2009年2月15日日曜日

Niger:SONITELの通信免許剥奪


Afrique En Ligneの記事ですが、ニジェール政府はSONITELに2001年に付与されたグランドラインの電話システムおよび携帯電話の事業免許を剥奪しました。その理由は予定されていた電話サービスの充実が全く行われてない、ということです。これはグランドラインの電話サービス地域拡大、施設の近代化およびデジタル化を示すそうです。
さて、このSONITELですが名前を見てもわかるように、元々は国営の電話会社でした。これを民営化して、戦略的パートナーとして中国やリビアなどの資本が入ったコンソーシアム、DATAPORTを迎え入れて電話事業のテコ入れを行おうとしたものです。しかし、もともとSONITELは黒字だったわけでもなく、民営化されたあともその赤字体質から抜け出せず、巨額の赤字を計上してしまったわけです。
ニジェールのグランドラインはSONITELの独占ですが、携帯電話についてはすでに門戸が開かれていてCeltelそしてTelecelが事業展開しています。(この2社はブランド名を変えています。現在CeltelはZainブランドでの展開。Telecelは多分Moovブランドでの展開となっていると思います。)SONITELはSahelcomブランドで携帯電話事業を展開していましたがCeltelの参入後はすっかり押されてしまい、大幅に売り上げを落としてしまいました。私がニジェールにいた時丁度その頃だったのですが、最初は私もSahelcomを使っていましたが、知り合いがどんどんCeltelに変えていくので私もCeltelに乗り換えたという経緯があります。なぜなら、同じキャリア同士の通話やSMSは違うキャリアへのそれよりも大幅に安いからです。また、CeltelやTelecelは隣国のブルキナやベナンで事業展開しており、簡単にローミングができたのですが、Sahelcomはこれができないというハンディを背負っていたのです。よって、日本とは違って他国でたくさん事業展開している会社に大きな強みがあるのです。コートジボワールやセネガルではOrange(FranceTelecomの携帯ブランド)がとても強いですし、Orangeはもっと手を広げようとしています。しかし、セネガルのOrangeのSIMをフランスで使うとなぜかOrange FranceでなくBouygue Telecomにローミングされるのは謎ですが・・・
話をSONITELに戻しますが、これはテコ入れの方法を間違ったのと、DATAPORTにしてみれば「とんでもない粗悪品をつかまされた」ということだと思います。セネガルのSENELECも同じですが、これらの「国営企業」はたいがい中身が腐りきっていますし、働く人のモチベーションも非常に低く、特に電話事業のように最新テクノロジーを導入する必要のある分野では使い物にならないことが多いのです。Sonetelの民営化成功はほとんどミラクルと言っていいでしょう。まあ、Sonatelの場合、もともとSONITELほど粗悪でなかったのと、地理的位置が幸いして海底ケーブル接続とインターネットの爆発的普及という時期的な波に乗れたのも幸運だったのですが。
そういう勝機を完璧に逃しそうなのがベナンのOPT/Libercomですね。ここは、SONITELよりもさらにサービスの質が低い。一度潰した方がいいと思えるくらいです。

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