2009年2月5日木曜日

Senegal:政治のバレエ


セネガルの政治シーンではあいかわらず、「ワッド劇場」が続いています。しかし、心なしか最近ワッド大統領も弱気な気がします。彼はセネガルの経済が世界経済に開かれるよう多大な努力をしてきましたが、それは同時に今回のような世界同時不況の影響をまともにかぶることになったのかもしれません。
まず、AFPが伝えるところによると、ワッド大統領は「現在身柄を引き取っている前チャド大統領のヒセン・ハブレをAUに引き渡す」としています。彼が言うにはハブレの裁判に対して国際社会が何の努力もしていないということ。そして、「セネガルはハブレの裁判に対して資金提供をするつもりはないと最初から言っていた」としています。しかし、AUは国としての実態を持たないので、ハブレの身柄は実質的には「自由の身」になってしまうということです。しかしながら、ワッド大統領はこれがカネの問題であることを隠そうともしていません。もちろん、ハブレの身柄を引き受け、その裁判を行うとなればかなりの資金が必要になる、これは正しい。しかし、昨今のセネガルの動きを見ると、この国がとんでもない借金まみれになっていてもうにっちもさっちも行かない状態であること、キャッシュを引き出すどの引き出しももう使い尽くしていることは明らかなのです。ワッドがこのように「人権カード」を切るとしたら・・・最悪アイスランドみたいなことになるかもしれません。
さて、ワッド劇場は国内でも続いています。それはワッドの後継者選びで、先日ワッドの息子カリムはダカール市長への立候補を発表。これを受けて、「やはりカリムか?」「これはカリムの政界入りの第一歩」と新聞がこぞって書き立てました。これを受けて、大統領は「カリムの選挙支援はしない」と言ったり、今度はRFIのインタビューに答えて直接後継者選びに言及し、「私は常に後継者を外部に探してきた」とイドリッサ・セックとマッキー・サールの名前をあげました。しかし、不幸なことにこの2人はどちらも首相の座につきながら短期間で辞任、そのあとはなんらかの理由で逮捕されたりしています。最近ではマッキー・サールがガボンのボンゴ大統領から資金提供を受けていたという話が新聞を賑わし、サール氏はこれを全否定しています。(Afrik.comの記事
大統領選挙は2012年。82歳のワッドはもう出馬しないでしょうし、この年がセネガルの民主主義にとって次の試練となることは間違いありません。

=おまけ=
ロイターUKが伝えるところによると、セネガル政府は最高級ホテルの1つMeridien President (Starwood Hotels & Resortsグループ)の入るKing Fahd Complexeを売却するそうです。

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