2008年11月30日日曜日

Africa:United States of Africa


Afrik.comの記事より。
Daniel Laineによって撮られた現存するアフリカの王様やスルタンたちがコートジボワールのアビジャンで会合を開いたそうです。詳細は省きますが、なぜかリビアのカダフィ大佐を「アフリカの王の中の王」と呼ぶなどなんだかちょっとうさんくさいのです。
ただ、面白いのはこの王様達が「アフリカの連邦政府」を作り、それをAUの将来あるべき姿として来年1月にエチオピアのアジスアババで開かれる予定のAU総会に議題提出するつもりだということです。王様達は結構まじめなようです。
しかし、このユートピックな「思想」のルーツはかなり古いのです。それは1945年、つまり第二次世界大戦が終わった年にケニア建国の父ジョモ・ケニヤッタやガーナの初代大統領、クワメ・ンクルマなどがイギリスのマンチェスターで開かれた汎アフリカ会議で提示されています。またエチオピア皇帝ハイレ・セラシエやタンザニアの初代大統領ジュリウス・ニエレレもこのパンアフリカニズムを信奉していました。また、セネガルの初代大統領レオポルド・セダール・サンゴールもこのパンアフリカニズムに強く惹かれ、西アフリカの旧フランス植民地が独立するに際して、現在のセネガル、マリ、ブルキナファソとベナンをまとめ、「マリ連邦」を作ろうとしました。しかし、この試みは失敗に終わり、現在ある形での独立が行われたわけです。
このパンアフリカニズムが惹き付けたのは政治家だけではありません。(もちろん、サンゴールは単なる「政治家」ではありませんが。)レゲエの神ボブ・マーレーもこれを歌っていますし、最近ではU2のボノが今年のTICADで「United States of Africaは長い目で見たアフリカの夢」と言ったりしている他、アフリカ各地で流行しているラップにもパンアフリカニズムの影響が見られるようです。

このパンアフリカニズムはアフリカ各国の独立後、政治的に一応は姿を消すのですが、2000年にトーゴのロメで行われたAUサミットにおいて当時の議長であったリビアのカダフィ大佐がこれを持ち出したことの流れを受けて、今回の王様達の動きとなっているのでしょう。
個人的な意見では連邦政府を作ったりという政治的なアフリカ統合はまず無理だと思うのですがAUの機能強化という意味では面白いと思います。あと重要なのは経済連合体で、現在もECOWASやSADCという枠組みがありますが、これの強化によって各国の経済的つながりや機能的な補完、そして物資のより自由な流通が経済発展にプラスの影響をもたらすと思います。

2008年11月28日金曜日

RDC:広がる戦地、増加する難民


BBCの記事より。
この記事の下の方に地図があります。これを見て驚きました。こんなに戦地が広がっているし、CNDPはほぼ完全にキブ湖の北岸を制圧してしまっています。キンシャサとの間で停戦協定が結ばれたものの、コンゴ民軍側のマイマイなどが前線の市民を強奪したりしているので、これが停戦協定を守らない口実を与えてしまっているようです。難民の数は25万人に達しているようです。MONUCは難民を前線地帯から後退させるという作業にかかっているようです。

世界不況がアフリカに及ぼす影響 2


日本は戦後、安い労働力を軸に第二次産業を発達させ、世界有数の輸出産業を築き上げてきたわけですが、今は日本のモノを作って売る力は急速に衰えているような気がします。20年前、私がアフリカに来た頃は、日本製品の黄金時代でした。アフリカ人の憧れは日本製の電化製品、そして日本車でしたし、街にもそれがあふれていました。それに比べて今の状況はどうでしょう。今、電気製品と言えばSamsungやLGと決まっています。車は日本車から韓国車に移り、今はバスもインドのTATAだし、乗用車もイラン製です。コンピュータはDELLやHPばかりで日本製なんかみないし、携帯はNOKIAです。もうほとんど日本メーカーの製品なんか見ることがなくなってしまいました。車くらいなものです。
もちろん、日本でもこれらの製品を作っているのにアフリカには入って来ない。今はもう日本製品は憧れでもなんでもなくなってしまっているのです。これは日本のメーカーや企業がアフリカをマーケットとして見てなかったからだと思います。それに対してアメリカもヨーロッパも一応アフリカをマーケットとして見ている。新興国はアフリカのマーケット価値をもっと高く捉えているのだと思います。資源を買いあさる中国というのはよく言われていることですが、中国がやっているのはそれだけではありません。アフリカには中国製品があふれています。たとえアフリカが貧乏でも中国はそれをマーケットとして活用し、それがアフリカと中国との関係を密接なものにしているのです。セネガルのビジネスマンと話すと、彼らは日本は行ってみたいとは言うものの、実際にビジネスに出かけるのは圧倒的に中国が多いのです。もはや、日本はただの幻想でありブランドイメージさえ消滅しつつあると思います。
アフリカは貧乏だからこそ新興国が入っていきやすいのではないでしょうか?つまり、これから伸びていく産業やマス対象製品の試金石的な位置になってきたのかもしれません。
世界が不況になっても、アフリカの国民にとってはそれほど影響はないでしょう。もともと、景気から取り残されたマーケットなのですからこれ以上に悪くなることはあまり考えられません。影響を被るのは一部の富裕層と政府くらいのものでしょう。
これはアフリカの相対的なマーケット価値が上がる、ということを示しているのではないでしょうか。

世界不況がアフリカに及ぼす影響


サブプライム問題に端を発し、リーマンブラザーズ倒産によって加速された世界不況ですが、先進国および新興国のかしましい動きをよそに、アフリカ諸国はなんか「蚊帳の外」・・・といえばいいのか、唖然としているのか、それほどこの問題に対して目立った動きを見せていません。首脳クラスでは唯一ベナンのボニ大統領がちょっとした声明を出しただけです。
しかし、ここに来てじわじわと影響が見えてきました。まず、ナイジェリア。産油国であるこの西アフリカの巨人は原油価格の低下の影響をほぼまともに食らっています。そして、ガボンやコンゴなどの木材輸出国も次々注文をストップされて、在庫がだぶついた状態になっているそうです。このように第一次生産品や地下資源の輸出に頼っている国はこれからどんどんそれらの需要が減らされて、収入が先細りするでしょう。
また、セネガルなどのようにもともと地下資源も少なく、第一次生産品輸出もそれほど多くない国はこれまでも援助に対する依存度が高いのが非常に大きな問題ですが、すでにフランスが援助関係予算の削減を発表するなど、先進国がそろって援助額をカットしてくることが予想され、さらに運営が苦しい状態に陥る可能性があります。
アメリカの次期大統領オバマ氏は、経済の立て直しを危急の問題として着任後、これに対する大きな政策を次々と打ち出すでしょう。しかし、ニューディールがそうであったように、これらの政策はとりあえずはアメリカでの内国的な雇用促進と内需拡大を目指すのではないかと思います。
アメリカがこのように動けばヨーロッパも同じような動きを見せるのではないでしょうか?そして世界というマーケットからヨーロッパというより小さく、コントロールしやすい中での経済の均衡をとろうとする政策に転換するかもしれません。
そういう動きの中でアフリカ諸国がどのように生き残ることができるのかは、各国の問題でもありますがECOWASやSADCといった地域共同体の役割が重要になってくるのではないかと思います。
コートジボワールは早くもヨーロッパとの関税完全撤廃に向けて動いています。やはり、経済的にはもっとも先進的な国だけあります。あれだけの政治的不安の中でもやることだけはやるのだな、と感心しました。

