2008年12月1日月曜日
Nigeria:中部の町で宗教対立
いろんなメディアが伝えていますが、金曜日にナイジェリア中部のプラトー州の人口100万人の町Josで、地方選挙の結果を巡り、キリスト教徒とイスラム教徒の間で激しい争いが起こり、数百人の犠牲者が出ているようです。
現在は沈静化しているようですが、犠牲者数についてはソースによってかなりバラつきがあります。昨日の時点では死者8名と伝えられていたのですが、先ほどRFI (Radio France International)を聞いていたら400人とも言っているし、ネットでは200人ともいわれていて、はっきりした人数はまだわからない、というのが本当のところだと思います。
また、なぜか教会が襲撃され、教会関係者が殺されているのに、政党の建物や政治家は襲撃を受けていない、だとか便乗して商店などが多数被害を受けているなど、選挙に乗じた一種のヘイトクライムであるとも言われています。
この事件については、また続報が入ってきたらお伝えします。
ところで、ナイジェリアについてはRDCやパンアフリカニズムの記事でも伝えましたが、アメリカのような「連邦制」をとっています。これは中央の連邦政府と連邦政府の直轄する首都アブジャと他のかなり独立した36の州からなっている国家です。
旧フランス植民地の国はたいがい、非常に中央政府の支配力の強い国家です。そのため、どこもDecentralisationと称して地方分権を国家計画に取り入れてはいるものの、実際は権限委譲などが行われることがまれで、どこも中央支配が続いています。
連邦制が面白いのは、基本的に二重構造になっているので国自体の安定が高まるということです。そのかわり、州のカラーによってバラバラなまとまりのないものになってしまう危険性があるのです。例えば、ナイジェリアでは北部ではイスラム、南部ではキリスト教がマジョリティを占めています。そこで北部州では州法にイスラムのシャリアがとりいれられたりしてしまいました。その反面、そのことが国全体におよぼす影響は小さなものなのです。この北部イスラム対南部クリスチャンという対立構造はギニア湾岸の諸国に共通した地理的特徴で、コートジボワールの内戦も実はこの宗教対立が背景にあります。そしてコートジボワールはご存知の通り、国全体がおかしなことになってしまいました。もちろん、他にいろんなファクターがあることはその通りでしょうが、もし政治体が二重構造であったなら、これを倒すのはもっと困難だったはずだと思うのです。
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