2007年8月26日日曜日

Open Source vs. MS


MSはLinuxが気になって気になって仕方ないらしい。
当然と言えば当然なのだが、最近のLinuxディストリビューションの発達は高速で、一部のディストリビューションでは「アクチベーション」などという面倒な手続きが不要なためにWindowsよりもインストールが簡単になっているものもある。
しかもWinでは基本的に別売りになっているオフィススイートや数々のソフトウェアまで含めた形でディストリビューションされているしAdobeやGoogleといったソフトハウス大手、あるいはネットサービス大手もLinux対応を果たしている。
今までWindowsの敵はMacだけだったものがここにきてLinuxの猛攻にさらされているのである。
しかもAppleは基本的にハードウェアとソフトウエアをセットで出してくる企業なので、MSとはアプローチが違うが、LinuxはまさにMSのドンピシャリな競争相手なのだ。
OSそしてオフィススイート+基本的ソフトウエアのセットというものの性格を考えるとLinuxとWinを比較すれば論理的にWinに勝ち目はない。だからこそWinやOfficeはハードにバンドルされ、消費者がその価格を感じることはあまりないのだ。もちろん法人顧客をはじめとするMSの大口顧客はそう簡単にはMS離れを起こすとは思わないが、今までと同じような利益マージンの設定をすることは難しくなるだろうし、ライセンスを守る方にも投資をしなければならない分、利益は割り算的に減っていく。
つまりMS商法の根幹が崩れるのはもう目前のことなのだ。しかし、このドラスティックなパラダイムシフトにMSは生き残る道を見いだせないでいるようだ。X-Boxは以前よりはうまくいっているようだが、しょせんマーケット規模ではWinの比ではない。
となるとWinの環境を死守せよということになる。特にサーバのマーケットを奪おうということなのだ。
MSはこのパラダイムシフトは認識しているようでゲイツ氏が経営の第一線から退いたのもこのためだろう。
一方AppleはiPodやiPhoneといったデバイスを開発してそれを中心とした新しいビジネスを展開し、収益を上げているし、Macは非常に忠実で根強い固定ユーザ層に支えられている。単独で「蚊帳の外」に飛び出してしまっている。
ということで、MSが本格的なLinuxつぶしに乗り出したようだ。つまりLinuxに含まれるソースコードにMSの特許を侵害していると非難しはじめ、「我々と協力しないなら訴訟を起こす」と脅したのである。Ubuntuの創設者シャトルワース氏はこれを「ゆすり行為」であると非難している。というのはMSはその「侵害している」とされているコードがどこなのか開示しないからだ。しかしLinuxのディストリビュータの1つ、Novell社はMSの軍門に下った。(Novell社のディストリビューションはSuze Linux)しかし、Novell社のあとに続いたものは実質おらず、MSのオープンソースコミュニティを分断しようとしたもくろみは失敗に終わっている。
PCのハードウエア製造販売各社がWinのバンドルをやめない限り、Linuxが爆発的にWinのシェアを奪うことはないだろうが、Linuxは徐々に浸透するだろうと思う。MSがどんな策をろうしてもこのLinuxの侵攻を食い止めることはできないと思う。

2007年8月24日金曜日

ベナンGSM -行き止まり


この話を書くのは5回目になります。
ここに来て、Telecel/Areeba側からはようやくまともな動きが出てきました。しかし政府は一切の交渉を拒否している状態。月曜日にTelecel/Areebaの弁護士が記者会見を開いて、企業側のポジションを明らかにしました。そして、新聞も社説で「Telecel/Areeba側の主張は正しい」と論じています。その内容というのは、Telecelに関しては10年という期間を定めたライセンスを2004年8月に政府から取得しており、この際に5億CFAというライセンス料は契約期間中変更されないと明記されている、ということです。
つまり、2014年までTelecelのライセンスは有効なわけです。
政府の言い分というのはTelecelは商標をMoovに勝手に変更したから、というものなのですが、商標変更に関するルールは契約内容に含まれてはいない(届出制)ので、ライセンス取り上げというのはあまりな処置です。
なお、この会見を受けての政府の対応ですがどうやらTelecelとAreebaの通信施設を「押収する」方向に動きつつあるようです。

最悪、最低のシナリオです。

書面にした契約を言いがかりをつけてホゴにして、何年もかけて築き上げてきた施設は取り上げられる・・・
こんなことが民主的と言えるでしょうか?

内戦状態に入り、まだそれが続いているコートジボワールでさえ、このような政治権力の横暴は起こりませんでした。
ベナンは経済的に軍事政権に入ったと言えるのかもしれません。

もう何回も言いましたが、このGSM問題に対する政府の対応によってベナンの経済発展は10年、あるいはそれ以上に遅れていくでしょう。あるいはナイジェリア経済圏に完全に飲み込まれてしまうか・・・
とにかく、アフリカに投資することの危険性をお手本通りに示してくれたということです。だから、アフリカに投資する場合、何本も予防線を張り巡らせる必要があり、しかも、今回のような事態に陥った時に最低限のものを確保する用意を常にしておく必要があるのです。それにしても、一番の犠牲者は国民でしょう。CEDEAOの中で自由に往来できるのですから、ベナンは住民自体が減っていくかもしれません。

