2008年12月22日月曜日

Mali:軍事施設が襲撃される


12/21の朝4時頃、首都バマコから約500km北西のナンパラというところにある軍事施設が20台あまりの4駆に分乗した武装グループに襲撃されたとマリ通信が発表し、マリの防衛省が確認しています。この襲撃で10人あまりの軍人が死亡、12人が負傷したということです。この武装グループはトアレグ族に化けた麻薬密輸グループであるとしています。襲撃のあと、武装グループはナンパラの施設にあった武器を奪い、モーリタニア方面に逃亡したということです。
現在カイを訪れているマリ大統領は国民に落ち着いて国民としてまとまるよう呼びかけました。また、「何の声明もないマージナルな盗賊であり、国の発展を阻むもの」と犯行グループを評し、マリ北部で断続的に起きているこのような事態を憂慮しているが、マリはアルジェ合意に従い、マリ北部に平和と発展をもたらすことを強調しました。(Afrique en Ligneの記事

さて、この事件でキーとなるのは2つあります。1つはモーリタニア、もう1つはトアレグ問題です。まず、モーリタニアですが前に一度書いた通り、8月にクーデターがあり、軍部が政権を握っている状態で、こういう状態は確かに外から武器などが入りやすい状況にある上、モーリタニアの北には未だに政治の空白地帯である「西サハラ」があります。ヨーロッパの漁業権を巡る圧力で、モーリタニア政府はようやく前大統領を釈放したようですが、民主化については振り出し以前に戻ってしまったわけで、心配な状況は続くでしょう。
次にトアレグ問題ですが、マリの防衛省が直ちにこの事件をトアレグと切り離したのを見てもわかるように、マリにとって非常にデリケートな問題です。トアレグといえば先日のニジェールにおける国連のカナダ人誘拐事件ですが、まだ解放されていません。ニジェール人の友達に電話する機会があったのでこれについて聞いてみたのですが、「大丈夫、解放されるよ。」と楽観的でした。ニアメは特に危機感のあるような状態ではないようです。

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