2007年12月26日水曜日

ドキュメントフォーマット

OpenOffice.orgについては先日書いたし、Adobeに関連してファイルフォーマットの標準化の話も何回か書いたと思う。OpenOffice.orgの話はアプリケーションレベルから書いたのだが、実はすでに「ファイルフォーマット」の戦いは今年の夏から始まっていたようだ。
オランダ政府がODF採用を決めた背景にはこのODFがISO/IECという国際規格として採用されているということがあるのだが、MSが自社開発したEcma Office Open XMLをISO/IEC国際標準にしようという動きがあるのだ。しかし、日本はコメント付きNO、そしてLinux陣営もコメントつきNOを表明しており、もともとMSがアンチトラスト違反だとしているEUは間違いなくNOに動くだろうから、Ecma Office Open XMLが国際標準になることはおそらくないだろうと思う・・・と思っていたらやっぱり通らなかったようだ。
しかし「マジョリティを押さえている」という強みのあるMSはそれくらいではあきらめないだろうが。

2007年12月25日火曜日

LEDライティング

CYVOGUEを開店した時、照明はハロゲンでした。外の看板を照らしているのは青い色のついた蛍光灯です。
ハロゲンランプは華やかな光で明るいのですが、実際使って分かったことは「恐ろしく熱い」ということでした・・・ランプをつけているだけで夜だというのにどんどん店内の気温が上がってしまうほどです。
しかし、凡庸な蛍光灯の内部照明に戻る気にはなれませんでした。蛍光灯は明るいですが、光が平板で安っぽいのです。
そんなとき、出会ったのがLED照明です。丁度パリに買い出しに出ていたのですがBHV (Bazar de l'Hotel de Ville:市役所の横にあるデパート)のライティングコーナーをウロウロしていて、なんか変わった色の壁面埋め込み照明があって「なんだろう?」と思って見たらLEDでした。そしてハロゲンと同じプロジェクタランプの形をしたLEDランプを発見したのです。
しかもLEDはいろんな色があります。赤、緑、黄色、そして青と白。これは面白い。しかも寿命が蛍光灯に比べても倍以上長く低消費電力で、しかもほとんど発熱しないという特質を持っています。
で、テストする意味でいくつか買って帰りました。結果は劇的でした。全然暑くないのです。すぐにアシスタントを街に出してダカールでLEDランプを探させると、パリの倍ほどの値段しますがありました。そして、全部のランプをLED化したのですが、誤算はダカールで入手したランプの光量がパリで手に入れたのの半分しかなかったことでした。つまり「暗い」のです。仕方ないので、2つだけハロゲンを混ぜ、絵にあてるように間接照明を作りました。外の照明が青いので店の入り口には青いLEDを。中央には白いLEDを配置し、奥には白と装飾用の緑と赤のランプを配置しています。ハロゲンの熱はほとんど感じられなくなりました。消費電力は
ハロゲン照明時:50wx7=350W
LED照明:1w x 12 + 50w x 2=112W
と1/3になっています。
ちなみに先日掲載したクリスマスツリーもLEDです。
ハロゲンを全廃して総LED化を果たせば劇的に消費電力を落とすことが出来るので、インターネットで調べてみると、ランプそのものが高価なものの、高輝度LEDを使った明るいLEDランプがあるようです。まあ、実際どれくらい明るいか、ハロゲン代わりになるのかはやってみないと分からないのですが。日本では電気が安いからか、LEDはまだ特殊な装飾用や業務用にしか使われてないようですが電気の高いヨーロッパではだんだん増えてきているようです。
あと、IKEAがかなりLEDに力を入れてきています。今年の春にパリのIKEAに行った時に、GIZMODOさんのところに紹介されていたスティック状のLEDライト(4本組)と丸い平らなスポットになっている(4個組)も手に入れました。店で使おうと思っていたのですが、スティック状のはベッドに取り付けてしまいました。2本をベッドの頭の板のところに貼って読書灯にし、2本を頭板の裏に貼ってアンビエンスライトにしています。そのときは白しかなかったのですが今はマルチカラーのものも発売されているようです。また、ペンダントライトや光のすだれを作る器具もLEDで売り出されています。

2007年12月19日水曜日

ソーラー化の遅延

予定では11月工事、12月稼働開始だったのですが、なんとソーラーパネルが手に入らず、遅延しています。
まあ、ソーラー化を決意したのは停電のせいもありますが、原油価格の高騰を背景に電気料金は上がりこそすれ下がることはないと判断したからですが、同じように考えた人がいっぱいいたようです。で、ソーラーパネルへの需要が急増して入手しにくい状態になっているのでしょう。小規模システムの自動稼働にはソーラーパネルは最も適したソリューションだと言えます。ナイジェリアのように自国で石油が出る国ならいざしらず、化石燃料に頼った発電設備しか持たないセネガルのような国では電気料金の高騰は避けられない。
ということでパネルを入手次第工事にかかる予定ですが、今週からはタバスキ(イスラム教の犠牲際)、クリスマス、そして年末と休みが続くので多分1月に入らないと動かないかと思いますが。

2007年12月17日月曜日

iPhoneはカントリーロックされている!?