2007年8月22日水曜日

開店1周年

CYVOGUEを開店して1年が過ぎました。

長かったような短かったような複雑な気分です。何のノウハウもないまま、手探りではじめた昨年のことを思い出すと今は落ち着いているという感想はあります。客層、運営方法、やるべきこととやってはいけないことの見極め等、現在進行形の課題はあるものの、ほぼ狙っていたものに落ち着いたという感じがします。6月の日記でも書きましたが、CYVOGUEの基本コンセプトは「ワンコインでできる贅沢」そして「ダカールにおけるネットカフェの標準を底上げする」ことです。これは今ダカールのネットカフェではほとんどが海賊版ソフト(というかいわゆる「割れ」)で運営されていますが、それを正常化するということもあります。CYVOGUEで使っているソフトウエアはすべて正規ライセンスとオープンソースのフリーなソフトウェアです。多少高くても快適な環境で、海賊版ではなくオープンソースでというコンセプトは受け入れられたと思います。しかし、問題点もたくさんあります。まず、正規ライセンス品は高すぎるという厳然たる事実があります。CYVOGUEでは営業での損失は微々たるものですが、投資を回収できるにはほど遠い状態です。そしてダカールでのMacの値段は最も高いヨーロッパでの価格のさらに1.5倍と高すぎます。最初は1年ごとの機材更新を予定していましたが、到底無理で2年にせざるを得ません。やはりMacベースでのネットカフェの運用はビジネスベースでは難しいと結論付けざるを得ません。何かもっと収益率の高い事業を併設することが必要だと思います。
それはそれとしてネットカフェとしてはやはり機材コストを下げることが必須となるでしょう。そのラインで検討しているのが新しいLinuxデスクトップなわけです。CYNUXデスクトップの本体はグラフィックカードやらWiFiカードを足して1万8000円くらいです。CYVOGUEのMini Macはだいたい14万円くらいですから、かなり安いのですが(というより激安)手がかかるのと、やはり環境としてMacOSほどの快適さがないということ、そして古い機械なので電力消費がバカにならないというのもあります。しかしながら、昨今の電力供給事情では到底営業赤字しか出ないのが明白なので、プロジェクトは一応ストップしました。現在CYVOGUEの中にCYNUXデスクトップを置く実験をしています。
目下のプロジェクトはCYVOGUEのソーラー化と併設事業の検討です。

2007年8月17日金曜日

OLPCについて


私がLinuxがアフリカに定着するだろうと考えるもう1つの理由がこのOLPCプロジェクトです。One Laptop Per Childつまり「すべての子供にラップトップを」と名付けられたこのプロジェクトはMITによって提唱されたいわゆる100ドルPCと呼ばれるプロジェクトです。
仕組みとしては選ばれた途上国の政府がが100万台単位で発注し、それをできるだけ低い価格で提供するというモノでMITがハードウエアとソフトウエアの開発をしています。OLPCのハードウエアは一般PCとはいろんな意味で違っています。まずサイズですが子供用にかなり小さなものになっています。次に白黒とカラーのデュアルモードスクリーンを備えています。また、ノンスピンドルで記憶媒体は1Gのフラッシュメモリです。そしてハンドルをまわしたりヒモを引っ張ることによってバッテリを充電できるようになっています。あと特記すべきところは、WiFiのクライアントなのですが、アクセスポイントとしても機能し、OLPC-OLPCというワイヤレスネットワークを自動生成し、アクセスポイントからかなり離れていてもつながるように工夫されています。
ソフトウエアの方ですが、OSはFedora Coreをコアとして、独自に開発されたSugar UI(インターフェイス)を持っています。ブラウザは機能限定されたFireFoxでワープロはこれまた機能限定版のAbiwordそして独自のチャットプログラムおよび教育用プログラムがインストールされます。全部で約350MBほどのサイズです。Sugarは私も使ってみました。(OLPCのサイトからライブCDがダウンロードできます)かなり使い方は独特です。普通のPCに慣れていると戸惑います。でも「楽しい」インターフェイスになっていることは確かです。FireFoxはなんとURLフィールドがありません。スタートページがGoogleにプリセットされていてそこから検索をすることでスタートします。これもかなり独特な考えですね。
OLPC/Sugar UIは多分小学生までを想定して作られている気がします。中学生以上だとかえって使いにくいでしょう。むしろEdubuntuの方が向いていると思います。
面白いのはOLPCがネットワーク、特にインターネット接続を前提に作られているということです。これはLinuxの最初でも書きましたがLinuxそのものがそのように作られているのです。だからインターネットインフラの脆弱なところではOLPC導入は難しいでしょう。またOLPCは学校に置くサーバも開発しているのですが、このサーバについてはあまりまだ明らかになってきていない。しかし1GBしかストレージがないことを考えるとサーバとの連携が非常に重要になってくるわけで、サーバをどれだけメインテナンスが容易で教育に特化したものに仕上げるか、というところがOLPCの成功のカギを握っている気もするのです。

話は飛んでしまいますが、このプロジェクトを率いているネグロポンテ氏はかなり特長のある人みたいです。MSやアップルがOSを提供しようとしたそうですが両方断っています。つまりSugar UIはWindowsやMac OSとはまったく異なる考えの基に作られているということです。その割には教育系のソフトが少ないようにも思うのですがWebベースのもの(JavaとかAjaxとか)で供給していくのでしょう。

