2007年8月14日火曜日

アフリカでのITの発達に関する考察


個人的なことになってしまいますが、私がアフリカの土をはじめて踏んだのは1988年でした。場所はここ、ダカールです。
その頃はセネガルではまだカラーテレビが珍しかったのです。地方に行くと夕方6時頃からはじまるテレビ放送を、小さな白黒テレビを庭に出してご近所が集まって見ていたものです。
それから時は流れ、1995年に私はフランスで大学に通っていました。そしてそのころフランスでもサービスが始まったばかりのインターネットに出会ったのです。で、その時確信したのです。

インターネットがアフリカを変える!

それからは、一体ITやインターネットがどのようにアフリカを変えていく可能性があるのかいろいろ考えました。まだ、その頃はインターネットすら日本では一般に知られていませんでした。パソコン通信は一部のコンピュータ好きの間でしか使われてなかったのです。情報技術といえばそれはスタンドアローンのコンピュータ上で動作するビジネスアプリケーションかゲームのことだったのです。しかし、私はネットワークが、そしてインターネットが重要だと認識していました。インターネットのインフラは海底ケーブルを中心に急速に充実しつつあったのです。特にここダカールはSATと呼ばれるアフリカ周回ケーブル、およびAtlantisと呼ばれるヨーロッパから南アメリカに向かうケーブルの中継地になっています。ダカールはアフリカのITにおいて非常に重要な地政学的位置だと考えていました。
現在、セネガルはサハラ以南のアフリカで南アフリカに次いでインターネットが発達・普及した国になりました。
ちなみにダカールには日本の協力で作られた職業訓練校CFPTがあり、1999年からは短大相当のコースで情報技術を教え、その卒業生はセネガルのみならず、周辺国でも活躍しています。
セネガルではもうITの産業化が軌道に乗り、民間ベースのイニシアチブがさらなるITの発展を牽引していくでしょう。
さて、かく言う私が今注目しているのはベナンです。これはなにも私が個人的にベナンに思い入れがあるからというよりも、セネガルと同じくベナンはIT地政学的に重要な位置にあるのです。ベナンは内陸にニジェール、ブルキナファソを持っていますし、隣のトーゴは最近改善したとはいえ長い間政治的トラブルを抱えていたため、問題が残っています。そしてSAT3があります。
もちろん隣にナイジェリアがありますが、ナイジェリアはもうすでに商業ベースに乗っています。
GSM問題で、影が薄いのですがベナンはようやくSAT3を本格的に活用することを決めたようです。すでにUNDPの協力によってコトヌ=ニアメ間の光ケーブルは運用を開始しています。ベナンは小国だからこそ、ITなどの技術系を発達させて周辺国との差別化を図るのがこれから先、生き抜いていくために必要となるのです。

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