2009年7月25日土曜日

お知らせ:ブログ休止期間の延長


すみません。
7/15日としていましたが、休止期間を延長します。
主な理由としてはやはりそれどころではなくなってしまったということなのですが、一昨日ようやく再びアフリカの土を踏み、西と東の違いに戸惑いつつ、昨日やっとジブチに到着。気分的に少し楽になっているところです。しかしながら生活をはじめなければなりませんし、仕事に加えて雑用がたくさんあり、書きたいことはいっぱいあるのですがまだ無理そうです。
ただ、ブログを継続したいという強い思いはありますし、研修の中で実際に「何を書いたらいけないのか」も自分なりにつかめました。ということでチャートをしっかり掲げて、ニュートラルな立場からニュース分析をするというブログに落ち着くのではないかと考えています。

2009年5月31日日曜日

お知らせ:ブログ休止(7/15まで)

実は、今度アフリカの東側にあるジブチで仕事することになりました。
これから1ヶ月半ほど東京で研修を受けてそのあと赴任の予定なのですが、仕事の性格上、これまでのように自由な立場での発言はできなくなりますし、ブログによるアフリカ情報の発信は続けていきたいものの、どのような形でそれが可能なのか検討する時間が必要です。
もちろん、ただニュースソースを流すだけという形では可能なのかなと思いますが、ブログとニュースサイトの違いはそこに加える解釈だと思っています。それがないブログをただ続けても書く方もつまらないですし、読む方はもっとつまらないと思います。直接意見を加えない場合でも訳し方やニュアンスによってある程度書いている者のスタンスが出てしまいますし、ニュートラルな立場で書いているつもりの記事でも、受け取り方によってはそうはならないと思います。そもそもブログがニュートラルというのはおかしい。なぜならブログをやるという行為自体が一種の「アンガージュマン」なのだと思います。そのアンガージュマンのとる方向性を見極める必要があります。
ということで、一時ブログを休止します。
しかし、基本的にアフリカ情報を日本語で発信するという行為自体に必要性はあることはわかっていますので、その形を模索したいと思います。この作業をだいたい7月15日までには終えたいと思いますので、また7/15以降にこのブログをのぞいてみてください。結果なり、経過報告を掲載していると思います。

なお、ダカールのネットカフェCYVOGUEは現在もこれからも営業しています。日本人スタッフはいませんがセネガル人スタッフがお迎えしますのでぜひお立ち寄りください。

2009年5月21日木曜日

Africa:News RoundUp 5/21


セネガルから。セネガル東南部にあるケドゥグの金山ですが、Oromin Exploitations社が非常に有望な鉱脈を発見したということです。(Proactiveinvestors)一方、食料価格の高騰を受けて、世銀がダカール近郊のいわゆる貧民層に現金を配るということを始めるそうです。(IRIN News)確かに今まで国際協力が行ってきた貧困対策はこのように貧困層のキャッシュ(現金)不足に対応したものではありませんでした。基礎教育や保健システム、村落開発が言ってみれば貧困対策の3つの柱とされているわけですが、これを行ってそこからどのようなフローで貧困が削減されるのか?という点に関しては非常に間接的でたくさんの憶測を含む希望的観測によって成り立っていたように思います。しかしながら、直接キャッシュを配るというのは、今まで何十年と行われて来た協力機関の努力を踏みにじっているように感じざるを得ません。日本はドイツと並んで途上国のキャパシティビルディングに熱心に取り組んで来たのです。その骨子は「魚を与えるのでなく、釣り方を教える」ということなのです。魚は食べてしまえば終わりです。なくなってしまえばまたもとの状態に戻ってしまう。しかし、魚の釣り方を教えれば、食べてしまったらまた自分で釣ることができます。そして、それは社会の「活動」を産み、魚を釣るというアクティビティの周辺に派生的な労働を作り出します。そこから産業が生まれ、キャッシュのフローが生まれていくのです。しかし、今回のように配られたキャッシュは結果的に裕福な商人の懐に収まり、貧困にあえぐ人は一時的に腹を満たして終わりです。

チャドですが、どうやらスーダン側に逃げ帰ったダルフールゲリラを追ってチャド軍はスーダン側に4〜40kmほど侵入し、ゲリラの潜伏している場所を「掃除(空爆?)」して帰って来たということです。(Afrik.com

ニジェールのママドゥ・タンジャ大統領に3選目の立候補を許可するための憲法修正国民投票を行なおうとしている動きに対し、ECOWAS/CEDEAOは「国民投票を行えば、ECOWASは制裁を検討する」としています。(Afrik.com

ブルキナのTOTAL社におけるストはようやく終わったようです。(Afrik.com

トーゴの政争ですが、今度は既に逮捕されているクパチャ・ニャシンベの自宅から用意していたと見られる「国家転覆宣言」が見つかったということです。(Afrik.com)またRFIによると、ニャシンベ大統領は軍の再編成を行っているようです。

隣のベナンではEUが5千万ユーロに達する巨額の財政支援を発表しました。(Afrique en Ligne)これは2009年から2011年にかけての3年間にかけて、ベナン政府に対する直接財政支援として行われます。このタイプの協力についてはフランスが旧宗主国として歴史的に行ってきた他、数年前から国連機関などの主導で一部に導入されています。彼らによればこれは途上国政府のキャパシティビルディングになるとのことですが、もしこれらの援助がなくなったときにどうなってしまうのか、不安を感じます。

ギニアでは昨日お伝えした通り、水、電気、食料が不足しているのですが、薬品も不足しているとIRIN Newsが伝えています。選挙まで持つのか、ちょっと心配になってきました。

最後にマダガスカルですがラバロマナナ前大統領がYoutubeで国民に対するメッセージを出しています。マラガッシュなので聞いて内容はわからないのですが、JeuneAfriqueによると国際社会そしてマダガスカル国民に向けて「ラジョエリナ大統領による強奪された政権を一刻も早く終わらせる」ことを呼びかけているようです。ますます、選挙にかけての混乱が心配ですね。

2009年5月20日水曜日

Africa:News RoundUp 5/20


まず、マダガスカルですがこの前お伝えした通りラジョエリナ暫定大統領は今年末に行うつもりの新大統領選挙に出馬しないと表明したのですが、案の定条件を付けてきました。そして、その条件とは「過去の大統領が出馬しなければ、自分も出馬しない」ということです。これはあからさまに「ラバロマナナはダメ、ラチラカもダメ。こいつらが出てくるんだったら自分も出る」ということで、実質不出馬表明を覆したと言えると思います。というか、最初から出るつもりだけど、一応カダフィの顔を立てるポーズをしてみただけなんじゃないかと思います。(Afrique en Ligne)そのラバロマナナ前大統領は「数週間のうちにマダガスカルに戻る」と言われています。(Afrik.comRFIのインタビューではまだやる気まんまんな様子を見せていて、また選挙前そしてこの選挙そのものは荒れることが予想されます。

ニジェールではトアレグのゲリラと政府の間で交渉が持たれているようです。ここもポストタンジャに向けて極めて不透明なままです。(RFI

ダルフール問題におけるチャドとスーダンの関係ですが、RFIがハルツームの非常に不透明な立場を暴いています。もともとダルフールの問題はスーダン内の人種問題に根ざしています。しかし、ダルフールのゲリラがチャドを目指してくれれば、スーダンはこの国内問題から「足を洗える」だけでなく、このゲリラ問題をチャドの問題にすり替えることができるわけです。

ダディス・カマラの率いるギニアですが、ここに来て深刻な「モノ不足」に陥ったようです。水、電気の供給は滞り、食料不足も深刻なものになっているそうです。(Afrik.com

ナイジェリアではニジェールデルタのゲリラ、MENDの問題がまた心配なレベルに高まってきました。MENDは連邦政府に対して全面戦争を宣言しています。(Afrik.com

トーゴコートジボワールで選挙の日取りが決まったようです。コートジボワールは2009年11月29日に行うとギヨーム・ソロ首相が発表しました。(Afrik.com)トーゴは2010年2月18日に第一回投票、3月5日が第二回投票となるそうです。(Afrik.com

最後に昨年あたりから強力なテコ入れが行われたマリの航空会社CAM (Compagnie Aerienne du Mali)は名称を変え、Air Maliとなりました。CAMは中東ファンドグループAghan Khanが51%、マリ政府が21%、アゴラマリグループが21.66%、その他一般投資者が7.34%を出資して作られた会社です。(Afrique en Ligne)これはなかなかうまいですね。折しも最大のライバル、Air Senegal Internationalが機能停止していて、西アフリカ仏語圏でのリージョナルフライトのオファーが減ってしまっているので一気に顧客を獲得できるでしょう。Air Ivoireも値下げなどのプロモーションを行っているようです。

Google:日本で初のAndroid Phone


実はまた日本にいます。これについては来週あたりに落ち着いて書くつもりですが、帰って来てびっくり。今でこそちょっと落ち着きましたが新型インフルエンザパニックのまっただ中でした。ヨーロッパはポルトガルとフランスを経由しましたが、特に変わった様子もなかったです。でも、日本に着いたとたんものものしい警戒、まるでテロでも起きたような・・・そして神戸に着くと日曜だというのにまるでゴーストタウン・・・

さて、ついに日本でも「Google Phone」Android携帯がDocomoから発表されましたね。これは台湾htc社の「HTC Magic」です。AndroidのコミュニティにはDocomoをはじめとした日本の携帯メーカーも名前が並んでいましたが、htcの機材・・・
これは多分日本のケータイというのが、世界の標準とは違う進化を遂げていて、メーカーもそちらに注力していたということなのでしょう。いわゆる「スマートフォン」と言われるジャンルは基本的にPDAから進化していると言えます。出発点がザウルスであり、Newtonである。それでBlackBerryになり今度はPalm Preが来るという線を描くことができます。一方日本のケータイはエンタテイメントフォンとも言うべきガジェットの集大成が多いような気がします。カメラがつき、音楽機能があって、テレビが見られて・・・という全然別の線。iPhoneはちょうどその中間あたりにスポットできるのではないか?と思います。当然iPhoneというのはそういう既存のカテゴリーにあてはめて考えるものではないのでしょうが、あえて言うならスマートフォンとしてはエンタテイメント性が高く、エンタテイメントフォンとしてはPDA的実用性が高い一種のハイブリッドだと言えると思います。HTC Magicは基本的には正統派のスマートフォンだと思いますが、iPhoneのApp Storeと同じようなものがあり、これによってアプリを追加できるのでこれからエンタテイメント性も高まっていく可能性もあります。
実は海外にもエンタテイメントフォンという形の進化を遂げたものがあります。NokiaのExpress Musicのラインであるとか、Sony EricssonのWalkman Phone、SamsungやLGの多機能ケータイなどがそうです。これらと日本のエンタテイメントフォンの違いは日本特有のワンセグやQRコードといったものがないという点だけでしょう。あとはサイズが小さいということでしょうか。
日本でのAndroid Phoneの位置づけは、どうもiPhoneのライバルというよりは、今まで日本でWindows MobileとかBlackBerryを使っていたニッチなところに参入する形になるんじゃないかと思います。HTC Magicは一般向けとしてそれほど訴求力のあるモノではありませんし、htcにしろグーグルにしろ、Appleのような行き渡ったブランド力もありません。そのあたりは出すDocomoもわかっていると思いますね。たぶん、HTC Magicは国内メーカーがAndroidに手を出す試金石となるのかな?と思います。

ちなみに、Android用のApp Sroreはココ。また、別のまとめ方をしたCyrketもあります。

2009年5月14日木曜日

Africa:News RoundUp 5/13


昨日、水道のことを書きましたが、実はダカールもう1つ不快なことが起こっています。それはゴミ収集の会社でストが起こっていて、ゴミ収集が行われておらず、街路には生ゴミがあふれています。ダカールのゴミ収集についてはほとんど定期的にこのような状態になっています。市がある会社と契約し、しばらくはうまくいきます。しかし、数ヶ月して給料の不払いや待遇についてストがおき、ちょうど今のような状態になります。そして、これがもう耐えられないレベルになってはじめて市が動いて、結局はまた別の会社と契約するのですが、実は中で働いてる人はみんな同じだったりします。つまり、うまい汁を吸っているのは会社を作ってつぶす、これを繰り返している連中だけなんじゃないでしょうか?

ブルキナファソでもストの話題です。数週間前からブルキナでは仏TOTAL社のガソリンスタンドでストが行われています。しかし、これが長期化して来てだんだん他の方面にも影響が出て、不便のみならず、物価が急上昇するなど国民生活の不満が高まって来てどんどん別のストを誘発するという結果になっているようです。(Afrik.com)そして、もう1つブルキナ関係ではベナンとの国境問題があるようです。今日、ブレーズ・コンパオレ大統領はダカールに来ていました。またベナンのヤイ・ボニ大統領はマリを訪問し、アマドウ・トラオレ大統領を訪ねたようです。かなりこの問題について双方で根回しが活発に行われているようです。(Afrique en Ligne

次にガボンですが、休養に入ったボンゴ大統領は医療用の飛行機でヨーロッパのどこかに飛び立った、と報道された後、どうやらスペインのバルセロナにいるようです。また、ボンゴ大統領が指示した休養中の大統領代行につき、憲法に抵触するという問題が早速飛び出したり、ボンゴ大統領の留守のガボンは政治的不安が高まっているようです。(Afrik.com)ちなみにボンゴ大統領はすでに42年間ガボンの大統領の椅子に座っています。ボンゴ大統領にもしものことがあればすぐにでもボワニを失ったコートジボワールのようになる可能性があるでしょう。

ニジェールです。先日タンジャ大統領が「話をつけたはず」のトアレグゲリラ、MNJ (Mouvement des Nigeriens pour la Justice:正義のためのニジェール人運動)が、「武器はおかない」と前言を翻しました。これはだいたい予想通りと言えます。これまで何十年ももめていたものが1回の話し合いで解決する方がなんだか怪しい。前の宣言はフランスとのウラン取引を無事に終わらすためのポーズにすぎません。(Jeune Afrique

さて、お隣のマリです。こちらのトアレグ問題に対する構えはタンジャのそれよりはずっと厳しいように見えます。ATT(トラオレ大統領)はかなり本気な印象です。しかし、マリが今つまずいているのは「民営化」のようです。国営電話会社Sotelmaの民営化に関し、モロッコのMaroc Telecomとの交渉が暗礁に乗り上げてしまったようです。また、国営の繊維・布会社CMDTの民営化は1999年から全く進んでないそうです。このように「売れない国営会社」、「民営化の失敗」によってこれらの会社の赤字が累積し、国庫を圧迫しているそうです。(Jeune Afrique