ちなみにアフリカではナイジェリアとルワンダが第一フェーズの対象国に選ばれています。

2007年8月15日水曜日

ベナンGSM問題4-脆弱な社会基盤


はっきり言ってこの問題の4回目を書くことになるとは考えていませんでした。
8/14日現在、状況は全く改善していません。そして、大統領はキューバに出かけてしまったそうです・・・


どうもベナン政府はこの問題を重く捉えてない気がします。しかし、実はこの一件はこの国の未来に深刻な暗雲を投げかけることになると思います。昨日、アフリカにおけるITのキーを握るだろうと書いたけど、その地政学的意味は変わらないものの、今回の問題で数年は遅れを取ったか、もう二度と浮上できないかもしれない。

なぜなら、社会基盤が脆弱なのはアフリカには共通した現象だし、特に差別化を図る点にはならないけれど、社会を支える政治基盤がダメとなれば民間の資本は流れてこない。大統領をはじめ、ベナン政府がこのGSM問題を軽く見すぎていることそのものが「政治基盤の脆弱さ」と受け取られるのを気づいていないのが問題なのです。民主主義は民衆あってのもの。民衆の利益を守ってこそ共和国政府であり共和国の大統領であると言えるのです。しかし、ベナン政府は民衆を犠牲にして政府の意地と「手数料」にこだわったのです。これは間違った選択でした。実際同じ問題をセネガル政府とSonatelも抱えているのですが、ここではサービス停止はだれの口からも出ていません。
次に、サービス停止を技術的にもベナン政府は甘く見すぎています。このサービス停止によって減収になるのはキャリアだけではなくベナン政府そのものも大きな損害を被ることになります。そういった直接的被害の他に社会全体にほとんど計算不能なほどの経済的損害を与えてしまっています。そして1日1日と解決を長引かせ、サービス停止期間が増えるに従って損害は天文学的数字にのぼるでしょう。
実際、1ヶ月のサービス停止でほとんどベナンという国が他国や世銀に借りている額くらいの損失は出ているはずです。また、純粋に技術的な面においても、たとえサービスが再開されてもしばらくは不具合が予想されます。
また大統領は「AreebaやTelecelがダメなら他のキャリアはいくらでもあるんだ」と言いたいようで、実際ナイジェリアのキャリアが新規参入するそうですが、サービス開始には2ヶ月もかかるのです。その間にベナンが出血多量で死なないといいのですが。
政府に全く危機感はないようですが、これは下手すると政権の命取りになる可能性すらあると思います。

セネガルでも同じことが言えますが大統領の力が強すぎてお山の大将になってしまっている場合、よい側近にめぐまれないものなのかもしれません。

2007年8月14日火曜日

アフリカでのITの発達に関する考察


個人的なことになってしまいますが、私がアフリカの土をはじめて踏んだのは1988年でした。場所はここ、ダカールです。
その頃はセネガルではまだカラーテレビが珍しかったのです。地方に行くと夕方6時頃からはじまるテレビ放送を、小さな白黒テレビを庭に出してご近所が集まって見ていたものです。
それから時は流れ、1995年に私はフランスで大学に通っていました。そしてそのころフランスでもサービスが始まったばかりのインターネットに出会ったのです。で、その時確信したのです。

インターネットがアフリカを変える!

それからは、一体ITやインターネットがどのようにアフリカを変えていく可能性があるのかいろいろ考えました。まだ、その頃はインターネットすら日本では一般に知られていませんでした。パソコン通信は一部のコンピュータ好きの間でしか使われてなかったのです。情報技術といえばそれはスタンドアローンのコンピュータ上で動作するビジネスアプリケーションかゲームのことだったのです。しかし、私はネットワークが、そしてインターネットが重要だと認識していました。インターネットのインフラは海底ケーブルを中心に急速に充実しつつあったのです。特にここダカールはSATと呼ばれるアフリカ周回ケーブル、およびAtlantisと呼ばれるヨーロッパから南アメリカに向かうケーブルの中継地になっています。ダカールはアフリカのITにおいて非常に重要な地政学的位置だと考えていました。
現在、セネガルはサハラ以南のアフリカで南アフリカに次いでインターネットが発達・普及した国になりました。
ちなみにダカールには日本の協力で作られた職業訓練校CFPTがあり、1999年からは短大相当のコースで情報技術を教え、その卒業生はセネガルのみならず、周辺国でも活躍しています。
セネガルではもうITの産業化が軌道に乗り、民間ベースのイニシアチブがさらなるITの発展を牽引していくでしょう。
さて、かく言う私が今注目しているのはベナンです。これはなにも私が個人的にベナンに思い入れがあるからというよりも、セネガルと同じくベナンはIT地政学的に重要な位置にあるのです。ベナンは内陸にニジェール、ブルキナファソを持っていますし、隣のトーゴは最近改善したとはいえ長い間政治的トラブルを抱えていたため、問題が残っています。そしてSAT3があります。
もちろん隣にナイジェリアがありますが、ナイジェリアはもうすでに商業ベースに乗っています。
GSM問題で、影が薄いのですがベナンはようやくSAT3を本格的に活用することを決めたようです。すでにUNDPの協力によってコトヌ=ニアメ間の光ケーブルは運用を開始しています。ベナンは小国だからこそ、ITなどの技術系を発達させて周辺国との差別化を図るのがこれから先、生き抜いていくために必要となるのです。

