2008年12月26日金曜日

Africa:News Round Up 12/26


今年のクリスマスは全世界的にあまりハッピーな人がいなかったのではないか?と思います。
バチカンの法王講話も「平和」というものを前面に押し出したものだったといいます。これは、全世界を巻き込むような戦争が終結して60年あまり、世界の平和を導いてきた「国際連合」の求心力というものが低下しているせいなのかもしれません。人間はいつまで争いを自ら求め、連帯して共存するということの尊さを踏みにじることを続けるのでしょうか?
しかし、この国連のほころびは他ならぬアメリカのイラク侵攻によって決定的になったと思います。新政権が国連を尊重するという強力なアピールをしないと、国連は今後、どんどん迷走する結果になる気がします。

まず、コンゴ民南部でエボラ出血熱が発生し、すでに9名が死亡、21名が発症していることが確認されているそうです。(JeuneAfriqueの記事)また、コンゴ民では今回のキブ州での内戦をうけ、東北部の中心都市カタンガから外国人ビジネスマンが大量に撤退をはじめているようです。

次にニジェールですが、来年12月に予定されている大統領選に向け、やはり3選を狙う親タンジャ派とそれを阻止しようとするグループの対立が激しくなってきました。タンジャにしてももともとは軍人出身でクーデターによって政権を奪ったという過去を持っています。ニジェールもまた、完全に民主的なプロセスによって政権交代がなされたことがない国なのです。また、タンジャについては健康状態が優れないとも言われており、政権途中でタンジャが死んだりすれば、今回のギニアと同じ運命をたどることになります。もちろん、タンジャはコンテとは違って独裁的とは言えないし、非常に温厚な大統領ということで、国民や国際社会の受けもいいというところが違います。だからなおさらタンジャにはディウフやオバサンジョ、クフォやケレクのように憲法を曲げて権力の座に納まるのではなく、身を引いて新しい大統領に任せてほしいと思うのです。

ガーナは今週末予定されている大統領選の第二回投票に向けて、隣国(コートジボワール、トーゴ、ブルキナファソ)との国境を26日から29日まで閉鎖しています。陸路での移動はできません。またECOWASはこの投票に際して、再び平和裡に投票を行うよう呼びかけました。

最後にいっこうに出口が見えないジンバブエですが、某所で「ムガベを非難してもはじまらない」という意見を見ました。しかし、ジンバブエを私物化し、政権交代どころか連立の道すら拒絶しているのはムガベ本人で他の誰でもありません。現職の大統領というのは職務と責任がともなうものです。日本で田母神の問題が起こったときも、こういう混同をしてる人がたくさんいました。彼が単なる私人としてあの「論文」を出したとすればそれは単に個人の表現の自由に属するもので何ら問題はなかったのです。しかし、彼はそれを現職の航空自衛隊の幕僚長という立場でやったからまずいのです。ジンバブエのムガベも同じです。彼は大統領として国民の安全と繁栄と自由を守らなければならないのに、それと全く反対のことをやっているから非難されているのです。もし、ムガベが今本当にジンバブエ国民のことを考えるのであればさっさと身を引いて亡命するべきなのです。それが、大統領という役職に課せられた「責任」というものだと思います。そういう責任を果たさず、なんでも英米のせいにして保身を図る様子は卑怯としか言いようがありません。あらゆる非難をうけて当然です。

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