2009年2月11日水曜日

Madagascar:国際社会の動き


アンタナナリブは一応の平静を取り戻しているようですが、この問題が表面化してからの犠牲者は130名を超え増え続けています。確かにマダガスカルというのは今までこのような暴力的な事件は他の地域に比べて少なかったと言えますし、人々も温厚で平和的なのも事実だと思います。
さて、フランスが協力国務長官ジョヤンデ氏を水曜、つまり本日マダガスカルに派遣すると発表しました。(Afrik.comの記事)これによると、ジョヤンデ氏はインド洋連合(Comission de l'Ocean Indien)の調査団と同時にマダガスカル入りをするようです。(Jeune Afriqueの記事
Afrique En Ligneによると、フランス政府はこの問題に対して、「対話のみが平和的解決への道である」と考えているようです。これはフランス外務省の報道官が火曜日に発表した談話です。
しかし、Jeune Afriqueによるとラジョエリナ氏は「ラバロマナナ大統領がいなくなるまであきらめない」と非常に明確な姿勢を表明しています。私の個人的な印象ですがラジョエリナ氏を動かしているのは政治的野心ではない気がするのです。むしろラバロマナナ大統領による悪政をストップすることを目的としているのではないか、と思います。
土曜日の大きな事件で影が薄れていますが2/6にAfrik.comが伝えているのはラバロマナナ大統領による公金横領疑惑で、世銀およびIMFがマダガスカルへの融資をストップする、という記事です。つまりラバロマナナ政権はすでに国際社会の信用を失っていたということです。
このような局面で、アンタナナリブには国連、AUアフリカ連合、フランス、そしてインド洋連合の特使が入って問題解決の道を模索することになるのです。これは非常に微妙かつ厳しい選択を迫られる話し合いになるでしょう。
フランスの言っているように「両者の話し合いにより平和的解決」というのは非常に難しい気がします。まずラバロマナナ大統領にとっては非常に分の悪いものになることは避けられません。国連は彼の味方をすることはないですし、ラジョエリナ氏も彼を権力の座から引き下ろすという部分については譲歩しそうにありません。また、銃を向けられた国民も彼を支持することはないと思います。よって、話し合いの中心はラバロマナナをどのようにソフトランディングさせるか?ということになると思います。この政権をなんとか存続させてもその先には「崩壊」しかないのです。フランスなどがラバロマナナを平和的に権力の明け渡しを行うよう何を材料に説得するのか、注目していきたいと思います。

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