2007年8月13日月曜日

Dockを求めて-Linuxの壁3


3Dデスクトップの導入によりデスクトップ全体の環境は満足のいくものとなりましたが、MacユーザとしてはやはりDockのようなランチャーが欲しいものです。Ubuntu(というか正確に言うとGnome)では右上のアップルメニューにあたるところにUbuntuのロゴとApplicationというメニューがあってプルダウンでアプリケーションを開くことが出来ます。しかもカテゴリーに分けられていて使いやすい。
しかし、ネットカフェのようなところで使うにはもっとわかりやすくなければならないものです。一瞬でアプリケーションを見つけられるDockは重宝します。またこれは客にあんまりいじられたくないアプリケーション(システム関連のユーティリティとか)を隠してしまうという役目もあります。

Ubuntuのフォーラムなどを検索するといくつか出てきます。まず、Gnome Panelを使う方法。Gnome PanelとはMacでいうメニューバーを画面の上下左右の端に作ることが出来ます。このパネルは幅も長さも伸縮自在でセパレータを置いたりゴミ箱を置くことも出来るし、透明度も自由自在です。しかしバウンスのアニメーションとかはなく、動作状態についてはわかりにくい。
次にG-Deskletsを使う方法。これはMacでいうDashboardでいろんなWidgetをデスクトップに追加できます。Macと違うのはG-Deskletsはデスクトップに常駐します。このなかにアプリケーションランチャーがあり、これはDockに似せて作ってあります。しかしデザインがいまいちでデフォルトだとドックのまわりに太い黒い線が出るので、これはリソースをいじってやらないとなくなりません。
次にAvant Window Navigatorと使う方法。これはビジュアル的には素晴らしいのですが、正確にはアプリケーションランチャーではなく、動作しているアプリケーションしか表示されないのです。
最後にKiba Dockがあります。これはほぼMacのDockと同じですが、完成版と開発中バージョンがあって、完成版の方は安定しているのですが機能が非常に限定されていて、これなら普通にGnome Panelを使った方がいいし、開発中バージョンの方は機能とかビジュアルとかは素晴らしいのですが非常に不安定で実用的ではないのです。

Macではなんの気なしに使っているDock。これをLinuxでやろうとするとこんなにも難しい・・・
ということで、一応Gnome Panelを使ったバージョンと、G-Deskletsを使ったバージョンを作ってテストしています。
(写真はGnome Panelを使ったバージョン)

なお、Ubuntuのウインドウデコレータは非常に柔軟で、デフォルトでもたくさんのデザインから選ぶことが出来る上にGnome Look Orgなどで気に入ったデコレータをダウンロードして使うことも出来ます。FireFoxもプラグインでデコレーションできるのでカスタマイズしたデスクトップ環境を構築できます。

2007年8月11日土曜日

もうMS OFFICEはいらない


8月8日にiMac登場のニュースを書きましたが、「中途半端」というのは間違いではないと思うのですがどうやらもっとじわじわとすごさが伝わってくる、そういうアップデートだったようです。
iMacの方も実際にいろんな人がハンドリングしたレポートを見ていると派手さはないが内容的に非常に充実したモデルチェンジだということがわかってきました。Mac OSなんかはよく言われてきたことですがメジャーアップデートの直前くらいになると「枯れた」味になって非常に使いやすいもの、完成度の高いものになるのです。Tigerと新iMacの組み合わせもそれのような気がします。

それに、iMacやiLife08のことは記事にもなっているのですが、記事にならなかった部分でものすごいことが起きていました。

それはiWork08です。

なんと以前から噂されていたスプレッドシートがNumbersというアプリケーションとしてスイートに加わっていたのです。こうしてiWorkはほぼMS OFFICEと同等のオフィススイートになり、AppleWorksはよみがえったのです。もちろん、iWorkとAppleWorksは作りそのものが違いますし、機能においてもiWorkにはデータベースがありません。しかしAppleWorksで不満だった互換性の問題をiWorkの方はクリアしています。
そして、完全にAppleらしいインターフェイスに作り替えられて、オフィススイートよりはiPhotoやiTunesと似たユーザインターフェイスになっているようです。

私は昔から(Clarisの時から)AppleWorksを愛用してきました。軽く、コンパクトでまるで紙の上に並べるように自由にレイアウトできるAppleWorksは同じ書類を作ってもMS OFFICEで作る時の半分の時間で仕上げられます。(「慣れ」の問題もあるのでしょうが。)他の人とデータをやりとりして共同作業を行うとき以外は、AppleWorlsでサラサラ作ってPDFにしてメールで送るのが一番簡単でした。唯一AppleWorksの不満な点はスプレッドシートだったのです。これははっきり言って「おまけ」機能でした。だからエクセルだけは手放せなかったのです。

しかし、もうこのNumbersがあればエクセルもいらないと断言できます。むしろ、Numbersはエクセルよりも柔軟だと言えるでしょう。しかも、わずか9800円!ファミリーパックだと5ライセンスで11,800円ということはライセンス単価はわずか2360円です。ちなみにMS OFFICE 2004はシングルライセンスで49,800円です。

旧iWorkはレイアウトソフトとしては優れていましたが、スプレッドシートがないために完全なオフィススイートにはなり得なかったのですが、iWork08はまさにMS OFFICEとNeo Office (Open Office) の間をつなぐものとしてとてもいい製品だと思います。

もちろん、時代がAjaxベースのWebアプリを指向していることをアップルは知っているはずですが、この価格設定と内容ならオフィススイートは必要ということなのでしょう。

