2009年5月31日日曜日

お知らせ:ブログ休止(7/15まで)

実は、今度アフリカの東側にあるジブチで仕事することになりました。
これから1ヶ月半ほど東京で研修を受けてそのあと赴任の予定なのですが、仕事の性格上、これまでのように自由な立場での発言はできなくなりますし、ブログによるアフリカ情報の発信は続けていきたいものの、どのような形でそれが可能なのか検討する時間が必要です。
もちろん、ただニュースソースを流すだけという形では可能なのかなと思いますが、ブログとニュースサイトの違いはそこに加える解釈だと思っています。それがないブログをただ続けても書く方もつまらないですし、読む方はもっとつまらないと思います。直接意見を加えない場合でも訳し方やニュアンスによってある程度書いている者のスタンスが出てしまいますし、ニュートラルな立場で書いているつもりの記事でも、受け取り方によってはそうはならないと思います。そもそもブログがニュートラルというのはおかしい。なぜならブログをやるという行為自体が一種の「アンガージュマン」なのだと思います。そのアンガージュマンのとる方向性を見極める必要があります。
ということで、一時ブログを休止します。
しかし、基本的にアフリカ情報を日本語で発信するという行為自体に必要性はあることはわかっていますので、その形を模索したいと思います。この作業をだいたい7月15日までには終えたいと思いますので、また7/15以降にこのブログをのぞいてみてください。結果なり、経過報告を掲載していると思います。

なお、ダカールのネットカフェCYVOGUEは現在もこれからも営業しています。日本人スタッフはいませんがセネガル人スタッフがお迎えしますのでぜひお立ち寄りください。

2009年5月21日木曜日

Africa:News RoundUp 5/21


セネガルから。セネガル東南部にあるケドゥグの金山ですが、Oromin Exploitations社が非常に有望な鉱脈を発見したということです。(Proactiveinvestors)一方、食料価格の高騰を受けて、世銀がダカール近郊のいわゆる貧民層に現金を配るということを始めるそうです。(IRIN News)確かに今まで国際協力が行ってきた貧困対策はこのように貧困層のキャッシュ(現金)不足に対応したものではありませんでした。基礎教育や保健システム、村落開発が言ってみれば貧困対策の3つの柱とされているわけですが、これを行ってそこからどのようなフローで貧困が削減されるのか?という点に関しては非常に間接的でたくさんの憶測を含む希望的観測によって成り立っていたように思います。しかしながら、直接キャッシュを配るというのは、今まで何十年と行われて来た協力機関の努力を踏みにじっているように感じざるを得ません。日本はドイツと並んで途上国のキャパシティビルディングに熱心に取り組んで来たのです。その骨子は「魚を与えるのでなく、釣り方を教える」ということなのです。魚は食べてしまえば終わりです。なくなってしまえばまたもとの状態に戻ってしまう。しかし、魚の釣り方を教えれば、食べてしまったらまた自分で釣ることができます。そして、それは社会の「活動」を産み、魚を釣るというアクティビティの周辺に派生的な労働を作り出します。そこから産業が生まれ、キャッシュのフローが生まれていくのです。しかし、今回のように配られたキャッシュは結果的に裕福な商人の懐に収まり、貧困にあえぐ人は一時的に腹を満たして終わりです。

チャドですが、どうやらスーダン側に逃げ帰ったダルフールゲリラを追ってチャド軍はスーダン側に4〜40kmほど侵入し、ゲリラの潜伏している場所を「掃除(空爆?)」して帰って来たということです。(Afrik.com

ニジェールのママドゥ・タンジャ大統領に3選目の立候補を許可するための憲法修正国民投票を行なおうとしている動きに対し、ECOWAS/CEDEAOは「国民投票を行えば、ECOWASは制裁を検討する」としています。(Afrik.com

ブルキナのTOTAL社におけるストはようやく終わったようです。(Afrik.com

トーゴの政争ですが、今度は既に逮捕されているクパチャ・ニャシンベの自宅から用意していたと見られる「国家転覆宣言」が見つかったということです。(Afrik.com)またRFIによると、ニャシンベ大統領は軍の再編成を行っているようです。

隣のベナンではEUが5千万ユーロに達する巨額の財政支援を発表しました。(Afrique en Ligne)これは2009年から2011年にかけての3年間にかけて、ベナン政府に対する直接財政支援として行われます。このタイプの協力についてはフランスが旧宗主国として歴史的に行ってきた他、数年前から国連機関などの主導で一部に導入されています。彼らによればこれは途上国政府のキャパシティビルディングになるとのことですが、もしこれらの援助がなくなったときにどうなってしまうのか、不安を感じます。

ギニアでは昨日お伝えした通り、水、電気、食料が不足しているのですが、薬品も不足しているとIRIN Newsが伝えています。選挙まで持つのか、ちょっと心配になってきました。

最後にマダガスカルですがラバロマナナ前大統領がYoutubeで国民に対するメッセージを出しています。マラガッシュなので聞いて内容はわからないのですが、JeuneAfriqueによると国際社会そしてマダガスカル国民に向けて「ラジョエリナ大統領による強奪された政権を一刻も早く終わらせる」ことを呼びかけているようです。ますます、選挙にかけての混乱が心配ですね。

2009年5月20日水曜日

Africa:News RoundUp 5/20


まず、マダガスカルですがこの前お伝えした通りラジョエリナ暫定大統領は今年末に行うつもりの新大統領選挙に出馬しないと表明したのですが、案の定条件を付けてきました。そして、その条件とは「過去の大統領が出馬しなければ、自分も出馬しない」ということです。これはあからさまに「ラバロマナナはダメ、ラチラカもダメ。こいつらが出てくるんだったら自分も出る」ということで、実質不出馬表明を覆したと言えると思います。というか、最初から出るつもりだけど、一応カダフィの顔を立てるポーズをしてみただけなんじゃないかと思います。(Afrique en Ligne)そのラバロマナナ前大統領は「数週間のうちにマダガスカルに戻る」と言われています。(Afrik.comRFIのインタビューではまだやる気まんまんな様子を見せていて、また選挙前そしてこの選挙そのものは荒れることが予想されます。

ニジェールではトアレグのゲリラと政府の間で交渉が持たれているようです。ここもポストタンジャに向けて極めて不透明なままです。(RFI

ダルフール問題におけるチャドとスーダンの関係ですが、RFIがハルツームの非常に不透明な立場を暴いています。もともとダルフールの問題はスーダン内の人種問題に根ざしています。しかし、ダルフールのゲリラがチャドを目指してくれれば、スーダンはこの国内問題から「足を洗える」だけでなく、このゲリラ問題をチャドの問題にすり替えることができるわけです。

ダディス・カマラの率いるギニアですが、ここに来て深刻な「モノ不足」に陥ったようです。水、電気の供給は滞り、食料不足も深刻なものになっているそうです。(Afrik.com

ナイジェリアではニジェールデルタのゲリラ、MENDの問題がまた心配なレベルに高まってきました。MENDは連邦政府に対して全面戦争を宣言しています。(Afrik.com

