとセットアップを行います。これで、一応標準的なものはすべて動くようになりました。

しかし、私はこれで満足したわけではありませんでした。
標準的なUbuntuのデスクトップはMacのそれを見慣れた私の目にはなんとも殺風景だったのです。そしてWinに比べても地味で同じマシンに入れた時のアピール度が足りないと思いました。ユーザーをWinから動かすにはWin以上の魅力を持つデスクトップが必要です。CYVOGUEがユーザに受け入れられているのはそのためだということを私は認識していましたから、Ubuntuも少なくともMacレベルのデスクトップ環境にしなければならないというのが私の考えでした。

(その2に続く)

ベナンGSM問題ーその後


実は昨日8月1日はベナンの独立記念日でした。で、ベナンも「アフリカ独立の年」と言われる1960年に独立しているので今年は47年にあたります。独立記念日につきものなのは「大統領の演説そして記者会見」なわけで、今ベナンで一番ホットな話題というか民衆の心を悩ます一番切実な問題がこのGSM問題。というわけで、とうとう大統領も重い腰を上げ、「72時間以内にこの問題を解決に導く」と発表しました。
それにしてもタイミングが遅すぎます。まるで某国の大臣更迭みたいですが、なぜ多大なダメージを受けてしまってから回避行動に出るのか、そのあたりの精神構造には理解できかねるものがあります。

前の記事でも書きましたが「サービスの停止」は誰の得にもならず、損害しかもたらしてない。もし、今までそれに気づかなかったとしたらあまりにもナイーブなのではないでしょうか?仮にもベナンの現大統領Yayi BONI氏は元BOAD(西アフリカ開発銀行)の総裁です。
まあ、やってしまったものは仕方ないので「今の今まで何してたんだ?」という疑問は置いておいて、大統領のイニシアチブは歓迎すべきものと言えるでしょう。まあ、3日後すぐにこれらの携帯ネットワークが元通りになるとは思いませんが、早期決着をつけないと実際デモなんかも行われたようだし、政治生命に影響することにもなりかねません。

前の記事にいくつか訂正があるのですが、まず、Areeba-Mtnについてですが、INVESTCOMはAreebaの株式を持っていた会社で、Mtnは南アフリカに本拠を持つ携帯キャリアです。で、MtnがINVESTCOMを買収することによってAreebaを手にした、というのが本当のところのようです。またAreebaのユーザ数は51万4千だそうです。Telecelとあわせても90万強。やっぱりベナンって小さな国なんですね。

あとLibercom陰謀説ですが、実際はLibercomに人が押し掛けてLibercom自身が困惑したことからみて、なかったようです。むしろ、以前と同じく全くSIMが手に入らず、しびれをきらした人が暴れたりしているようです。またBB COMはもともとキャパが低いこともあって現在パンク状態でほとんどつながりません。

さて、いつになったらこの問題解決するのでしょうか?

2007年8月2日木曜日

CYVOGUE DESKTOP


まだご紹介していなかったのでCYVOGUEのマシン構成を説明します。

クライアント用マシン:
Mac Mini Intel Core Solo 1.5G, 512MB, 30GB/40GB x 4台
ディスプレイ:
Acer 19inch Wide x2, Stallion 17inch x2
Mac OS 10.4.10(2007年8月2日現在)
標準ブラウザ=Safari 2.0
オルタナティブブラウザ=FireFox
オフィススイート=NeoOffice
IM & VoIP=Yahoo! Messenger, MSN Messenger, Skype, aMSN, iChat
ミュージックプレイヤ=iTunes
ムービープレイヤ=QuickTime Player (Flip4Mac, Perian, DivX CODEC入り)
デジタルフォト=iPhoto(一部にGIMPインストール済み)
ミュージックコンポーザ=Garage Band

プレゼン&ドキュメント作成用マシン
iMac G5 20inch 1GB, 250GB 1台

という構成です。営業時間は午前9時から午後11時までノンストップ。月曜のみ12時開店です。
月曜の朝にはマシンのメインテナンスを行います。ソフトウエアアップデートの他、メインテナンススイートOnyxを使ってメインテナンスおよびキャッシュのクリアを実施しています。