滅びゆくDRM


Steve Jobsのあの美しいDRM書簡、そしてそれに呼応するようにEMIがDRMを廃したデジタル音楽を販売しはじめてからしばらくたちました。今度はUniversal(レーベルの中では最大手)がDRMなしの音楽をオンライン販売するそうです。ただしiTunes StoreではなくGoogle、Wal Mart、Rhapsodyなどなどです。
GIZMODOさんの分析によると、Universalが今回試したいのは非DRM音楽のインパクトではなく、iTunes Store以外のオンライン音楽ショップの実力だというのですが、それはかなり手厳しい分析だと思います・・・
しかしUniversalがテストと称しても非DRMに手を出すということは大きな流れとして業界が非DRMを考え始めたということで、評価できるのではないでしょうか。
そして世界はジョブスが描いてみせた美しい世界への歩みを一歩進めることになるのでしょう。
日本では某著作権団体がうるさすぎて多分無理でしょう。

さて、アフリカにも音楽はたくさんあり、ミュージシャンもいっぱいいて、音楽は1つの産業です。しかし、市場では非常に安い価格でCDが出回っています。もちろん、海賊版もありますが、正規版でも十分現地の人の手の届く価格で売られているのです。
日本だと正規版CDはアルバムで3000円前後ですが、こちらでは1500FCFA(約400円)が相場です。海外ミュージシャンの海賊版もだいたい同じ価格で売られています。正規版は高くて買えません。(最低賃金の1/4もする。)
現地のミュージシャンは適正な価格で正規版を販売できるのだから、インターナショナルミュージシャンを多数抱える巨大レーベルが同じことをできないわけはない。それを「してない」ことが問題なのです。

これはYouTubeなんかの新しいメディアにも言えることですが、今までは売り手が自分の都合の良いように売ってきていて、消費者はそれをただ受け入れるしかなかったわけです。でもこれからは作品をリリースする側が消費者のニーズに近づくという努力をしていかなければならないのではないでしょうか?
DRMをめぐる動きをみていると、そう思えます。既得利権にしがみついて本来あるべき理想的な作品流通の姿を見えなくなったらおしまいです。もっとBigger Pictureを見ることが重要なのだと思います。

2007年8月10日金曜日

ベナンGSM問題-見えない出口


8月1日のベナン独立記念日に大統領自身が早期解決を国民に対して約束したわけですが、あれから9日がたつにもかかわらず、状況はまったく変わっていません。むしろ悪化しています。
もちろん、政府とキャリアの間の交渉は続いており好ましい進展が見えると言えるものの、90万人の電話は切られたままですし、救いを求めて政府系のLibercomのSIMカードを買った人も、Libercomはキャパシティオーバーのためついにダウンしてしまいました。そして、もう1つのBB Comももともとキャパシティが低いので通話不能状態が多く、ベナン全国の携帯電話網が麻痺しているという状態です。
最近ではジャーナリストもようやくこれでは国民が迷惑を被っている、損失を余儀なくされていることに気づき、それを書き立てていますがなぜもっと早くそのことに気づかなかったのか疑問です。
また通信省は技術的にこのような事態に陥ることを予想してしかるべきだったのに、警告すら出さなかったのは全くもってプロフェッショナリズムの欠如と言わざるを得ません。
90万人の電話が不通になるということはすなわち毎日ベナンの社会全体でものすごい経済損失が生じていることを意味します。それは単なる電話会社の儲けの話ではなく、コミュニケーションできないことによる損失が生じるからです。これはベナン政府が電話会社に支払いを求めている免許料30億CFAなんていうレベルではありません。それを、経済省は見通せたはずですが縦割り行政の弊害か、何もアクションを起こしていない。
また、こうして巨大な損失を出しながらダラダラを交渉を続けることによって大統領自身も自分の政治生命を危険に晒している気がします。むしろ、即時に電話をつなげと命令して国民の損失を食い止めた上で交渉させるべきだったと思います。そして、自分が出した制限時間を守れなかったことは「指導力不足」と認識されるでしょう。
とにかく、現状が長引けば長引くほど、損失は膨らみ、関係者に対する信頼は薄れていきます。

それにしても、なぜこのようなことがおこるのでしょうか?
ベナンにおける民主主義はまだ未熟だといわざるを得ません。国民のために働く「大統領」ではなく国民がその人のために働く「王様」というシステムの方を強く感じてしまいます。
私が大統領だったらそもそもサービス停止などはせずに、支払い方法を交渉しただろうし、免許料の代わりにこれらの会社が出す利益に対する税率を上げるなどという方策を経済省と話し合いながらとったでしょう。

2007年8月9日木曜日

Windows Vista Update


私には直接関係ないのですが、はじめてのメジャーアップデートだそうです。

でも、今更ながらこんなにいっぱい問題あったのかと感心しています。
笑えるのでいくつか突っ込んでみましょう。

・AVIStreamWrite機能を使ってAVIファイルにデータを書き込むと、AVIファイルのヘッダが破壊される
・オフラインファイルをサーバーに同期させると、オフラインファイルが破壊される
・RAW形式の画像を編集すると画像が破壊される(キヤノンEOS 1D/1DS利用時に発生)