トーゴコートジボワールで選挙の日取りが決まったようです。コートジボワールは2009年11月29日に行うとギヨーム・ソロ首相が発表しました。(Afrik.com)トーゴは2010年2月18日に第一回投票、3月5日が第二回投票となるそうです。(Afrik.com

最後に昨年あたりから強力なテコ入れが行われたマリの航空会社CAM (Compagnie Aerienne du Mali)は名称を変え、Air Maliとなりました。CAMは中東ファンドグループAghan Khanが51%、マリ政府が21%、アゴラマリグループが21.66%、その他一般投資者が7.34%を出資して作られた会社です。(Afrique en Ligne)これはなかなかうまいですね。折しも最大のライバル、Air Senegal Internationalが機能停止していて、西アフリカ仏語圏でのリージョナルフライトのオファーが減ってしまっているので一気に顧客を獲得できるでしょう。Air Ivoireも値下げなどのプロモーションを行っているようです。

Google:日本で初のAndroid Phone


実はまた日本にいます。これについては来週あたりに落ち着いて書くつもりですが、帰って来てびっくり。今でこそちょっと落ち着きましたが新型インフルエンザパニックのまっただ中でした。ヨーロッパはポルトガルとフランスを経由しましたが、特に変わった様子もなかったです。でも、日本に着いたとたんものものしい警戒、まるでテロでも起きたような・・・そして神戸に着くと日曜だというのにまるでゴーストタウン・・・

さて、ついに日本でも「Google Phone」Android携帯がDocomoから発表されましたね。これは台湾htc社の「HTC Magic」です。AndroidのコミュニティにはDocomoをはじめとした日本の携帯メーカーも名前が並んでいましたが、htcの機材・・・
これは多分日本のケータイというのが、世界の標準とは違う進化を遂げていて、メーカーもそちらに注力していたということなのでしょう。いわゆる「スマートフォン」と言われるジャンルは基本的にPDAから進化していると言えます。出発点がザウルスであり、Newtonである。それでBlackBerryになり今度はPalm Preが来るという線を描くことができます。一方日本のケータイはエンタテイメントフォンとも言うべきガジェットの集大成が多いような気がします。カメラがつき、音楽機能があって、テレビが見られて・・・という全然別の線。iPhoneはちょうどその中間あたりにスポットできるのではないか?と思います。当然iPhoneというのはそういう既存のカテゴリーにあてはめて考えるものではないのでしょうが、あえて言うならスマートフォンとしてはエンタテイメント性が高く、エンタテイメントフォンとしてはPDA的実用性が高い一種のハイブリッドだと言えると思います。HTC Magicは基本的には正統派のスマートフォンだと思いますが、iPhoneのApp Storeと同じようなものがあり、これによってアプリを追加できるのでこれからエンタテイメント性も高まっていく可能性もあります。
実は海外にもエンタテイメントフォンという形の進化を遂げたものがあります。NokiaのExpress Musicのラインであるとか、Sony EricssonのWalkman Phone、SamsungやLGの多機能ケータイなどがそうです。これらと日本のエンタテイメントフォンの違いは日本特有のワンセグやQRコードといったものがないという点だけでしょう。あとはサイズが小さいということでしょうか。
日本でのAndroid Phoneの位置づけは、どうもiPhoneのライバルというよりは、今まで日本でWindows MobileとかBlackBerryを使っていたニッチなところに参入する形になるんじゃないかと思います。HTC Magicは一般向けとしてそれほど訴求力のあるモノではありませんし、htcにしろグーグルにしろ、Appleのような行き渡ったブランド力もありません。そのあたりは出すDocomoもわかっていると思いますね。たぶん、HTC Magicは国内メーカーがAndroidに手を出す試金石となるのかな?と思います。

ちなみに、Android用のApp Sroreはココ。また、別のまとめ方をしたCyrketもあります。

2009年5月14日木曜日

Africa:News RoundUp 5/13


昨日、水道のことを書きましたが、実はダカールもう1つ不快なことが起こっています。それはゴミ収集の会社でストが起こっていて、ゴミ収集が行われておらず、街路には生ゴミがあふれています。ダカールのゴミ収集についてはほとんど定期的にこのような状態になっています。市がある会社と契約し、しばらくはうまくいきます。しかし、数ヶ月して給料の不払いや待遇についてストがおき、ちょうど今のような状態になります。そして、これがもう耐えられないレベルになってはじめて市が動いて、結局はまた別の会社と契約するのですが、実は中で働いてる人はみんな同じだったりします。つまり、うまい汁を吸っているのは会社を作ってつぶす、これを繰り返している連中だけなんじゃないでしょうか?

ブルキナファソでもストの話題です。数週間前からブルキナでは仏TOTAL社のガソリンスタンドでストが行われています。しかし、これが長期化して来てだんだん他の方面にも影響が出て、不便のみならず、物価が急上昇するなど国民生活の不満が高まって来てどんどん別のストを誘発するという結果になっているようです。(Afrik.com)そして、もう1つブルキナ関係ではベナンとの国境問題があるようです。今日、ブレーズ・コンパオレ大統領はダカールに来ていました。またベナンのヤイ・ボニ大統領はマリを訪問し、アマドウ・トラオレ大統領を訪ねたようです。かなりこの問題について双方で根回しが活発に行われているようです。(Afrique en Ligne

次にガボンですが、休養に入ったボンゴ大統領は医療用の飛行機でヨーロッパのどこかに飛び立った、と報道された後、どうやらスペインのバルセロナにいるようです。また、ボンゴ大統領が指示した休養中の大統領代行につき、憲法に抵触するという問題が早速飛び出したり、ボンゴ大統領の留守のガボンは政治的不安が高まっているようです。(Afrik.com)ちなみにボンゴ大統領はすでに42年間ガボンの大統領の椅子に座っています。ボンゴ大統領にもしものことがあればすぐにでもボワニを失ったコートジボワールのようになる可能性があるでしょう。

ニジェールです。先日タンジャ大統領が「話をつけたはず」のトアレグゲリラ、MNJ (Mouvement des Nigeriens pour la Justice:正義のためのニジェール人運動)が、「武器はおかない」と前言を翻しました。これはだいたい予想通りと言えます。これまで何十年ももめていたものが1回の話し合いで解決する方がなんだか怪しい。前の宣言はフランスとのウラン取引を無事に終わらすためのポーズにすぎません。(Jeune Afrique

さて、お隣のマリです。こちらのトアレグ問題に対する構えはタンジャのそれよりはずっと厳しいように見えます。ATT(トラオレ大統領)はかなり本気な印象です。しかし、マリが今つまずいているのは「民営化」のようです。国営電話会社Sotelmaの民営化に関し、モロッコのMaroc Telecomとの交渉が暗礁に乗り上げてしまったようです。また、国営の繊維・布会社CMDTの民営化は1999年から全く進んでないそうです。このように「売れない国営会社」、「民営化の失敗」によってこれらの会社の赤字が累積し、国庫を圧迫しているそうです。(Jeune Afrique