Maclalalaさん経由、iPhone Atlasからの情報で、フランスで発売されている「フリー」なはずのiPhoneは実はフリーではなく、フランス国内でしか使用できないことがわかった。
よって、本当の意味でGSMのような「フリーでグローバル」なiPhoneは存在しない。いわゆる「不法な手段」を使って強制的にアンロックしないとフリーにはならないようだ。
これは今の段階では仕方ないのかもしれないが、数年後にはドラスティックな転換を図らないと「日本のケータイメーカー」と同じ運命をたどってしまうだろう。アップルが「キャリアと協力して」かなり高額のiPhone使用料をとっていることはすでに判明しており、これは日本のケータイメーカーがとっているビジネスモデルと実は同じなのではないだろうか。それをGSMというプラットフォームでやっているにすぎない。
想像するに、iPhoneの開発費をすばやく回収するためにやっているのだろうけど、回収後はすばやくこのようなロックは外して、iPhoneを解放するべきだろう。GSMの使い心地の良さというのは、旅行が多い人間なら経験済みだと思うが、旅行先でサクっとプリペイドのSIMを装着、クレジットをチャージして電話が使えるというそこにある。ややこしくてバカ高い「ローミング」などという手法を使わなくていいのだ。もちろん国際ローミングはたくさんのケータイオペレータが提供している。電話番号も変わらないし便利だという考え方もあるだろう。
でも帰国してからどんな高額なローミング料金を請求されるかわかったもんじゃないし、その点プリペイドだと払った分しか使えないのだから完全に安心できる。それに、出先で現地の番号にかけるときはローカル料金なのだから安い。
これができないとなると、GSMである意味がほとんどなくなってしまう。日本のケータイと同じハンディキャップを負ってしまう。マーケット自体が極端に限られてしまう。
これがアップルがiPhoneでとる戦略なのだろうか?

そうだとは思いたくないが・・・

2007年12月14日金曜日

オープンソースはEUから?


フランスの国民議会(Assemblee Nationale)がUbuntuへの全面移行を発表したのは記憶に新しいが、今度はオランダ政府が政府の文書を来年4月までにすべてODF (Open Document Format)化すると決めた。ODFはOpenOffice.orgのオフィススイートの標準フォーマットである。オフィススイートのoOoへの本格的移行が始まったのかもしれない。oOoはもちろん.docや.xlsをサポートしており、反対にMS OFFICEではODFが開けないという不具合があったのだが、最新版のMS OFFICEではODFをサポートするようになった。
つまり、MS OfficeであってもODFは作成できるわけだが、わざわざ高価なMSの製品を使ってODFを作るのが減るのは当然の成り行きであろう。アプリケーションレベルでもoOoを導入するところが急増するはずである。
MacにおけるoOoは従来X11が必要だったが、数ヶ月前にAquaバージョンのVer.2.3のベータが発表されている。またJavaで動くNeoOfficeはoOoを元に作られており、多少重いものの機能も充実している。
唯一、oOoとMS Officeが違うのはデータベースソフトで、Accessで作った文書はoOoでは開けなかった。しかし、他の文書は見事に開く。
このようにすべての人がアクセスできるソフトのファイルフォーマットが標準化されることはいいことである。

余談だが、Opera社がWindowsにIEがバンドルされているのはアンチトラスト法に抵触するとしてMSをEUで提訴したらしい。MSはEUではどんどん泥まみれになっていくようだ。

Sugar UIは直感的か?


GIZMODOさんの記事からなのだが、OLPCの要であるSugar UIの使い心地についてのレポート。
実は私もこのSugar UIを起動CD-ROMとして焼いてPCで使ってみたことがある。しかし、SugarはOLPCハードに依存しているのでネットワークカード(Ethernet)を認識しなかったり、実際は使えなかったが、ワープロなんかは使ってみた。
Sugar UIは従来のOSインターフェイスとは全く関係なく作られているのだが、従来のインターフェイスに慣れているとものすごく戸惑う。それにインターフェイスが変わっていても機能そのものはLinuxでありAbiwordだったりするのでできるはずのことがSugarに邪魔されてできない(子供用に限定)ことの方にイライラが来てしまう。まあ、これは大人の考えなのだろうなと思っていた。
OLPCの対象年齢は多分10歳以下なのだろう。
あとはXO Laptopのハード的制約、特にスクリーンサイズによって、常駐させるべき表示を非表示にせざるを得なくてある機能への動作パスが長くなりがち・・・つまり何回もクリックしたりタッチしたりする必要がある。もちろんマルチタスクではない。
OLPCの使い心地は多分PCでもなくゲーム機でもない、その中間的なモノだと思う。中身はPCだし機能もPCなのだがそれをSugarでゲーム機っぽくしてみた感じだろうか。しかしゲーム機の使いよさというのは非常に数の少ないボタンで体感的にナビゲーションできるという点であって、それに関してはOLPCはPCなのである。
そのあたりに「使いにくさ」の源があるのかもしれない。

とにかく小学校高学年以上はOLPCではなくEdubuntuのようなOSの方が向いている気がする。

クリスマスツリー


去年のホリデイシーズンには日本に帰っていたので買わなかったのですが、今年は買いました。直前だったのでスーパーで割引していた純白のツリー。それにIKEAで買ったパープルのLEDをつけてみました。あとは金モールを少々。

2007年12月13日木曜日

Adobeが熱い?