>>怖いですね。ファイル破壊が趣味だったようで。

・PCを休止状態から復帰させると、PCがデフォルトゲートウェイのアドレスを忘れる
>>失言大臣ならずとも、あの病気か?と突っ込みたくなります。

・貧弱なメモリ管理性能
>>自分で言いますか?貧弱〜。

・ビデオドライバのアップデート時に画面が消える
・PCが反応しなくなり、「ディスプレイドライバが反応を停止し、復帰しました」というエラーメッセージが表示され、PCの電源ボタンを押して再起動するしかなくなる
・ゲームプレイ時やデスクトップ操作時に、予期せずPCの反応が止まったり、再起動がかかる
・プロジェクタなどPCに接続した外部ディスプレイの電源をOFFにした時、画面が消える
・NVIDIAのG80ビデオドライバがインストールされたPCの反応が停止する

>>相変わらずですね・・・OS7の頃を思い出してなつかしさで涙目に。

・Netcfgx.dllコンポーネントをロードするアプリケーションが予期せず終了する
・Windows Calendarで新しい予定、タスクを作成し、PCを再起動するとプログラムが予期せず終了する
・プリンタスプーラサービスが予期せず終了する

>>ここまでくると「予期せず終了」はお家芸ですか?と突っ込みたくなります。

ともかく、こういう危険な問題が解決されることはよいことです。

2007年8月8日水曜日

New iMac登場!


とうとう出ました。ただ予想されていたような大幅なデザインの進化はありませんでした。現行iMacをアルミ製にしたという感じ。本体が多少薄くなっている気がしますがこれは多分材質変更によるものでしょう。背面がブラックになってます。デザイン上の一番の変更点は先日ご紹介したキーボードかもしれません。これは前のモノとは全く違うものに仕上がっています。
ついで・・・になってしまいますが、一応Mac Miniもマイナーチェンジで新しくなってますがこちらはデザイン上の変更は全くなし。
なんか、はっきり言ってちょっと気の抜けたモデルチェンジになってます。たくさんのユーザはLeopardが出るのを待つのではないでしょうか?あと2ヶ月ですし。
まあ、今までさんざん言われていた液晶の質とかは実機を見てみないと何とも言えませんし、スペック上では光沢仕上げになったという以外に特記することはなくLED光源も見送られたようです。
やっぱり中途半端ですね。

以外と大きいかなと思うのはiLifeが8になっていることでしょうか。でも、これに関してもLeopard待ちでそのあとのアップデートを見てから導入した方がよいという気がします。

2007年8月5日日曜日

Ubuntu+3Dデスクトップ-Linuxの壁その2


ジェネリックPCに一応Ubuntuを入れることに成功した所までは書きました。UbuntuのWikiとCUIを使いながらCODECをインストールし、FireFoxのデフォルトムービープラグインをm-playerにシフトすることにも成功しました。またFlashも入り、ようやく普通にネットが使えるようになったのです。ちょっと脱線しますが、LinuxでのソフトのインストールはMacやWinとかなり違います。それぞれのディストリビューションに承認されたソフトのリストからインストールしたいソフトを選んでインストールします。それ以外はTar Ballという形で手に入れてMake(ビルド)してインストール(もちろんこれらのプロセスはすべてCUIで行う)ということが、まだ必要だったのです。しかし、2007年4月にリリースされたUbuntu 7ではかなりMacなどに近い形でインストールできるようになってます。

ここで再び壁が出現します。それはファイルシステムです。Winのファイルシステムもわけわかりませんが、Macのファイルシステムはたとえそれがメタファーにすぎないにしても、非常に整理されています。ソフトウエアは「アプリケーション」フォルダに入ってますし、CODECなどはライブラリの中の所定の位置に入れればいいのです。
しかしLinuxのファイルシステムには「アプリケーションフォルダ」がないのです・・・(あとでわかったことですが、はっきり言ってどこでもいいようです)そして、ユーザ書類以外のファイルシステムをGUI上からさわることはほとんどできないようになっているのです。
これにははっきり言って「慣れる」しかありません。

さて、Ubuntuの通常デスクトップに不満だったことはすでに説明しました。落ち着いてはいるのですが、これではMacのデスクトップのようにWindowsのユーザをうならせて、こっちが使いたいと思わせるようなものが何もないのです。そのころ、Linux系の掲示板などをにぎわせていたのが3Dデスクトップです。これはYouTubeなどにもたくさん動画が紹介されていたので見たのですが「コレだ!」と思いました。で、3Dデスクトップを導入するための情報を集めました。どうやら、オンボードのグラフィックチップではだめで、PCIバスに刺すカードが必要なようです。とういうことでアシスタントに買いにいかせました。彼が買ってきたのはNVIDIA GeFORCE FX5200というカード。で、これをNECに刺してWikiに従ってNVIDIAのドライバを入れ、3DデスクトップBerylをインストールします。一応Berylは動いていますがなぜか突然スクリーンが真っ黒になってしまうという現象がまったくランダムに生じます。ソフトをいじったりxorg.confという設定ファイルをいじったりしますがどうもうまくいきません。(このxorg.confはこれまたLinuxの壁だと思います。)知り合いのSEにSOSして質問すると「ハードの相性でしょう」ということなのでNECをあきらめて、中古のHP(ただしCDドライブなし)を6000円で手に入れまたUbuntuインストールからやり直しです。しかし、その甲斐あってHPでは何の問題もなくBerylを動かすことが出来ました。

(つづく)