久しぶりにマダガスカルです。フランスのマダガスカルに対する影響力は未だに強大なわけですが、ラジョエリナ大統領はフランスにとって悩ましいことにリビアとの接近を噂されたりしているようです。(Jeune Afrique)ところが、突然ラジョエリナ大統領はこんどの大統領選には出馬しないと宣言したり、いったいどうなっているのかよくわかりません。これも、ラジョエリナ政権に対して厳しい態度を取っているAUアフリカ連合の現議長であるリビアのカダフィ師の顔を立てた一種の「ポーズ」なのかもしれないですね。(Afrik.com

ギニアビサウの大統領選挙は6月28日と決定したようで、候補者リストが公表されました。(Afrique en Ligne

2009年5月12日火曜日

Africa:News RoundUp 5/12


チャド以外をラウンドアップします。

まずトーゴですが、気象局長のアウデ・エグバレ氏は11日、2009年にトーゴを非常に大きな洪水が襲うことを心配している、と月刊L'Environnement誌で発表しました。トーゴは2007年にも大きな洪水被害を受けています。(Afrik.com)また10日にニャシンベ大統領がアネオを訪問した帰りに、同行していたジャーナリストの乗っていた車両が事故を起こし、5人あまりが重軽傷を負ったということです。こういった「コンボイ」は一度私もセネガルで昔同行したことがあるのですが、平均時速120km位を出すとんでもないモノであることが多いです。道路状態が悪かったり、車両が整備不十分だったりすればすぐに事故になってしまいます。(Afrique en Ligne

マリではアルカイダとの戦いが相変わらず続いています。AQIM(マグレブアルカイダ)は5/15までにイギリスにとらえられているメンバー、アブゥ・カタダが釈放されなければ2009年1月からAQIMに捕らえられているイギリス人人質を1人殺すと脅しています。マリ政府はアルジェリア政府の協力をうけて、5/9にサハラ地域でこのAQIMに対する作戦を開始しました。また、アルジェリア、モーリタニアおよびニジェールもこの作戦に参加していくそうです。(Afrique en Ligne

ニジェールですが、フランス在住のニジェール人はタンジャ大統領の任期延長に反対するとしています。(Afrique en Ligne

コートジボワールの野党勢力は大統領選挙を10月11日に実施するよう求めています。(Afrique en Ligne

RDC東部の北キブ州では国連関係者がルワンダゲリラの村荒らしに頭を悩ませています。(All Africa

ところで、セネガルのダカールですが、先週後半から自宅の水道の水圧がものすごく下がってしまって困っています。話を聞いてみると、これはかなり広範囲で生じているようで、何かの工事かとも思うのですが、実に不快です。まったく、この国はいわゆるライフラインと呼ばれるものが全部きっちりと動作した試しがない。最近ようやく停電が減ったと思ったらこのザマです。

Chad:政府軍側の勝利で事態鎮静


チャドの状況です。
日曜にまた戦闘があったあと、チャド軍側がゲリラを押し戻し、ゲリラの退却が始まっているようです。(Afrik.com)しかし、ゲリラ側は「これは戦略的退却であり、UFR(ゲリラ)は人的および物的リソースを温存している」と発表しています。(Afrik.com)また、ゲリラはフランスに対して介入しないよう求めていましたが、フランスは11日外務省公報官フレデリック・デザニョー氏を通し、「ゲリラは武器を置き、チャド政府と対話を行う」よう声明を出しました。(Afrique en Ligne)また、フランスにいる元チャド大統領のグクニ・ウェデイ氏も声明を出し、「現在のチャドの状況を多いに憂慮している。対話だけが解決への道だ。」と述べました。このウェデイ元大統領は現在アルジェに亡命中ですが、今セネガルに置かれた身柄とその裁判が問題となっているヒセイン・ハブレ元大統領とチャドで政争を繰り返した人です。
また、事態の沈静化をうけ、人道援助団体NGOなどが東部チャドに戻りつつあるとJeune Afriqueが伝えています。

Sony:ストリンガーCEO語る

「もし、我々が最初からオープンテクノロジーを採用していたら、今頃Appleに勝利していただろうと私は思う」(Engadget
SONYのサー・ハワード・ストリンガー会長が日経エレクトロニクスアジアのインタビューに答えて語ったそうです。
このブログに書いたかどうか記憶にないのですが、これは私が常々思っていたことなのです。もちろん、今回のストリンガー会長の発言は音楽に限ったことなのですが、私はSONY全体に言えることだと思います。
Appleは今でこそ、ほとんど絶対的とも言えるブランドを確立していますが、かつては暗黒時代がありました。一般にそれはスカリーCEOの時代、1990年代にジョブスを追い出したときと言われており、その暗黒時代の終焉はジョブスが復帰してiMacを出すときとされています。実は私がMacと出会ったのはこのAppleの暗黒時代でした。しかし、暗黒時代とは言ってもAppleの提供していた世界はものすごく衝撃的な世界だったのです。実は私はAppleに出会う前はSONYを愛用していました。ベータマックスを3台持っていたこともあります。そして、Appleが私にとって特に魅力的だったのはトリニトロンモニターを使っていたこともあります。実際、この時代はAppleとSONYの蜜月時代でもあります。一時は業績が悪化したAppleをSONYが買うのではないか?という噂すらあったと思います。そして、MacOSのライセンス提供があったとき、SONYが来るのか??と期待したものです。今もしAppleがMacOSのライセンス提供を行うとしたら、まずまちがいなくSONYは飛びつく気がします。もちろん、Appleがそんなことをすることはまず絶対にないと思いますが・・・しかしSONYは来ず、VAIOはこともあろうにWindowsのパソコンとなったのです。実はこの時代、業務用としてはワークステーションが全盛でした。NeXTもワークステーションですし、シリコングラフィックスのIndigoがグラフィック用としてもてはやされていました。そのころSONYはNEWSというワークステーションを出していたのです。つまり、SONYにはパソコン用のOSを開発するだけの素地があったと思います。しかし、そのころ世の中のテクノロジーの常識の中でものすごく重要視されていたのが「互換性」でした。そしてSONYはベータマックスで互換性の痛い目にあっていました。これがWindowsの安易な採用をしてしまった主な原因でしょう。VAIOはそれなりにキャラクターを持ったPCだし、スタイルなどでの差別化の努力は涙ぐましいものさえ感じます。しかし、決定的なのはいくらVAIOががんばってもWindowsに縛られる、ということだったのです。強みだったはずの互換性が、他のものとかわらない、差別化を妨げる決定的な要因になってしまったのです。これはコンピュータのソフトウェアの互換性とベータとVHSのようなハード的な互換性が全く性格を異なるものだということもありますし、その違いの中でインターネットが登場してすべてのコンピュータが共通のプラットフォームで動くというものが標準化されたという革命的な技術革新もあったわけです。しかし、SONYには何回も自社OSを開発する機会があったと思います。それをすべてみすみすのがした上、ドル箱になるはずだったVAIOは他のメーカーとの熾烈な競争に晒され、力を盛り返したAppleが音楽産業全体まで巻き込んで、新しいビジネスモデルを作ってすっかりお株を奪われてしまったわけです。私は今からでも遅くないと思います。最近のLINUXデスクトップはとても優れていますし、これをカスタマイズして使えばVAIOは魅力的でオリジナルなPCに生まれ変わるでしょう。MSからVAIOを解放してやること、これがVAIOを救う唯一の道という気がします。ちなみに、オリジナルOSのVAIOが出れば、私も買ってみようと思うでしょうね。