Winの世界ではあまり一般的とは言えないが、ドキュメントのやりとりやWeb公開文書の汎用フォーマットとしてのPDFは定着した。
また、Web上の動画・アニメーションプラットフォームとしてのFlashも定着したと言っていいだろう。Adobeはこの「汎用フォーマット」の世界ではMSになりつつあるのだが、最近のAdobeの動きはGoogleのそれに似てきた。枠組みを作って、SDKを提供し、オープンソース化するというやり方だ。実はこの手法にちょっと似た感じの手法で開発されたのが他ならぬMacOS Xだと言えないこともないのだが、GoogleやAdobeのやり方は時代の差もあってもっとドラスティックだ。そしてこの2つに共通するのがWebというプラットフォームを基本的媒体に据えている点である。
オープンソースの世界での常識は商用アプリの常識と全く違う。極端な例ではOffice for Macが売り出されてからアップデートされたのは2回ほどしかない。しかし、オープンソースのNeoOfficeはほとんど毎月アップデートされている。つまりMS製品のライフサイクルをざっと5年とするとMSの2回に対して60回、30倍の開きがある。もちろん、これによって製品の優劣をうんぬんするものではないが、ソフトウエアというものに対する考え方が基本的に違うということなのだ。同じくオープンなUbuntuも頻繁にアップデートがかかる。
GoogleやAdobeが取り入れようとしているのはこのソフトウエア進化のリズムなのではないだろうか?
Adobeのビジネスモデルは数年前までかなりMSよりなものであったと思う。今でもAdobeの商用アプリは非常に高価で、アクセシブルだとはお世辞にも言えない。数年前までAdobeが取っていたのはPhotoshop Elementなどの「ジュニアバージョン化」だった。機能を制限したものを安い値段で売るというやり方である。しかし、アップルなどがiPhotoのようなアプリをバンドルし始めたらPhotoshop Elementなど売れなくなる。AdobeはSaas化を行うことで対応している。
数年前といえば丁度AdobeがMacromediaを買収した時期と奇妙に符合する。Macromedia買収は一種の革命だったのだと思う。DirectorやFlashをAdobeはどうしても欲しかったのだろう。そしてMacromediaもAdobeという「経営母体」を必要としていたのだと思う。そうしてMacromediaの一種荒馬のような乗りこなすのが難しい技術はAdobeの分かりやすく洗練された形にまとめられ、統合されていった。
そのAdobeがFlash関連技術であるFlexをオープンソース化し、企業向けソリューションの一部(Blaze DS)もオープンソース化するという。これは画期的なことではないだろうか?Googleと似た手法で、Googleとは全く違う分野を切り開いているのがAdobeだという気がする。

2007年12月11日火曜日

低価格ラップトップ


OLPCのG1G1(Give One Get One)プログラムによる出荷とAsus Eeeの発売が同時に始まった。これで、実機が流通し始めることになり、実際に低価格ラップトップという新しいプラットフォームが開かれた。しかし、低価格とは言っても実売は事前に言われていたよりは遥かに高い。OLPCは2台分の価格で400ドルだし、Eeeも同じくらいの価格で売られているようだ。
多分、大量に流通し始めれば少しずつ価格は下がっていくだろう。この価格帯というのはまさにiPhoneの本体価格、あるいはiPod (Touch/Classic) の価格帯である。言ってみれば大人の高級ガジェット価格。
果たしてこの価格でXOやEeeがもともと目指した最終ユーザ=子供の手に渡ることになるのだろうか?Eeeは汎用プロダクトだから別に大人が使ってもいいわけだが・・・多分子供の手には渡らない気がする。
家庭に入り込んだPCは「みんなで使うもの」からどんどん個人用ツールに向かい、ケータイに近づいている。そのカタチがEeeではないかと思う。
OLPCが描いた世界はユートピアの美しさを持っているがその実現にはまだ長い道のりが残っているということだろうか?
しかし、ネグロポンテ氏が守っているOLPCのアイデンティティはむしろアップル的なもので、時間をかければ受け入れられるだろうと思う。OLPCと競合しそうなのはAsusではなくNintendoなのではないだろうか?

2007年12月9日日曜日

最近Bloggerがおかしい

なんか表示に問題が起きたりしているようです。
トラフィックが増えすぎているのでしょうか?