2007年8月3日金曜日

Google Phone


来年出るそうなのだが、これでさらに携帯デバイスの動きが活発化しそうです。GIZMODOさんによると、1. すべてのGoogle Appsが作動する。2. プロトタイプはLG電子などと開発した。3. ヨーロッパではT-MobileとOrangeをパートナーとする。4. 台湾のメーカーとLinuxベースのOSを開発(?)ということのようです。

かなり面白いアプローチだといえます。毎日新聞によれば、広告収入によって無料化するというウワサも。

やはり気になるのはiPhoneとの関係ですが、違う切り口のデバイスになると思います。ただ、iPhoneの方が噂されているように廉価で機能の絞られたいわゆる"Nano"を出してくるなら、それはこのGoogle Phoneに近いものになるんじゃないかという気がします。アプローチとしては全く逆というか、それがまた面白いのですが、iPhoneの場合OS→アプリという感じがするのに対して、G Phoneの場合アプリ→OSという感じで作られてるように思います。
またiPhoneはまだ欧州でのパートナーを発表してないのに対して、GPhoneはすでに決めている。T-Mobileはドイツの携帯キャリアでOrangeはFrance Telecomの携帯ブランドです。これは実はアフリカに影響します。少なくともセネガルとコートジボワールはOrangeがすでにサービス展開を行っているからです。もちろん、セネガルでのOrangeのサービスはフランスで提供されているものの一部にすぎません。(WAPとかはいまだにありません)しかし、SMSオンリーだったのがMMSが入ってきたりと徐々に変わってきています。よって、すぐにではないにしろ、いずれGPhoneのサービスが開始される可能性がある。

iPhoneとGPhoneは内容的に競合するものではなく、むしろ共存するものなのでしょうが大きく見ればやはりマーケットシェアを「切り分ける」形になると思います。そのあたりの戦略はキャリアの方にまかされるのでしょうか?先ほど言ったように欧州でのiPhoneキャリアはまだわかりませんが例えばフランスにおいてAppleがFranceTelecom以外の例えばSFRとかBouigueと組むとは思えないのです。

とにかく来年は携帯デバイスにとって大きな転機になる可能性があると思います。

(Google Phoneの画像はGiZMODOさん経由でT3さんから。)

Ubuntuとの出会い-Linuxの壁その1


2007年6月20日の日記で書いていますが、MacintoshベースのCYVOGUEは曲がりなりにも軌道に乗っているし、安全性、性能、サイズなどMacがネットカフェに最も適したPCであるという考えに変わりはないものの、これを拡大した形で普及させるというのはかなり無理があると考え始めました。そして、もっと安くて安全で面白い選択肢はないものかと考えたとき、答えは1つしかなかったのです。
LINUX。
私はずっとMacユーザだったのでLinuxは「おぼろげながら」にしか知りません。そこでまず検索してみると一言でLinuxと言っても実にイロイロのものがあり、なんだかわけがわからなくなってしまいました。(Linux第一の壁:ディストリビューション)
そこで知り合いのシステムエンジニアの人やコンピュータに詳しい人に聞いたりしました。同時に自分なりに検索を続けてLinuxの世界を理解しようとしました。そして2006年の11月頃、Ubuntuに出会ったのです。(この時期を考えるとCYVOGUEを開店してから3ヶ月弱しかたってない・・・最初は営業がかなり苦しかったのです。)その頃、日本で主流だったのはFedora Coreでした。Ubuntuなんてあまり知ってる人いなかったし、日本語での情報もとても少なかったのです。質問した知り合いの人にもFedora Coreを勧められたのですが、私はなぜかUbuntuが気になったのです。それにUbuntuは古いPower PCのプロセッサを持つMacでも動きます。私としてはMacでも動くというのは安心感があったのです。
ということで、PPC版のUbuntuをダウンロードし、タンスに眠っていたPowerMac G4 QSにインストールしてみました。インストールそのものは簡単でした。言語リソースをダウンロードするのに数時間かかりましたが。でも、その結果は満足の行くものではありませんでした。基本的なメジャーサイトすらきちんと表示できないのです。最近のWebではFlashPlayerは必須ですがPPC用Linux版のFlash Playerはありません。
さて「ない」と言っていても仕方ないので探します。各国のUbuntuサイトは無論のこと、日本語のブログなんかも探します。で、ここでブチあたるのが第二の壁、CUIです。CUIとはコマンドベースのユーザインターフェイスのことで、Macで言う「ターミナル」を開いてここにコマンドを打ち込んで作業をするのです。私はコマンドなんて全然知りません。途方にくれていても仕方ないのでUbuntuのサイトなんかに載っているコマンドをそのままコピー&ペーストして作業していきます。
まあ、なんとかFlashは美しくないながらも一応動くようになりました。
この時点で私はPPC版Ubuntuを見捨てました。
というのは、将来Ubuntuベースのネットカフェを開くとしても、PPCマシンではありえないからです。安いAT互換機しかありえない。だからAT互換機の中古を探すことにしたのです。この時点で2007年1月になっていました。
アシスタントのアマドゥに探させるとNECのP3を約1万5千円で仕入れてきたので、早速これにインストールします。でUbuntuのWikiなどを参考に標準的なセットアップ、他のソフトのインストール、そしてCUIを使ったCODECなどのインストールとセットアップを行います。これで、一応標準的なものはすべて動くようになりました。