2009年5月11日月曜日

Google:SPAMブログにされてしまいました

実は先ほどGoogleからメールが来て、このブログにSPAMブログである可能性があるとして確認を要求されてしまいました。
確かに最近多いですね、そういうブログ。
まあ、誰かが見てSPAMだと言われたわけではなく、Googleのロボットがポスティングの内容構成(HTMLを)をスキャンしてSPAMかもしれないと判断しているわけです。
このブログはニュースを扱うようにしてから、毎回かなりの数のリンクが張ってありますので、これが「他のサイトにユーザを誘導するSPAMブログの構成に近い」と判断されたのだと思います。リンク以外ではSPAMと判断されるような要素はないですし。
ということでSPAMブログ指定を解除するリクエストをGoogleに出しました。
これが承認されるまで数日、おかしなメッセージが出るかもしれませんが、無視してください。
なお、当ブログのリンク先はSPAMサイトでないことを確認した上で掲載していますのでご安心ください。

Africa:News RoundUp 5/10


ガボンのボンゴ大統領、コンゴのンゲソ大統領、赤道ギニアのオビアン大統領がそれぞれフランス国内に持つ不動産などの資産をフランス司法当局が調査するとした件で、パリの検事局がこの決定に反対しているそうです。これによって、この調査が行われるかどうかはパリの地方裁判所の決定にゆだねられるそうです。(Afrik.com

ナイジェリアの燃料品薄問題がかなり悪化しているようで、国内紙がこぞってこの問題を第一面でとりあげているそうです。(Afrique en Ligne)そもそも、産油国であるナイジェリアが自国内で燃料不足に陥るなどというのはおかしな話ですが、これは複雑に絡み合った利権、そして石油のもたらす利益の分配における大きな格差や不公平を浮き彫りにしているといえます。ちなみに隣国ベナンではこのナイジェリアの石油を安く仕入れて、ガソリンスタンドより安い値段で売っている「パイヨー」というガソリンがあります。私が昨年夏に訪れたとき、ガソリンスタンドのガソリン価格はだいたい650F/Litreでしたがパイヨーは350F/Litreと半額に近い値段でした。しかし今はパイヨーの価格が急騰し、ほぼガソリンスタンドと同じ値段になっているそうです。

そのベナンですがBOAD(西アフリカ開発銀行)が西北部のジュグ=ウアケ(トーゴ国境)の舗装に対し、80億FCFA(1220万ユーロ)の融資を行うことを発表しました。(Afrik.com)このところ、トーゴに対するファンディングエージェンシーの大型援助の発表が相次いでいましたが、ベナンもこの波に乗っているのでしょうか。

コートジボワールでは大統領選挙がいよいよ行われる雰囲気が見えて来て、やっぱり出てきたのがアラサン・ワタラ氏。(Jeune Afrique)この人はコナン・ベディエが大統領だった時から大統領候補だったのですが、ベディエがワタラ氏の「生まれ」に文句をつけ(ワタラ氏はブルキナ人の血を引いている)1995年の大統領選に立候補できませんでした。それに続く2000年も「国籍が不明瞭」であるとしてまたもや立候補を取り消されています。日本のような島国ならいざしらず、陸続きのアフリカ、しかもECOWAS (CEDEAO) という人の自由な行き来が保障されている地域で、このような「生まれ」や「血筋」の問題を大統領に立候補する条件とするのは、おこがましいとしか思えませんが、さて今回はどうなるのでしょう。

チャドですが、やはりスーダンとの外交関係が悪化です。イドリッサ・デビー大統領はチャド国内のスーダン文化センターを閉鎖し、スーダンの作った学校をチャド政府が接収すると発表しました。この学校の教員はスーダン人なので、速やかにスーダンに帰国するよう求めています。またスーダンだけでなく、AUアフリカ連合も「ダルフール問題を国連任せにして、必要な措置をとれなかった」と非難、さらにリビアと中国を名指しで、国連の安全保障委員会でチャドに対して非友好的な発言をしたとして非難しています。(RFI

今、France24のニュースでやっていたのですが、今年末に予定されているギニアコナクリの大統領選にゲリラの代表は立候補しないそうです。これはちょっと驚きです。

2009年5月10日日曜日

Africa:News RoundUp 5/9


チャドの続報からです。一体どことどこでいくつの戦闘があったか詳細はわからないのですが、累計としてJeune Afriqueが伝えているところでは死者247名(うちゲリラ側225名)、捕虜212名、接収した車両127台、破壊した車両93台、チャド軍側被害としては死者22名、負傷者31名、破壊された車両10台とチャド軍側の圧勝に終わっているようです。ちなみにこれはチャド政府側が発表した数字です。また、France 24のニュースではこの知らせを受けた首都ンジャメナの様子がレポートされていましたが、人々はかなり興奮した様子でした。また、スーダンとの外交関係は悪化する可能性があることも指摘されていました。

さて、そのスーダンですが、ダルフール南部で国連の平和維持要員が銃で撃たれて死ぬという事件が起きています。(AllAfrica

RDC=ルワンダですが、CNDPの指揮官だったローラン・ンクンダはルワンダからRDCへ身柄が引き渡される予定でしたが、この引き渡しは行われそうにないとAll Africa(仏語)が伝えています。また、一昨日にも伝えた北キブ州での火山噴火の可能性ですが、BBCも同様のニュースを伝えています。この記事によると噴火しそうになっているのはゴマからわずか25kmしか離れていないニャムナギラ山で、ゴマの市街からも山から噴煙や水蒸気が噴出するのが見えるそうです。付近には2002年に噴火したニラゴンゴ山があり、この噴火の際にはゴマの街の半分が破壊されました。

ガボンのボンゴ大統領が休養中の政府の責任者がDidjob Divungi Di Ndinge(ちょっと読みがわかりません)副大統領に決まったとガボン政府が発表しました。しかし、この決定には問題があるそうでガボンの憲法によれば大統領が死亡したり、45日以上不在の際には副大統領ではなく、上院議長が大統領代行をつとめると決まっているということです。(Afrique en Ligne

最後にセネガルのカザマンス地方、ビニョナ県のジナキ村(ジュルルの近く)で軍のトラックがロケットによる攻撃を受け、破壊されました。2004年の平和合意以降カザマンスには一応平和が戻っていましたが、まだ事態は予断を許さないのかもしれません。(Afrique en Ligne