クライアントの接続時間管理にはMinuteurを使用しています。

インターネットへの接続はSonatel (Orange)のADSL回線でスピードは512kです。
台数を4台に限っているのはこの回線スピードのためです。
また、すべてWiFiでの接続なのでラップトップを持ち込んでの接続も可能です。

2007年8月1日水曜日

Safari 3.0.3. Public Beta


Appleの次世代標準ブラウザ、Safari3 Public Betaが3.0.3にアップデートしてダウンロード可能です。

前バージョンからの変更点はセキュリティの問題解決ということらしく、英語圏以外のユーザが待ち望んでいる国際言語サポートは見送られています。でも、まあ、私はこうやって日本語でちゃんとブログ更新できているので実用的にはあまり問題がないのですが・・・

ただ、ときどきおかしな振る舞いをすることがあります。ことえりで変換して出てきた候補メニューを矢印でスクロールしていくとある候補だけスキップするとか、なんか変なふうに変換されるという現象がときどきあります。
でもやっぱり速いので2.0に戻る気はしないのです。

「Safariの本当のチカラ」でも書きましたが、Webブラウザは単なるアプリケーションの域を超えて1つの「プラットフォーム」になりつつあるのではないかと思います。Javaのようなバックグラウンドで動くバーチャルマシンじゃなくて、Pararelles Desktopみたいなモノに進化していくのではないかと思う。で、いろんなAjaxアプリケーションが動き、Safariの中で作業が完結する、そういう世界が出現する予感。

2007年7月31日火曜日

嵐の前の静けさ?


iPhoneをめぐる狂騒が一段落したようで、最近Apple周辺はあまり目立った動きがないが、実は噂ベースではいろんな囁きが・・・
まずはiMacがいよいよ刷新されるらしい。次に6th Gen. iPodが8月に発表されるという噂。そしてもちろん10月にはLeopardが待っている。もう1つ、新しいAppleキーボードだ!
このデザイン、素晴らしい。ありそうでなかった感じ。NYCで「くるくる巻けるシリコン製のフラットキーボード」がCompUSAに売っていたがデザインとしてはあんな感じ。
で、言うまでもなくこのキーボードデザインはMacBookのソレを引き継いでいるのだが、私はこのMacBookのキーボードはとても使いやすいと思う。キートップの形状も凝ったデザインでもなくシンプルなのに使いやすい。これに慣れてしまうとPowerBookのキーボードさえ使いにくく感じるし、iMacについてるApple Keyboardはストロークが大きく重いので疲れてしまう。
これは単体で発売されたら多分CYVOGUEを全部このキーボードに変えようと思う。
昔の白いキーボードは材質的にも形状的にも汚れやすかったので、普通のWin用のキーボードを今では使っているのだが(キートップは黒)新しいキーボードは掃除もしやすそうだし、何よりも1クラス上の高級感がある。

とにかく、8月からは立て続けにイロイロありそうな予感である。

2007年7月29日日曜日

Adobeの挑戦


AdobeといえばPhotoshopにIllustrator。しかし、最近Adobeが変わりつつある。

MS対Appleというパソコン界の構図の中で常にうまく立ち回り、業界標準を作り出してきた影の支配者、それがAdobeである。Adobeは純粋なソフトハウスであり、ハードを作らないところではMSチックなビジネスモデルである。しかしAdobeのビジネススタイルはMSの何年も先を行っているのだ。Adobeがハードを作る必要がなかったのはAppleがMacを作っていたからである。そしてMacがWYSIWIGなパソコンだったからである。プロセッサのスピードが遅く、メモリも貧弱だった時代にポストスクリプトは有用な技術であった。そしてこのポストスクリプトの業界標準化というやりかたはAdobeのそれ以降のビジネスモデルのキーワードとなる。ちなみに、PhotoshopもIllustratorもMac用のソフトであり、かなり最近Win用に「移植」されたのである。

さて、DTPの黄金時代が去り、Webの時代に入ったとき、AdobeはMacromediaを買収した。Macromediaは昔からDirectorという優れた動画+アプリケーション開発のソフトを持っており、これを進化させてベクターベースのアニメーションソフトFlashを完成させしかもこれをWebにおけるアニメーションの標準化することに成功していた。AdobeはMacromedia買収後、このFlashをさらに進化させWeb上のアプリケーションの総合的な開発環境として定着させた。