2008年11月27日木曜日

Africa:アルビノに対する差別


アルビノとは先天的白皮症のことで、皮膚を黒くするメラニンが先天的に欠落することです。皮膚の色が濃いアフリカ人にもアルビノの人はいて例えばマリのミュージシャン、サリフケイタがそうです。
セネガルでもアルビノの人を時々見かけますが、ここではアルビノは一種の身体的障害と見られて、彼らは隠れるように生活するか、あるいは子供の時分に家族に見捨てられて、路上で物乞いをしています。
彼らは見かけから違いがはっきりしているので逃げも隠れもできず、差別やいじめの被害に日常的にあっています。
アフリカというと、大家族だとか社会全体で子供をそだてるような互助組織だとかそういう「いい面」を持つ社会であると同時にとても陰湿な差別やいじめを抱えた社会でもあるのです。もちろん、先進国にもこれらの社会の暗部は歴然としてあり、特にアフリカの社会に限った現象ではないのですが、差別に苦しんできた人がその人たちの社会の内部で差別をしているというのは人間という生き物の業を見せつけられる気がするのです。
最近特に問題となっているのがブルンジやタンザニアでアルビノの人々が誘拐され、臓器を奪われるという事件が起こっていることです。これらの地方では土着の呪術にアルビノの臓器が高い効果を発するとされていて、非常な高価で取引されるとも言われています。
こういうのを聞いてしまうと、先日ベナンでの墓荒らしの話もしましたが、あれなんかはまだかわいいものだと思えてきます。
呪術の怖さというのは、それが超自然的パワーを扱うだけに、それが一般的なロジックを超越してなぜか信じられてしまうことにあるのだと思います。よってこれは近代的な教育の普及によって基本的には徐々に解消していくものだと言えるのですが、これだけ近代教育が徹底された日本などでも、星占いや血液型占いが本気で信じられたりしているところを見ると、これは「信じたい」という欲望から「信じる」のだと考えざるを得ないわけで、なくならないのかもしれません。
ブルキナファソの有名なTVコメディに「ボボジューフ」というのがあります。これにスレイマンというマラブー(呪術士)が出てくるのです。彼はモダンなマラブーで、ラップトップのコンピュータを使って呪術を行い、souleymane.bfというドメインまで持っているという設定です。ネットカフェに来る客の中にも、特にかなりお年を召した人の中に、コンピュータが一種の「魔法の箱」だと思っている人が時々います。それはそれで楽しいことですが、そういう思い込みがなくならない限り、アルビノに対する偏見と差別もなくならないのかな、とも思います。

Ghana:選挙に向けての警戒始まる


irin newsの記事より。
ガーナでは来る12月7日に大統領および議員選挙が予定されており、予想される暴動などに対応するため警察の予防措置が強化されているようです。特に北部州は反政府勢力が強く、警戒が必要なようです。

余談ですが、隣のコートジボワールの大統領選挙は去る10月→12月→来年6月と伸ばし伸ばしにされており、バグボ大統領はやる気まったくなし・・・という感じです。

2008年11月26日水曜日

RDC:停滞するコンゴ民情勢


ここしばらく、コンゴ民情勢についてはお伝えできていません。というのは、目立った動きがないためか、ニュースソースから情報が入ってこないのです。これは小康状態とも言えますが、家を追われた難民にとっては苦しみが長引く状態に他なりません。
戦闘がなくてヒマになってしまった兵はヒマつぶしをはじめます。Allafricaによると北キブ州のキバチ難民キャンプで難民の女性が連れ去られそうになり抵抗したところ、銃で撃たれるなどの事件が起きています。
また、現コンゴ民政権についても、Afrik.comが取り上げているように、反対勢力を力で押さえつけてきた経緯があるのです。これはWikipediaなどでコンゴ民の歴史をひもとけばすぐわかることですが、コンゴ民という国が「民主的」であったことなど歴史上まったくないのです。そういう意味ではこの地域の民主化というのはセネガルをはじめとする西アフリカ諸国とは比較にさえならないと思います。これは、一見民主的で自由経済が成立しているカメルーンやガボンなどにおいても政治的にはほとんど民主的とはいえず、独裁的な大統領による長期政権によって平静を保っているわけで、コンゴ民と比較するのは乱暴としても、コートジボワールがそうであったようにひとたび独裁者が死ねばその後長期にわたって政治的混乱に見舞われることになりかねない危険性をはらんでいるのです。
そういう意味で面白いのが、連邦制をとっているナイジェリアだと言えます。ナイジェリアの連邦制が成功しているかどうかは意見が分かれるところでしょうし、ナイジェリアの悪名は西アフリカじゅうに鳴り渡っていますが、オバサンジョのような影響力のある人物が平和裡に政権を譲って、内国的な政治的混乱が起きていないことは評価するべきだと考えます。国内に目立った多様性を抱えた広い面積を持つ国がとっていくべき政治形態の1モデルだと言えます。
ヨーロッパではEUがフランス主導でMONUCに対する援助の増強を決めていますが、現在先進国の首脳を悩ませているのは世界経済であってコンゴ民の内紛などではないというのは明らかなので、迅速な対応は期待できないでしょう。
また、先日お伝えしたルワンダキガリのデモについては、結果的に平和裡に終了し、フランスでも一応ローズ女史が条件付き釈放されているのですが、当日はキガリ中心部は完全に交通もストップし、大規模なデモが行われたということです。
また、誘拐されたベルギー人ジャーナリストについては続報が全くありません。

Google:AppleのApp Storeルール破る

cnetの記事より。
Googleが最近発表したGoogle Mobile Applicationにおいて、AppleのSDKルールを破ったことを認めました。これはiPhoneの近接センサーと音声サーチプロンプトに関するもので、undocumented APIを使用しているということです。
普通、App Storeに登録されるにはAppleの審査を通過する必要があるわけで、GoogleのこのSDKルール破りはかなり確信犯的な匂いがします。「もっとSDKをオープンにしろ」という態度表明とも受け取れるわけで、今後のAppleの対応が注目されます。
果たして、Appleはよりバラエティと魅力に富むApp開発のためにSDKルールをもっとオープンにするのか?はたまた現状のSDKルールを固持してGoogleをバンするのか?

ところで、昨日書いた「何かあるのか?」の答えは「何もない」ということみたいです・・・お騒がせしました。昨日はGOOGは反発、これまたAAPLやYHOOとは全く逆の値動きであることには変わりないのですが・・・

2008年11月25日火曜日

Africa:新しい抗マラリア薬技術


Allafricaの記事より。
これによると新しいACTs薬の生産方法が開発されたそうです。

20年前私がはじめてアフリカに来た当時、抗マラリア薬のメインストリームはクロロキンでした。これは予防用にも飲み続けて、かかったなと思ったら集中的に服用して血液中のクロロキン濃度を上げてマラリア原虫を退治するというやり方でした。ただそのころでもすでにクロロキンに耐性のあるマラリアはアフリカ大陸の東からじわじわとやってきており、ニバキン(クロロキン)のかわりにファンシダールを服用する必要がある症例もチラチラと出てきました。もともと、クロロキンは一種の化学物質であり、これにアレルギーを起こす人は多く、その場合はキニーネ(キニマックス)を注射するという治療法が多かった気がします。
私はクロロキンアレルギーがないので、ニバキンを飲んでいたのですが、ニジェールのニアメにいた時にどうしてもニバキンで治療できないマラリアにかかりました。その時、処方されたのがアルテキンです。
このアルテキンがACTsと呼ばれるマラリア薬で、もともと中国で作られたヨモギから抽出された成分が主体となっています。このヨモギは学名をArtemisia annuaといい、和名はクソニンジンと呼ばれている草です。ACTsはこの草から抽出されたアルテミシニンと従来のマラリア薬成分クロロキンなどを組み合わせた製剤です。しかし、クロロキンなどとはちがい、このアルテミシニンは化学的に生産することができないようです。
よって、このヨモギそのものを生産する必要があり、しかも含まれるアルテミシニンが微量なため、生産コストが上がってしまうという問題がありました。アルテキンは1回の処方で薬局で買えば4500FCFA(約950円)します。解熱剤とも合わせるとマラリアに一回かかれば、1000円以上かかってしまいます。これは農民などには手のでない価格です。コトヌでは中国から輸入されたACTs薬がだいたい2900FCFAくらいで売られていました。
そこで、今回の記事に戻るわけですが、このACTs薬の価格を下げるための新技術が開発されたわけです。その1つが、生産性の高いヨモギ個体を選別し、ハイブリッド種を開発するというものです。2つめは半合成のアルテミシニンを作る技術でアルテミシニン酸から大量のアルテミシニン合成物を作りだすプロセスということです。3つめは完全に化学的にアルテミシニンを合成する方法でマウスで試験が行われています。
また、マラリアのワクチン開発も少しずつながら進んでいるようで、ゲイツ財団から援助を受けた米Sanaria社が生ワクチンを作ろうとしています。これは10ヶ月という期限付きですが抗体を作ることができるようです。
とにかく、マラリアというのは致死率の高い感染症で、全世界で毎年100万人も命を落とすと言われています。予防のための環境整備、感染を広げないための予防法の発達、そして的確かつ安価な治療方法の3つが必要とされています。

Apple:最も環境に優しいMacBook

Google:何かあるのか??