2009年5月8日金曜日

Chad:激しい戦闘で146名の死者


=速報=
チャド東南部で、スーダンから侵入したダルフールのゲリラUFRとチャド軍との間で激しい戦闘が行われ、146名が死亡したとJeune Afriqueが伝えています。
記事によると、死者の内訳はゲリラ側125名、チャド軍側21名ということで、巻き添えになった民間人はいません。場所はアム・ドレッサという村の近く(アベチェから南110km)ということです。またチャド軍は152名の捕虜、67台の車両を接収、戦闘中に73台のゲリラ側車両を破壊したということです。チャド軍側には30名の負傷者が出るとともに7台の車両をゲリラ側に奪われたそうです。
ゲリラ側の広報担当がAFP通信に語ったところによると、今回の侵攻は1000台以上の車両が動員され、アム・ダムの街は完全に制圧された、ということです。

また情報が入り次第お伝えします。

Africa:News RoundUp 5/7


チャドの続報から。
チャド東部にスーダン・ダルフールゲリラが侵攻している問題で、侵入したゲリラとチャド軍との間で戦闘が行われたようです。(Afrik.com)場所はチャド南東部のティシ村とハラズ・マンゲ村の間で今朝10時(GMT)に侵攻しているゲリラの部隊がチャド軍の待ち伏せにあい、機関銃を装備した12台の車両を置いて逃げたということです。また、これに先立つゴズ・ベイダ方面へのゲリラ侵攻の様子をBBCが伝えています。このチャドの争乱に対し、国連事務総長の次に動いたのはCEN-SADです。これはリビアのカダフィ師が音頭をとる機関ですが、ダルフールゲリラのチャド侵攻を弾劾しています。スーダン政府の動きは今のところ聞こえてきませんが、カタールのドーハで平和合意を結んだばかりであり、様子見をしているのでしょう。(Afrik.comRFI

ガボンのオマール・ボンゴ大統領が突然「休養する」と発表しました。(Afrik.com)ボンゴ大統領はつい最近、夫人を病気で亡くしたばかりでこの喪に服したいということです。
しかし、昨日フランスの司法当局がボンゴ大統領を含む3人のアフリカの大統領がフランス国内に持つ財産を調査すると発表したばかりです。あまりにもできすぎたタイミングでしょう。ちなみにあと2人はコンゴのンゲソ大統領、この人はボンゴ大統領の亡き夫人の父親であり、ボンゴ大統領の義父にあたります。それと赤道ギニアのオビアン・ンゲマ大統領です。(AllAfrica)また、ボンゴ大統領の健康が優れないという噂もあります。

ギニアではまたまたダディス・カマラが大鉈を振るい2人の大臣の首をすげ替えたようです。(Afrique en Ligne

ナイジェリアですが、この国もゴタゴタには事欠かないのですが、オロイビリというところにあるシェル社のパイプラインから非常に大きな原油漏れが起こり、農地が汚染されたそうです。(AllAfrica)今回の原油漏れの原因がサボタージュによるものなのかはまだ不明ということですが、ちょうど激しい降雨があり汚染を広げる結果になったということです。

コンゴ民ですが、北西部にてRFIを停波したそうです。(AllAfrica)そういえば、先日ルワンダでBBCが同じく停波されたことを伝えました。この2つに直接的な関連はありませんが、どうもキンシャサとキガリのつるみ具合に居心地の悪いものを感じます。さて、このRDC-ルワンダ問題の中心、キブ州ですが悪いことは重なるようで、今度は火山活動が活発化して住民を脅かしているとIRIN Newsが伝えています。

2009年5月7日木曜日

Chad:東部チャドのゲリラ問題


チャド情報がいろいろと入って来たのでまとめます。
まず、その前にチャドという国をざっとおさらいしてみると、アフリカの北半球部分のほとんど真ん中に位置する面積の広い内陸国で東はスーダン、西はニジェール、北はリビア、南は中央アフリカと長い国境線で接しています。南西端はカメルーンとナイジェリアに接しており、首都ンジャメナはほとんどカメルーン国境にあります。主な産品は石油で、パイプラインでカメルーンの海岸線側に出して輸出しています。南側の中央アフリカも問題の多い国ですが最も大きな問題は東側のスーダンです。スーダンの問題といえばアフリカに少しでもなじみのある人なら「ダルフール」と思い浮かぶと思いますが、このダルフール地方とはチャドとの国境地帯に他なりません。つまりダルフール問題とはチャドの問題でもあるわけです。そして、今年のはじめからこのダルフールのゲリラが東のハルツームを目指すかわりに西のンジャメナを目指しはじめたということなのです。これはダルフールをめぐってもともとスーダン政府とチャド政府は仲が悪く、2008年にダルフールゲリラがハルツーム側に攻撃を仕掛けた時、スーダンはダルフールゲリラを支援したとしてチャドを非難しているのです。
さて、ニュースですが、5/6にチャドのムサ・ファキ・マハマ外相はパリでフランス外相ベルナール・クシュナー氏と会談し、ダルフールゲリラのUFR (Union des Forces de Resistance)のチャド侵攻について状況が悪化しないような外交手段について話し合ったとAfrique en Ligneが伝えています。チャド外相はカタールのドーハで開かれていたダルフールの平和同意会議に出席した帰りでした。
チャド現地からの情報としてはBBCがUFRのチャド東部の街ゴズ・ベイダ侵攻を伝えています。これによるとスーダンからチャドに入ったのは車50台から200台程度で2手に分かれ、ゴズ・ベイダともう1つはもっと南の中央アフリカ国境に近い無人の森林地帯を進んでいるとのことです。同様の情報をJeune Afriqueも伝えていますが、こちらはゴズ・ベイダ周辺の動きをもっと細かく伝えています。1つの部隊がゴズ・ベイダから180km南西に位置するアム・ティマンに抵抗なく入りそこに駐屯した模様、もう1つの部隊がゴズ・ベイダの北西110kmに位置するアム・ダムに入ったということです。アム・ダムはダルフール難民を収容し、国連部隊の駐屯するアベチェの南西100kmにあたり、このキャンプには45万人の難民が避難しています。
また、バンキムン国連事務総長はこのスーダンゲリラのチャドへの侵入を憂慮していると声明を出しました。事務総長は両国にドーハ合意を遵守し、外交手段を用いて問題解決を行うよう示唆しました。(AllAfrica)この記事によると、この東チャドにはスーダンからだけでなく、中央アフリカからの難民も流入しており、その数はすでに6万人に達しているそうです。