そのAdobeがさらにWebアプリケーションを進化させようとしている。Adobeは長い目で見ていけばPhotoshopもIllustratorも今と同じような単体のアプリとして非常に高価格で売り続けることを考えていない気がする。それよりはサーバサイドのアプリケーションとしてライセンスを売っていくというビジネススタイルに脱皮しようとしている気がする。

MSがWinというプラットフォームに束縛されているのを尻目に、AdobeやAppleはマルチプラットフォームの世界に突き進んでいる。これに関してはダメダメなRealすらMSに対して一日の長がある。MSはベクターベースのアニメーションプラットフォームを開発しているそうだがこれは多分「第二のZune」にしかならない。MSは普及率という力でWMVをWeb上の動画の標準フォーマットにまでしてきたが、多分同じ戦略は今では通用しないだろう。Flashがここまで普及している以上、そのシェアを奪うのは容易ではないだろうし、WMVの時は相手がREALやDivXだったが今度はAdobeだ。

実はAppleもiPhoneによって「コンピュータ」の世界からの飛躍を図っていると思う。iPhoneはMac OSをMacから解放し、「埋め込みOS」としての可能性を示唆するものだと思うし、AppleはMac OSの技術を一種の「切り売り」をしていくのではないだろうか?例えばApple TV。そしてWeb Kitなどでその片鱗が伺えるように思う。

AdobeとAppleがSafariでガッチリ手を組んだらとんでもないことが起きるのかもしれない。

2007年7月27日金曜日

Linuxはアフリカに定着するか?


現在の状況から言うと、ここらあたりのネットカフェを見る限り、全体のシェア予想は98%くらいがWinで2%くらいがMacなのではないかと思う。企業で使われているPCは正規ライセンスだろうが、ネットカフェなどではその大部分が違法コピーだと思われる。MSは違法コピーのアップデートをさせていないから、これらのほとんどが非常に脆弱な状態のままネットに接続されていると言える。現在は接続速度のリミットがきついので、それこそ「踏み台」にされることは少ないのだろうが、これがスピードアップされればいろんな攻撃の踏み台にされる可能性は高い。またウイルスをばらまく温床になっていくだろう。アフリカにおいて違法コピーを使うのはまったく罪悪感がないし、ウイルスをばらまくことも、無駄なトラフィックを盛大に発生させることにも全然罪悪感はないのだ。言ってみればネットにおけるマナーというものが存在しない。

IT普及における「慣れ」の重要度は高く、一度あるOSに慣れてしまうと、他のOSに移行するのはおっくうになる。特にWinは習慣性の強いOSだと思う。「ユーザにとっての便利さ」を追求した結果、ユーザが自分で’何を実際にやらせているかを理解することなしに何でもマウスのクリックとコンテクストメニューによって出来てしまう。特に初心者はこの見た目の便利さにハマりやすく、その結果ファイルが通常の何倍の大きさになろうと、それを送りつけられて開くのに閉口しようと気にしないのである。

しかし、新しいWin OSの要求するマシンスペックが増大するにつれて、古いマシンでは動きがトロくなってくる。その間にLinuxは急激な成長を遂げたと思う。ただ、知る人が少ないのである。Linuxを知る人が増えれば普及すると思う。問題点として今のLinuxディストリビューションのほとんどがインターネット常時接続を前提に作られているということだ。KNOPRIXなどを除いてはインストール時にもインターネット接続が必要とされる。(このプロセスを手動でスキップさせることは可能)
つまりネットインフラの脆弱なアフリカでは厳しいのである。

確かに、ここ数年でアフリカのネット事情は大幅に改善したとは思う。セネガルのADSLは安く安定しているし、ベナンなどでは無線接続が普及しつつあり、WiFiスポットさえ登場している。ニジェールでさえ、ADSLが登場した。(しかし安定はしていないらしく、相変わらずブラックアウトしてることが多い・・・)表面上はかなり先進国に近づいてきているように思う。
それでもまだ難しい。現代的なコンピュータというのはWinであれ、Macであれ、Linuxであれネットインフラを基本として作られている。ネットがなければコンピュータの持つポテンシャルのほんの一部しか使うことは出来ない。
例えば学校にコンピュータを導入しても、インターネットに接続していなければ、できるのはワープロ、表計算、ゲームと簡単なお絵描きくらいなのである。