久しぶりにマダガスカルです。フランスのマダガスカルに対する影響力は未だに強大なわけですが、ラジョエリナ大統領はフランスにとって悩ましいことにリビアとの接近を噂されたりしているようです。(Jeune Afrique)ところが、突然ラジョエリナ大統領はこんどの大統領選には出馬しないと宣言したり、いったいどうなっているのかよくわかりません。これも、ラジョエリナ政権に対して厳しい態度を取っているAUアフリカ連合の現議長であるリビアのカダフィ師の顔を立てた一種の「ポーズ」なのかもしれないですね。(Afrik.com

ギニアビサウの大統領選挙は6月28日と決定したようで、候補者リストが公表されました。(Afrique en Ligne

2009年5月12日火曜日

Africa:News RoundUp 5/12


チャド以外をラウンドアップします。

まずトーゴですが、気象局長のアウデ・エグバレ氏は11日、2009年にトーゴを非常に大きな洪水が襲うことを心配している、と月刊L'Environnement誌で発表しました。トーゴは2007年にも大きな洪水被害を受けています。(Afrik.com)また10日にニャシンベ大統領がアネオを訪問した帰りに、同行していたジャーナリストの乗っていた車両が事故を起こし、5人あまりが重軽傷を負ったということです。こういった「コンボイ」は一度私もセネガルで昔同行したことがあるのですが、平均時速120km位を出すとんでもないモノであることが多いです。道路状態が悪かったり、車両が整備不十分だったりすればすぐに事故になってしまいます。(Afrique en Ligne

マリではアルカイダとの戦いが相変わらず続いています。AQIM(マグレブアルカイダ)は5/15までにイギリスにとらえられているメンバー、アブゥ・カタダが釈放されなければ2009年1月からAQIMに捕らえられているイギリス人人質を1人殺すと脅しています。マリ政府はアルジェリア政府の協力をうけて、5/9にサハラ地域でこのAQIMに対する作戦を開始しました。また、アルジェリア、モーリタニアおよびニジェールもこの作戦に参加していくそうです。(Afrique en Ligne

ニジェールですが、フランス在住のニジェール人はタンジャ大統領の任期延長に反対するとしています。(Afrique en Ligne

コートジボワールの野党勢力は大統領選挙を10月11日に実施するよう求めています。(Afrique en Ligne

RDC東部の北キブ州では国連関係者がルワンダゲリラの村荒らしに頭を悩ませています。(All Africa

ところで、セネガルのダカールですが、先週後半から自宅の水道の水圧がものすごく下がってしまって困っています。話を聞いてみると、これはかなり広範囲で生じているようで、何かの工事かとも思うのですが、実に不快です。まったく、この国はいわゆるライフラインと呼ばれるものが全部きっちりと動作した試しがない。最近ようやく停電が減ったと思ったらこのザマです。

Chad:政府軍側の勝利で事態鎮静


チャドの状況です。
日曜にまた戦闘があったあと、チャド軍側がゲリラを押し戻し、ゲリラの退却が始まっているようです。(Afrik.com)しかし、ゲリラ側は「これは戦略的退却であり、UFR(ゲリラ)は人的および物的リソースを温存している」と発表しています。(Afrik.com)また、ゲリラはフランスに対して介入しないよう求めていましたが、フランスは11日外務省公報官フレデリック・デザニョー氏を通し、「ゲリラは武器を置き、チャド政府と対話を行う」よう声明を出しました。(Afrique en Ligne)また、フランスにいる元チャド大統領のグクニ・ウェデイ氏も声明を出し、「現在のチャドの状況を多いに憂慮している。対話だけが解決への道だ。」と述べました。このウェデイ元大統領は現在アルジェに亡命中ですが、今セネガルに置かれた身柄とその裁判が問題となっているヒセイン・ハブレ元大統領とチャドで政争を繰り返した人です。
また、事態の沈静化をうけ、人道援助団体NGOなどが東部チャドに戻りつつあるとJeune Afriqueが伝えています。

Sony:ストリンガーCEO語る

「もし、我々が最初からオープンテクノロジーを採用していたら、今頃Appleに勝利していただろうと私は思う」(Engadget
SONYのサー・ハワード・ストリンガー会長が日経エレクトロニクスアジアのインタビューに答えて語ったそうです。
このブログに書いたかどうか記憶にないのですが、これは私が常々思っていたことなのです。もちろん、今回のストリンガー会長の発言は音楽に限ったことなのですが、私はSONY全体に言えることだと思います。
Appleは今でこそ、ほとんど絶対的とも言えるブランドを確立していますが、かつては暗黒時代がありました。一般にそれはスカリーCEOの時代、1990年代にジョブスを追い出したときと言われており、その暗黒時代の終焉はジョブスが復帰してiMacを出すときとされています。実は私がMacと出会ったのはこのAppleの暗黒時代でした。しかし、暗黒時代とは言ってもAppleの提供していた世界はものすごく衝撃的な世界だったのです。実は私はAppleに出会う前はSONYを愛用していました。ベータマックスを3台持っていたこともあります。そして、Appleが私にとって特に魅力的だったのはトリニトロンモニターを使っていたこともあります。実際、この時代はAppleとSONYの蜜月時代でもあります。一時は業績が悪化したAppleをSONYが買うのではないか?という噂すらあったと思います。そして、MacOSのライセンス提供があったとき、SONYが来るのか??と期待したものです。今もしAppleがMacOSのライセンス提供を行うとしたら、まずまちがいなくSONYは飛びつく気がします。もちろん、Appleがそんなことをすることはまず絶対にないと思いますが・・・しかしSONYは来ず、VAIOはこともあろうにWindowsのパソコンとなったのです。実はこの時代、業務用としてはワークステーションが全盛でした。NeXTもワークステーションですし、シリコングラフィックスのIndigoがグラフィック用としてもてはやされていました。そのころSONYはNEWSというワークステーションを出していたのです。つまり、SONYにはパソコン用のOSを開発するだけの素地があったと思います。しかし、そのころ世の中のテクノロジーの常識の中でものすごく重要視されていたのが「互換性」でした。そしてSONYはベータマックスで互換性の痛い目にあっていました。これがWindowsの安易な採用をしてしまった主な原因でしょう。VAIOはそれなりにキャラクターを持ったPCだし、スタイルなどでの差別化の努力は涙ぐましいものさえ感じます。しかし、決定的なのはいくらVAIOががんばってもWindowsに縛られる、ということだったのです。強みだったはずの互換性が、他のものとかわらない、差別化を妨げる決定的な要因になってしまったのです。これはコンピュータのソフトウェアの互換性とベータとVHSのようなハード的な互換性が全く性格を異なるものだということもありますし、その違いの中でインターネットが登場してすべてのコンピュータが共通のプラットフォームで動くというものが標準化されたという革命的な技術革新もあったわけです。しかし、SONYには何回も自社OSを開発する機会があったと思います。それをすべてみすみすのがした上、ドル箱になるはずだったVAIOは他のメーカーとの熾烈な競争に晒され、力を盛り返したAppleが音楽産業全体まで巻き込んで、新しいビジネスモデルを作ってすっかりお株を奪われてしまったわけです。私は今からでも遅くないと思います。最近のLINUXデスクトップはとても優れていますし、これをカスタマイズして使えばVAIOは魅力的でオリジナルなPCに生まれ変わるでしょう。MSからVAIOを解放してやること、これがVAIOを救う唯一の道という気がします。ちなみに、オリジナルOSのVAIOが出れば、私も買ってみようと思うでしょうね。

2009年5月11日月曜日

Google:SPAMブログにされてしまいました

実は先ほどGoogleからメールが来て、このブログにSPAMブログである可能性があるとして確認を要求されてしまいました。
確かに最近多いですね、そういうブログ。
まあ、誰かが見てSPAMだと言われたわけではなく、Googleのロボットがポスティングの内容構成(HTMLを)をスキャンしてSPAMかもしれないと判断しているわけです。
このブログはニュースを扱うようにしてから、毎回かなりの数のリンクが張ってありますので、これが「他のサイトにユーザを誘導するSPAMブログの構成に近い」と判断されたのだと思います。リンク以外ではSPAMと判断されるような要素はないですし。
ということでSPAMブログ指定を解除するリクエストをGoogleに出しました。
これが承認されるまで数日、おかしなメッセージが出るかもしれませんが、無視してください。
なお、当ブログのリンク先はSPAMサイトでないことを確認した上で掲載していますのでご安心ください。

Africa:News RoundUp 5/10


ガボンのボンゴ大統領、コンゴのンゲソ大統領、赤道ギニアのオビアン大統領がそれぞれフランス国内に持つ不動産などの資産をフランス司法当局が調査するとした件で、パリの検事局がこの決定に反対しているそうです。これによって、この調査が行われるかどうかはパリの地方裁判所の決定にゆだねられるそうです。(Afrik.com

ナイジェリアの燃料品薄問題がかなり悪化しているようで、国内紙がこぞってこの問題を第一面でとりあげているそうです。(Afrique en Ligne)そもそも、産油国であるナイジェリアが自国内で燃料不足に陥るなどというのはおかしな話ですが、これは複雑に絡み合った利権、そして石油のもたらす利益の分配における大きな格差や不公平を浮き彫りにしているといえます。ちなみに隣国ベナンではこのナイジェリアの石油を安く仕入れて、ガソリンスタンドより安い値段で売っている「パイヨー」というガソリンがあります。私が昨年夏に訪れたとき、ガソリンスタンドのガソリン価格はだいたい650F/Litreでしたがパイヨーは350F/Litreと半額に近い値段でした。しかし今はパイヨーの価格が急騰し、ほぼガソリンスタンドと同じ値段になっているそうです。

そのベナンですがBOAD(西アフリカ開発銀行)が西北部のジュグ=ウアケ(トーゴ国境)の舗装に対し、80億FCFA(1220万ユーロ)の融資を行うことを発表しました。(Afrik.com)このところ、トーゴに対するファンディングエージェンシーの大型援助の発表が相次いでいましたが、ベナンもこの波に乗っているのでしょうか。

コートジボワールでは大統領選挙がいよいよ行われる雰囲気が見えて来て、やっぱり出てきたのがアラサン・ワタラ氏。(Jeune Afrique)この人はコナン・ベディエが大統領だった時から大統領候補だったのですが、ベディエがワタラ氏の「生まれ」に文句をつけ(ワタラ氏はブルキナ人の血を引いている)1995年の大統領選に立候補できませんでした。それに続く2000年も「国籍が不明瞭」であるとしてまたもや立候補を取り消されています。日本のような島国ならいざしらず、陸続きのアフリカ、しかもECOWAS (CEDEAO) という人の自由な行き来が保障されている地域で、このような「生まれ」や「血筋」の問題を大統領に立候補する条件とするのは、おこがましいとしか思えませんが、さて今回はどうなるのでしょう。

チャドですが、やはりスーダンとの外交関係が悪化です。イドリッサ・デビー大統領はチャド国内のスーダン文化センターを閉鎖し、スーダンの作った学校をチャド政府が接収すると発表しました。この学校の教員はスーダン人なので、速やかにスーダンに帰国するよう求めています。またスーダンだけでなく、AUアフリカ連合も「ダルフール問題を国連任せにして、必要な措置をとれなかった」と非難、さらにリビアと中国を名指しで、国連の安全保障委員会でチャドに対して非友好的な発言をしたとして非難しています。(RFI

今、France24のニュースでやっていたのですが、今年末に予定されているギニアコナクリの大統領選にゲリラの代表は立候補しないそうです。これはちょっと驚きです。

2009年5月10日日曜日

Africa:News RoundUp 5/9


チャドの続報からです。一体どことどこでいくつの戦闘があったか詳細はわからないのですが、累計としてJeune Afriqueが伝えているところでは死者247名(うちゲリラ側225名)、捕虜212名、接収した車両127台、破壊した車両93台、チャド軍側被害としては死者22名、負傷者31名、破壊された車両10台とチャド軍側の圧勝に終わっているようです。ちなみにこれはチャド政府側が発表した数字です。また、France 24のニュースではこの知らせを受けた首都ンジャメナの様子がレポートされていましたが、人々はかなり興奮した様子でした。また、スーダンとの外交関係は悪化する可能性があることも指摘されていました。

さて、そのスーダンですが、ダルフール南部で国連の平和維持要員が銃で撃たれて死ぬという事件が起きています。(AllAfrica

RDC=ルワンダですが、CNDPの指揮官だったローラン・ンクンダはルワンダからRDCへ身柄が引き渡される予定でしたが、この引き渡しは行われそうにないとAll Africa(仏語)が伝えています。また、一昨日にも伝えた北キブ州での火山噴火の可能性ですが、BBCも同様のニュースを伝えています。この記事によると噴火しそうになっているのはゴマからわずか25kmしか離れていないニャムナギラ山で、ゴマの市街からも山から噴煙や水蒸気が噴出するのが見えるそうです。付近には2002年に噴火したニラゴンゴ山があり、この噴火の際にはゴマの街の半分が破壊されました。

ガボンのボンゴ大統領が休養中の政府の責任者がDidjob Divungi Di Ndinge(ちょっと読みがわかりません)副大統領に決まったとガボン政府が発表しました。しかし、この決定には問題があるそうでガボンの憲法によれば大統領が死亡したり、45日以上不在の際には副大統領ではなく、上院議長が大統領代行をつとめると決まっているということです。(Afrique en Ligne

最後にセネガルのカザマンス地方、ビニョナ県のジナキ村(ジュルルの近く)で軍のトラックがロケットによる攻撃を受け、破壊されました。2004年の平和合意以降カザマンスには一応平和が戻っていましたが、まだ事態は予断を許さないのかもしれません。(Afrique en Ligne

2009年5月8日金曜日

Chad:激しい戦闘で146名の死者


=速報=
チャド東南部で、スーダンから侵入したダルフールのゲリラUFRとチャド軍との間で激しい戦闘が行われ、146名が死亡したとJeune Afriqueが伝えています。
記事によると、死者の内訳はゲリラ側125名、チャド軍側21名ということで、巻き添えになった民間人はいません。場所はアム・ドレッサという村の近く(アベチェから南110km)ということです。またチャド軍は152名の捕虜、67台の車両を接収、戦闘中に73台のゲリラ側車両を破壊したということです。チャド軍側には30名の負傷者が出るとともに7台の車両をゲリラ側に奪われたそうです。
ゲリラ側の広報担当がAFP通信に語ったところによると、今回の侵攻は1000台以上の車両が動員され、アム・ダムの街は完全に制圧された、ということです。

また情報が入り次第お伝えします。

Africa:News RoundUp 5/7


チャドの続報から。
チャド東部にスーダン・ダルフールゲリラが侵攻している問題で、侵入したゲリラとチャド軍との間で戦闘が行われたようです。(Afrik.com)場所はチャド南東部のティシ村とハラズ・マンゲ村の間で今朝10時(GMT)に侵攻しているゲリラの部隊がチャド軍の待ち伏せにあい、機関銃を装備した12台の車両を置いて逃げたということです。また、これに先立つゴズ・ベイダ方面へのゲリラ侵攻の様子をBBCが伝えています。このチャドの争乱に対し、国連事務総長の次に動いたのはCEN-SADです。これはリビアのカダフィ師が音頭をとる機関ですが、ダルフールゲリラのチャド侵攻を弾劾しています。スーダン政府の動きは今のところ聞こえてきませんが、カタールのドーハで平和合意を結んだばかりであり、様子見をしているのでしょう。(Afrik.comRFI

ガボンのオマール・ボンゴ大統領が突然「休養する」と発表しました。(Afrik.com)ボンゴ大統領はつい最近、夫人を病気で亡くしたばかりでこの喪に服したいということです。
しかし、昨日フランスの司法当局がボンゴ大統領を含む3人のアフリカの大統領がフランス国内に持つ財産を調査すると発表したばかりです。あまりにもできすぎたタイミングでしょう。ちなみにあと2人はコンゴのンゲソ大統領、この人はボンゴ大統領の亡き夫人の父親であり、ボンゴ大統領の義父にあたります。それと赤道ギニアのオビアン・ンゲマ大統領です。(AllAfrica)また、ボンゴ大統領の健康が優れないという噂もあります。

ギニアではまたまたダディス・カマラが大鉈を振るい2人の大臣の首をすげ替えたようです。(Afrique en Ligne

ナイジェリアですが、この国もゴタゴタには事欠かないのですが、オロイビリというところにあるシェル社のパイプラインから非常に大きな原油漏れが起こり、農地が汚染されたそうです。(AllAfrica)今回の原油漏れの原因がサボタージュによるものなのかはまだ不明ということですが、ちょうど激しい降雨があり汚染を広げる結果になったということです。

コンゴ民ですが、北西部にてRFIを停波したそうです。(AllAfrica)そういえば、先日ルワンダでBBCが同じく停波されたことを伝えました。この2つに直接的な関連はありませんが、どうもキンシャサとキガリのつるみ具合に居心地の悪いものを感じます。さて、このRDC-ルワンダ問題の中心、キブ州ですが悪いことは重なるようで、今度は火山活動が活発化して住民を脅かしているとIRIN Newsが伝えています。

2009年5月7日木曜日

Chad:東部チャドのゲリラ問題


チャド情報がいろいろと入って来たのでまとめます。
まず、その前にチャドという国をざっとおさらいしてみると、アフリカの北半球部分のほとんど真ん中に位置する面積の広い内陸国で東はスーダン、西はニジェール、北はリビア、南は中央アフリカと長い国境線で接しています。南西端はカメルーンとナイジェリアに接しており、首都ンジャメナはほとんどカメルーン国境にあります。主な産品は石油で、パイプラインでカメルーンの海岸線側に出して輸出しています。南側の中央アフリカも問題の多い国ですが最も大きな問題は東側のスーダンです。スーダンの問題といえばアフリカに少しでもなじみのある人なら「ダルフール」と思い浮かぶと思いますが、このダルフール地方とはチャドとの国境地帯に他なりません。つまりダルフール問題とはチャドの問題でもあるわけです。そして、今年のはじめからこのダルフールのゲリラが東のハルツームを目指すかわりに西のンジャメナを目指しはじめたということなのです。これはダルフールをめぐってもともとスーダン政府とチャド政府は仲が悪く、2008年にダルフールゲリラがハルツーム側に攻撃を仕掛けた時、スーダンはダルフールゲリラを支援したとしてチャドを非難しているのです。
さて、ニュースですが、5/6にチャドのムサ・ファキ・マハマ外相はパリでフランス外相ベルナール・クシュナー氏と会談し、ダルフールゲリラのUFR (Union des Forces de Resistance)のチャド侵攻について状況が悪化しないような外交手段について話し合ったとAfrique en Ligneが伝えています。チャド外相はカタールのドーハで開かれていたダルフールの平和同意会議に出席した帰りでした。
チャド現地からの情報としてはBBCがUFRのチャド東部の街ゴズ・ベイダ侵攻を伝えています。これによるとスーダンからチャドに入ったのは車50台から200台程度で2手に分かれ、ゴズ・ベイダともう1つはもっと南の中央アフリカ国境に近い無人の森林地帯を進んでいるとのことです。同様の情報をJeune Afriqueも伝えていますが、こちらはゴズ・ベイダ周辺の動きをもっと細かく伝えています。1つの部隊がゴズ・ベイダから180km南西に位置するアム・ティマンに抵抗なく入りそこに駐屯した模様、もう1つの部隊がゴズ・ベイダの北西110kmに位置するアム・ダムに入ったということです。アム・ダムはダルフール難民を収容し、国連部隊の駐屯するアベチェの南西100kmにあたり、このキャンプには45万人の難民が避難しています。
また、バンキムン国連事務総長はこのスーダンゲリラのチャドへの侵入を憂慮していると声明を出しました。事務総長は両国にドーハ合意を遵守し、外交手段を用いて問題解決を行うよう示唆しました。(AllAfrica)この記事によると、この東チャドにはスーダンからだけでなく、中央アフリカからの難民も流入しており、その数はすでに6万人に達しているそうです。

Africa:News RoundUp 5/6


まずはニジェールです。フランスとのウラン採掘権の取引、トアレグゲリラの投降についてはお知らせしました。5/4にこのアフリカ最大と言われるイムラレンのウラン鉱山がママドウ・タンジャ大統領、アンヌ・ロベルジオン仏Areva社長の出席のもと、採掘開始のセレモニーが開かれました。(Afrik.com)しかし、このウラン鉱山いろいろと問題がありそうです。Afrik.comによると、Areva社は旧Cogema社といいニジェールで1968年からウランの採掘を行ってきました。しかし、ウラン採掘はニジェールという国の発展に全く寄与しなかったばかりか、主にトアレグで構成される現地住民の暮らしを例えば健康被害などの形で大きな被害をおよぼしてきたのです。ニジェール政府は1961年にフランスと交わした契約により、フランスに市場価格に比べると問題にならないような値段でウランを売っているそうです。放射能に関する調査をしているCRIIRADによると、ウラン鉱山の街アーリットの水道水の放射能レベルは規定値を超えていると言います。また、精錬に大量の水を必要とするため、地層水の枯渇を加速させているとも言われています。また、精錬後の放射能を帯びた泥や発生するラドンガスなどが全く処理されないで放出されているというのです。この放射性の泥はなんとアーリットの病院前でも検出されたそうです。確かにニジェールにとってウランは唯一と言っていい外貨獲得手段であり、ニジェール政府の生命線とも言えますが、これがいくら少数民族であり、人数的には少ないとはいえ住民の犠牲の上に成り立っているのは悲しいことです。また、いかに採掘地域が砂漠地帯とはいえ、国土を切り売りするばかりか、その汚染や資源枯渇を野放しにしていいのか?とも思います。さらに、やっぱり出て来たのがタンジャ大統領が再び大統領選に出馬するために憲法を変更する国民投票です。一連のウランをめぐる動きは周到に準備されたこの政治取引の前振りだったわけです。(Afrik.com)考えてみればタンジャを脅かすのはトアレグしかなかったわけで、それをうまくウラン取引で釣っておいて、このまさに狙ったようなタイミングで国民投票を発表するという、これは反対が出そうなところ(法にうるさいフランスを含め)をうまく押さえた老獪なやり方と言えます。

同じようなコンスピラシオンの臭いがして来たのがセネガルのASI問題です。ただ、これが本当にコンスピラシオンなのであればあまりにヒドいことですが・・・よってこれは多分、コンスピラシオンではないでしょう。一昨日、セネガルの組閣がありカリム・ワッドが入閣したことはお伝えしました。さて、カリムが音頭をとるのが、まさにASI問題の本丸、航空分野です。そして、これはセネガルでは知らない人はいないくらい有名な話ですが、カリムはモロッコ王の独身時代、そして王子時代のお友達なのです。この関係をセネガル政府が使わないわけはありません。多分、このチャンネルでなんとかしようとしてくると思います。ただ、セネガル政府は大きな譲歩をせざるを得なくなることは間違いないですが、ASIを救い立て直す方がモロッコに見捨てられるよりは絶対にいいはずです。そして、無事これを成し遂げればヒーローは誰でしょうか?もちろんカリムなわけです。このあたりが少々臭うわけです。

次にトーゴ問題についてIRIN Newsが記事を出しています。今回のクーデター未遂事件はトーゴの安定度の試金石になるという話です。しかし来年の選挙は荒れそうな気がします。2005年の選挙でも多くのトーゴ人が隣国ベナンやガーナに避難しました。実際、コトヌにはトーゴ人がたくさんいます。私が住んでいたアパートの中にあった会社で使い走りをしていた若い子がいたのですが、彼もトーゴ人でした。

はじめて取り上げるのですが、チャドで不穏な動きがあります。この国は言ってみれば安定していたことなどないので、いちいち取り上げることはしなかったのですが、今回の動きは大きなものになりそうです。スーダンに逃れていたチャドの反乱ゲリラが首都ンジャメナに侵攻しているとJeune Afriqueが伝えています。今年2月にもゲリラはンジャメナに迫り、デビー・イトノ政権は倒されそうになりましたが、フランス軍の介入でなんとかゲリラを追いやることができたようですが、今度はどうなるのでしょうか。

最後に明るい話題を。ヨーロッパと西および南アフリカを結ぶ新しい海底ケーブル「West Africa Cable」が2011年には利用開始できるだろうとAll Africaが伝えています。施行および管理は仏Alcatel-Lucent社が行い、MTNをはじめとする南アの通信会社数社とアンゴラテレコム、テレコムナミビアとトーゴテレコムがすでに使用契約に署名しているそうです。ケーブルの上陸ポイントは南ア、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民、コンゴ、カメルーン、ナイジェリア、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、カーボヴェルデ、そしてポルトガルと英国ということです。このうち、ナミビア、コンゴ民とトーゴはこれらの国初の海底ケーブルへの接続となる予定です。

2009年5月5日火曜日

Africa:宗教と人道


先日、ローマ法王ベネディクト16世がカメルーンとアンゴラを歴訪した際にコンドームの使用がHIV感染対策にならないと発言し、問題になりました。まあ、これは法王の発言の一部だけを抽出してマスコミが煽ったとも言えますが、法王ともあろう人の発言としては少々軽すぎたとも言えます。しかし、宗教関係者というのは時として一般的な人々の感覚とちょっとズレている場合が結構あるものです。
そして、アフリカでは時にこれが土着信仰とミックスして恐ろしい事態を生み出すことがあります。
セネガルでは昨年12月に同性愛者が逮捕され、8年という実刑を言い渡されました。しかし、彼らが活発なAIDS対策の運動を行っていたこと、そして通常なら最大5年の刑のところを、そのAIDS対策運動が「悪の結社」であるとして8年に増やされていたことから国際社会から大きな反発を受け、最終的にはフランスのサルコジ大統領直々の介入によって釈放されました。(BBC)セネガルはちょうど同じ時期に国際エイズ対策会議をホストしてHIV感染を食い止めることを明言していたのですから、ダブルスタンダードもいいところです。セネガルは結構司法がしっかりしていて、以前はこのように一種の宗教的価値観が司法判断に入り込むことが少なかったのですが、落ちたものです。
次はブルンジが、同性愛を違法化する法案を作ってしまいました。(JeuneAfrique)これまたフランスのラマ・ヤッド人権担当国務長官が出向いて抗議をしています。ブルンジはルワンダの南にある小さな国です。そして民族的にもルワンダとほとんど同じことから、ツチ/フツ抗争が常にあり、ルワンダと同じように虐殺がありながらルワンダの陰に隠れてしまって、ほとんど注目されることはありません。国民は貧乏にあえいで仕事もないのに、こんな自己満足でしかない法律を作っているヒマがあるのならそのエネルギーをもっと有意義なことに注げないのでしょうか?
しかし、実際はというとアフリカの中でも貧乏な層が最も宗教にハマリやすいようなのです。そして貧乏人の間で無駄な争いをしてさらに貧乏になるという負のスパイラルが生じます。昨年のナイジェリアのジョスでの騒動などを見てもそれがよくわかります。

宗教はもともと人と人とをつないで共存するためのものではなかったのでしょうか?
それとも、自分とは違う人間を糾弾して社会から追い出すためのツールなのでしょうか?


BBCによると、今度はセネガルでまたまた墓が荒らされ、同性愛者と見られる死体が掘り起こされていたそうです。
多分狂信的なイスラム教徒の仕業でしょうが、いったい夜中に墓に侵入して死体を掘り起こすという、オカルトそのものな行為と神を信じるということとどこでどうやってつながるのか理解に苦しみます。墓荒らしはベナンなどでは悪いヴオドゥンの儀式を行うためにやることですし、たいていの宗教で悪いものにつなげてとらえられています。もし、その人が信じる神が「墓を荒らせ」と言ったとするならその神は神なのではなく悪魔なのではないか?とも思います。このように人の道を踏み外すための宗教など、有害でしかありません。

Africa:News RoundUp 5/4


セネガル以外の記事です。

まずはコートジボワールですがバグボ大統領が「選挙は10月か11月」という声明を出しました。詳細な日どりについては5月か6月に発表する、とのことです。(JeuneAfrique)この大統領選挙というのは2005年からずっと先延ばしにされていたもので、実質4年のびたことになります。大統領任期というのは5年〜7年が普通ですからバグボは暫定大統領のまま約1期つとめてしまったことになります。バグボ大統領が正確な日取りを今の段階で発表できないのは、コートジボワールは2002年のクーデター未遂のあと、南北2つに実質分断されているからです。そしてバグボ政府の力が及んでいるのは今でも南の半分だけで、いつ北部の反乱分子が動き出すかわからない、という不安があるからでしょう。この選挙後を見据えて国際機関も動き出したようです。コートジボワールにはUNOCIという国連の統合機関が設けられていますが、この機関はクーデター後のコートジボワールの平和構築を主導してきたのです。そして現在は選挙プロセスに注力しているわけですが、その後は南北コートジボワールの統合に力を注ぐとしています。(All Africa)アビジャンだけを見ていればコートジボワールはそれほどかわらない気もするのですが、コートジボワールは巨大な農業国で、地方の疲弊は国力の衰退を意味します。実際、一度とりあげましたがここ数年で貧困層が飛躍的に増えているのです。コートジボワールの傷は意外と深いのかもしれません。

さて、マダガスカルですが政治的混乱はまだまだ続いています。Afrik.comによるとラバロマナナ前大統領の任命した首相マナンダフィ・ラコトニリナ氏がラジョエリナ大統領の暫定政府に逮捕されました。ラジョエリナ大統領も早期決着をつけたいのか、2009年の終わりには選挙を行うと日程を前倒ししてきました。(Jeune Afrique)これは一見国際社会からの圧力に屈してトランジション期間を短くしたようにも見えるわけですが、実際はもっと差し迫った問題が国内にあるとも考えられます。このブログでも何度か書いていますが、アンタナナリブが政治闘争に明け暮れている間に大型サイクロンがマダガスカルを襲い、農村部でかなり深刻な被害を出しているのです。そして、早く手を打たなければマダガスカルは貧困と餓えに突き進んでしまうかもしれないのです。(Afrik.com)そして、正式な選挙を早く行って政権を確立しなければ国際社会からの本腰な援助も期待できませんし、JeuneAfriqueが指摘しているようにラジョエリナ大統領はラバロマナナ大統領と全く同じ転落の道を辿ってしまう可能性があるのです。また、今回の政権交代のプロセスは実質クーデターと変わらず、マダガスカルの行政部分も破壊されたままです。この中で犠牲を強いられているのは間違いなく国民でこれは政治的混乱が長引けば長引くほど破壊は進むでしょう。そしてこの出口の見えない政治混乱をいち早く集結させるためには選挙と言うことなのでしょうか。(Afrik.comの記事

ギニアコナクリでは人権団体Human Right Watchが軍による人権侵害を発表しています。(Afrik.com)軍政なのだからある程度は当然かと思いますし、ギニアの前政権はもっとひどかったかもしれません。

ニジェールではママドゥ・タンジャ大統領がアガデスでトアレグゲリラの代表と会談したそうです。(Afrik.com)隣国マリのトゥーレ大統領が非常に強い態度でトアレグゲリラの一掃に力を入れていることもあり、トアレグ側の態度が軟化しているというのと、ウラン採掘周辺が活気づいてきてニジェールとしてはドル箱のウラン産業を危険にさらしたくないという力が働いた結果だと思います。

ベナンでA型インフルエンザ(豚インフルエンザ)H1N1の疑いのある患者が1名出たとAfrique en Ligneが伝えています。多分、日本での疑い例と同じくただのインフルエンザでしょうが、今2STVのニュースで見た限りではコトヌ空港がかなり厳重なマスク着用などの警戒が行われているようです。この空港は確かに検疫がこのあたりで一番うるさいかもしれません。黄熱病のイエローカードを持ってないとえらい目に遭います。しかし、コトヌの医療機関でPCRができるところなどないと思うのですが・・・検体をヨーロッパかどこかに送って調べているのでしょうか?

最後に、AFD (Agence Francaise de Developpement)のかけ声のもと、開発関係のブログサービスSolidaires du Mondeがスタートしています。これは開発関係の既存のブログをリンクするとともにブログのホストを行うサービスで、ブログを開発のツールとして使っていこうというAFDの新しい取り組みと言えそうです。

2009年5月4日月曜日

Senegal:News RoundUp 5/4


ちょっとブログを書くスピードが落ちています。まあ、それだけ緊急性のある情報がないというのも1つの理由でそれはとりあえず平和だということでいいことなんですが・・・

セネガルではここ数日のうちにいろんなことが起こっていますが、全体を通じて感じることというのは、いよいよこの国にも世界不況の影響が深刻化しているんじゃないかということです。ダカールの街は相変わらずですし、人々はこの週末大きなレスリングの試合に熱狂し、楽しく暮らしているのですが。セネガル政府と国外企業とのイシューとして、モロッコRAMとのASI問題、ASECNAの問題、そしてSONATELの問題があります。ASECNA問題はセネガル政府側が匙を投げもとのさやに収まりそうだとすでにお伝えしました。ASI問題ですが依然としてフライトはストップしたままのようですし、話し合いも進んでいないようです。これはモロッコ側がもう完全にやる気をなくしてしまっている印象を受けます。(Afrik.comの記事AFPの記事)そして、私も何度も取り上げていますが、身売り先を探しているようでTunis Airなどの名前が挙がっているということです。しかし私は本命はアフリキアだと思います。カダフィ師とワッド大統領はいい関係にありますし、アフリキアとASIは路線の重複もあまり起こらないと思います。しかし、RAMとアフリキアでは国際的なスケールという点で非常に大きなスケールダウンになります。これはTunis Airでも同じことですが・・・Egypt Airあたりならまだいいし、中東のEmiratesやQatarなどと提携するのはもっと良さそうな気もしますが、今はあちらもリセッションの大津波に飲まれているので現実的とは言えません。さて、SONATELの方はFrance Telecomが株を取得して経営権を得るとお知らせしましたが、今度はセネガル政府が「株は売らない」と言っているようです。(Afrique en Ligne)SONATELがASIと同じ失敗をしないようにしてほしいですね。
このような中、セネガルのスマレ首相が(またまた)辞職(Afrik.com)記事では新しい首相は女性と言っていますが、結局スレイマン・ンデネ・ンジャイ氏を首相に任命しました。こんなコロコロ変わる首相なんて国民にとってはどうでもいい存在なわけですが、ワッドはちゃんとマスコミの目を惹き付けるエサを撒いていました・・・それはカリム・ワッドの入閣です。(Afrique en Ligne)役職は国際協力・国土・航空インフラ担当国務大臣です。この任命を受け、またまた世襲への準備か?という噂が出ているようですが、(AFP)セネガルの大統領が直接選挙で選出される以上、国民に人気のないカリムが大統領になる可能性はほとんどないと思います。また、この新組閣に伴い、セネガル政府は34名の大臣や大統領府付きのConseillerのポストを廃止しました。これは非常に思い切った予算削減です。セネガル政府はここ数年肥大を続けていたので、やっと政府のスリム化に手を付けたのだと思いますが、その反面そこまで政府の予算が逼迫しているということの現れでもある、という気がします。(Afrique en Ligne

セネガル以外のニュースは別ポストにまとめます。

2009年5月1日金曜日

Tech Talk:一連の地デジ騒動に思う

有名タレントの公然わいせつ騒動にはじまったこの一連の地デジ騒動。このタレントが総務省の推進する地デジ化促進のイメージキャラクターとして採用されていたことから、総務相直々の激烈な非難発言が飛び出し、即刻この有名タレントにかわる今はやりの「ゆるキャラ」の「地○ジカ」が登場しました。このキャラがかわいいと某巨大掲示板でお祭り騒ぎとなりいろんな派生キャラが誕生しました。特に地○ジカのまとう服がスクール水着に見えるということが話題になり、この事態にまた総務相が登場して「あれはスクール水着ではない」と主張、ついでに地○ジカの著作権を主張、勝手に使うことは許さないと発言、ネットの大反感を買ってしまいます。そんな中、chidejika.jpというドメインで偽公式サイトが登場します。総務省は地○ジカの著作権を主張しながら、その名前のついたドメインを押さえておくことをしていなかったことが判明します。さらに、地○ジカに対抗するアナロ熊なるキャラが登場、「アナロ熊は著作権完全フリー。どこぞのシカとは度量が違います。」なるコピーとともにお役所を笑うお祭り騒ぎに発展しています。
さて、この一連の流れですがどこに問題があったかというと総務省の「著作権」発言だったと思います。これがネット界のアラートスイッチを押してしまった。そして「地デジ化」そのものの必要性や不透明な利権の流れを暴露する結果になってしまったのです。もともとネット界では音楽業界の著作権団体(アメリカのRIAA、日本のJASRAC)に対する非常に激しい反目があります。そして、これは利権だけでなく天下りの問題にまでつながっていて、行政的にも非常にセンシティブな部分なのです。総務省の対応はそこをつついてしまった。有名タレントが肖像権を主張するのは当然でしょう。しかし、それに替わって(どこかの素人が数日で適当に作った、ご当地ゆるキャラよりさらにゆるい経緯で)作られた地○ジカをお役所が著作権を主張するというのは大人げない。こんなキャラなど使われてなんぼのものなのです。むしろ有名タレントの不祥事での注目度を引き継いだ地○ジカが広く知名度を得て愛されれば地デジ化の促進につながるでしょう。しかし、ここで著作権と言い出してしまったために、一気に反感を買ったばかりか、地デジ化の裏にひそむ闇を暴露してしまった。これは行政が用意した次なる毒入りリンゴなのかもしれないというアラートスイッチを押してしまったわけです。アナロ熊が主張しているのもこの部分で、単に消え行くものへの愛着を示しているキャラなのではありません。chidejika.jpのドメインを取った人物がどういう人なのかはわかりません。でも、これは総務省のちぐはぐな主張とコンプライアンスの甘さを突かれているわけです。ある報道ではこれを「サイト乗っ取り」と称していますがこれは違います。ドメイン取得は全く合法的な行為で、もともとなかったわけですから乗っ取りではありません。また地○ジカのキャラクターや地○ジカという呼称が登録商標化されていたとしても、chidejikaというドメインネームはこれには抵触しないでしょう。地デジ化の裏に潜む闇とは何かということですが、現行のアナログ放送は誰でもアンテナとテレビがあれば視聴することができます。しかし、地デジはそうではありません。もちろん地デジのチューナが必要ということもありますが、それ以前になぜか地デジの信号にはスクランブルがかかっています。無意味に暗号化されているのです。誰がなんのためにこんな無駄なことをしているのでしょう?その答えは地デジチューナに入っているB-CASカードにあります。これは有料テレビなどではよくあるモノで例えばここでもCanal HorizonsのチューナにはICカードがささっています。そしてこのカードがスクランブルをコントロールするのです。日本のB-CASカードは総務省ではなくビーエスコンディショナルシステムズという民間会社が完全に独占して管理しています。地デジ放送の視聴は従来通り無料です。表面上はそうなのですが、チューナにはこのB-CASカードの料金が上乗せされていると考えられます。(株式会社なのですから儲けが出ないことはしないでしょう)さらに、日本の放送がB-CAS社によってコントロールされることになるのです。放送というものの公共性を考えるとこのような事態には疑問を呈さざるを得ません。地○ジカの騒動はこのような事態を予見させるもののような気がしてなりません。巷では日本の有名詩人がGoogleの知的データベース構想に噛み付いているという話ですが、私にはこの怪しげなB-CASによる放送コントロールの方がよっぽど国民の権利を侵害しそうな気がします。

Africa:News RoundUp 4/30


まずはトーゴの話題から。前の書き込みでニャシンベ家の兄弟による政権争いについて書きましたがその続報です。Afrik.comが伝えるところによると、フォール・ニャシンベ大統領はクパチャとは別の異母兄弟を逮捕したということです。RFIによると、この人物はエソジラム・ニャシンベ氏ということです。そしてクパチャの自宅からは大量の武器が見つかったということです。(Afrik.com)この一連の騒動に対しECOWAS (CEDEAO)はフォーレ・ニャシンベ大統領を支持する表明をしています。(Afrique en Ligne)また、隣国ベナンのヤイ・ボニ大統領も防衛大臣を特使として送り、大統領を支持する旨伝えました。また国連はトーゴ政府に対して法から逸脱しないよう警告したとAllAfricaが伝えています。そんな中、世銀はトーゴに対する2千万ドルの融資を発表しました。(Afrique en Ligne)また、去る27日にトーゴは49回目の独立記念日を迎え、様々な式典などが行われたようです。(Afrik.com)この模様はセネガルのテレビでも放映されていましたが、初代大統領のオリンピオの息子が登場していました。この人物は大統領選に出るのでしょうか?

セネガルのASI問題ですが、一応モロッコ側とセネガル側の交渉は続いているようですが(JeuneAfrique)状態は楽観できないと思います。また、ASI問題に先立つASECNA問題ではセネガル政府は自前で航空管制を行うことをあきらめたようです。(Afrique en Ligne

マダガスカルでは憲法評議会のメンバーが前大統領を支持しているとして軍部に逮捕されました。(Afrik.com

ルワンダ政府は同国でのBBCの放送を停止しました。(AllAfrica)この動きはやはりジェノサイドに関するBBCのルポルタージュの内容に抗議しての行動ということです。

2009年4月30日木曜日

Apple:PowerBook G3 Pismo


ラウンドアップやらなきゃなーと思っていたら突然持ち込まれたのがこのPismo。私にとってG3の時代というのはMacが一番魅力がなかった時期でもあり、今までPismoの実機は触ったことがありませんでした。私のAppleラップトップ遍歴は1台目がDuo230で2台目がDuo 280cなので、オールインワンタイプの大きなPowerBookは使ったことがなかったのです。オールインワンを使うのはTitaniumからで、今度は反対にAirは買ってないという、なんか自分でもちぐはぐだなと思いますが・・・
で、話をPismoに戻します。ハードディスクが壊れたらしく、単に立ち上げただけでは認識していません。容量もよくわからないのでとりあえずTigerのインストールをトライしてみましたが、途中でエラーが出てしまいます。Tigerのインストールはこの6GBしか容量のないハードディスクには無理(4.8GB必要)と判断して、PowerBook G4アルミのインストールディスクでPantherを試すもののこれもエラー。
PantherもダメとなるとJaguarかCheetahになりますが、あいにくここにはJaguarがない。(先日、日本の家で発見しました)しかたがないのでCheetah (Mac OS X 10.1)のインストールをやってみることにしました。こんな古いシステムをインストールするのは久しぶりですっかり忘れていたのですが10.1はまず9.1をインストールしておかないとインストールできないのです。仕方なくまず9.1をインストールし、10.0、そして10.1と順番にインストールしていったのですが、すごく時間がかかってしまいました。
TigerやLeopardの抜群の使いやすさが身にしみます。
昔はこんなややこしくてエラーが良く出る環境だったんだな・・・よく我慢して使っていたものです。Intrepid IbexとかのUbuntuの方がよっぽど安定してて使いやすい。それにしても、入れたはいいものの、こんなのでは今や使えるソフトを探すのが一苦労だと思います。今持ち込まれるのはやはりG4以降がほとんどなので、TigerかLeopardとそれに対応したソフトはそろえてありますが・・・

2009年4月29日水曜日

Africa:News RoundUp 4/28

しばらくラウンドアップをさぼっていたので明日と2回に分けてラウンドアップしていく予定です。

まずはマダガスカルですが、事態は特に目立って暴力的な方向に悪化しないかわり、解決にはほど遠く、全く前に進んでいないようです。ラバロマナナ前大統領の支持者が行った集会で警察と衝突し、36名が怪我をしたとAfrik.comが伝えています。そのラバロマナナは「マダガスカルに戻る」といいながら南アにいるのですが、ラジョエリナ率いる暫定政府はラバロマナナに対して逮捕状を出しました。これでラバロマナナはマダガスカルの地を踏んだとたん、警察に取り押さえられることになるわけで、有り体に言って暫定政府はラバロマナナに「帰ってくるな」と警告しているというわけです。(Afrik.com)さて、マダガスカルでは暫定政府によるメディア弾圧が続いているとAllAfricaが伝えています。前回のラウンドアップでラバロマナナが電話で首相を任命し平行政府を作っていることをお伝えしました。ラジョエリナ新大統領がAUやSADCの支持を得られないこと、そしてマダガスカルを離れられないのをいいことにラバロマナナは国外からの政権転覆を狙っているのがありありとわかるのですが、彼はボツワナのガブロンと南アのプレトリアを回ってそれぞれの大統領に面会して根回しをしているようです。そして、これらの国家元首が提示した「ラジョエリナと権力を分け合うこと」を拒否しているとAllAfricaが伝えています。またAfrik.comが現地団体に行ったインタビューによるとアンタナナリブでは激しいインフレが起こっているということで、政治的混乱によって人々の経済的および社会的な生活が「人質に取られた」ような状態である、ということです。

次にギニアコナクリです。やはり、というかなんというかムサ・ダディス・カマラ暫定大統領が今年末に行われる予定の大統領選に出馬表明です。(Afrik.com)そして、そんなコナクリに現れたのがブルキナファソのブレーズ・コンパオレ大統領。なんか、このあたりものすごく臭うのですが、ものすごく裏がありそうな動きです。というのは一度書きましたがブルキナファソも選挙を控えていますし、コンパオレが政権をにぎったそのやり方はダディス・カマラもお手本にしているのではないか、と思うのです。さらにコンパオレは憲法をねじまげて、本来なら再選できない大統領の座を「コンパオレに限っては再選を許す」という特記事項まで加えてしまった張本人です。ダディス・カマラとコンパオレの接近はカマラとワッドの接近より数倍キナ臭い気がします。(Afrik.com)コナクリではダディス・カマラの「粛正プログラム」に反対する汚職まみれの政治家と経済界があって、大統領選でカマラ下ろしをやってまた甘い汁を吸おうとしているという話もあります。(Afrik.com)軍政を続けるか、汚職にまみれたシビリアンコントロールに戻るのかギニア国民は厳しい選択を迫られるのでしょうか。

ルワンダですがRDC東部キブ州での反乱軍のリーダー、ローラン・ンクンダはルワンダ政府を不法な逮捕を行ったとして訴えるそうです。ルワンダとRDC政府はすでにンクンダの身柄をRDCに引き渡すことで話がついています。(Afrik.com
そのRDCの北キブ州ではルワンダ軍とRDC軍の共同作戦でフツ族ゲリラのFDLRを一掃したはずが、作戦終了後まもなくまたFDLRが動きだし住民を難民化させています。(Afrik.com

ニジェールで拉致され、マリに監禁されていたアルカイダの人質のうち、カナダ人の国連関係者2名とドイツ人とスイス人の女性観光客1名づつ、計4名が解放され、マリのバマコに移送されてマリ大統領に面会したということです。(Afrik.com

ナイジェリアではトラック運転手のストで燃料難になっているそうです。(Afrique en Ligne

コートジボワールですが、ブアケに駐屯していたフランス軍部隊「Force Licorne」が撤退しました。これは選挙の準備の一環です。(Afrique en Ligne)また、ギヨーム・ソロ首相は透明で公平な大統領選挙を約束すると声明を出しました。(Afrique en Ligne

最後にAir Senegal Internationalですが・・・カップスキリングで足止めを食らっていた乗客はダカールに移送されたものの、そこから先には行けませんでした。ダカールからパリに行く便は「燃料がなくて飛ばせない」ということです。乗客は放置されて情報すら与えられないことにいらだっています。一応セネガル側がホテルを用意しているようで、今晩はそこで夜を明かすことになります。また、明日セネガル側とモロッコ側との話し合いが持たれるようです。それにしても、一度崩れるともろいというか、今まで築き上げてきたASIの名声はいとも簡単に地に落ちてしまったようです。

2009年4月27日月曜日

OLPC:新しい挑戦


しばらくOLPC周辺は暗いニュースばかりで、このまま消滅してしまうんではないか?とも危惧されたのですが、ネグロポンテ氏はそんなに簡単にあきらめていなかったようです。OLPCはいくつかに解体され、派生したソフトウェア開発を行うSugar Labs、スクリーンを扱うPixel Qiなどが、XO Laptopから少々距離を置いて仕事を進めたようです。そして、ネグロポンテ氏率いるOLPC本体は自力での新しいハードウェア開発をやめ、コンセプトを作ることに注力し、ハード作りはメーカーに任せる方向に転換させました。
結果としてこの改革は非常によい結果を生んだようで、最近OLPC周辺のニュースがいくつも浮上してきています。まず、XO-2、これはブックタイプのネットブックを2面のタッチスクリーンにしたDSの発展系みたいなもの(写真参照)ですが、これがいよいよ実機が作られる見通しになったようです。近年、iPhoneのヒットなどでタッチスクリーン周辺の技術は非常に進みましたし、ハードとソフトの連携も進んでこのコンセプトの実現が技術的に可能になったのでしょう。また、XO-1についてもチップをAMDからVIAに変える(ArsTechnica)など、マイナーチェンジを図っているようです。しかし、最も大きな発展はソフトウェアでしょう。XO-1はもともとSugarという子供用にカスタマイズされたOSを積んでいました。しかし、これはあまり人気がなくOLPCもついに折れてWindows XPを搭載したXOを出さざるを得ませんでした。このSugarについては私も昔、酷評しました・・・というのはインターフェイスこそ子供用になっているものの、一旦アプリケーションレベルに入れば他のLinuxディストリビューションと何ら変わらないワープロだのFirefoxなどが入っているだけだったからです。むしろ、UIをいじった分ものすごく使いにくくなっている印象を受けたものです。しかし、このSugarが大進化をとげたのです。もちろん基本的にはSugarはFedoraベースのLinuxですが、アプリケーションという概念そのものを捨て、Activitiesという形でほとんどすべてのアプリケーションを見直しています。ソフトウエアがあってその機能があるという一般のコンピュータの概念から離れて、子供の活動があってそれに対応するActivitiesがあるという逆のアプローチなわけです。そしてこれはiPhone Appsと極めて似た生態系だと言えます。そういう意味で新生Sugarが一番近いのはiPhoneのOS Xだと思います。また、旧Sugarの問題点であった「アプリケーションが少ない」ということに関してもかなり改善されています。それにしてもPythonをグラフィカルに作れるActivitiesが標準とか、いったい対象年齢が何歳なんだ??というところはまだ残っています。その反面ちょっと重くなっている気もしますが、これは私が使ったのがUbuntu上で動くエミュレータだったからかもしれません。とにかくUIとしての新Sugarは素晴らしい出来だと思います。確かにこれなら子供用に特化されたOSを語れるものに仕上がってます。また、Sugarの進化はそれだけではありません。SugarをXO以外のハードで立ち上げる場合、以前はライブCDを焼いてそれから立ち上げる必要がありました。しかし新Sugarは実にいろいろな方法が用意されているのです。まずUbuntuなど他のLinuxディストリではエミュレータが用意され、レポジトリからダウンロードして簡単にSugarを起動できます。またWindowsやMac OSXでもVirtualBoxを使って仮想マシン上で動かせるようになっています。(これはテストしていませんが)さらにまだBeta段階ですがSugar On a Stickと言って、USBメモリ上にSugarをインストールし、Sugar環境を有り体に言ってどこでも使えるというものも開発されています。これはまた新しいコンセプトだと思います。One Laptop Per ChildではなくOne Stick Per Childとも言うべきもので子供1人に1台のラップトップが難しいなら子供1人にUSBスティック1本というコンセプトの変化です。そしてそのスティックにOSとデータを保存することによってどこでもどのコンピュータでもその子のマイコンピュータになるという新しい考え方ですね。これはもしかしたら子供用だけでなく一般のビジネス用にも広がるコンセプトかもしれません。しかもラップトップに比べてスティックのコストは段違いに低いですし、メインデナンスフリーでもある。そしてマシンは学校に据え付けという形でラップトップである必要はない。また例えばネットカフェなどでもそのスティックから起動して宿題をやるとか新しい形態の使い方が考えられます。(ArsTechnica
リンク:OLPCプロジェクト

2009年4月26日日曜日

Senegal:Diembéring (Casamance)


この歌に歌われてるジェンベレンとはセネガル南部のカザマンス地方、セネガルで最も美しいと言われる鳴き砂で有名なカップスキリングからちょっと北に行ったところにある村です。私も一度だけ行ったことがあります。カザマンスは本当にどこも風光明媚なところなので、ジェンベレンが特に素晴らしいということではありません。村としてはエレンキンなんかの方がずっとすてきですし、文化の香りという意味ではムロンプなどが面白いです。しかし、この歌は本当にいいと思います。セネガルのシンガーはたいていウォロフで歌うのにあえて仏語で歌っているのもいいですね。

Senegal:ASIついに運行中止?


ASI (Air Senegal International) 問題についてはこれまでも3回取り上げてきました。はじめは昨年11月のこの記事、次に今年2月の記事、そしてこの記事の後、6月末につきつけられたモロッコ側の最後通牒にセネガル政府が先手を打ってRAMがASIから手を引けないように画策します。そして今月10日の記事、ここでASIがいよいよ危機に立たされることになるわけです。この記事を書いた時は日本にいたので現地の状況もうまくつかめなかったのですが、すでに機体がセネガルの外に出たのを見計らって、ASIのフリートBoing 737の3機のうち2機(RAMがASIに貸与している)をモロッコに引き上げてしまいます。そしてASIに残されたのは1機のB737と古いプロペラ機1機となります。それでもASIはがんばりを見せ、一応運行を行っていたようです。ダカール空港に着いた時、真っ白な無印機体が止まっていたのですが、これは多分ASIがどこかからチャーターした飛行機じゃないかと思います。そして昨日ついにASIは全く運行できなくなり、全フライトをストップせざるを得なくなったようです。(Afrik.comの記事)セネガル政府はモロッコ側と大臣レベルでの話し合いを持つアプローチをしているようですが(Bloombergの記事)、困りはてているのは各地に取り残された乗客たちです。RFIによるとパリをはじめとして各地に500名ほどの乗客が取り残されているようです。少ないな、とも思いますが逆にそれだけまだ知らなかった人がいたのか?という気もします。それにしても、今回の混乱は前にも書きましたがセネガル側が一方的に悪いです。ASIは2000年の就航以来、この地域で最も信頼のおける優れた航空会社という評判を得てきました。もちろん、この評価に対するセネガル側の努力がなみなみならぬものであったのは事実だと思います。実際、親会社のRAMのフライトよりもASIの方がいろんなサービス面でよかった時すらあります。しかし、これはモロッコからの資金と新しい機体の貸与、腕のいいパイロットの提供、様々なノウハウの提供の上に成り立っているということを忘れて「自分たちだけでできる」と過信してしまったのが間違いの元・・・非常にセネガル人らしい間違いをおかしたのです。そして、有り体に言って儲けを1人じめしようと画策したわけです。これもお役人らしい考えなのですが、ビジネスの世界ではそんなことは通るはずがありません。さらにセネガル政府は司法に訴えて食い下がったわけですが、これまたビジネスの世界では金をストップされたらいくら司法がどうこうしても終わりなのです。飛行機を飛ばせない航空会社なんてただのお荷物です。ASIはウハウハな儲けの出る会社から金のかかるお荷物に変化しました。本当にバカなことをしたものです。つくづくセネガル人にはビジネスセンスがないと思います。そして、こんなことをして、誰かがASIを買う気になるでしょうか?ビジネスでは信用が第一、というかすべてでしょう。それなのにその信用を裏切った上に、無駄な上から目線でビジネスパートナーを扱ったりしたら信用は失墜します。今はまたお大臣が出てきてなんとかしようとしていますが、これも逆効果じゃないかと思います。セネガル人の悪いところに何でも政治で決着をつけようとするところがあります。人としてモラルとしてどうかという問題も政治家がしゃしゃり出て丸くして通してしまう。何でもそうなのです。今回の事件も結局はワッドが出てきてモロッコの王様と話を付けることになるのでしょうが、失墜したASIの信用、悪評は長くこの会社の運営に陰を落とすことになるのは間違いありません。

2009年4月25日土曜日

CYVOGUE:New Arrival


今回もいくつか日本から新しいものを持ってきました。
まずはAcer X223Wモニタ。これは実家で使っていたもので昨年の秋に買いました。日本の液晶モニタの価格はどんどん下がっていて、サイズもどんどん大きくなっています。また接続系統もHDMIが標準になりつつあります。ちなみにこのモニタは2万5千円くらいで買いましたが、今なら1万7千円くらいに下がっていて2万5千出せば24inchのHDMIつきのが買えますね。しかしダカールではこの前買ったDELLので5万円しました。2倍です・・・しかもDVIのついてないのが多い。DVIとVGAではかなり画像に違いが出ます。
そしてもう1つがIKEAで見つけたソーラーパネル搭載のLEDデスクライトです。これはとんでもないすぐれモノです。ちょっと重いのが難点ですが、本当によく考えられていて、しかも安い。今でこそLEDのリーディングライト/デスクライトは日本でも東急ハンズなどに出始めましたが、安いのでも5千円以上します。ちょっとしゃれたのだと1万近くして、なのにAC100Vでしか動かなかったりするのです。これで「エコ」なのだとすれば日本のメーカーのエコ税はとても高いと言わざるを得ません。IKEAのこのライトはわずか2490円でした。IKEAのLEDライティングの安さは群を抜いています。さて、このデスクライトの発光部分は1.5cmくらいの平面チップに16個のLEDがついていて、その前に結構大きな凸レンズがついています。そしてソーラー部分は重りを兼ねた丸いベースの部分に正方形のソーラーパネル+バッテリが埋め込みになっていて、これがそのままスポンと外れるようになっているのです。そして、この部分だけを屋外に出しておいて蓄電するようになっています。なんとスマートなのでしょうか。しかもここ数年のLEDの発達はすさまじく、とても明るい。もう昼行灯とは言えないレベルです。

Travel:パリの上手なトランジット


GWの出国ラッシュがはじまる寸前にスルっとダカールに戻ってきました。今回は東京→パリが香港経由でキャセイ、パリ→ダカールがリスボン経由でTAPでした。今は電子チケットという便利なものがあるので本当に便利になりました。それにしても成田はやっぱり遠いですね・・・今日は私がよく通過するパリの上手なトランジットのしかたをご紹介します。フランスは日本ほどではないにしてもタクシーは高いですし、空港への公共交通機関を使いながらできるだけしんどくない方法がいくつかあるのです。
まず、パリには2つの空港があります。街の北東にあるシャルルドゴール(CDG)と南のオルリー(ORY)で、日本との便はたいていCDGです。また、マグレブや近距離のヨーロッパ線はたいていORYから出ます。この2つの空港の各ターミナルとパリ市内、そしてCDG-ORY間にはいくつかの交通機関があります。
まず、鉄道ですが日本人にはおなじみなものの、私はこれをあまりおすすめしません。というのはまず鉄道駅までの移動が意外と大変なのです。そして、パリ市内に到着する鉄道駅がかなり混雑するのでスーツケースを引きずっての利用はかなりストレスフルです。また、最近はテロ対策ということで、不審な荷物が発見されるとしょっちゅうこの鉄道(RER)が止まるのです。あと、注意としてはCDG-Parisの間の列車は直行するものと各駅停車があります。この線は実はパリの一番危険なバンリュー地帯を通っていくので各駅停車は避けるべきです。またORYに行くにはAnthonyでOrly Valという高架線に乗り換える必要があります。
次にバスが2種類あります。1つめはRATP(パリの地下鉄・バス運行している公社)のRoissyBus/OrlyBusです。CDGからはオペラガルニエ前まで直行、ORYからはダンフェールまでです。値段も安く、パリのバスに乗り継ぐ場合など便利です。また値段も安い。ただ、バスの中に荷物を持って入って自分で棚に収納しなければならないので重い荷物を引きずっている場合はお勧めできません。また、結構混むので立つこともあります。
最後にエアフランスが運行しているリムジンがあります。これはまずCDG-ORYに直接移動する場合におすすめです。ただ30分に1本しかないのと渋滞に巻き込まれることが結構あるので、こういうトランジットの場合、トランジット時間にかなり余裕を見た方がいいです。チェックインなどの時間を考えると最低でも5時間、できれば8時間くらい見ていた方が無難です。CDGからパリ市内へはポルトマイヨ/エトワール線が以前から運行していましたが、最近、CDG-リヨン駅経由モンパルナス行きが運行を始めています。モンパルナスに行くにはこれが便利かと思います。このリムジンは日本と同じく荷物を下に収納するので楽です。料金はちょっと高いですが、往復で買うとかなり安くなります。往復チケットに使用期限はないので、たとえば3ヶ月後に使う予定でもこれを使うことができます。ORYからはモンパルナス経由でエトワールまで行くのと、同じくモンパルナス経由でアンヴァリッドまで行くものがあります。私はこのリムジンバスをたいてい使います。
これらの交通機関の選択はパリでの滞在場所によって変わってきます。パリのホテルは決して安くはありません。最近では東京の方が安い気がします。安いホテルはたいがいが町外れとかメトロの終点とかになってしまいます。最近はネットで簡単に予約できますが、ホテルの場所には気をつけないとひどい目にあいます。また、買い物などがない場合、空港近くのホテルという選択肢もありますが、それほど安くもないし、空港までのシャトルがないホテルはやめた方がいいです。昔々はパリ市内で安いホテルというと、カルチエラタン界隈だったのですが、ここは交通の要所になってしまったので、最近は高いです。今も昔も安いのはモンマルトル周辺ですが、このあたりは坂が多いことに注意すべきです。また、空港へはどちらに行くにも結構メトロを乗り継ぐ形になります。狙い目はリパブリック、東駅、北駅周辺でたくさんありますし、値段もそこそこです。またサンラザール界隈もいくつか手頃なホテルがありますし、RoissyBusが止まるので便利と言えば便利です。ダンフェール界隈も便利です。しかし、私のとっておきの穴場はエッフェル塔の西のLa Motte Piquet Grenelle〜デュプレックス周辺でモンマルトルに比べればちょっとだけ高いですが、坂もないし街の雰囲気も良く、またRue de Commerceという小さな商店街があって、ここがすごくいい買い物スポットなのです。その昔、Nikko de Parisだった今のノボテルの裏手になります。交通も6号線1本でエトワールにもモンパルナスにも行けます。注意としてはモンパルナスの駅は巨大で、6号線の駅とSNCFのモンパルナス駅やバス乗り場まではかなり歩きます。ただ、エスカレータがあるのでコロのついているスーツケースならそれほど苦ではないと思います。ホテルの予約は大手のサイトExpediaやHotels.comなどで探すのもいいですし、チェーンのホテルなら直接チェーンのサイトから予約する方が安いことがあります。10年前くらいはAccor HotelsのIbisが一番値段も手頃でよかったのですが、最近は知名度があがってるのかやたら高いのでかえってMercureの方が安い場合があります。またLouvre HotelsチェーンのKyriadとかCampagnileも手頃な価格ですがこれらは基本的に車で移動する人のホテルなので場所に注意が必要です。フランスの地方に旅行するときはネット予約もいいけれどフラっと行って駅とかにある観光協会(Office de Tourisme)でホテルを探してもらうのもまた趣のあるものですが、パリに関してはそれはやめた方が無難だと思います。

2009年4月20日月曜日

Togo:ニャシンベ家のお家騒動?


今日はベナンとガーナに挟まれたトーゴのことを書きます。
トーゴを取り上げるのははじめてなのでアウトラインをざっとご紹介すると、トーゴは東をベナン、西をガーナ、短い北をブルキナファソと接している小国で、もともとポルトガルの植民地(ベナンと同じく)でしたが、その後ドイツ領となり、さらにガーナ側の英国領に統合されたという歴史を持っています。民族的にはガーナ→ベナンと連続性を持っていて、今は公用語フランス語ですが英語をしゃべる人も多いようです。セネガルなどと同じく1960年に独立しましたが、1963年に初代大統領オリンピオ大統領が暗殺され、建国につまづきます。67年にクデターによってニャシンベ・エデヤマ大統領が政権を奪い、ここからニャシンベ家のディナスティーがはじまるわけです。エデヤマ大統領は2005年に病死するまで40年近く大統領の座につきました。そしてその後は次男のフォール・ニャシンベが大統領となります。アフリカでもこのように世襲を行う場合、長男が継ぐのが普通ですがニャシンベ家の長男エルネストは脳出血で急死してしまいます。次男のフォールが継いだのはそのためですが、その際すでに三男で異母兄弟のクパチャとの間で後継者争いがあったようです。解決策としてフォールが大統領となりクパチャが国防相となることで落ち着いたのです。しかし、2007年にフォールはクパチャを国防相の座から引きずりおろします。実はニャシンベ家には4男のロックがいるそうです。ロック・ニャシンベもフォールの異母兄弟ですがサッカー連合を率いて2006年のワールドカップに参加しましたがその後2009年にサッカー連合から放り出されています。しかし、フォールやクパチャとロックの違いはロックが職業軍人としてのキャリアを持っていることだそうです。
ここで、最近のお家騒動となるわけです。トーゴでは来年大統領選を控えていますし、独立後今までまともな政権交代を行ったことがありません。エデヤマが政権を握ってからずっとニャシンベ家が政権を持っているわけで、もちろんフォールは再選を狙っています。ここで目の上のたんこぶとなるのがクパチャの存在です。クパチャも2005年に取り損ねた権力の座を取り戻そうとするでしょう。そこで、フォールはクーデター未遂容疑でクパチャを襲い、クパチャの自宅を襲撃しました。この襲撃を指揮したのはフォールの妹の婿であるカダンガ大佐です。一方、その襲撃に介入したのがロックの率いる秘密警察部隊でクパチャの命を救ったとされています。
ということでこれから来年にかけてトーゴではこのニャシンベ家のお家騒動が激化しそうな気配です。
ちなみにクパチャには双子の弟でビジネスマンのトイがいます。また、異母兄弟のエソリザムはクパチャの腹心ですが、クパチャのあと逮捕されています。末弟のメイはフォールの大統領府に登用されているそうです。
この記事はRFIがこのニャシンベ家のディナスティーを記事にしていて、それをもとにしました。またAfrik.comがフォールとクパチャの確執に特化した記事を掲載しています。別の記事でトーゴの憲兵隊がクパチャのクーデター計画を裏付ける押収された大量の武器を公開したそうです。(Afrik.com

余談ですが、トーゴは旧ドイツ領ということもあってビールが有名です。また、ロメの港はコトヌ港よりも手数料が安く、またラゴスよりも安全ということで近年取扱量が増えているようです。

2009年4月17日金曜日

Africa:News RoundUp 4/17

ブログを少々サボっています。

まず、マダガスカルですがまたおかしな方向に進んでいるようです。Afrik.comが伝えるところではラジョエリナ新大統領は「6ヶ月で経済を立て直す」と豪語しているそうです。ハッタリとしてもかなり危険なハッタリです。一方、ラバロマナナ前大統領はスワジランドで会見し、SADCの保護のもとマダガスカルに帰ると発表。(AllAfrica)続いて電話で首相を任命、マダガスカルは2人の首相を擁することになったのです。(JeuneAfrique)まだまだ政治的混乱は続く気がします。

次にセネガルではまだASIをめぐってモロッコとの関係が悪化しています。(Le Soleilの記事)実はセネガルではこのASI問題の前に別の航空行政での問題があったのです。西アフリカ諸国には航空管制を行う共通の組織ASECNAがあります。セネガルもこの組織に航空管制を任せていたのですが、何かの問題があってセネガル政府はASECNAを追い出してしまったのです。そして、それを自国の組織ANACSに置き換えたのです。しかしながら航空管制にはお金がかかります。今回セネガルに手を差し伸べたのは世銀のようです。(Afrique en Ligne

どうやら世銀はこの航空関連に力を入れるようにしているようで、ベナンのコトヌ空港の近代化プロジェクトに900万USドルを融資することにしたそうです。(Afrique en Ligne)ベナンは未開発の観光資源が豊かな国ですから、空港の近代化は大きなインパクトとなるでしょう。しかし、ベナンの経済成長率は2009年に予想されていた6.1%を達成できず、4.5〜3.8%にとどまるそうです。(Afrique en Ligne)記事ではこの低下の原因を開発援助の減少や輸出減少、出稼ぎ者からの送金の減少としていますが、隣国ナイジェリアの経済メルトダウンの影響をベナンはかなり大きく受けるわけで、今後ナイジェリアの経済状況によってはもっと成長率が下がる可能性もあると思います。

そのナイジェリアですが、経済の悪化とともに心配されるのが社会不安です。ナイジェリアはイスラム教徒とキリスト教徒の争いが絶えず、ジョスの暴動も記憶に新しいわけですが、今度は狂信的なイスラム教徒が教会に火をつけるという事件が起こっています。(Afrique en Ligne)また、南部にはビアフラの残党MENDニジェールデルタ解放運動がまた活発化しているようです。(AllAfrica

コートジボワールの方は元ゲリラのリーダーで首相に抜擢されているギヨーム・ソロ氏に対して、ゲリラの政党FNは「首相の座を退き、現政権の選挙引き延ばしに加担しない」ように求めました。(Afrik.com)しかし、Jeune Afriqueによるとソロ氏は首相をやめる気は全くないとのことです。

さて、トーゴでは近づいてきた大統領選を見据え、ニャシンベ兄弟の間で政争が勃発しています。(Afrik.com)この記事によると現大統領フォール・ニャシンベの弟で国会議員のクパチャ・ニャシンベ氏の自宅が自動小銃による襲撃を受けたとのこと。この襲撃の後、クパチャ氏はロメの米国大使館に逃げ込んでいたのですが、出てきたところを警察に逮捕されました。その容疑はクーデターをくわだてた、というものだそうです。(Afrique en Ligne

最後はマリです。フランスは総額にして2000万USドルの援助を発表しました。これらは、綿花産業、教育セクター支援、そして人材育成プロジェクトに対する支援にあてられるということです。(Afrique en Ligne)また、マリ文化省は国立博物館でトンブクツの写本(Manuscrit)を公開展示しました。(Afrique en Ligne

2009年4月13日月曜日

Africa:News Round Up 4/13


まずはコートジボワールです。大統領選挙をするするとしながらどんどん長期化するバグボ政権ですが、内外からの圧力が強まっているようです。Afrique En Ligneによるとフランス外務省がコートジボワール政府に対して「早く選挙者名簿を作成するよう努力する」ことを求めています。また米国も2009年内に大統領選を行うように求めているようです。この動きをうけてコートジボワールの独立選挙委員会(CEI)が国連機関であるONUCIに援助を求めているそうです。(Afrique en Ligne

次はマダガスカルです。ラバロマナナ前大統領がやはりカムバックする意志のあることを発表しました。(Afrik.com)また、Jeune Afriqueの記事はさらに「できるだけ早くカムバックする」という強い語調になっています。AUアフリカ連合はその参加国に「違法な(政府)を支持しないよう」求めました。一方フランス政府は食料援助を中心に援助の継続を発表しています。(Afrik.com)首都アンタナナリブではラバロマナナ前大統領の支持者が1万人以上集まってデモを行い、その責任者は国連の仲介者チェベレ・ドラメ氏をその役割を果たさなかったとして非難しているそうです。(BBC)国連およびアフリカ連合の主催でセネガル大使館で行われた会議では、途中でラバロマナナ派は退席、交渉は不調に終わったということです。(RFI

セネガルですが、ASIとRAMの問題は進展なく、RAMがASIのボーイング737機を2台接収したようです。これによりASIのフリートは737が1機、あとはプロペラ機1機だけを残すのみとなりました。また、パイロットも全員カサブランカに引き上げたそうです。(ロイター)その反対に、France TelecomはSONATELの株を9.87%取得し、SONATELの運営権を奪取しました。(Wall Street Journal

チャドではフランスの外人部隊のフランス人隊員が同じ外人部隊の隊員3人と民間人1人の計4人を殺害したかどで逮捕されました。(Afrik.com

最後にコンゴ民ですが、東部の南北キブ州で国連等の援助関係者への襲撃事件が増加しているということです。(IRIN News

2009年4月12日日曜日

Apple:MacはWindowsよりも高い?


またまたMSのネガティブキャンペーンが繰り広げられているようですが、全く馬鹿げています。
コンピュータのマシン環境というものは単にスペックとコストだけの話ではないのは常識です。
私が感じるWindowsマシンの最大の欠点はネットワークリソースの無駄遣いです。MacOSやLinuxではアイドル時に全くネットワークトラフィックが生じません。もちろん、バックグラウンドでのソフトウェアアップデートなどを選択していた場合、多少のトラフィックは生じますがこれはオプションでこれをOffにすることができますし、何をやっているかは明確です。しかし、Windowsは常にネット上で何かのやりとりをやっています。そして、何をやっているのか不明です。これは完全にユーザから見えないところでOSが勝手にやっていることでOffにはできません。また、Windowsでは基本的にMacでは不要のアンチウイルスに係るコストが不可避です。これはノートンなど有料のソフトではソフト自体のコストがかかり、アップグレードしようとするとさらにコストがかかります。また無料のアンチウイルスもありますが、これにしてもウイルスをスキャンすることは避けられず、これによるCPU/メモリ/ネットワークのリソースが無駄遣いされることは不可避です。つまり、同じスペックのマシンを使ってネットにつないだ場合、MacやLinuxは確実にWindowsよりも速くなります。
また、周辺機器とかでも、使うソフトによったら非常にレガシーなディスクドライブが必要になったりするのもWindowsに特有の無駄ですね。またWinを使う理由として職場のパソコンと同じ環境を・・・というのがあるわけですがこれはMS Officeを買わなければなりません。しかし、MS Officeはバンドルされてない場合、単品で買うとものすごく高価です。しかし、MS Officeでなくていい場合、無料で提供されているOpen Officeとかを使えますし、これはLinuxだと標準装備、Mac版もあります。
また、消費電力についても比較するべきでしょう。もちろんMacでもMac Proなどはかなり消費電力が高いですが、iMacやMac Mini、ラップトップなどは消費電力を押さえるように設計されています。WindowsはOSレベルではこのような設計はされておらず、ハードのメーカーが各社のBIOSでこれを行います。つまり、安いハード、特にデスクトップ機などではこれらをちゃんとコントロールしていません。アイドル状態でもガンガンファンは回り続け、ハードディスクも同じく回り続けます。当然消費電力は大きくなります。もちろん、この消費電力の違いはそれほど大きなものではないかもしれませんが、恒常的に発生するものですし、エコロジーという点でも望ましくないと言えます。
MacとWindows機の価格差をApple税と言うなら、これらのネットワークトラフィックや消費電力はWindows税と言うべきでしょう。そしてこのWin税は明確に見えないところでどんどん徴収されているというところにMSらしいと思うのですが・・・
そして、もしこういう比較をするのであればMacとWindowsを比較するだけでなく、LINUXとWindowsも比べ、その価格差をMS税と主張するべきだと思います。MSのネガティブキャンペーンはこういうミエミエな片手落ちというか我田引水っぷりが醜悪ですね。

2009年4月10日金曜日

Senegal:Air Senegal Internationalで混乱


=重要=
2月の末にASI (Air Senegal International)からRAM (Royal Air Maroc)が手を引く、という記事を書きました。(記事へのリンク
それ以後、目立った動きはなく、ASIもRAMも支障なく動いていました。実際、私が3月27日にダカールからパリに来るのに使ったのがRAMでした。セネガル政府も譲らず、多分ASIの身売り先を探しているような感じに見えました。
しかし、この世界不況の中、こういった後ろに貪欲なセネガル政府が手ぐすねひいて待っているような、言ってみれば「毒入りリンゴ」のようなASIを引き受けようという物好きは現れなかったようで、焦ったセネガル政府は自国の司法を駆使してRAMがASIから手を引けないような法的処置を取りました。それに対してRAMがその裁判所の決定を不服申し立てを行っているそうです。(Jeune Afriqueの記事)
これによって、ASIのフライトが全ストップしているようです。
また、RAMは対抗処置を取り、自社のダカール便をこの水曜より全てキャンセルしているそうです。(Afrik.com
これによってダカール行きのフライトは大きな混乱が予想されます。
また、この先ASIおよびRAMのダカール行きフライトはどうなるかわかりません。できれば避けた方がいいでしょう。
アフリカのリージョナルフライトも、CAMなど他のエアラインを使った方が無難だと思います。

Mac:iStatMenu


便利なユーティリティの紹介です。
このiStat MenusはメニューバーにMacのハードウェアステイタスを表示するユーティリティです。もちろん今までも同様のDashboardウィジェットはありましたが、これのいいところはメニューバーに常駐してDashboardを起動することなく確認できるということ、またプルダウンでより詳細な情報を表示できるということです。設定はシステム環境設定のパネルで行うようになっており、細かくカスタマイズできるようになっています。
ダウンロードはココから。

2009年4月9日木曜日

Africa:News Round Up 4/9


まずはアフリカ全体に関わることですが、ゲイツ財団がポリオ撲滅のために2.5億ドルを供出すると発表しました。(All Africa)実際の活動についてはロータリークラブが行うようです。そのポリオですが、数年前にはほとんど撲滅寸前のところまで行っていたのですが、Afrik.comによると2008年には26%も増加していて、CDCのレポートでは最も増加したのはナイジェリアで2007年には285人だった患者が2008年には801人に増えているそうです。ナイジェリアの他ではベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、マリおよびトーゴに患者が残っているそうです。

さて、そのナイジェリアですがポリオもさることながら、経済社会状態の悪化が懸念されています。AllAfricaはこの経済メルトダウンは2015年がターゲットとなっているMDGミレニアムゴールの達成に悪影響を及ぼすとしています。さらに、ラゴスの外交機関に対するテロがあるかもしれないとも報じています。(All Africa)その一方、ECOWAS西アフリカ経済機構の汚職撲滅機関の音頭をこのナイジェリアがとることになりました。(All Africa)ECOWASの中で最も汚職が激しいとされているナイジェリアがなぜ??
また、ナイジェリア北部とニジェールでは髄膜炎の流行がかなり深刻な状態になっているようで、ヨーロッパの人道援助委員会ECHOが警鐘を鳴らしているとIRIN Newsが伝えています。その一方のニジェールでは政府とトアレグのゲリラが平和合意に達したそうです。(BBC)やはり、選挙を控えて国内問題をなんとか押さえていこうという動きなのでしょうか。

セネガルのダカールは政府予算の削減を話合うアフリカ諸国の財相会議(CABRI)をホストしています。(Afrique en Ligne)そのダカールを訪れていたフランス社会党の前回の大統領候補のセゴレン・ロワイヤル女史はニコラ・サルコジ大統領が2007年にダカールで行った演説の中で「アフリカ人が歴史の表舞台に立ったことはない」と述べたことに関し、謝罪したということです。(Afrik.com)また、チャドの前大統領ハブレ氏の裁判問題に関し、国際裁判所で原告ベルギーと被告セネガルの論戦が始まりました。(RFI

コンゴ民では東部でのフツ族ゲリラとコンゴ民政府の戦闘によって新たに3万人の難民が生じたとUNHCRが発表したそうです。(All Africa

最後にマダガスカルですが、アンタナナリブが政争に明け暮れている間にサイクロン被害が深刻化しているということです。(All Africa

2009年4月5日日曜日

Madagascar:権力抗争は終わらず


マダガスカルですが、現地での状況は一応の落ち着きは取り戻しているものの、政治的な混乱はむしろ増しているという気がします。その中心アンタナナリブで木曜と金曜にAssises Nationales(国民会議)が開催されました。これは有り体に言ってマダガスカルの有力者を集めた会議ということですが、どうやって民主的な選挙にこぎ着けるか、それを話合うものだったようです。(Afrik.com)その結果、トランジションの期間は24ヶ月から19ヶ月に短縮され、2010年の大統領選挙実施が決まったようです。(Afrik.com)これはマダガスカルの暫定政府が国際社会からほとんどそっぽを向かれ、孤立しているためで、孤立する時間が長くなればそれだけ苦境に追い込まれるということを見越しての判断ではないか?と考えます。この国際社会での孤立化ですが、AUやSADCでの議席を失うことに加え、やはりOIFフランコフォニーからも除名処分を食らいました。(Afrik.com)これに連動してすでにお知らせもしていますが、ノルウェーがまず二国間援助を凍結、米国も人道援助以外の援助を凍結しています。そんな中、フランスは二国間援助の継続を発表しています。(Afrik.com
さて、実質政権を投げ出して姿をくらましたラバロマナナ前大統領ですが、スワジランドに現れ、SADCの会議で顔を売ったわけですが、その会議上で「私は自ら辞任したわけではない。3月17日、ラジョエリナ氏が差し向けた武装したグループに脅されて権力委譲を行った。」と述べたそうです。これに対し、マダガスカル軍司令部がAFPに語ったところでは、「そのような事実はない」ということです。(Afrik.com)これを見ると、ラバロマナナはその退任劇にしっかりカムバックするための言い訳を仕込んでいたのだな、とわかります。そして国民がまとまってはじめてその意味をなす、Assises Nationalesにもラバロマナナ支持者は欠席するそうです。(Afrik.com)私見ですが、こういう「まとまりのなさ」「大人げない行動」がマダガスカルには多く見受けられます。これはラジョエリナ側、ラバロマナナ側、軍部すべてにです。国民性なのでしょうか?もし、仲裁役を買って出る「長老」的立場の人間がマダガスカルにいないとしたら、これはラバロマナナ政治の汚点とも言えます。いいかげん、まとまって話し合いのテーブルにつくくらいの良識を期待したいところです。

2009年3月31日火曜日

Africa:News Round Up 3/31


現在、少々一時帰国中です。

まずはマダガスカルですが、現在スワジランドで開かれているSADCのサミットで、SADCはマダガスカルの現政権を正当なものと認めず、SADCから除名する決議をしました。(RFI)しかし、先日お伝えしましたが政権を軍部にゆだねた後前大統領のマーク・ラバロマナナが突然姿を現したのがここスワジランドなのです。彼が根回しをしてラジョエリナ新政権の孤立を深める工作をしていてもおかしくありません。そして、その先に狙っているもの・・・それはカムバックなのでしょうか?(RFI)しかしながら、もしラバロマナナのカムバックがあったとして、それはマダガスカルの将来にとって明るくなるのかというと、そうではない気がします。こうやってラバロマナナとラジョエリナがほとんど個人的とも言える抗争を繰り返している間にそれこそ「第3の男」に対するニーズを生み出してしまいます。そして政治家として第3の男が出なかった時、また軍部が政権を握るという選択をしないとは言いきれない。そうでなくても、政治が混乱すれば軍部のコントロールが効かなくなるのです。このあたり、Afrik.comがマダガスカルにおける軍部の役割をインタビューしています。また、マダガスカルではラバロマナナ前大統領の支持者1.5〜2万人が土曜に大規模なデモを行いました。ラバロマナナ氏は南アフリカに移動しているようです。(Jeune Afrique

次にニジェールですが、2009〜13年にかけてUNDPとUNFPA(国連人口基金)が1.1億ドルの援助をニジェールのMDG達成のために行うことになりました。(Afrique en Ligne)この資金は「パリ宣言」に従い、ニジェールの政府に管理をゆだねられるそうです。さて、そのニジェールのMDG達成ですが、IRIN Newsによると、教師のストがこの達成を阻害している、ということです。ニジェールの教育は慢性的な教師不足です。しかし、公務員である正規教員をそんなに増やすことはできない。それで、ニジェール政府が編み出したのは「契約教員」を大量に雇い、その給料を援助からの資金で賄うことでした。しかし、正規の教員と契約教員の待遇には大きな差があり、これが大きな不満を生んでしまっているのです。
また、先日サルコジ大統領が訪問した理由でもあるニジェールと仏Areva社とのウラン採掘権の話ですが、この鉱山の開発によって砂漠に生活する人が大きな被害を被る危険性があることをAllAfricaが伝えています。

コートジボワールではIMFが5.6億ドルの融資を行うことに決めたそうです。(Afrik.com)一方、アビジャンのウフェット・ボワニスタジアムで行われたマラウイ対コートジボワールのCANアフリカ杯の予選試合で押し合いが起こり、19人が死亡、132人の重軽傷者を出す惨事が起こっています。(Afrik.com

セネガルでは日本より2.2億ドルの無償資金協力が行われることになったとAfrique en Ligneが伝えています。

ギニアビサウですが、BBCが伝えるところによると、先日殺害された大統領の後任の選挙を行う資金がないそうです。

2009年3月26日木曜日

Africa:News Round Up 3/26


まずマダガスカルです。ラジョエリナ新大統領が就任して落ち着くか?と思いきや、ラバロマナナ前大統領の支持者がデモを繰り返す騒ぎになっています。(RFI)ラバロマナナ前大統領は政権を軍部に譲ると政権を投げ出した後、米国大使館に身を寄せているなどの情報はあったものの公的に姿を現すことはなく雲隠れしていましたが、スワジランドに姿を現しました。(BBC)このあたり、怪しいというかラバロマナナも困ったのかな?というか複雑です。スワジランドは南アフリカ共和国の中に島のようにある「王国」です。この王国というところがミソで、王国では王様が全権を持っており、そこが共和制の国とは違います。そこにラバロマナナが身を寄せたということ、これは1つの意味を持っていると思います。一方国内外でさまざまな抵抗に晒されているラジョエリナ新政権は選挙に向けてAssise Nationale(国民集会?)を4月2〜3日に開催すると発表しました。(Afrik.com)とにかく、ラジョエリナの政権奪取はマダガスカルの政治混乱の単なる1ページにすぎなかった、ということです。先行きは極めて不透明、といわざるを得ません。

フランスのニコラ・サルコジ大統領がRDC(コンゴ民)コンゴニジェールの3カ国を駆け足で回りました。この選択がかなりあざといと言えます。France 24のニュースでは、RDCはフランスの援助を確認した上で、北キブ州の資源をルワンダと分け合うように示唆、キンシャサからコンゴ川を渡って対岸のブラザビルに移動しました。コンゴでは近々大統領選が行われます。ブラザビル訪問は「ついで」という感じをぬぐえませんが、ンゲソ大統領の顔は立てた、という感じでしょうか。そして、ニジェールに飛びます。本ブログでも伝えましたが、ニジェールではフランスのAreva社がアフリカ最大と言われるウラン鉱山の採掘権を取得しており、その見返りともいえる援助を約束したようです。(Jeune Afrique

地下資源の話が出たところで、BBCがこのアフリカの資源国における鉱山採掘権のレポートを紹介しています。このレポートではアフリカの最大の資源国南ア、ダイヤモンド鉱山を持つシエラレオネ、アフリカ最大の金産出国ガーナ、地下資源の宝庫コンゴ民、マラウイ、タンザニアとザンビアを対象にこれらの地下資源採掘をめぐる問題点と、アフリカが「取り損ねている」資源の代価と資源開発のチャンスをレポートしています。

このレポートには出てきませんが、資源大国であるナイジェリアの経済メルトダウン危機がやはり深刻化しているようです。(All Africa

同じくボーキサイトが出るギニアでは旧政権幹部によるずさんな鉱山管理をダディス・カマラ大統領が激しく追求しており、今度は旧政権の首相が逮捕されています。ギニアでの最近の流れはまさに「粛正」ともいえるもので、こういった膿を出し切ってから選挙を行うのだという強い意志が感じられます。(Afrik.com

2009年3月24日火曜日

Africa:News Round Up 3/24


ダカールは昨夜からまた寒さが襲っています。もう3月末だというのに。

さて、そのダカールですが昨日の記事に1つ訂正があります。カリム・ワッドが立候補していたのはプラトーではなくPoint-Eでした。あと市長(Maire)と言っていますがこれはダカール氏全部を示すのではなくどちらかというと「区長」というニュアンスに近いです。ダカール市長は区長の間で決められるという話です。さて、渦中のカリムはすでにセネガルを脱出、パリにいるそうです。選挙結果の方は野党連合Benno Siggil Sénégalがリードしているということです。まあ、セネガルの場合、与党野党と言ってもそれほど主張や方針に違いがあるわけではないので、政治的色合いがガラっと変わることはいずれにしてもあり得ません。(Afrik.comの記事

次にマダガスカルですが、ラジョエリナ新大統領が就任して一般レベルでの落ち着きは一応取り戻したようですが、これは多分一時的なものという気がします。ラジョエリナ政権は外交筋からはそっぽを向かれたままで、特にその態度に変化はありません。旧政権の行政部分が破壊されているために、この部分でカオス状態になるのは明白です。そしてこのカオスが民衆レベルにフィードバックされた時、また民衆レベルでのムーブメントを呼び起こすことも間違いないのです。(All Africaの記事)すでに、旧ラバロマナナ政権の支持者がデモを開始しています。(RFIの記事Jeune Afriqueによると、マダガスカルの援助依存は大きく、国家予算の70%を国際的援助に頼っているそうです。