24日、米政府によるシティグループ救済が発表されたことで、株価は全体に上がりました。Nasdaq市場も全体に値上がり、AAPLも92に回復しているのですがなぜかGOOGだけが下がっています。9月には651くらいだったGOOGは257まで落ちています。
もちろん、ここ数日Googleには暗いニュースしか出てないのも事実ですが・・・
クリスマスパーティの縮小、バーチャルワールド「LIVE」のサービス終了、そして契約社員のカットなど。それでも、GOOGだけが下がる要因とは考えられません。Yahooでチャートを作ってみました。

青がAAPL、赤がGOOG、緑がYHOOです。19日にあるYHOOの下落は前日にJerry YANGがCEOを降りると発表した後になります。それでも24日には上昇しています。
Googleは何かあるのかもしれません。

2008年11月24日月曜日

Senegal:セネガンビア巨石文明遺跡群


セネガルは小さい国ですが、なぜかたくさん世界遺産があります。ガンビアを合わせるとその総計は以下の通り。
・ゴレ島
・ニオコロコバ国立公園
・サンルイ島
・ジュージ鳥国立公園
・ジェームス島(ガンビア)
・セネガンビア巨石文明遺跡群
最初の4つは結構どこでも情報が手に入ると思うのですが最後の2つはよく知られていないと思います。ジェームス島は一言で言ってすごく小さなゴレ島みたいなものでガンビア川の中州です。ルーツの主人公クンタキンテはガンビア出身という設定で、彼はここから新大陸に渡ったと言われています。
最後の巨石文明遺跡なんですが、詳しくはこのWikipediaのページを参照してください。
今年の9月にパリに行った時にQuai de Branly博物館をはじめて訪れ、そこでセネガルから持ち帰られた巨大なY字型のラテライトが展示されているのを見ました。これを見た時、昔の記憶がよみがえったのです。私は協力隊の隊員時代をセネガル東部のタンバクンダという街で過ごしています。そして、ダカールとの往復の際に、カオラック=タンバクンダ間のある村で何度も小型のストーンサークルを見ていました。
最初はなんかの小屋の残骸かな?と思ったのですが、あの硬いラテライトを削って小屋の柱にするなんてまずないし、小屋にしてはちょっ変なのです。ということで、Google Earthを使って探してみると、ありました。カオラックからタンバクンダに向かう丁度真ん中あたりにクンゲルという村があります、タンバクンダ方向に走っていくと次にクーパントゥームという大きな村があるのですが、そのちょっと手前にサレサジョという村があり、ここにそのストーンサークルはあるようです。

それにしても、どのような人たちがこのようなものを作り、どのとうな用途に使っていたのでしょうか?
Wikipediaによると、セネガルにはこのサレサジョのストーンサークルだけでなく、非常に多数があるということです。紀元2世紀から16世紀にかけていろんな文明によって作られてきた、つまり一貫性はないもののようです。用途はやはり有力者の墓と言われています。

Guinee-Bissau:ギニアビサウでクーデター未遂


セネガルの南にある小国ギニアビサウでクーデター未遂が起きました。
これは昨日の土曜に起きたらしいのですが、発表はセネガルのワッド大統領が今朝行いました。ギニアビサウのビエイラ大統領から電話連絡を受けたということです。
ギニアビサウでは国際機関の立ち会いのもと、国会議員選挙が去る16日に行われたばかりで、その結果は反ビエイラ大統領の大勝となっていました。実は今年7月に今回の選挙で100議席中67席を得たPAIGC党はビエイラ大統領の内閣を去り、8月にも不発に終わったクーデターがありました。ワッド大統領はビアイラ大統領に亡命の意志を確認しましたが、現在のところ亡命する意志はないということです。

さて、このギニアビサウという国ですが、成り立ちはややこしく、ギニアビサウを語るにはセネガルに南北と東を囲まれたガンビアとガンビアとギニアビサウの間のセネガル=カザマンス地方とセットで語る必要があります。この3つの地方は住む民族も似通っており、ガンビアと北部カザマンス、ギニアビサウと南部カザマンスは同じ部族に属します。現在のようにわけられたのは旧宗主国の関係でガンビアはイギリス領、セネガルはフランス領、ギニアビサウはポルトガル領だったわけですが、さらに歴史をさかのぼると、最初にギニアビサウを植民地化したのはフランス人だったのです。逆にカザマンスを最初に植民地化したのはポルトガル人でした。そして、後にフランスとポルトガルの間でカザマンスとギニアビサウが交換されたというわけです。

このややこしい植民地化が90年代に「カザマンス独立運動」として浮上します。これは最初セネガル国内の問題でした。しかし、反乱軍は時にガンビアに逃げ込み、時にギニアビサウに逃げ込み、これらの国から一種の援助を受けていたとも噂されます。ワッドが政権の座についてからは独立運動の首謀者がフランスに亡命し、実質カザマンスとの直接的つながりを失ったことなどから落ち着きを取り戻していますが、もしかしたら今回の一連のギニアビサウの不安定な状態の後ろにはこのカザマンス問題が見え隠れするような気がします。また、まことしやかに語られていた「シエラレオネ内戦の際にかの地に入り込んだ傭兵がカザマンス問題を煽っている」ということに少しでも事実に近いものがあるとすれば、その傭兵の影も今回のギニアビサウ問題に見え隠れします。今回ワッド大統領がこの問題に関わっているのもカザマンス問題を重く見ている現れかもしれません。
とにかく、これは今後もくすぶりそうな問題であります。
余談ですが、カザマンスの中心都市はジガンショールといいます。この都市はポルトガル人の植民都市だと言われていて、ジガンショール(Ziguinchor)という名前の由来について、現地語ではなくポルトガル語の「座る」というsitと「泣く」というchorarから来ているという話もあります。

2008年11月23日日曜日

Benin:銀行強盗


Afrik.comの記事より。
コトヌのDantokpa市場にあるEcobankとDiamond Bankの支店が金曜の19時30分頃、自動小銃やロケット弾などで武装した一団に襲撃され、荒らされました。被害額は分かりませんが、警官隊との戦闘はなんと3時間にもおよび、7人が死亡し、重軽傷者が出た模様です。
武装グループによる襲撃は計画的で、彼らは赤い防弾チョッキを着て暗視ゴーグルをつけていて、目撃者によると「ナイジェリア人のようだった」そうです。そして彼らはまずダントッパ市場の街灯を撃って消し、そのあたりの宝石店などをまず襲撃、奪った後、銀行を襲撃したということです。彼らは2つのグループでやってきて1つはモーターボート、もう1つはレンジローバーに乗って陸路でやってきたそうです。
同じ襲撃が今年4月にも行われたそうでその際に今回の襲撃を臭わす発言もあったということです。

さて、このダントッパ市場ですが、コトヌという街はギニア湾とヌクエ湖にはさまれた砂の州のようなところにあります。そしてその中央を海と湖を結ぶ川というか水路があり、3本の橋がかかっています。この水路に面した部分がコトヌの地理的な中心です。ダントッパ市場はこの一番北の橋の北側、ヌクエ湖に近いところにあります。ものすごく大きなマーケットです。ダカールのどのマーケットよりも巨大です。そして、巨大なだけでなく「何でも売っている」ということで有名です。その名声というか悪名は周辺国にまで鳴り響いているようです。一度など、タクシーの運転手がダントッパまで乗せた客の忘れ物からヒトの頭がゴロゴロ出てきたとか、それはウィダの墓荒らしが持ってきたもので、ヴォドゥンのまじないをするのに密かにダントッパで売りさばかれているという話がまじめに新聞に載っていたりします。