ここで登場するのがOLPCプロジェクトである。これについてはまた改めて書こうと思うが、いわゆる「100ドルですべての子供にラップトップを」というプロジェクト。そしてOLPCが採用しているのがFedora CoreをベースとするOLPC用のLinuxなのである。つまり、子供がLinuxに慣れるということはOLPCを卒業した後もLinuxを使い続ける公算が高い。もちろんMSもこのことには気がついていて、「途上国向けにはWin+Officeを30ドルで提供する」などと言っているが、これは多分海賊版をさらに増やす結果にしかならないだろう。30ドルで「売ることが出来るモノ」を数百ドル出して買うのはオタクだけだろう。

ゆっくりではあるがLinuxはいずれアフリカに定着するはずだ、と思う。

今そこにある危機2-セネガルの電力事情


ベナンのGSMほどではないにしろ、こっちもひどいものだ。
セネガルのダカールといえば西アフリカ仏語圏ではコートジボワールのアビジャンにつぐ「大都会」であり、コートジボワールが建国の父ウフェットボワニを失ってから突入した暗黒の内戦時代に入ってからは、事実上西アフリカの中心に戻ったと言ってもいい。

そのダカールは昨年から慢性的な停電に悩まされている。24時間供給が続くことなどまれで、毎日数時間は停電する。そんな状態がもう2年も続いており、状況がひどくなるとメディアや著名人が騒ぎ始め、最終的には大統領が出てきて「これこれこうしましたからもう大丈夫です」とか言って、それで数週間は停電が減る。
でもまたズルズルともとの状態に戻る。
まあ、その度にSenelecは「あれが壊れた、こっちが動かない」といろんな理由を並べ、そして「もうすぐマナンタリの水力発電所が稼働する」だとか「新しい発電所」とか言って「もうすぐ、もうすぐ」を約束するのだが、それがもう2年続いているのですでに「狼少年」。だれも信じる人はいない。

こうなってくるとSenelecが停電させるのは「そうしたいからだ」と勘ぐりたくなる。
新聞で経済学者がSenelecの停電による経済損失はこんなにあると指摘しても大統領はカジュアルに無視しているし、一般的に言われていることに「こんなに停電してるのにSenelecから送られてくる請求書は同じ額」というのも本当だ。むしろ原油の相場が上がっているので「高くなっている」と言った方がいい。

「生産性」や「コスト」を考えなくてもいい政府関係やマージンの大きい大企業は停電しても何百万CFAもする高価な発電機をまわし、公害を助長することをものともせずに仕事を続ける。で、そういうことのできない中小企業や個人経営者はお手上げだ。小型発電機は私も買ったが、それこそものすごい騒音を出すし、発電コストが高すぎてとてもじゃないが採算が取れない。よって停電による被害は弱者を直撃する。
しかし、経済基盤というものを考えればこの負の連鎖がいずれ国力の衰えにつながっていくことは明白なのに・・・このあたりはベナンもセネガルも同じ病根を持っているように感じる。

と、嘆いていても仕方ないので、電気屋と相談してCYVOGUEのソーラー化を検討している。電気屋によればソーラーパネル2枚とバッテリ、インバータ等概算で20万円の出費が必要だが、やってみようと思う。少なくともこれでクリーンなエネルギーによる継続した営業ができるようになるはずだ。停電の影響で客足が遠のいて赤字の現状、さらに赤字が増えるが仕方ない。

笑えるのはこんな劣悪最低な電力会社をセネガル政府は「民営化」しようというのだ・・・
Senelecの主な発電施設や送電施設は植民地時代にフランスが作ったものを引き継いだだけ。
電力需要の増大に従って必要となった施設は日本などの国際協力によって補完。
慢性的なメインテナンス不足によってすべてのインフラが老朽化、常に修理が必要。
職員はおしなべて公社気分で労働意欲が低く、能力も???ストだけは一人前に実施。
こんな会社、誰が買うだろうか?
たとえスティーブジョブスでも立て直しはできない気がする。

2007年7月26日木曜日

iPhone


6月のポスティングから直前のポスティング(ベナンGSM)まで1ヶ月も間が空いてしまった理由は、ニューヨークに行っていたからなのである。そして別に狙ったわけではないのだが、ニューヨーク滞在中の6月29日に丁度AppleからiPhoneが発売された。私も発売の2日後の日曜にSohoのアップルストアに見に行ってきたが、ものすごい人で、とても触れなかった。なんか悔しかったのでその2日後に今度は5番街のプラザホテルの前にある例のガラスのキューブが入り口になってるアップルストアに行って触ってきました。

感想として、これは今までのケータイとは全く別のものであるという感じ。そしてPDAとも違う、どちらかというと高級なiPodに近いもの・・・と感じた。
タッチスクリーンはなめらかで高級感がありしかもこちらの思った通り操作できる。しかも操作していて楽しい。それから変なアラートが出ない。iPhoneそのものもオドロキだったが、もっと驚いたのはメディアなんかのフィーバー(死語)ぶりである。連日iPhone関連の記事が新聞に載り、TVのショウでとりあげられ、5番街の店の前には2日も前から並んでる人がいる。
確かにニューヨークのiPodの普及率はものすごいモノがある。地下鉄に乗れば周りに必ず2〜3人はiPodを操る人がいる。日本なんてレベルじゃない。もう街のいたるところでiPodに遭遇するのだ。そういう環境ではiPhoneが注目されるのも当然と言える。

ヨーロッパでも来年にはiPhoneが発売されるが、どのような形になるのか楽しみだ。
アメリカではat&tと2年契約を結ばなければならないという縛りがあるのだが、それがどうなるか。またGSMがここまで普及したのはSIMカードを入れ変えることによって(日本を除く)ほとんど世界どこでも使えるというポータビリティの優秀さだったわけだがiPhoneはiPodのバッテリと同じくユーザが勝手にSIMカードを入れ替えられないような作りになっている。よって携帯キャリアとAppleとの間に独占的な契約を締結する必要がある。また、近年状況は改善されているとはいえ、町中でのホットスポットは少なく、あっても有料だ。これは使う方として非常に使いにくい。

ましてやアフリカではいつになるのだろう?iPhoneを持っていても機能のほとんどは使えないだろう。iPhoneによってさらにデジタルディバイドの開きが大きくなったと感じてしまうのは何たる皮肉だろう?

あと、アメリカでiPhoneが注目されるのはすでにBlackberryがかなり普及しているからなのだというのも感じた。その点でもヨーロッパは違う。最近SFRというフランスのキャリアはUSBに差し込むモデムを出しているが、これはそのモデムによってラップトップをSFRのネットワークに接続するものである。こういうものが出てくること自体、ケータイのWebがいかに使いにくいかということを意味している。

最後にアメリカ滞在で一度だけZuneを見た。場所はラガーディア空港の売店・・・なんとiPhoneより大きく分厚く、ダサい。
街では結局1度も見かけなかった。MSは100万コ売れたと豪語しているが、もしかしたらレドモンドでだけ局地的に売れたのかもしれない。

2007年7月25日水曜日

今そこにある危機-ベナンGSMスキャンダル


西アフリカの小国ベナンはナイジェリアとトーゴの間にある小さな国だが、民主化が進んでいて今年はじめには無事に政権交代も混乱なくすませたことから、国際的にも優等生と見られていて、急成長を約束されていた。

しかし。

2週間ほど前、政府はこの国のメジャーな携帯キャリア2社を「税金払ってないから」とサービス停止に追い込んだ・・・

ベナンの携帯キャリアは4社あり、政府のPTT(通信公社)が運営するLibercom、西アフリカで広くサービス展開しているTelecel、同じくAreeba(前身Benincel)、そして一番後発のBell Benin Com。加入者が多いのはAreebaとTelecelである。この国はおかしなことに慢性的なSIMカード不足という(はっきりいってわけわからない)問題があり、「SIMは朝早くから並んで買うもの・・・」というヘンな風習がある。これはどのキャリアを見ても同じなのだが、政府系のLibercomは特にSIMがプレミアがつくくらい「買えない」とされており、またサービスも悪いと言われていた。また後発のBB Comはほとんど首都以外ではつながらないという問題をかかえている。
日本で言うなら(規模的に)Docomoとauが突然使えなくなっちゃうようなモノである。

