2007年9月16日日曜日

iPod Touchの示唆するもの

iPod Touchはジワジワ来る。iPhoneは実際見て「欲しい」と思うよりもその美しさにむしろ感動した。しかしiPod Touchは素直に欲しいと思うようになった。もし、米国在住でキャリアの問題がないのなら、iPhoneを買うだろう。でも使えないのなら持っていても仕方がない。Appleの機械はそういうものである。

前の記事でiPod Touchは外面ほどにiPhoneに似ていないのではないかと書いたがこれは杞憂だったようでそれも嬉しい驚きである。iPod Touchのハードは実にiPhoneであるらしい。そしてソフトもほとんど変わらないようである。もちろん、電話機能という大きな違いやBluetoothが搭載されていない、そして液晶も微妙に違うらしいというマイナーな差がある。しかし一番大きな共通点、それはUI(ユーザインターフェイス)である。iPodのヒットはもちろん宣伝戦略の成功や製品そのもののハードとしての格好よさもあるが、なんと言ってもすごかったのはあのホイールで操作するユーザインターフェイスのおかげだと思う。初期型iPodのあのホイールとそれを囲む4つのボタンをXで区切ったデザインは今見ても斬新だし、それから何回かの変遷を得てたどりついたクリックホイールの操作性はまさしく秀逸。言ってみればiPodの心臓はこのクリックホイールによるUIなのである。iPod Touchはそれをあっさりと捨ててしまった。これはAppleがOS9をさっと捨ててOS Xに移行した時のことを思い出させる。つまりiPod TouchのUIはAppleがそれだけ自信を持っているものなのである。

そしてそのUIはもちろんiPhoneのUIである。iPhoneが戦略的なのはiPhoneがAppleの出したSmart Phoneだからではない。iPhoneはSmart Phoneではなく、あくまでもiPhoneなのである。ハードのデザイン、ソフトのデザインの統合としてのiPhoneは携帯電話ではなく、Appleの「コミュニケータ」としてのカタチなのだと思う。そしてiPod TouchはそのUIの流れを汲む新しいiPodのカタチなのだと思う。

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