これがGoogle Earthで見たダントッパ市場です。赤で囲った部分が全部市場なのです。左側は電気製品、化粧品などがあり中央あたりが布や衣類、川に近い部分が食料品を売っています。まあ、電気製品とかでいえば店数は多いものの、たいてい同じものを売っているので種類はたいして多くはないのですが・・・それととにかく目的のものを見つけるのが大変で、どちらかというと知り合いの電器屋にコレを探してきて、とピンポイントで頼んだ方が早い。自分では見つけられません。また、衣類に関してはダントッパが中心ではなく、ダントッパから川沿いにちょっと南に行ったところにミセボという別の市場があります。

2008年11月21日金曜日

Google:充実してるサービス


最近Googleのサービスがどんどん充実してきて、なんかGoogle関係のサイトにいる時間がどんどん長くなっている気がします。
中でもお気に入りはGoogle Readerです。これはいわゆるRSSリーダーなわけですが、もちろんSafariにもRSSリーダはあるし別に新しいということでもないのです。でもG-Mailに似たインターフェイスで、最新記事をすばやくチェックできるところがなかなかすごい。もちろん、すでに読んだものは入ってきませんから、サイトを見てる時のように、あれ、これは昨日読んだよな・・・っていうのは自動的に表示されなくなる。それにSafariのRSSフィードと違って、画像なんかもちゃんと入ってくるし、とても便利です。
あとGmailのインターフェイスでテーマが選べるようになりました。これもなかなかステキです。写真はグラフィティっていうテーマですがMySpaceみたいな派手さがありながらお下品になる一歩手前で止まってるギリギリ感が素敵です。で、背景画像が昨日とちがうんですけど・・・毎日ちょっと変わるのかも?

2008年11月20日木曜日

NetBookのあとはNetTop

が花盛りなようです。iMacへの挑戦としてオールインワンタイプの低価格NetTopを台湾のAsusTekMSIが時を同じくして発表しました。エントリーモデルは双方とも15.6inchのスクリーンで、AsusTekのモデルはこれがタッチスクリーンの仕様になっています。またMSIのモデルは18.5と22inchの上位モデルがあります。
OSは双方ともWin XPです。値段はまだ公式発表ではないものの、15.6inchモデルでMSIが400ドル、AsusTekが499ドルと言われています。
写真を見るかぎり、VAIO似のAsusTekの方がうまくまとめたな・・・という気がします。MSIのはもっとiMacワナビーなデザインですが、なんか微妙に失敗してるように感じます。特に本体部分が入ってる下部ベゼルを折り曲げるモデルの写真はもう見るからに不細工。これは大型スクリーンのモデルなのでしょうか?
さて、これらNetTopが実際iMacの占める位置を脅かす存在になるか?というと、そうはならないと思います。
中身が違いすぎるので、多分形は似ていてもターゲット層は全く別になると思います。特にAsusTekのEee Topはタッチスクリーンを搭載していることから、全然違う用途で使われることが多いのではないか?と思います。販促用のインタラクティブなスポットや公共施設、博物館などの案内板、学校での用途などが考えられます。
むしろ、これらが脅かすとすればMacMiniの存在という気がします。

2008年11月18日火曜日

Rwanda:キガリにおけるデモ情報(緊急)


キガリからの情報ですが、明日11月19日にキガリ市内全域において大規模なデモが予定されているようです。
同市を訪問中の方は外出を避け、在外公館などと緊密な連絡を行ってください。

Yahoo!:Jerry Yang CEO辞任へ

ついに、という感じですが、Yahooの創始者の1人であるJerry Yang氏が同社CEOの役職を辞任し、Chief Yahoo取締役に戻ることになりました。先日、MSが「もはやYahoo買収はない」と宣言したばかりですから、MSによるYahoo買収がなくなったことをうけての辞任と言えないこともないでしょう。ニュースなどではYahooの株価の低下を招いた責任云々が取りざたされていますし、確かにYahooの株価は大きく下がったことも確かです。昨年夏には25近くあったのが今は10ほど。大雑把に言って半分以下です。しかし、Nasdaqすべてが下がっていることを考えるとYahooが飛び抜けて下がっているわけではないと思います。Appleも一時は165くらいまで行ったのが、今は80、Googleにしても600を超えていたのが今は300あたり。MSも同じです。
Yang氏のもとで、Yahooはとてもいい方向に転換したと思いますし、Yahooが総合ポータルとしては未だに根強い人気があることも事実。いくら技術的にはるかに優れていてもGoogleのインターフェイスは技術畑でない人々にとってYahooに比べればフレンドリーでない。つまり、GoogleとYahooはうまく棲み分けができているのだと思います。今までは提供するサービスの中身によってユーザの棲み分けが行われていたところを、サービスのインターフェイスによるユーザの棲み分けへの転向を成功させたと言えるでしょう。また、これだけユーザが多くSPAMの巣になりそうなものを許容範囲に押さえているところもすごいと言えます。
Yang氏はMS嫌いでも有名で、MSによる買収に強硬に反対したことはよく知られています。今後、MSが前言を翻してYahoo買収に乗り出す可能性を私はなきにしもあらずだと思いますが、先ほど言ったようにNasdaq全体が落ち込んでいることを考えるとMSにも今はそれだけの余裕はないでしょう。むしろAzureなどにリソースをつぎ込んでいくのではないかと思います。むしろ、Yahooと近づくのではないかと思われるのはAdobe Systemsではないでしょうか。AdobeはGoogleと組んでFlashベースの動画を全世界にあっという間に広げてしまいました。その驚くべきスピードはAppleのQTやMSのWMVが広がるのとは比べ物にならないスピードでした。もちろん、今でもGoogleとAdobeはいい関係のようですが、AdobeとしてはFlashだけに頼らない、例えばAirなどを強力に推進したいはずです。(と思っていたらすでにYahooはAdobe Airを導入していました・・・)Yahooの巨大なユーザ層はAdobeにとってものすごくおいしいはずなのです。

2008年11月17日月曜日

RDC:混迷


あいかわらず、混迷しているRDC情勢ですがいくつか細かいニュースが入っているのでUPDATEしておきます。

まず、国際的な解決に向けての取り組みでは、オバサンジョ前ナイジェリア大統領が特使として調停に乗り出したようです。ナイロビで行われた周辺国の首脳会議はンクンダに一蹴されてしまいました。

現地ではンクンダの軍が国境に沿って北上し、ウガンダ国境方面に向かっているようです。またコンゴ民政府がンクンダと直接交渉を打診し、ンクンダもこれを受け入れ、停戦に合意する動きを見せていますが、今となっては政府軍とンクンダ軍だけで解決できる話ではなくなっているような気がします。France24の報道では、武器を捨てて逃げ出したコンゴ民政府軍の残した武器を拾って、マイマイと言われる非正規軍に村を追われた難民が合流し、中には最年少9歳という少年や少女までもが武器を持ってこのマイマイに加わっているということです。
この少年兵の問題は今までウガンダ内戦で言われてきたわけですが・・・もちろん、マイマイに関してはウガンダの少年兵ほど組織的に行われているものではないようです。

先日お伝えしたジャーナリスト誘拐はそれ以来続報が入ってきません。心配です。

コンゴ民関係識者はいちがいにこの地域の地下資源を巡る先進国の利権争いやマルチナショナルの暗躍を問題の背景に上げています。もちろんそれは間違いではないでしょう。しかし、これは背景の背景ともいえることで、それを指摘しても問題の解決にはつながらない気がするのです。