さて、この政府の「払え」と言っている「税金」なのだが、これはよく見ていくと外国資本や国際資本がアフリカに流れ込む際の難しさを象徴しているようなできごとなのだ。
つい最近、TelecelはMoovに、AreebaはMtnに名称を変更している。単なるサービスの名称変更には政府の許可はいらない。お知らせベースで届け出ればいいことなのである。Areebaの場合を見ていくと、これを運営している会社はSPACETEL BENIN S.A.という会社でキャリア名称はBenincel→Areeba→Mtnと変えている。名前を変えても運営している会社は変わらない。
しかし、現地法人のウラには「資本の流動」というものがあり、どうやらコレが「税金」というものに引っかかったようなのだ。SPACETELの設立時、資本がどうなっていたかは不勉強にして知らないのだが、Areebaはブランドとしてはインターナショナルで他国でも展開するレバノン系資本とされている。そして MtnはINVESTCOMという投資ファンドとMtnというキャリアの持つブランドである。もし、SPACETELがMtnグループに売却されたのであれば、キャリアの使用許可をMtnグループは政府に対して再申請しなければならない。というのが政府の言い分。
Areebaは経営はSPACETELなのでその必要はなく、今回も単なる名称変更であるという言い分。

どちらもビミョーな言い分なのであるが、一番困らされたのはユーザであろう。

SPACETELが限りなくグレーな会社であったとしても、百万人単位でユーザがいるものを強制的にサービス停止させた政府の暴挙はアフリカにおける事業の脆さ、投資の危険さをひしひしと感じさせるもので、たとえベナンの政権が安定したとしても今後数年にわたり海外からの投資を控える動きが出るだろう。SPACETEL解体ともなれば公称1万5千人いる職員は路頭に迷う。これに対する補償はどうなるのか?今の状態は誰にも不幸な状態である。ユーザもSPACETEL職員もSPACETELへの投資者も、政府も。
唯一笑えるのはLibercomのみ。となると、これはユーザをLibercomに取り込み、Areebaのインフラを極めて安価に乗っ取るという政府のたくらみとも思えるわけで、こんな話まるで昔のギニアとかコンゴ民でしか聞いたことがないくらいの民主度の低い話。また、もし対話をする気があるなら水面下で話をつければいいものを・・・

とにかく、優等生に見えても叩けばいくらでもホコリが出るというのをまじまじと感じさせてくれる事件です。

2007年6月22日金曜日

Safariの本当のチカラ

去る11日に開催されたWWDC(アップルの開発者向け会議)で発表されたSafari 3.0 Public Betaをダウンロードして使ってみた。

なるほど、速い。非常にキビキビした動きでインターネット回線が日本よりかなり遅いここではSafari 2と比べてもかなり体感的に速い。

で、Flashのプラグインとかが使えなくなるのでは?と危惧したけど、何の問題もなく作動している。

で、何よりもGoogle Docs&Spreadsheetが使えるようになった!

私はMacユーザなのでWinのSafariが出ても「そう?」くらいにしか思わなかったのだが、出てすぐにバグだのセキュリティホールだのが発見されたのにもかかわらず、なんかもう100万ダウンロード達成したみたいでちょっと驚いている。でもいろんなところを読んでみると、どうやらこのSafariはかなり戦略的な製品だということがわかってきた。

1. フォントのレンダリングエンジン 
同じページを同じCSSで見たとしてもMacで見るときとWinで見る時は全然印象が違う。それは主にフォントの違いというかフォントをどう表示するかの問題なのだ。僕はWinのユーザがMacのフォントはボケボケと言うのを聞いて「?」と思っていた。で、なんでWINのフォントはあんなに汚いのだろうと思っていた。この違いはどうやら同じフォントのデータでもレンダリングの仕方が違ってMacは「ボヤけででもオリジナルのフォントのデザインを守る」というレンダリングをしているのに対し、Winでは「デザインが崩れてもはっきり見えるようにする」、その違いらしい。だからWinのフォントは字によって横棒の太さがまちまちだったり、統一感がないのだ。SafariはWin用アプリでありながら、Webの表示にMac風のフォントレンダリングを行っているらしい・・・これは確かにすごいことだ。iTunesやiPodによってすでに食い込んでいるWinへのアップル技術の浸透にWebの「見え方」を提供する・・・

