2007年8月26日日曜日

Open Source vs. MS


MSはLinuxが気になって気になって仕方ないらしい。
当然と言えば当然なのだが、最近のLinuxディストリビューションの発達は高速で、一部のディストリビューションでは「アクチベーション」などという面倒な手続きが不要なためにWindowsよりもインストールが簡単になっているものもある。
しかもWinでは基本的に別売りになっているオフィススイートや数々のソフトウェアまで含めた形でディストリビューションされているしAdobeやGoogleといったソフトハウス大手、あるいはネットサービス大手もLinux対応を果たしている。
今までWindowsの敵はMacだけだったものがここにきてLinuxの猛攻にさらされているのである。
しかもAppleは基本的にハードウェアとソフトウエアをセットで出してくる企業なので、MSとはアプローチが違うが、LinuxはまさにMSのドンピシャリな競争相手なのだ。
OSそしてオフィススイート+基本的ソフトウエアのセットというものの性格を考えるとLinuxとWinを比較すれば論理的にWinに勝ち目はない。だからこそWinやOfficeはハードにバンドルされ、消費者がその価格を感じることはあまりないのだ。もちろん法人顧客をはじめとするMSの大口顧客はそう簡単にはMS離れを起こすとは思わないが、今までと同じような利益マージンの設定をすることは難しくなるだろうし、ライセンスを守る方にも投資をしなければならない分、利益は割り算的に減っていく。
つまりMS商法の根幹が崩れるのはもう目前のことなのだ。しかし、このドラスティックなパラダイムシフトにMSは生き残る道を見いだせないでいるようだ。X-Boxは以前よりはうまくいっているようだが、しょせんマーケット規模ではWinの比ではない。
となるとWinの環境を死守せよということになる。特にサーバのマーケットを奪おうということなのだ。
MSはこのパラダイムシフトは認識しているようでゲイツ氏が経営の第一線から退いたのもこのためだろう。
一方AppleはiPodやiPhoneといったデバイスを開発してそれを中心とした新しいビジネスを展開し、収益を上げているし、Macは非常に忠実で根強い固定ユーザ層に支えられている。単独で「蚊帳の外」に飛び出してしまっている。
ということで、MSが本格的なLinuxつぶしに乗り出したようだ。つまりLinuxに含まれるソースコードにMSの特許を侵害していると非難しはじめ、「我々と協力しないなら訴訟を起こす」と脅したのである。Ubuntuの創設者シャトルワース氏はこれを「ゆすり行為」であると非難している。というのはMSはその「侵害している」とされているコードがどこなのか開示しないからだ。しかしLinuxのディストリビュータの1つ、Novell社はMSの軍門に下った。(Novell社のディストリビューションはSuze Linux)しかし、Novell社のあとに続いたものは実質おらず、MSのオープンソースコミュニティを分断しようとしたもくろみは失敗に終わっている。
PCのハードウエア製造販売各社がWinのバンドルをやめない限り、Linuxが爆発的にWinのシェアを奪うことはないだろうが、Linuxは徐々に浸透するだろうと思う。MSがどんな策をろうしてもこのLinuxの侵攻を食い止めることはできないと思う。

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