Africa:News RoundUp 5/6


まずはニジェールです。フランスとのウラン採掘権の取引、トアレグゲリラの投降についてはお知らせしました。5/4にこのアフリカ最大と言われるイムラレンのウラン鉱山がママドウ・タンジャ大統領、アンヌ・ロベルジオン仏Areva社長の出席のもと、採掘開始のセレモニーが開かれました。(Afrik.com)しかし、このウラン鉱山いろいろと問題がありそうです。Afrik.comによると、Areva社は旧Cogema社といいニジェールで1968年からウランの採掘を行ってきました。しかし、ウラン採掘はニジェールという国の発展に全く寄与しなかったばかりか、主にトアレグで構成される現地住民の暮らしを例えば健康被害などの形で大きな被害をおよぼしてきたのです。ニジェール政府は1961年にフランスと交わした契約により、フランスに市場価格に比べると問題にならないような値段でウランを売っているそうです。放射能に関する調査をしているCRIIRADによると、ウラン鉱山の街アーリットの水道水の放射能レベルは規定値を超えていると言います。また、精錬に大量の水を必要とするため、地層水の枯渇を加速させているとも言われています。また、精錬後の放射能を帯びた泥や発生するラドンガスなどが全く処理されないで放出されているというのです。この放射性の泥はなんとアーリットの病院前でも検出されたそうです。確かにニジェールにとってウランは唯一と言っていい外貨獲得手段であり、ニジェール政府の生命線とも言えますが、これがいくら少数民族であり、人数的には少ないとはいえ住民の犠牲の上に成り立っているのは悲しいことです。また、いかに採掘地域が砂漠地帯とはいえ、国土を切り売りするばかりか、その汚染や資源枯渇を野放しにしていいのか?とも思います。さらに、やっぱり出て来たのがタンジャ大統領が再び大統領選に出馬するために憲法を変更する国民投票です。一連のウランをめぐる動きは周到に準備されたこの政治取引の前振りだったわけです。(Afrik.com)考えてみればタンジャを脅かすのはトアレグしかなかったわけで、それをうまくウラン取引で釣っておいて、このまさに狙ったようなタイミングで国民投票を発表するという、これは反対が出そうなところ(法にうるさいフランスを含め)をうまく押さえた老獪なやり方と言えます。

同じようなコンスピラシオンの臭いがして来たのがセネガルのASI問題です。ただ、これが本当にコンスピラシオンなのであればあまりにヒドいことですが・・・よってこれは多分、コンスピラシオンではないでしょう。一昨日、セネガルの組閣がありカリム・ワッドが入閣したことはお伝えしました。さて、カリムが音頭をとるのが、まさにASI問題の本丸、航空分野です。そして、これはセネガルでは知らない人はいないくらい有名な話ですが、カリムはモロッコ王の独身時代、そして王子時代のお友達なのです。この関係をセネガル政府が使わないわけはありません。多分、このチャンネルでなんとかしようとしてくると思います。ただ、セネガル政府は大きな譲歩をせざるを得なくなることは間違いないですが、ASIを救い立て直す方がモロッコに見捨てられるよりは絶対にいいはずです。そして、無事これを成し遂げればヒーローは誰でしょうか?もちろんカリムなわけです。このあたりが少々臭うわけです。

次にトーゴ問題についてIRIN Newsが記事を出しています。今回のクーデター未遂事件はトーゴの安定度の試金石になるという話です。しかし来年の選挙は荒れそうな気がします。2005年の選挙でも多くのトーゴ人が隣国ベナンやガーナに避難しました。実際、コトヌにはトーゴ人がたくさんいます。私が住んでいたアパートの中にあった会社で使い走りをしていた若い子がいたのですが、彼もトーゴ人でした。

はじめて取り上げるのですが、チャドで不穏な動きがあります。この国は言ってみれば安定していたことなどないので、いちいち取り上げることはしなかったのですが、今回の動きは大きなものになりそうです。スーダンに逃れていたチャドの反乱ゲリラが首都ンジャメナに侵攻しているとJeune Afriqueが伝えています。今年2月にもゲリラはンジャメナに迫り、デビー・イトノ政権は倒されそうになりましたが、フランス軍の介入でなんとかゲリラを追いやることができたようですが、今度はどうなるのでしょうか。

最後に明るい話題を。ヨーロッパと西および南アフリカを結ぶ新しい海底ケーブル「West Africa Cable」が2011年には利用開始できるだろうとAll Africaが伝えています。施行および管理は仏Alcatel-Lucent社が行い、MTNをはじめとする南アの通信会社数社とアンゴラテレコム、テレコムナミビアとトーゴテレコムがすでに使用契約に署名しているそうです。ケーブルの上陸ポイントは南ア、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民、コンゴ、カメルーン、ナイジェリア、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、カーボヴェルデ、そしてポルトガルと英国ということです。このうち、ナミビア、コンゴ民とトーゴはこれらの国初の海底ケーブルへの接続となる予定です。

2009年5月5日火曜日

Africa:宗教と人道


先日、ローマ法王ベネディクト16世がカメルーンとアンゴラを歴訪した際にコンドームの使用がHIV感染対策にならないと発言し、問題になりました。まあ、これは法王の発言の一部だけを抽出してマスコミが煽ったとも言えますが、法王ともあろう人の発言としては少々軽すぎたとも言えます。しかし、宗教関係者というのは時として一般的な人々の感覚とちょっとズレている場合が結構あるものです。
そして、アフリカでは時にこれが土着信仰とミックスして恐ろしい事態を生み出すことがあります。
セネガルでは昨年12月に同性愛者が逮捕され、8年という実刑を言い渡されました。しかし、彼らが活発なAIDS対策の運動を行っていたこと、そして通常なら最大5年の刑のところを、そのAIDS対策運動が「悪の結社」であるとして8年に増やされていたことから国際社会から大きな反発を受け、最終的にはフランスのサルコジ大統領直々の介入によって釈放されました。(BBC)セネガルはちょうど同じ時期に国際エイズ対策会議をホストしてHIV感染を食い止めることを明言していたのですから、ダブルスタンダードもいいところです。セネガルは結構司法がしっかりしていて、以前はこのように一種の宗教的価値観が司法判断に入り込むことが少なかったのですが、落ちたものです。
次はブルンジが、同性愛を違法化する法案を作ってしまいました。(JeuneAfrique)これまたフランスのラマ・ヤッド人権担当国務長官が出向いて抗議をしています。ブルンジはルワンダの南にある小さな国です。そして民族的にもルワンダとほとんど同じことから、ツチ/フツ抗争が常にあり、ルワンダと同じように虐殺がありながらルワンダの陰に隠れてしまって、ほとんど注目されることはありません。国民は貧乏にあえいで仕事もないのに、こんな自己満足でしかない法律を作っているヒマがあるのならそのエネルギーをもっと有意義なことに注げないのでしょうか?
しかし、実際はというとアフリカの中でも貧乏な層が最も宗教にハマリやすいようなのです。そして貧乏人の間で無駄な争いをしてさらに貧乏になるという負のスパイラルが生じます。昨年のナイジェリアのジョスでの騒動などを見てもそれがよくわかります。

宗教はもともと人と人とをつないで共存するためのものではなかったのでしょうか?
それとも、自分とは違う人間を糾弾して社会から追い出すためのツールなのでしょうか?


