2009年2月9日月曜日

OLPC:ネグロポンテはあきらめない


カリフォルニアのモンテレイで開催されているTED (Technology, Entertainment, Design) Conferenceを舞台に、OLPCプロジェクトのニコラス・ネグロポンテ氏が新しいOLPCビジョンを発表しています。
OLPCプロジェクトを巡っては最近はBuy1 Give1プログラムの不振やプロジェクト要員のレイオフや減給など、プロジェクトの行く末が危ぶまれるようなニュースしか聞こえてきませんでした。また、プロジェクトそのものも、ほとんど分解されてしまって、ハードの中心をなすスクリーンはPixel Qiという別会社になりSugar OSについてはSugar Labに引き継がれました。そしてOLPCプロジェクトはすでに完成しているXOラップトップのディストリビューションと新しいOLPCのコンセプトを作り、それが昨年エレガントにソフィスティケートされたNintendo DSのようなデユアルスクリーンのコンセプトとして発表されたわけです。
今回のネグロポンテ氏の発表した新しいOLPCビジョンとは、これらの動きをさらに押し進めた「オープンソースハードウェア」というもので、誰でもXOをコピーして生産できるようにするということらしいです。しかしGIZMODOが分析しているようにこれはオープンソースというよりは「XO Laptopのライセンス生産」に近いと言えるのかもしれません。CNETはさらにビル・ゲイツ氏の「OLPCはやり方を誤った」という談話を引用し、言ってみれば遅すぎたコマーシャルベースへの解放を指摘しています。しかし、ネグロポンテ氏の言う通り、XOというコンセプトそして実機を作ることをしなかったなら多分現在の花盛りなNetbookの氾濫はなかった、これは事実だと思います。そして、現在のNetbookがXOの抱えているのと同じ問題を抱えているのも事実なのです。XOは大人が遊びすぎて、表面だけ子供用にしたSugarを載せてみたり、Win XPを載せてみたり、言ってみれば子供達が何をするマシンなのか、そのあたりがあいまいになってしまった。
今のNetbookも同じです。XP、Vista、XFCE、Moblinを載せたものがあり、はてはMac OSX Leopardを入れる方法まで紹介されているのです。しかし、そんなことはほとんど必要ない、これは大人の遊びなのです。OLPCに必要だったのはDSのように割り切った使い方をする機能だったのではないかと思います。その方がかえって途上国政府やパートナーの理解も得やすかったと思います。
WIREDにXOの新しい使い方としてE-Bookリーダとして使うことが提案されています。これも、やたら「あれもできるこれもできる」わけのわかんない機械ではなく、1つの明確なしっかりした使い方をするという点ではDSに似たものがあります。ともかく、ネグロポンテ氏はまだまだOLPCプロジェクトをやる気満々なようです。

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