2. iPhone関連
 iPhoneにはSafariブラウザが搭載される。そしてiPhoneのサードパーティーアプリはWebアプリとして開発され提供されることになっている。これはアップルの考えとしてハードと直接関連して動くアプリはアップル製で固め、ユーティリティアプリケーションはブラウザ上で動くWebアプリにシフトしていくというアプリケーションの未来像を示しているのかもしれない。 そういう意味でSafariはその中核をなすアプリケーションとなる。

 もちろん1人のMac Fanboyとしては今回のWWDCはやっぱり気が抜けるものであったけどアップル全体で言えばもしかしたらすごく重要なことが発表されたと言えるのかもしれない。

2007年6月20日水曜日

ブログのはじまり

3月にこのブログのカタチを作ってから放ったらかしていたのだが、正直どこから書き始めていいのやら全くわからなかったのである。書きたいことはいくらでもあった。今取り組んでいるUbuntuベースのLinuxマシンのこと、Appleのこと、Googleのこと、MSのことetc...
でも、迷ってばかりいても仕方ないのでとりあえず脈絡もなく書き始めてみようと思う。

私がこのアフリカの西の端ダカールにMacオンリーのサイバーカフェCYVOGUEを開いてから10ヶ月がたった。時が経つのは早いものだ。この10ヶ月はまさに試行錯誤の連続であった・・・そしてその状態は今も続いている。
Macベースのサイバーカフェがここで受け入れられないと思ったことはなかったし、客の中にはWin慣れをしている人も少なくなかったが、彼らがMac OSXの環境に慣れるのに大して時間はかからなかった。Nortonなどを入れてない分、Macの接続は速いし、ここらのサイバーカフェではそれに加えて非常に古いマシンをRamを増設することもなく使っていてしかもCybercafe Proというマシンをコントロールするソフトウエアを動かしているのが標準的なので、体感的には倍くらいのスピードに感じるはずだ。
だから、値段は標準の倍に設定した。そのコンセプトは「ワンコインでできるちょっとした贅沢」である。でも私の野望はそういった「マージナルな需要」を掘り起こすことではなく、サイバーカフェの新しい標準を作ることにある。この10ヶ月ずっとそれを考え続けてきた。
で行き着くのは「アフリカでのMac標準化は困難」ということである。では何を標準化するのかというとLinuxということになる。問題はWindowsのダンピングだ。海賊版の問題は別にしてもMS自体が30ドルで売る(途上国の教育機関向けと表向きはなっているが)と言っているし、ASUSが200ドルのラップトップをXP入りで売るという。WindowsもOfficeも値段があってないようなもの、しかもほとんどのPCにバンドルされているのだから「あえて」Linuxという選択にはなっていかないだろう。最近DELLがUbuntuをプリインストールしたマシンを発売したがこれが他のメーカーを巻き込んでいくかというとかなり疑問だ。特に日本のメーカーはWindows APIで自社製のマシンに特化したソフトをすでに数多く作っているので、これをLinuxベースで作り直そうという動きにはなかなかなっていかないだろうと思う。
しかし、この状況に対するダークホースが実はアップルではないかと思うのだ。Linux版iTunesやLinux版Safariが出てくればLinuxのアプリケーションレベルの使い心地がMacのそれに近づいてくる。そしてアプリケーションそのものがだんだん単体アプリからJavaやAjaxに移行していくことを考えれば「基本的にどのOSを使っていてもアプリケーションレベルの使い心地が標準化される」ことが容易に予想されるのだ。
CYVOGUEが見据えていかなければならないのはそういう未来なのだと思う。

2007年3月15日木曜日

ITを考える

このブログはアフリカの西の端に位置するセネガル共和国の首都ダカールでネットカフェを開いた私の日記とここでのIT事情に関する情報/考察をポスティングしていきます。