2007年8月17日金曜日

OLPCについて


私がLinuxがアフリカに定着するだろうと考えるもう1つの理由がこのOLPCプロジェクトです。One Laptop Per Childつまり「すべての子供にラップトップを」と名付けられたこのプロジェクトはMITによって提唱されたいわゆる100ドルPCと呼ばれるプロジェクトです。
仕組みとしては選ばれた途上国の政府がが100万台単位で発注し、それをできるだけ低い価格で提供するというモノでMITがハードウエアとソフトウエアの開発をしています。OLPCのハードウエアは一般PCとはいろんな意味で違っています。まずサイズですが子供用にかなり小さなものになっています。次に白黒とカラーのデュアルモードスクリーンを備えています。また、ノンスピンドルで記憶媒体は1Gのフラッシュメモリです。そしてハンドルをまわしたりヒモを引っ張ることによってバッテリを充電できるようになっています。あと特記すべきところは、WiFiのクライアントなのですが、アクセスポイントとしても機能し、OLPC-OLPCというワイヤレスネットワークを自動生成し、アクセスポイントからかなり離れていてもつながるように工夫されています。
ソフトウエアの方ですが、OSはFedora Coreをコアとして、独自に開発されたSugar UI(インターフェイス)を持っています。ブラウザは機能限定されたFireFoxでワープロはこれまた機能限定版のAbiwordそして独自のチャットプログラムおよび教育用プログラムがインストールされます。全部で約350MBほどのサイズです。Sugarは私も使ってみました。(OLPCのサイトからライブCDがダウンロードできます)かなり使い方は独特です。普通のPCに慣れていると戸惑います。でも「楽しい」インターフェイスになっていることは確かです。FireFoxはなんとURLフィールドがありません。スタートページがGoogleにプリセットされていてそこから検索をすることでスタートします。これもかなり独特な考えですね。
OLPC/Sugar UIは多分小学生までを想定して作られている気がします。中学生以上だとかえって使いにくいでしょう。むしろEdubuntuの方が向いていると思います。
面白いのはOLPCがネットワーク、特にインターネット接続を前提に作られているということです。これはLinuxの最初でも書きましたがLinuxそのものがそのように作られているのです。だからインターネットインフラの脆弱なところではOLPC導入は難しいでしょう。またOLPCは学校に置くサーバも開発しているのですが、このサーバについてはあまりまだ明らかになってきていない。しかし1GBしかストレージがないことを考えるとサーバとの連携が非常に重要になってくるわけで、サーバをどれだけメインテナンスが容易で教育に特化したものに仕上げるか、というところがOLPCの成功のカギを握っている気もするのです。

話は飛んでしまいますが、このプロジェクトを率いているネグロポンテ氏はかなり特長のある人みたいです。MSやアップルがOSを提供しようとしたそうですが両方断っています。つまりSugar UIはWindowsやMac OSとはまったく異なる考えの基に作られているということです。その割には教育系のソフトが少ないようにも思うのですがWebベースのもの(JavaとかAjaxとか)で供給していくのでしょう。

ちなみにアフリカではナイジェリアとルワンダが第一フェーズの対象国に選ばれています。

0 件のコメント: