2007年10月17日水曜日

Asus EeeはOLPCキラーなのか?


私は違うと思う。Asus Eeeとは台湾のPCメーカーAsusが出すOLPCに似た構成の安価なラップトップのことである。7inchのスクリーン、小さな筐体、ノンスピンドルなどOLPCと似たスペックでOSはWin XPとLinuxから選べる。大量発注をかけるとさらに安く買えるらしい。
しかし、この機械はターゲットが違う。OLPCは子供が対象だ。しかしEeeはむしろ「安価な汎用ラップトップ」である。マシン構成が似ているからと言って、これをすなわちOLPCキラーだとは言えないと思う。
とはいえ、ネグロポンテ氏のOLPCプロジェクトがそれほどうまくいってないように見えるのも、事実だ。OLPCハードはよく考えられていると思うが、ソフトの面でキッズフレンドリーでなかったり、制約が大きい、サーバサイドのソフトウェアが見えてこない、オンラインサービスが伴ってないなど問題が山積みだ。MITは例えば任天堂のようなゲームメーカーの協力を仰ぐとかキッズ用のオンラインサービスをそれなりの企業とタイアップして立ち上げるなどするべきだと思う。そうしないとせっかくのOLPCハードやSugar UIがもったいない。
とにかく有料でもいいからXOラップトップを売り始めることじゃないだろうか?
アップルがiPhoneを発売してからわずか3ヶ月なのにオンラインのiPhone用サービスは日進月歩で増え続けている。ハードのユーザが増えればソフトを開発する層も広がっていくのだ。
Asus Eeeが注目されるのはその価格と「汎用」ということだ。途上国の現状は「コンピュータを子供『専用』にするほど余裕がない」というのが本音だろう。大人が欲しがっているのだ。それを「大人のエゴだ」と感じるのは「先進国のエゴ」というものである。例えば大学生など、論文を書いたりするのにラップトップをのどから手が出るほど欲しいけど高くて買えない学生がほとんどなのだ。そういう学生あるいは地方の役所や企業など「汎用ラップトップ」のニーズはめちゃめちゃ高い。
しかし、Asus Eeeの「未来」はあまりない気がする。それは基本的にEeeが「次のステップに達するための踏み台」にすぎないからである。XPやLinuxなどの汎用OSを走らせるにはハードが貧弱すぎる。すぐに「使い物にならない」ということで、別のよりハイスペックなPCに移行する必要が生じるからだ。そして、中進国などからは徐々にモバイルデバイスに取って代わられる。つまり、iPhoneやSymbian OSを積んだケータイなどである。
それに比べればOLPCの未来は明るいと言えるだろう。しかし、もうじらすのはいい加減にして先進国でもiPhoneくらいの値段で売り出す方がいいと思う。

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