BBCによると、今度はセネガルでまたまた墓が荒らされ、同性愛者と見られる死体が掘り起こされていたそうです。
多分狂信的なイスラム教徒の仕業でしょうが、いったい夜中に墓に侵入して死体を掘り起こすという、オカルトそのものな行為と神を信じるということとどこでどうやってつながるのか理解に苦しみます。墓荒らしはベナンなどでは悪いヴオドゥンの儀式を行うためにやることですし、たいていの宗教で悪いものにつなげてとらえられています。もし、その人が信じる神が「墓を荒らせ」と言ったとするならその神は神なのではなく悪魔なのではないか?とも思います。このように人の道を踏み外すための宗教など、有害でしかありません。

Africa:News RoundUp 5/4


セネガル以外の記事です。

まずはコートジボワールですがバグボ大統領が「選挙は10月か11月」という声明を出しました。詳細な日どりについては5月か6月に発表する、とのことです。(JeuneAfrique)この大統領選挙というのは2005年からずっと先延ばしにされていたもので、実質4年のびたことになります。大統領任期というのは5年〜7年が普通ですからバグボは暫定大統領のまま約1期つとめてしまったことになります。バグボ大統領が正確な日取りを今の段階で発表できないのは、コートジボワールは2002年のクーデター未遂のあと、南北2つに実質分断されているからです。そしてバグボ政府の力が及んでいるのは今でも南の半分だけで、いつ北部の反乱分子が動き出すかわからない、という不安があるからでしょう。この選挙後を見据えて国際機関も動き出したようです。コートジボワールにはUNOCIという国連の統合機関が設けられていますが、この機関はクーデター後のコートジボワールの平和構築を主導してきたのです。そして現在は選挙プロセスに注力しているわけですが、その後は南北コートジボワールの統合に力を注ぐとしています。(All Africa)アビジャンだけを見ていればコートジボワールはそれほどかわらない気もするのですが、コートジボワールは巨大な農業国で、地方の疲弊は国力の衰退を意味します。実際、一度とりあげましたがここ数年で貧困層が飛躍的に増えているのです。コートジボワールの傷は意外と深いのかもしれません。

さて、マダガスカルですが政治的混乱はまだまだ続いています。Afrik.comによるとラバロマナナ前大統領の任命した首相マナンダフィ・ラコトニリナ氏がラジョエリナ大統領の暫定政府に逮捕されました。ラジョエリナ大統領も早期決着をつけたいのか、2009年の終わりには選挙を行うと日程を前倒ししてきました。(Jeune Afrique)これは一見国際社会からの圧力に屈してトランジション期間を短くしたようにも見えるわけですが、実際はもっと差し迫った問題が国内にあるとも考えられます。このブログでも何度か書いていますが、アンタナナリブが政治闘争に明け暮れている間に大型サイクロンがマダガスカルを襲い、農村部でかなり深刻な被害を出しているのです。そして、早く手を打たなければマダガスカルは貧困と餓えに突き進んでしまうかもしれないのです。(Afrik.com)そして、正式な選挙を早く行って政権を確立しなければ国際社会からの本腰な援助も期待できませんし、JeuneAfriqueが指摘しているようにラジョエリナ大統領はラバロマナナ大統領と全く同じ転落の道を辿ってしまう可能性があるのです。また、今回の政権交代のプロセスは実質クーデターと変わらず、マダガスカルの行政部分も破壊されたままです。この中で犠牲を強いられているのは間違いなく国民でこれは政治的混乱が長引けば長引くほど破壊は進むでしょう。そしてこの出口の見えない政治混乱をいち早く集結させるためには選挙と言うことなのでしょうか。(Afrik.comの記事

ギニアコナクリでは人権団体Human Right Watchが軍による人権侵害を発表しています。(Afrik.com)軍政なのだからある程度は当然かと思いますし、ギニアの前政権はもっとひどかったかもしれません。

ニジェールではママドゥ・タンジャ大統領がアガデスでトアレグゲリラの代表と会談したそうです。(Afrik.com)隣国マリのトゥーレ大統領が非常に強い態度でトアレグゲリラの一掃に力を入れていることもあり、トアレグ側の態度が軟化しているというのと、ウラン採掘周辺が活気づいてきてニジェールとしてはドル箱のウラン産業を危険にさらしたくないという力が働いた結果だと思います。

ベナンでA型インフルエンザ(豚インフルエンザ)H1N1の疑いのある患者が1名出たとAfrique en Ligneが伝えています。多分、日本での疑い例と同じくただのインフルエンザでしょうが、今2STVのニュースで見た限りではコトヌ空港がかなり厳重なマスク着用などの警戒が行われているようです。この空港は確かに検疫がこのあたりで一番うるさいかもしれません。黄熱病のイエローカードを持ってないとえらい目に遭います。しかし、コトヌの医療機関でPCRができるところなどないと思うのですが・・・検体をヨーロッパかどこかに送って調べているのでしょうか?

最後に、AFD (Agence Francaise de Developpement)のかけ声のもと、開発関係のブログサービスSolidaires du Mondeがスタートしています。これは開発関係の既存のブログをリンクするとともにブログのホストを行うサービスで、ブログを開発のツールとして使っていこうというAFDの新しい取り組みと言えそうです。

2009年5月4日月曜日

Senegal:News RoundUp 5/4


ちょっとブログを書くスピードが落ちています。まあ、それだけ緊急性のある情報がないというのも1つの理由でそれはとりあえず平和だということでいいことなんですが・・・

セネガルではここ数日のうちにいろんなことが起こっていますが、全体を通じて感じることというのは、いよいよこの国にも世界不況の影響が深刻化しているんじゃないかということです。ダカールの街は相変わらずですし、人々はこの週末大きなレスリングの試合に熱狂し、楽しく暮らしているのですが。セネガル政府と国外企業とのイシューとして、モロッコRAMとのASI問題、ASECNAの問題、そしてSONATELの問題があります。ASECNA問題はセネガル政府側が匙を投げもとのさやに収まりそうだとすでにお伝えしました。ASI問題ですが依然としてフライトはストップしたままのようですし、話し合いも進んでいないようです。これはモロッコ側がもう完全にやる気をなくしてしまっている印象を受けます。(Afrik.comの記事AFPの記事)そして、私も何度も取り上げていますが、身売り先を探しているようでTunis Airなどの名前が挙がっているということです。しかし私は本命はアフリキアだと思います。カダフィ師とワッド大統領はいい関係にありますし、アフリキアとASIは路線の重複もあまり起こらないと思います。しかし、RAMとアフリキアでは国際的なスケールという点で非常に大きなスケールダウンになります。これはTunis Airでも同じことですが・・・Egypt Airあたりならまだいいし、中東のEmiratesやQatarなどと提携するのはもっと良さそうな気もしますが、今はあちらもリセッションの大津波に飲まれているので現実的とは言えません。さて、SONATELの方はFrance Telecomが株を取得して経営権を得るとお知らせしましたが、今度はセネガル政府が「株は売らない」と言っているようです。(Afrique en Ligne)SONATELがASIと同じ失敗をしないようにしてほしいですね。
このような中、セネガルのスマレ首相が(またまた)辞職(Afrik.com)記事では新しい首相は女性と言っていますが、結局スレイマン・ンデネ・ンジャイ氏を首相に任命しました。こんなコロコロ変わる首相なんて国民にとってはどうでもいい存在なわけですが、ワッドはちゃんとマスコミの目を惹き付けるエサを撒いていました・・・それはカリム・ワッドの入閣です。(Afrique en Ligne)役職は国際協力・国土・航空インフラ担当国務大臣です。この任命を受け、またまた世襲への準備か?という噂が出ているようですが、(AFP)セネガルの大統領が直接選挙で選出される以上、国民に人気のないカリムが大統領になる可能性はほとんどないと思います。また、この新組閣に伴い、セネガル政府は34名の大臣や大統領府付きのConseillerのポストを廃止しました。これは非常に思い切った予算削減です。セネガル政府はここ数年肥大を続けていたので、やっと政府のスリム化に手を付けたのだと思いますが、その反面そこまで政府の予算が逼迫しているということの現れでもある、という気がします。(Afrique en Ligne