2008年11月16日日曜日

MS:SPAMだらけのMessenger

最近メッセンジャーを立ち上げていると、もうどんどんSPAMが入ってきます。ちなみに私が個人で使っているのはAdiumで、これはWebCamが使えないという欠点はあるものの、テキストベースではAIM、G-Talk、MSN、Yahoo等メジャーなIMサービスを一括して使うことができ、インターフェイスも半透明にできたりとかなかなか使いやすいメッセンジャーなのです。
まあ、SPAMの内容はよくあるものばかりでほとんどがコピペなのですが、いくらユーザをブロックしても、一文字とか変えたユーザIDでまた送ってきます。ウザすぎます。
これが決まって、Hotmailやlive.comのユーザなのです。私もHotmailのアカウントはこのサービスがMSに買収される前から持っていますが、これまたとんでもないSPAMの巣で、今はメールとしては使っていません。IMのためだけにこのアカウントを使っているので、これらのIM SPAMを悪く言える立場ではない気もするのですが・・・
YahooやG-Talkも同じようにユーザーが好きにアカウントを追加でき、IMも送れるという意味ではHotmailやLive.comとシステム上それほど違いがあるわけではないのになぜMSの展開するサービスだけがSPAMまみれなのでしょう?
これはMSの責任だと思います・・・
技術的に考えて、GoogleやYahooが使っているサーバはUnixやLinuxをコアにしたもので、MSのサービスはWin系のサーバを使っているのでしょう。そしてそのサーバでウジャウジャロボットやワームが涌いていて、それが自動的にこういうSPAMを送信していると考えられます。Win系のサーバはSPAMまみれになるということを自社で実証してくれているわけですね。困ったものです。
そういえば、日本のISPについてるPOPメールなんですが、これもSPAMがものすごくて、1時間に100通とかザラに入ってきます。で、ISPの方も一時海外からのアクセスを遮断したりしたらしく、しばらくメールが受信できない状態が続いていました。そうしたらその間にメールボックスがFULLになってしまったようで、受信もできなければ、削除もできない状態になってしまいました。しかたがないのでISPにGmailからメールして、メールボックスを一度空にしてくださいとお願いしたら、ISP側ではそれはできないので、メールサーバのWeb監理ツールの入り口を教えてもらって、そこから空にしました。本当、こんなメールアドレスは全然使い物にならないので、仕事が増えるだけなんです。POPメールはもう終わりなんだと確信しました。
Hotmailも同じ理由で放置になっています。それにしてもオンラインサービスなんて使われなければ、そしてユーザにこれは使えると思わせることができなければ、何の役にも立たないわけですよね。そういう意味でMSのサービスはまったくもって三流だと思います。
これで、Azureなんかのクラウド展開なんてまたまたSPAMの巣窟が増えるだけで空恐ろしい気がします。

2008年11月15日土曜日

Food:ヤボイ飯


最近、レストランの飯が極めて少なく、まずくなってきたので、しょっちゅう知り合いに昼飯を作ってもらっています。今回ご紹介するのはセネガル料理で最近C'est bon(セボン=これはおいしい)と呼ばれていたりする、ジョラ族がよく食べているごはんです。
白飯を炊いて、焼き魚をあげ、ちょっとした付け合わせのタマネギソースやクチャあるいはブゲッチとよばれるオクラとビサップの葉を炊いたドロっとしたものと、パームオイルをかけて食べます。
魚はセネガルで一番安く一般的な大衆魚「ヤボイ」を使います。ヤボイは小骨がものすごく多いニシンに似た魚ですが、魚としての味は秀逸でうまみのある魚です。ただ、チュブジェンとかに入っているとそれほどおいしくないものなのですが、庭師の友達にこの魚を焼くプロがいて、彼に焼いてもらうと本当びっくりするほどうまいのです。多分焼き方とか、焼き具合が絶妙なのでしょうけど、身も水分を適度に残していて、小骨はあるものの慣れるとうまくとることができます。焼きたての魚にライムを絞って食べると、それだけでおいしくて、最近ちょっと病み付きになっています。

2008年11月13日木曜日

INFO:CYVOGUEにおいでになる方へ

CYVOGUEの住所はこのページの一番上に書いてある通りですが、タクシーでおいでになる際は「Liberte 2, Stade DEMBA DIOP」と説明してください。街からいらっしゃる場合はたいていこのスタジアムの南西の端に最初に到達するので、そこからブルギバ通りを東に向かい、CINEMA LIBERTEの前を左に曲がります。曲がったところにBrioche Doreeというパン屋があります。スタジアムを左手に見ながらまっすぐいき、スタジアムの北東の角をそのまま直進して20mくらいいくとCYVOGUEに到着します。

ご注意:最近、このスタジアムではアマチュアサッカーのリーグ戦(ナベタンと呼ばれています)が行われていて、夕方から夜中にかけて時にはサポーターが興奮して警察が出動したり、催涙弾をばらまいたりすることがあります。昼間にいらっしゃるか、事前にお電話くだされば現状をお知らせします。

営業時間:
月〜土 朝9時より夜11時まで 日曜定休

2008年11月12日水曜日

Rwanda:仏独との間に緊張高まる


今週の日曜にフランクフルトの空港で同地を私用で訪れていたルワンダの国務長官(director general of state protocol)Rose Kabuye女史が国際指名手配に基づき身柄を拘束されました。これは1994年のルワンダジェノサイドの引き金になった前ルワンダ大統領の搭乗機撃墜に同女史が関与していたとされる容疑のためです。
同女史は4月にもドイツを訪問していますが、その際はカガメ大統領のオフィシャルミッションのメンバーとしての渡航だったので、ドイツの法によればオフィシャルミッションのメンバーは拘束できなかったということです。
ルワンダはこの1994年を乗り越えたと思っていたのですが、それは幻だったようです。
カガメ大統領は前政権がフランスとの緊密な関係を持っていたことから、どんどんフランスとの外交的距離を広げてきました。最近では公用語をフランス語から英語に切り替えるということも行っています。私はこれはケニアやタンザニアなど東アフリカとの関係を深めるためと解釈していたのですが、最近の動きを見るともっとネガティブな動機が見え隠れしてきます。
そして、Kabuye女史拘束に対抗する処置として、ルワンダはドイツ大使をルワンダから追放しました。
またまた、ルワンダ付近がきな臭くなってきました・・・
平和裡に解決してくれることを心から願いますが、この問題はかなり根が深いように思います。

コンゴ東部内戦にもルワンダ軍が関与しているのはMONUCが否定していても、ほぼ間違いないようですし、コンゴ人の間には反ルワンダ感情も高まっているようで、France 24の対談コーナーはこのコンゴ問題でかなりエキサイトした展開になるなど、傷は広がるばかりです。

UPDATE:キガリからの情報です。
11日午後、キガリ中心部のEUが入っているビルの前で反ドイツのデモが実施されたそうです。この地区にはEUや国連機関だけでなく各国の大使館も集まっている地域だそうです。また、なぜか携帯キャリアMTNがこのデモに協力していて前日からSMSでデモの時間場所などをサブスクライバーに送っていたそうです・・・平和裡に終わったようですが、なんか怪しいデモですね。

2008年11月11日火曜日

Senegal:アフリカ民主主義の未来は暗い


世界経済危機、RDCでの周辺国を巻き込んだ内戦、アメリカの大統領選挙・・・などをよそに、セネガルの政治家はつまらない政争に明け暮れています。昨日、国民議会は多数決で国民議会の長(President de l'assemblee nationale)の任期を5年から1年に短縮する決議を可決し、現職の元首相Macky SALLをその任から解きました。
そもそも、この国民議会の長の任期は憲法に記述されているもので、本来これに修正を加えるとすれば国民投票(レフェランダム)を経なければならないはずですが、この改正案を憲法評議会(Conseil Constitutionnel)が検討した結果、国民議会での絶対多数にて可決されれば有効とされたのです。
しかし、セネガル国民の誰もが、Macky SALLを降ろしたかったのは他ならぬワッドであることを承知しています。そして、自ら弁護士であることからセネガルの法律を熟知していて、抜け道もよくわかっているのです。で、第二期目に入ってからワッドは次々と首相を任命してはクビにし、首相の座を追われたあとはいろんな難癖を付けて政界から追放するというのを繰り返しています。
セネガルがお手本にしているフランスのシステムでは大統領と首相の役割ははっきりと分けられています。大統領は外交を中心に、世界の中でのフランスを代表します。反対に首相は内政の責任者でフランス内部の諸問題は首相が責任を持って解決するのです。
ワッドはこれをどちらも掌握したいので首相の存在が邪魔で仕方ないのでしょう。
セネガルは他のアフリカ諸国が軒並み内戦や共産主義への傾倒などをやっている頃からすでに複数政党で、アフリカ民主主義の優等生としてお手本とされてきました。そして、完全に民主的な選挙の結果、平和裡に政権交代が行われ、その名声は高まったのです。このあと、他の国も次々に民主的プロセスによる政権交代を成功させています。
しかし、ワッドの2期目当選あたりから完全に歯車が噛み合ずおかしな方向に走っています。セネガルはワッドが好む好まないにかかわらず、民主化に関してはアフリカのリーダー的存在であるのに、こんなことでいいのでしょうか?
現在のセネガルの状況を見る限り、暗澹たる気持ちにさせられます。
実際、ダカールの町中には不満が渦巻いています。

2008年11月10日月曜日

RDC:ベルギー人ジャーナリスト誘拐


混乱の度合いがさらに増してきたRDC問題ですが、ナイロビでの首脳会合は全く不発に終わり、ンクンダはこの会合を「まったく無駄な試み」と切り捨て、戦闘を激化させています。
France 24の報道では、この地域にさらにアンゴラからの傭兵が入り込んで、状況をややこしくしているようです。もう、どちらが誰を相手に戦っているのかわからないような状態なのではないか?と想像します。報道も最初の頃はどっちよりの・・・と言っていましたが今はもう「複数の武装グループが・・・」という表現が主体になっていますし、住民に危害を加えているのがいったいどのグループなのかも報道ではわからなくなってきています。また、MONUCの発表でCNDP(ンクンダの軍)にルワンダ軍のBrigade Bravoというコマンドー部隊が関与しているということです。
そんな中、ベルギー人ジャーナリストが武装グループ(どれだかまだわからないそうです)によって誘拐されました。身代金は3万ユーロを要求されているそうです。しかも、時を同じくしてベルギーの外務大臣に怪しげなカネがらみの疑惑も持ち上がっていたりして、私にもよく話が見えません。

ところで、ルワンダのキガリにいる友人の話ではキガリはほとんど平時とかわらないそうです。

2008年11月9日日曜日

Apple:新MacBookのトラックパッド不具合

MacBook Late2008をゲットした友人からの情報です。
この機種で移行アシスタントを使うと、二本指スクロールができなくなったそうです。で、Appleのサポートで尋ねたところ、以下のような方法でこの問題を解決することができたということですので、同じ問題を抱えていらっしゃる方は試してみてください。

1. アプリケーション>ユーティリティの中にあるTerminalを開く。
2. 自分のユーザーIDがプロンプトされるので、その後に
defaults delete .GlobalPreferences com.apple.trackpad.scrollBehavior
をコピー&ペーストしてリターンキーを押す。
3. ターミナルを閉じて再起動

これで、私の友人の場合は治ったそうです。
多分、初期設定ファイルを捨てても同じ結果が出そうな気もします。

2008年11月8日土曜日

US:オバマ大統領に高まるアフリカの期待


ロイターが面白い分析をしています。
オバマ大統領がケニア人の父を持つことから、「アフリカの息子Son of Africa」としてケニアをはじめアフリカのいろんなところでオバマフィーバーが起こっているわけですが、その中でセネガルのワッド大統領が辛口のコメントを出したということです。
「アフリカ人はオバマ大統領に対し、尋常ならざることや過大な期待を抱くべきではない。アメリカでの選挙がミラクルだったとしても、それがアフリカ大陸を変えるための現金を持ってきてくれるわけではない。」
これに関しては私はワッドに賛成せざるをえません。案外知られていないことですが、アメリカのODAはそれほど多くありませんし、日本やヨーロッパなどと全く別のやり方をとっています。イラクやイスラエルなど政治的な介入をおこなっている国を除いては、そのほとんどが人道的援助として、アメリカのNGOを通じたプログラム援助になります。よって、政府間には全くカネのやりとりはないのです。セネガルのように政府の予算に対して援助が欲しい国の政府にとっては全然ありがたみのないのがアメリカの援助、というわけです。こういうシステムを飛び越えてアメリカが政治的意図を持ってアフリカの政府に現金を落とすということはまずないと思います。
また、オバマ氏は上院議員として南部および東部アフリカを歴訪した際、この地域での問題について非常にはっきりした強い姿勢を示したということで、何人かのアフリカ各国首脳は多少ナーバスになっているそうです。
まず、南アで当時のムベキ大統領のAIDS対策の遅さを痛烈に批判、またジンバブエのムガベ大統領が自国民を危険に晒していることをどうにかすべきだという強い主張を行い、ケニアでは人権と汚職に関する強力なスピーチをナイロビ大学で行って、ケニア政府高官に「オバマはケニアをわかってない」と批判されています、またダルフール問題についても強硬派です。
つまり、オバマ大統領は現在アフリカが抱える様々な問題に対して非常に強い態度で臨んでくるだろう、というのがこの分析の骨子です。
それはブッシュよりもはるかに強く、クリントン以上の強硬な姿勢で臨んでくるかもしれない、ということです。
そういえば、早速ジンバブエのムガベ大統領がオバマ氏に親書を送ったことが伝えられています。内容は大統領選の勝利を祝福するとともに米国ージンバブエの関係修復の用意がある、ということらしいです。
また「途上国のわれわれは、社会を発展させる政策の遂行に向け、あなたの政府と仕事ができることを期待している」と続くそうです。でも、どう見てもムガベがいなくなることこそがジンバブエを良くするために必要条件という気がするのですが・・・

2008年11月7日金曜日

政治家がアフリカを見る目


まずは、アメリカ共和党の元副大統領候補サラ・ペイリン女史。
アフリカは大陸ではなく1つの国だと思っていたようだということがスッパ抜かれています。まあ、このペイリン女史、以前にも「アラスカからはロシアが見える」などと変な電波を受信してるみたいな発言がありましたから、彼女の世界地理感覚というのはかなり怪しいものであったわけですが・・・
日本人が知らないこと、それはアメリカという国はものすごく賢くて知能が高い人がたくさんいる反面、一般民衆の知識レベルは思いのほか低いということです。米国に留学したアフリカ人がぼやいていましたが、アメリカには何百というケーブルテレビ局があるにもかかわらず、アメリカ以外の国の放送局はほとんど受信できないのです。あるとしてもラティーノコミュニティ向けのスペイン語放送くらいなもの。
これは基本的にいろんな国の集まりであるヨーロッパとは大きく違う点だと思います。
ということで、アフリカなんて日本でもそれほど知られているわけではないですが、アメリカではほとんど知られていないのでしょう。
そういう意味では、たとえオバマ氏がクレオール文化の産物であったとしても、一般的なアメリカ人よりははるかにアフリカに対する造詣が深いと言えるし、期待が高まるのも当然かとも思えます。

もう1つは日本の東京都知事石原氏の発言。
「世界一の大国の大統領に黒人がなったので、アフリカなんぞの黒人国家が親近感を持って、そういう票が雪崩を打って動いたりするとちょっと厄介ですな」
これはひどいですね。ペイリン女史の認識がちょっとしたおバカで許されるものだとしても、こんな差別感情と悪意に満ち満ちた発言がまかりとおるとすれば、日本の民度そのものが問われてしまいます。もちろん、石原氏は以前の第三国人発言でもわかるように、差別主義者なわけですが、こういう国際感覚の欠如した人間が日本の首都を統治しているなんて、まったくもって「日本の恥」です。
どうしてこのような失言を繰り返し、また新銀行などの件でも嫌疑をかけられているのに、知事の椅子に座らせ続けているのか?政府は国政とは関係ない地方自治体のことに介入できないのかもしれませんが、最低でも「遺憾」の意を示すべきだと思います。

RDC:ケニアで首脳会合


Afrik.comの記事より。
国連の呼びかけで事務総長も出席する平和を模索する会議がケニアのナイロビにて開催されます。これにはコンゴ民のジョゼフ・カビラ大統領もルワンダのポール・カガメ大統領も出席する予定です。外交努力と政治的解決によって平和への道が開かれるといいのですが・・・

その間、現地では戦闘が激化しているようです。しかし、コンゴ民正規軍FARDCではなく、コンゴ民政府寄りの武装グループ「マイマイ」とンクンダの軍の間での戦闘になっており、戦闘は軍と軍の間ではなく、民衆を完全に巻き込んだ最悪の形になりつつあります。
そして民衆に銃口を向けているのはンクンダの軍よりはむしろこの「マイマイ」のようなのです。
なお、MONUCが守っているゴマにおいては戦闘は行われていないようです。

これまでも、ずっと「ンクンダの軍」という書き方をしてきましたが、これはFrance 24などの映像に捉えられたこの反乱軍が非常に組織され、しっかり装備され、要員にしっかり給料まで払われているということなのです。これは、例えばコートジボワールの「離反した軍人」とも全く違いますし、セネガルのカザマンスの反乱分子のような武装した村人でもなければ、ウガンダとかの少年兵とは全く比べ物にならない。彼らはプロフェッショナルな軍人のようです。そうなると、必ずその後ろ盾をしている者がいるということです。そして、この内戦は意図的に起こされたものだと言えるのです。単に現政府に不満な反乱分子が武器を奪って武装したものではないのです。

2008年11月6日木曜日

クレオールとネグリチュード

昨日、オバマ大統領に関して「クレオール化」と言いましたが、これについてもう少し考えてみたいと思います。
クレオールとネグリチュードは反対の概念で、そもそもの意味やエティモロジーを模索しても意味ないので、今日的な意味でどういうことかというと、クレオール化とは人種や文化が「混ざりあって新しいものを形成していく」というベクトルであり、ネグリチュードは「混合を拒否し、本来性へと逆行する」ベクトルだと言えると思います。
しかし、この2つは対立する概念でありながら共存することが多いという非常に分かりづらい面を持っていると思います。その最たる例がセネガルの初代大統領レオポルド・セダール・サンゴールではないでしょうか。彼はネグリチュードの信奉者であり、アフリカニズム、アフリカ中心主義者であったにもかかわらず、フランス、特にノルマンディーをこよなく愛し、ノルマンディーで最期を迎えています。また、フランス文化とフランス語をこよなく愛していました。
この、対立と共存が問題なく混交する部分が最も「西欧的でない」部分であって、この部分を理解することはできなくても容認することがクレオール化との共存の鍵を握っていると思います。
日本にも「和洋折衷」という一種のクレオール化に近いものがあるとは思うのですが、和洋折衷は実はクレオール化からは最も遠いものかもしれません。というのは和洋折衷とは和式と洋式の中で極めてプラグマティックに両者の「いいところ」を結合させるやり方だからです。これはそのプラグマティズムが徹底的に西洋的なので、やり方において和式が入り込んではいない。クレオール化はこのマイナス部分、闇の部分まで完全に混じっていくのです。これは、混血と同じで、混血というのは両親の双方の人種の持つ優位点を選択して取得するものではなく、欠点も同じく両方取得することになる。あるいは非常にランダムな形で取得が行われる、というのに似ています。
さて、オバマ大統領に話を戻しましょう。
確かに現在のアメリカは「変化」を必要としています。ブッシュ政権はもうこれ以上は考えられないほど最悪な状態にアメリカを、そして世界を落とし込んでしまいました。しかし、変化という意味ではアメリカは往々にして「やりすぎ」な感があります。そもそもブッシュそのものがアメリカ人の「やりすぎ」の産物だったのです。そして、オバマ大統領も「やりすぎ」になる可能性はあるのです。その部分をうまく制御できるかどうかがオバマ政権がアメリカにとってそして世界にとってよい方向に持っていくカギとなる気がします。

2008年11月5日水曜日

US:オバマ大統領

大方の予想通り、次期アメリカ合衆国大統領は民主党のバラク・オバマ氏に決定しました。
これは彼の採用したスローガン「CHANGE」を望むアメリカ人がいかに多いか、ということの証でしょう。また変化を望む人が多いということはアメリカ社会の現状に不満を持つ人が多いことの証でもあります。
確かに今までめんめんと続いてきた純白人ポストである大統領職に、ケニア人の血を引くオバマ氏がつくというのは大きな変化と言えるでしょう。しかし、オバマ氏を黒人大統領とするのは私個人としてはしっくり来ない部分があります。
アフリカンアメリカンと呼ばれる人は基本的に解放奴隷の子孫です。そういう意味ではオバマ氏はアフリカンアメリカンではない。しかしアフリカ人とアメリカ人の混血であるという意味では明らかにアフリカンアメリカンなわけです。
ということで、「初の有色人種大統領」という表現をする人もいるようです。
私はオバマ氏というのはクレオール化の産物だと思っています。非白人ではあるものの、白人の血も引き継いでいる。文化的にもいろいろなバックグラウンドを引いている、そういうミックスジュースのような・・・
解放奴隷の子孫であるアフリカンアメリカンが大統領になるのは、オバマ氏がなるよりも大変でしょう。
大方の白人中心主義者にとってオバマ氏というのは、コンプロマイズつまり妥協した結果なのではないかと思います。
だから、この先彼が提唱するCHANGEが世界にとって本当に必要なパラダイムシフトという方向ではなく、グダグダのコンプロマイズ路線になっていくことがかなり心配です。
早速、彼の提唱していた16ヶ月以内のアメリカ軍の総引き上げも、実質上無理であるという展望もあります。
この調子でどんどんすべてが玉虫色の解決に動けば、世界は本当のCHANGEからどんどん離れていってしまう気がするのです。

2008年11月4日火曜日

Ubuntu:8.10 Intrepid Ibex


Ubuntuの新しいバージョン、Ubuntu 8.10 Intrepid Ibexにアップデートしてみました。ダウンロードに4時間、インストールに3時間かかりました・・・
で、よくあることなのですがインストールプロセスの途中でプロセスが停止してしまい、にっちもさっちもいかなくなったので強制終了してやりなおし。これはディストリビューションのアップデートを行うとかなりの確率で起こるみたいです。ただUbuntuの場合、こんなクリティカルなエラーが生じても、立ち上がらなくなるということはあんまりなくて、少し表示がおかしくなる程度なのであわてずにもう一度プロセスを走らせれば治ることが多いです。一番危険なのはX (MacOSで言うところのファインダですね)の設定を書き換えることで、これでエラーを出しちゃうとテキストベースのコマンドで治すしかなくなります。Macでインストールプロセスの間にエラーを出したら、インストールそのものをやり直す必要がありますし、ファイルシステムそのものが壊れちゃったらフォーマットし直さないといけないので、Ubuntuの方がそのあたりは堅牢だと言えるかもしれません。
前のバージョン8.04 Hardy HeronはLTS (Long Term Support) なので、HardyからIntrepidにアップグレードするには通常のシステムアップデートを走らせても感知しません。アップデートソースをLTSから通常のディストリビューションに変えて、システムアップデートをかけるとディストリビューションのアップグレードが出現します。基本的にはこのボタンを押して待つだけです。
Ubuntuで面白いのはこのアップデータの下にターミナルを表示させることができて、コンピュータが実行している作業をリアルタイムで見られることです。簡単に要約するとアップデートのインストールは以下のようなプロセスで行われます。
1. サーバ側からファイルのデータベースをゲット、コンピュータ上のファイルデータベースと比較されインストールするファイルのリストを作成。
2. そのリストに従って必要ファイル(パッケージ)をダウンロード
3. パッケージを展開して、インストールし、旧ファイルを処理。
4. クリーンアップ
ダウンロードした新しいファイルは再起動したときにロードされ、使用開始になります。
さてIntrepidで変わったのは、ほとんどが、内部のアップデートで、最新のX.org、最新のGnome(これらはウインドウシステム)、同時にゲストセッションの有効化など地味だけれども必要なアップデートだと思います。
Ubuntuは昔、非常に地味なほとんど単色のデスクトップがデフォルトでしたが、Hardyからは非常に美しいデフォルトのデスクトップピクチャを備えています。バージョンの示す動物をかたどったもので、Hardyはモザイク調のサギでした。こんかいのIntrepidは単色の墨で描いたような精悍なヤギになっています。

RDC:交渉の難航


さて、11/1の全聖人祭も終わり、ンクンダもコンゴ民軍も再び動き出しました。終末の間、米仏の外相がキンシャサ、キガリそしてダルエスサラームを早足で歴訪し、この問題に対する各国首脳の解決に対する努力を促しました。しかしながら、これに関してはほとんど失敗というか期待されたような影響も話がさっとまとまることもなかったようです。
しかし、この休みの間に国連関係の支援体制整備は進んだようで、北部キブ州に国連の支援部隊が入り始めました。
今日のニュースでは、難民は北部キブ州全体にひろがっており、推定で約100万人と見られています。
そして、ンクンダはキンシャサ政府に対し、直接交渉に応じるよう求めましたが、キンシャサはこれを拒否。これに対し、ンクンダはキンシャサに向かって軍を進める可能性を示唆しました。
外交努力も続いていて前ナイジェリア大統領のオバサンジョなどが担ぎ出されているようです。しかし、AUアフリカ連合はその中心的存在であった長老的存在のオバサンジョが政権を退き、セネガルのワッドは国内問題に忙殺され、コンゴにはほとんど関わる意志を見せていません。MONUCの初代司令官がセネガル軍人であるにもかかわらず、です。そして頼みの南アは今政争の真っ最中。アフリカの音頭をとれるだけの巨頭がいないのです。アフリカの政治的という意味においては今回の内戦は最悪のタイミングです。唯一アフリカ人による調停がありえるとしたらガボンのオマールボンゴあたりなのではないかと思います。
今日もンクンダはFrance 24の単独インタビューに答えていました。それを聞く限り、ンクンダは反乱軍のリーダーといっても、コートジボワールのあの学のなさそうな少佐とか、顔を目出し帽で隠したテロリストとは全く違うのです。彼は見かけはコンゴ人というよりルワンダ人のようですが、しっかりとした論理的な受け答えをしており、かなりの曲者でしょう。
そして停戦はしっかりと守り、特に住民を虐殺することもしていません。で、メディアを使って、自分の相手はキンシャサのコンゴ民政府であることをはっきりさせています。しかし、ンクンダの目的が当初言われていたフツ族の残留軍人を一掃することなのか、他の意図があるのかはわからないと思います。
ということで、政治的な緊張は予断を許さない状況、そして民衆は難民化が進んでいるという状況のようです。

2008年11月2日日曜日

Senegal:Air Senegal International


セネガルのフラッグキャリア、Air Senegal Internationalが危機に立たされています。
この航空会社は昔のAirSenegalを引き継いだもの・・・なのですが、以前のAir Senegalはバンジュル便、カーボベルデのプライア便を除いては全部国内便で、古いプロペラ機を2台しか持っていませんでしたから、全くレベルの違う別会社と言えます。
それはAir Senegalの時代には国際便を飛ばすのはAir Afriqueという別の会社があったのですから、Air Senegalが自前で国際便を飛ばすニーズそのものがなかったわけです。しかしAir Afriqueはつぶれてしまい、Air Afriqueによってつながれていた各国はそれぞれ自前で航空会社を作らざるを得なくなります。これが2001年の西アフリカ航空会社の大再編成となります。コートジボワールはAir FranceとAIGによってAir Ivoireを復活、ブルキナファソはAir Burkinaを中東のファンドによって民営化します。そして完全に死体同然だったAir SenegalはRoyal Air Marocのグループ下に入り、51%をRAMが、49%をセネガル政府が持つ会社として再出発するわけです。
Boeing 737で運行するダカール=パリ(オルリー)便を中心に、新しい航空会社として再出発したAir Senegal Internationalのサービスは良く、域内で人気を博します。同時期に再生されたAir IvoireはASIに比べて高価、またAir Burkinaは機体が古く、サービスもよくありませんでしたから、RAMのノウハウを受け継ぎ、広告会社を通したサービス戦略によってASIの人気は上がりました。
しかし、2007年11月、ちょうど1年前にセネガル政府はさらにASIの株を26%買い足して筆頭株主になります。なんでこのような無意味なことをするのか理解に苦しみますが、このことによって昔の盟友であったRAMはASIに背を向け始めます。そして、ASIの業績は国際的な燃料高騰や航空業界の減益の影響を受け、急激に悪化。ドル箱であったフランスのリヨン便廃止に追い込まれます。また、それに続いてメッカ巡礼の契約(セネガルでは国がメッカ巡礼ツアーを毎年行います。この契約も航空会社にとってドル箱となります。)をASIではなく、RAMがとったことからASIにとって痛手となっており、ASIはにっちもさっちも行かない経営危機に陥りました。
セネガルの世論的には「モロッコ人が悪い」的な意見が多いようですが、私はこれはセネガル政府が全面的に悪いと思います。まず、ASIの筆頭株主になった動機が不純で、9月にIMFがセネガル政府の財政危機のレポートを出している、その政府が支払いを滞っている会社の1つが間違いなくASIなのです。セネガルの要人や政府の役人はたいていASIを使いますから、政府のASIに対する支払いは相当な額になります。筆頭株主になることで、極めて悪く言えばこれを踏み倒そうという意図が見えるような気がするのです。Air Afriqueを潰したのも実質関係国の政府の未払いだったと言われていますから、これはあながち間違いと言い切れないと思います。ASIの便は人気があり、それほどガラ空きでもありませんから、巨額の損失など出るはずはないのです。誰かが踏み倒していなければ。しかし、2年前くらいから、ASIはAir Afriqueと同じような下降スパイラルに入り始めていました。それはまずフライトの遅れという形で表面化します。これによってクレームが出始める。クレーム対処の慢性化によって職員の意気も下がり、サービスの質が低下します。そうすると、ASIはサービスがよくないという噂が流れます。さらに、フライトの遅れが慢性化すると、ASIは遅れるということでビジネス客が敬遠します。そしてどんどん客離れがおきるのです。
だいたい、航空会社の運営に素人な政府はRAMのASIに対する貢献を軽く見すぎています。ASIは自前ではわずか4機しか所有していない。1機がトラブルを起こせば、たくさんのフライトがキャンセルになります。グループ企業であれば人員や機体の貸し借りもあるし、相互依存の中で共存をはかるわけですが、あからさまな競争相手になってしまってはASIのような中小はひとたまりもない、ということをもっと認識するべきなのです。セネガル政府はさっさとRAMとの対話を進めて、筆頭株主に戻ってもらう方向で交渉するべきという気がします。

2008年11月1日土曜日

RDC:停戦


昨夜からンクンダ軍(CNDP)のユニラテラル(一方的)な停戦が行われ、戦闘的には小康状態を保っていますが、ゴマの市民は大量に難民化して街を捨て、移動している状態のようです。MONUCは総員1万7千名の軍事要員を抱えているのですが、ゴマに配備されているのはわずか800名程度で、1万人を超える難民化した民間人をケアできるはずもなく、国際的な援助を待っている状態のようです。
避難民へのインタビューの中ではゴマを捨てて退却したコンゴ民の軍(FARDC)の兵が市民の家に侵入略奪を行ったという証言もあり、ほとんど無政府状態になっている状態が浮き彫りになっています。
ルワンダ政府の関与に関しては、ンクンダは「我々はルワンダ政府とは無関係」と断言していますが、コンゴ民政府側はルワンダ政府の関与をほとんど既成事実化しているようです。
そのような中、フランスはヨーロッパに協調介入を求めたようですが、EUには今のところその意志がないということで、現在のところ国際社会がどのように手を差し伸べるかは分からない状態です。
もともとEUにはこのMONUCに対する懐疑論が根強く、特に地下資源を巡る利権の取り合いなど、この内戦には純粋に民族的な紛争というよりもそういった下心の見え隠れするものがあるようで、そのことが国際社会の介入に二の足を踏ませる結果となっているのかもしれません。