しかし、私はこれで満足したわけではありませんでした。
標準的なUbuntuのデスクトップはMacのそれを見慣れた私の目にはなんとも殺風景だったのです。そしてWinに比べても地味で同じマシンに入れた時のアピール度が足りないと思いました。ユーザーをWinから動かすにはWin以上の魅力を持つデスクトップが必要です。CYVOGUEがユーザに受け入れられているのはそのためだということを私は認識していましたから、Ubuntuも少なくともMacレベルのデスクトップ環境にしなければならないというのが私の考えでした。

(その2に続く)

ベナンGSM問題ーその後


実は昨日8月1日はベナンの独立記念日でした。で、ベナンも「アフリカ独立の年」と言われる1960年に独立しているので今年は47年にあたります。独立記念日につきものなのは「大統領の演説そして記者会見」なわけで、今ベナンで一番ホットな話題というか民衆の心を悩ます一番切実な問題がこのGSM問題。というわけで、とうとう大統領も重い腰を上げ、「72時間以内にこの問題を解決に導く」と発表しました。
それにしてもタイミングが遅すぎます。まるで某国の大臣更迭みたいですが、なぜ多大なダメージを受けてしまってから回避行動に出るのか、そのあたりの精神構造には理解できかねるものがあります。

前の記事でも書きましたが「サービスの停止」は誰の得にもならず、損害しかもたらしてない。もし、今までそれに気づかなかったとしたらあまりにもナイーブなのではないでしょうか?仮にもベナンの現大統領Yayi BONI氏は元BOAD(西アフリカ開発銀行)の総裁です。
まあ、やってしまったものは仕方ないので「今の今まで何してたんだ?」という疑問は置いておいて、大統領のイニシアチブは歓迎すべきものと言えるでしょう。まあ、3日後すぐにこれらの携帯ネットワークが元通りになるとは思いませんが、早期決着をつけないと実際デモなんかも行われたようだし、政治生命に影響することにもなりかねません。

前の記事にいくつか訂正があるのですが、まず、Areeba-Mtnについてですが、INVESTCOMはAreebaの株式を持っていた会社で、Mtnは南アフリカに本拠を持つ携帯キャリアです。で、MtnがINVESTCOMを買収することによってAreebaを手にした、というのが本当のところのようです。またAreebaのユーザ数は51万4千だそうです。Telecelとあわせても90万強。やっぱりベナンって小さな国なんですね。

あとLibercom陰謀説ですが、実際はLibercomに人が押し掛けてLibercom自身が困惑したことからみて、なかったようです。むしろ、以前と同じく全くSIMが手に入らず、しびれをきらした人が暴れたりしているようです。またBB COMはもともとキャパが低いこともあって現在パンク状態でほとんどつながりません。

さて、いつになったらこの問題解決するのでしょうか?

2007年8月2日木曜日

CYVOGUE DESKTOP


まだご紹介していなかったのでCYVOGUEのマシン構成を説明します。

クライアント用マシン:
Mac Mini Intel Core Solo 1.5G, 512MB, 30GB/40GB x 4台
ディスプレイ:
Acer 19inch Wide x2, Stallion 17inch x2
Mac OS 10.4.10(2007年8月2日現在)
標準ブラウザ=Safari 2.0
オルタナティブブラウザ=FireFox
オフィススイート=NeoOffice
IM & VoIP=Yahoo! Messenger, MSN Messenger, Skype, aMSN, iChat
ミュージックプレイヤ=iTunes
ムービープレイヤ=QuickTime Player (Flip4Mac, Perian, DivX CODEC入り)
デジタルフォト=iPhoto(一部にGIMPインストール済み)
ミュージックコンポーザ=Garage Band

プレゼン&ドキュメント作成用マシン
iMac G5 20inch 1GB, 250GB 1台

という構成です。営業時間は午前9時から午後11時までノンストップ。月曜のみ12時開店です。
月曜の朝にはマシンのメインテナンスを行います。ソフトウエアアップデートの他、メインテナンススイートOnyxを使ってメインテナンスおよびキャッシュのクリアを実施しています。

クライアントの接続時間管理にはMinuteurを使用しています。

インターネットへの接続はSonatel (Orange)のADSL回線でスピードは512kです。
台数を4台に限っているのはこの回線スピードのためです。
また、すべてWiFiでの接続なのでラップトップを持ち込んでの接続も可能です。

2007年8月1日水曜日

Safari 3.0.3. Public Beta


Appleの次世代標準ブラウザ、Safari3 Public Betaが3.0.3にアップデートしてダウンロード可能です。

前バージョンからの変更点はセキュリティの問題解決ということらしく、英語圏以外のユーザが待ち望んでいる国際言語サポートは見送られています。でも、まあ、私はこうやって日本語でちゃんとブログ更新できているので実用的にはあまり問題がないのですが・・・

ただ、ときどきおかしな振る舞いをすることがあります。ことえりで変換して出てきた候補メニューを矢印でスクロールしていくとある候補だけスキップするとか、なんか変なふうに変換されるという現象がときどきあります。
でもやっぱり速いので2.0に戻る気はしないのです。

「Safariの本当のチカラ」でも書きましたが、Webブラウザは単なるアプリケーションの域を超えて1つの「プラットフォーム」になりつつあるのではないかと思います。Javaのようなバックグラウンドで動くバーチャルマシンじゃなくて、Pararelles Desktopみたいなモノに進化していくのではないかと思う。で、いろんなAjaxアプリケーションが動き、Safariの中で作業が完結する、そういう世界が出現する予感。