セネガル以外のニュースは別ポストにまとめます。

2009年5月1日金曜日

Tech Talk:一連の地デジ騒動に思う

有名タレントの公然わいせつ騒動にはじまったこの一連の地デジ騒動。このタレントが総務省の推進する地デジ化促進のイメージキャラクターとして採用されていたことから、総務相直々の激烈な非難発言が飛び出し、即刻この有名タレントにかわる今はやりの「ゆるキャラ」の「地○ジカ」が登場しました。このキャラがかわいいと某巨大掲示板でお祭り騒ぎとなりいろんな派生キャラが誕生しました。特に地○ジカのまとう服がスクール水着に見えるということが話題になり、この事態にまた総務相が登場して「あれはスクール水着ではない」と主張、ついでに地○ジカの著作権を主張、勝手に使うことは許さないと発言、ネットの大反感を買ってしまいます。そんな中、chidejika.jpというドメインで偽公式サイトが登場します。総務省は地○ジカの著作権を主張しながら、その名前のついたドメインを押さえておくことをしていなかったことが判明します。さらに、地○ジカに対抗するアナロ熊なるキャラが登場、「アナロ熊は著作権完全フリー。どこぞのシカとは度量が違います。」なるコピーとともにお役所を笑うお祭り騒ぎに発展しています。
さて、この一連の流れですがどこに問題があったかというと総務省の「著作権」発言だったと思います。これがネット界のアラートスイッチを押してしまった。そして「地デジ化」そのものの必要性や不透明な利権の流れを暴露する結果になってしまったのです。もともとネット界では音楽業界の著作権団体(アメリカのRIAA、日本のJASRAC)に対する非常に激しい反目があります。そして、これは利権だけでなく天下りの問題にまでつながっていて、行政的にも非常にセンシティブな部分なのです。総務省の対応はそこをつついてしまった。有名タレントが肖像権を主張するのは当然でしょう。しかし、それに替わって(どこかの素人が数日で適当に作った、ご当地ゆるキャラよりさらにゆるい経緯で)作られた地○ジカをお役所が著作権を主張するというのは大人げない。こんなキャラなど使われてなんぼのものなのです。むしろ有名タレントの不祥事での注目度を引き継いだ地○ジカが広く知名度を得て愛されれば地デジ化の促進につながるでしょう。しかし、ここで著作権と言い出してしまったために、一気に反感を買ったばかりか、地デジ化の裏にひそむ闇を暴露してしまった。これは行政が用意した次なる毒入りリンゴなのかもしれないというアラートスイッチを押してしまったわけです。アナロ熊が主張しているのもこの部分で、単に消え行くものへの愛着を示しているキャラなのではありません。chidejika.jpのドメインを取った人物がどういう人なのかはわかりません。でも、これは総務省のちぐはぐな主張とコンプライアンスの甘さを突かれているわけです。ある報道ではこれを「サイト乗っ取り」と称していますがこれは違います。ドメイン取得は全く合法的な行為で、もともとなかったわけですから乗っ取りではありません。また地○ジカのキャラクターや地○ジカという呼称が登録商標化されていたとしても、chidejikaというドメインネームはこれには抵触しないでしょう。地デジ化の裏に潜む闇とは何かということですが、現行のアナログ放送は誰でもアンテナとテレビがあれば視聴することができます。しかし、地デジはそうではありません。もちろん地デジのチューナが必要ということもありますが、それ以前になぜか地デジの信号にはスクランブルがかかっています。無意味に暗号化されているのです。誰がなんのためにこんな無駄なことをしているのでしょう?その答えは地デジチューナに入っているB-CASカードにあります。これは有料テレビなどではよくあるモノで例えばここでもCanal HorizonsのチューナにはICカードがささっています。そしてこのカードがスクランブルをコントロールするのです。日本のB-CASカードは総務省ではなくビーエスコンディショナルシステムズという民間会社が完全に独占して管理しています。地デジ放送の視聴は従来通り無料です。表面上はそうなのですが、チューナにはこのB-CASカードの料金が上乗せされていると考えられます。(株式会社なのですから儲けが出ないことはしないでしょう)さらに、日本の放送がB-CAS社によってコントロールされることになるのです。放送というものの公共性を考えるとこのような事態には疑問を呈さざるを得ません。地○ジカの騒動はこのような事態を予見させるもののような気がしてなりません。巷では日本の有名詩人がGoogleの知的データベース構想に噛み付いているという話ですが、私にはこの怪しげなB-CASによる放送コントロールの方がよっぽど国民の権利を侵害しそうな気がします。

Africa:News RoundUp 4/30


まずはトーゴの話題から。前の書き込みでニャシンベ家の兄弟による政権争いについて書きましたがその続報です。Afrik.comが伝えるところによると、フォール・ニャシンベ大統領はクパチャとは別の異母兄弟を逮捕したということです。RFIによると、この人物はエソジラム・ニャシンベ氏ということです。そしてクパチャの自宅からは大量の武器が見つかったということです。(Afrik.com)この一連の騒動に対しECOWAS (CEDEAO)はフォーレ・ニャシンベ大統領を支持する表明をしています。(Afrique en Ligne)また、隣国ベナンのヤイ・ボニ大統領も防衛大臣を特使として送り、大統領を支持する旨伝えました。また国連はトーゴ政府に対して法から逸脱しないよう警告したとAllAfricaが伝えています。そんな中、世銀はトーゴに対する2千万ドルの融資を発表しました。(Afrique en Ligne)また、去る27日にトーゴは49回目の独立記念日を迎え、様々な式典などが行われたようです。(Afrik.com)この模様はセネガルのテレビでも放映されていましたが、初代大統領のオリンピオの息子が登場していました。この人物は大統領選に出るのでしょうか?

セネガルのASI問題ですが、一応モロッコ側とセネガル側の交渉は続いているようですが(JeuneAfrique)状態は楽観できないと思います。また、ASI問題に先立つASECNA問題ではセネガル政府は自前で航空管制を行うことをあきらめたようです。(Afrique en Ligne

マダガスカルでは憲法評議会のメンバーが前大統領を支持しているとして軍部に逮捕されました。(Afrik.com

ルワンダ政府は同国でのBBCの放送を停止しました。(AllAfrica)この動きはやはりジェノサイドに関するBBCのルポルタージュの内容に抗議しての行動ということです。