2007年8月24日金曜日
ベナンGSM -行き止まり
この話を書くのは5回目になります。
ここに来て、Telecel/Areeba側からはようやくまともな動きが出てきました。しかし政府は一切の交渉を拒否している状態。月曜日にTelecel/Areebaの弁護士が記者会見を開いて、企業側のポジションを明らかにしました。そして、新聞も社説で「Telecel/Areeba側の主張は正しい」と論じています。その内容というのは、Telecelに関しては10年という期間を定めたライセンスを2004年8月に政府から取得しており、この際に5億CFAというライセンス料は契約期間中変更されないと明記されている、ということです。
つまり、2014年までTelecelのライセンスは有効なわけです。
政府の言い分というのはTelecelは商標をMoovに勝手に変更したから、というものなのですが、商標変更に関するルールは契約内容に含まれてはいない(届出制)ので、ライセンス取り上げというのはあまりな処置です。
なお、この会見を受けての政府の対応ですがどうやらTelecelとAreebaの通信施設を「押収する」方向に動きつつあるようです。
最悪、最低のシナリオです。
書面にした契約を言いがかりをつけてホゴにして、何年もかけて築き上げてきた施設は取り上げられる・・・
こんなことが民主的と言えるでしょうか?
内戦状態に入り、まだそれが続いているコートジボワールでさえ、このような政治権力の横暴は起こりませんでした。
ベナンは経済的に軍事政権に入ったと言えるのかもしれません。
もう何回も言いましたが、このGSM問題に対する政府の対応によってベナンの経済発展は10年、あるいはそれ以上に遅れていくでしょう。あるいはナイジェリア経済圏に完全に飲み込まれてしまうか・・・
とにかく、アフリカに投資することの危険性をお手本通りに示してくれたということです。だから、アフリカに投資する場合、何本も予防線を張り巡らせる必要があり、しかも、今回のような事態に陥った時に最低限のものを確保する用意を常にしておく必要があるのです。それにしても、一番の犠牲者は国民でしょう。CEDEAOの中で自由に往来できるのですから、ベナンは住民自体が減っていくかもしれません。
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