RDC-ルワンダ問題も全然片付いていないようです。ルワンダとコンゴ民は共同軍事作戦を展開してキブ州に潜むフツ族ゲリラFDLRの一掃を行いました。それからまだ1ヶ月もたたないうちに、またまたこの地域でFDLRが跋扈して3万人もの難民が発生しているとHCRは発表しました。もともと、この根の深いツチ=フツの民族抗争がたかが1〜2週間の軍事作戦で一掃できるはずがないのです。この問題をどうにかしない限り、RDC東部、ルワンダおよびブルンジの安定は望むことは難しいと思います。(RFIの記事

最後にブルキナファソは2010年に大統領選挙が予定されていますが、新生サンカラ党のBénéwende S. Sankara氏が立候補を表明しました。ちなみに、同じ苗字ながらトーマ・サンカラと家族関係はないそうです。(Afrik.comの記事

2009年3月23日月曜日

Senegal:市長/地方選挙の結果


今回の選挙で一番注目されていたのはダカールの中心部プラトー地区の区長に立候補していたワッド大統領の息子、カリム・ワッドが市長になれるかどうかでした。その結果は惨憺たるもので、カリムは市長になれなかったどころか、自分が投票した投票所でさえ、他の候補に負けてしまいました。これを見てもわかるようにカリムの支持層とワッドの支持層は明らかに違いますし、むしろ最近のワッド大統領人気の低下はワッド大統領の言動そのものもありますが、ある程度カリムの不人気が足を引っ張っていることも確実でしょう。
カリムはワッド大統領が自分の後任に据えたがっているという噂が絶えないわけですが、今回の惨敗で親子共々これをあきらめるのでしょうか。そのあたりが2012年に近づいてきた次の大統領選の行方を握るカギとなるかもしれません。
ワッド大統領の真意は不明ながら、これまで任期中にポストワッドと見られた人物を首相に任命してはこれをクビにする・・・また、いろんないちゃもんをつけて政治的に抹殺してきたのです。それがカリムを自分の後釜に据える工作だと見られてきました。
いずれにしても、荒れることは間違いないと思います。
ただ、セネガルはこれまでアフリカの中では奇跡的にも独立以来クーデターというものを知らない国です。荒れるといっても、クーデターが起きることはないと思いますが・・・
さて、今回の選挙で問題になったのはその実施手続きのマズさです。投票用紙の不備や投票所の運営などでたくさんの問題が起きていたということです。またダカールの市内ではうちの周囲を含めて極めて静かでしたが、これがバンリュー(衛星都市部分)に行くとガラリとかわります。すでに選挙運動期間から、ミーティングが暴動の一歩手前になりケガ人が出るところがたくさんあったようです。(RFIの記事

2009年3月22日日曜日

Africa:News Round Up 3/22


マダガスカル以外をラウンドアップします。

まず、セネガルでは本日、市長選挙の投票日です。とても静かです。ただ、これは2011年に実施予定の大統領選挙の試金石と見なされていて、この結果次第ではワッド大統領周辺にまた波乱が起こる可能性があります。

次にマダガスカルの記事で触れたギニア・コナクリですが、19日にダディス・カマラ自身が招集した鉱業フォーラムにアシャンティ・ゴールドフィールド社が欠席、これに怒った大統領はこの会社を即閉鎖する命令を出しました。(Afrik.comの記事)このあたり、やはり軍人というか、独裁政権に慣れきってる国だというか、本当に大丈夫なんでしょうか。

そしてコンゴ民RDCですが、ナイジェリアと同じく資源国で独自通貨を採用しているRDCも経済危機に瀕しています。コンゴフラン(FC)はキンシャサの闇レートで1USドル=800FCの壁を突破、この3ヶ月で35%以上値下がりしているそうです。(Afrique en Ligneの記事)これによって、食料価格の高騰が問題化してきています。さらに政府も資金繰りに困っているようで、IMFは約2億USDの緊急融資を決定したそうです。(Afrique en Ligne

マリ北部を1月にニジェールから入って訪れていたヨーロッパ人観光客4人がアルカイダに誘拐された事件で、この誘拐犯と見られる2名がマリ当局によって逮捕されました。(Afrik.com

最後に、またマダガスカルですが、OIF(フランコフォニー国際機関)のアブドゥ・ディウフ事務局長(前セネガル大統領)は今回の政権交代に関して遺憾とし、「憲法を遵守する国家への一刻も早い回帰」を期待するとともに、フランコフォニーからの除名の可能性を示唆しました。(Afrique en Ligne

Madagascar:国際社会の冷たい反応


マダガスカルでは土曜日にラジョエリナ新大統領の就任式が行われました。同時に旧ラバロマナナ政権の支持者達が早速デモを行いました。34歳のラジョエリナ氏がマダガスカルの正式な大統領になるには憲法を変える必要がありますが、今回の暫定大統領ということに関しては憲法評議会が超法規的措置として認めたようです。ラジョエリナ氏は多分任期中にこの憲法の手直しの国民投票をやるつもりでしょうし、現在18〜24ヶ月と言っているトランジションの期間をできるだけ引き延ばそうとするかもしれません。少なくともそのベクトルを持つと思います。しかし、ラジョエリナ新大統領にとって最も厳しいのは外交関係になりそうです。AUアフリカ連合、SADCと南アやナイジェリアなどが新政権を認めないと発表、AUの議席を失いました。さらにフランスのサルコジ大統領も態度を硬化、今回のトランジションを「クーデターである」としています。米国も同じく軍の力を借りたクーデターであると非難しています。(AllAfricaの記事)もうすでに四面楚歌の状態と言えるでしょう。
しかし、私はラジョエリナ新大統領はここまで状態が悪化する前にやるべきことがあったと思います。12月のコナクリのクーデターを見ればすぐにそれがわかります。もちろん、ダディス・カマラがやったのは完全に軍事クーデターであって、ラジョエリナには全くその気がないという違いはありますが、ダディス・カマラはまず隣国セネガルに特使を飛ばしてワッド大統領の助力を仰ぎました。そして次々と隣国に特使を送りつつ、ワッド大統領の助力を得て(飛行機を貸してもらって)外交関係の悪化を防ぎました。また民間人(国際公務員)をさっとエジプトから引き抜いて首相に据えました。これらの努力によって、軍事クーデターではあるものの、周辺国との関係は壊れていないし、それほど悪い印象も与えていません。ラジョエリナはこういう努力を全くしていないと思います。もちろん、ラバロマナナの辞任は突然でしたが、老獪な政治家なら少なくとも現地の各国大使などと調整してこういう事態に備えたはずです。また、ラバロマナナとラジョエリナは両方とも、国際社会の調停をことごとく蹴っ飛ばしてこれらの顔に泥を塗っています。すでに、ものすごく印象が悪いわけです。これから、ラジョエリナ新大統領にとっては茨の道になることは間違いないと思います。
34歳の大統領は今アフリカで一番若い(世界一?)ですが、同じ世代の大統領がアフリカにはいます。コンゴ民のジョゼフ・カビラ大統領です。彼は1971年生まれなので現在37歳。2001年の就任当時は弱冠30歳だったのです。もちろんカビラは前大統領の息子でその地位を実質世襲したわけで、当然お目付役や前大統領の側近をすべて引き継いだ。ということで、ラジョエリナ大統領とは全く事情は違います。いずれにしてもラジョエリナ新大統領がまずやらなければならないことは、外に友達を見つけることで、もし私ならまず年の近いカビラに接近するかもしれません。すくなくともワッドやボンゴのような年寄りよりは話しやすいと思うでしょう。
さて、政治的な危機もありますが、これからマダガスカルを襲う本当に恐ろしい危機は経済危機でしょう。この点でもマダガスカルは孤立しています。フランスだけが援助の継続を表明していますが、大型の契約を一方的にホゴにされた韓国からの援助も期待できないでしょうし、政治的混乱はマダガスカルの大きな資源である観光を直撃しています。(BBCの記事)そしてこれはトランジションが長引けばそれだけ深く傷ついていくというやっかいな問題です。

Senegal:チェブケチャ


今日の昼飯はこれでした。ここ数ヶ月のお気に入りの飯なのですが、このチェブケチャはレストランではほぼ絶対に食べられない飯です。チェブというのはウォロフ語で「米(飯)」のことでケチャは干した魚(ヤボイ)の名前です。これを応用するとセネガルのナショナルプレート「チェブジェン」はチェブ(飯)+ジェン(魚)、チェブヤップはチェブ(飯)+ヤップ(肉)というのがすぐにわかります。
さて、チェブケチャはチェブジェンやチェブヤップなどと違ってなぜレストランで食べられないか?と言うと、これは純粋な家庭料理で他人様にお出しする料理ではないのです。つまり「格の低い料理」とされているのです。
私にとってチェブケチャは懐かしい料理でもあります。昔、タンバクンダの奥にあるニオコロコバ国立公園で働いていたとき、公園内の監視ポストにお昼時に行くと、たいていポストのレンジャーが食べさせてくれたのがこのチェブケチャでした。そんなポストにはもちろん冷蔵庫なんてなく、生ものは腐ってしまいます。しかし、カラカラに乾いたケチャなら保存がきくのです。パラパラしたピラフみたいな飯にこのケチャをほぐしたものを混ぜ込んであるだけ。それに、カーニと呼ばれる唐辛子の粉とマギーブイヨンをついて粉状にしたものをブレンドしたふりかけをかけて食べさせてくれたものです。
そんな昔々の超シンプルなチェブケチャと本日のチェブケチャは全く違います。これはリッチなチェブケチャでとても具沢山です。ベースになる米にはケチャの他にニェベ(豆)とトゥファと呼ばれる巻貝を干したもの、それにもっと小型の二枚貝の中身を干したものが混ぜてあります。その上に、コン(なまずの薫製)、キャベツ、ニンジン、キャッサバ、茄子、ジャハトゥ(苦い茄子)が入っていて、付け合わせにタマリンドのソースまでついているという豪華さ。下手なチェブジェンなんかよりは格段に豪華なチェブケチャです。
セネガル料理はこのようにアレンジによって、同じ名前で呼ばれていても全然違う料理になるのが結構あります。チェブジェンもその1つなのですが、これはさらに「サンルイ風」とかいろいろなバリエーションがあります。一度友達の家でスープカンジャ(オクラとパームオイルのソース)をごちそうになったことがあるのですが、そのスープカンジャには車エビまで入っていました。車エビの入ったスープカンジャを見たのは後にも先にもあのときだけです。
ニジェールのファコホイもこれと同じような家庭料理であんなにおいしいのにレストランでは食えないのです。

2009年3月20日金曜日

Africa:News Round Up 3/20


今日はマダガスカルの続報を中心に軽くラウンドアップします。

マダガスカルですが、ラジョエリナ氏の大統領就任に「年齢制限」でいちゃもんをつけていた憲法評議会は意外にも簡単に折れ、ラジョエリナ新大統領を承認しました。しかし、外交筋からの反応はもっと厳しいもので、AUアフリカ連合は国民投票を実施するよう求めています。(Afrique en Ligneの記事)またSADC(南部アフリカ開発コミュニティ)はマダガスカルの新大統領を承認しない、としています。(Jeune Afriqueの記事)そしてAUもやはりマダガスカルの新政権を除名しました。アメリカも今回のトランジションを非難しています。(BBCの記事)またフランスは援助をストップすることはないものの、AUに同調すると遠回しに「サポートしない」と言っています。援助関係でも動きが出てきました。すでにラバロマナナ前大統領が元首だった昨年11月に世銀とIMFは不透明な会計を理由にマダガスカルに対する融資をストップしていますが、今度は北欧ノルウェイが総額1400万ドルの援助の凍結を発表しました。(IRIN News)また、前政権の巨大プロジェクト、韓国大宇との農業開発プロジェクトはラジョエリナ新大統領によって完全にキャンセルされました。(Afrik.com)そして、実はマダガスカルを襲っている脅威は政治的なものだけではありません。アンタナナリブの瀟洒な街の風景はマダガスカルのどこでも見られるものではないのです。首都と地方の格差は非常に大きく、貧困の影響を受けやすい人々がたくさん地方にはいるのです。これらの人々を襲うのは食料価格の高騰、南部の旱魃、そしてサイクロンであり、これらの苦しんでいる人々は忘れられた存在です。人道援助が必要だとIRIN Newsは伝えています。

さて、ローマ法王ベネディクト16世のアフリカ歴訪で最初に法王が訪れたカメルーンでの発言が波紋を呼んでいます。カトリック教会はもともと中絶や避妊に対して基本的に反対の姿勢をとってきましたが、前法王ヨハネパウロ2世は広がるHIV感染を鑑み、コンドームの使用を承認したのです。しかし、ベネディクト16世は「コンドームの使用がHIV問題に効果的だとは思わない」と発言、既婚者には貞節を、未婚者には貞操を守ることを呼びかけました。これはカトリック教会の従来からの「教え」を繰り返しただけなのですが、効果を上げつつあるコンドーム普及が影響力の強い法王の発言で台無しにされたとヨーロッパ諸国が反発しています。

昨年末に起こったギニア・コナクリのクーデターのあと、ダディス・カマラ大統領に率いられた新政権は前大統領の周囲の有力者が手を染めていた麻薬流通組織の大々的な摘発に乗り出しました。これで真っ先にヤリ玉にあげられたのが故ランサナ・コンテ大統領の息子です。(Afrik.com)ギニアはギニア・ビサウと共に南米→アフリカルートのコカイン経由地として悪名をはせていました。この摘発は「麻薬と戦う正義のダディス・カマラ」を印象づけ、同時にギニア国内に残存する前大統領に近い有力者を選挙期間に入る前に一掃するという、なんともおいしい作戦のようです。国際社会の反応は意外に冷ややかでアフリカ連合の議席も奪われたままです。今年12月の選挙実施をダディスカマラ大統領は発表していますが、彼の真意(本当に政権に対する野望はないのか?等)はまだわかりません。私はかなり怪しいと思います。
ところでダディス・カマラ大統領の国際社会での最大のアドボケイトはセネガルのワッド大統領なわけですが、これをもってしても「イレギュラーな政権」が国際社会に認められることは難しいということです。とすると、このようなアドボケイトを持たないマダガスカルのラジョエリナ新大統領はもっとつらい立場に置かれるでしょう。

アフリカ連合などがこのようにイレギュラーな政権交代に神経質になっている理由は、これから次々と政権交代時期に入る国があるからです。まず、大統領が死亡したギニアビサウ、今年末にはニジェール、そしてギニアコナクリ、そして延び延びになっているコートジボワール。2010年にはトーゴ、ブルキナファソ、2011年にはセネガルが政権交代を行わなければなりません。ざっと見回しただけでもこれだけあるのです。イレギュラーな政権交代に神経質になるのは当然です。