2009年2月9日月曜日

Madagascar:追悼の日


マダガスカルのアンタタナリブは病院を除いて平穏な日曜だったようですが、まだまだ緊張は続くようです。まず、土曜日の争乱ですが、憲兵隊の公式発表では28名死亡となっているのですが、病院からの情報だと40名を超えているということで、数字に隔たりがあります。ラジョエリナ氏は本日月曜日を「追悼の日とする」と発表しています。また国連事務総長の名代とラジョエリナ氏とも会談が予定されているということです。また、国連はこの市民殺害の責任者が裁かれることを要求しています。そして、今朝マダガスカル防衛大臣のセシル・マノロハンタ女史が辞任しました。ラジオAntsiveに同女史が語ったところによると、「政府としては、警護隊(Force de l'ordre)は市民を守ることになっていた。」ということで「これらのことが起こってしまった以上、この政府への参加をやめることを決意した」ということです。(詳しくはFrance 24の仏語の記事。)
また、AUアフリカ連合も特使を派遣するようです。全般的に詳しく書いてあるのはRFIの記事だと思います。
BBCの記事では、ラジョエリナ氏が抗議行動をまだまだ続けると報じています。
テレビのFrance24のニュースでは「警護隊は『パニックに陥って市民に発砲した』」と言っているのですが、映像を見る限りこれは攻撃命令を受けて行動しているようにしか見えません。そもそも、そんなパニックに陥る無能な兵士が大統領の警護に当たっているとしたらこれはまた別の意味で問題です。また、通常のデモ対策の場合、警察は実弾ではなく催涙弾などを使いますし、空砲や空に向けて撃つのが普通です。今回のように市民に直接実弾を撃ち込むのは上官の命令を受けているはずです。それに、防衛大臣の突然の辞任。これは政府の中に亀裂があることを意味していると思いますし、マノロハンタ女史は自分の意見が全く聞き入れられなかったと主張しているに等しい。
この一連の事件を見ていて思い出すのは、なんとも苦々しいのですが「フランス大革命」なのです。ラジョエリナ氏の罷免は大蔵大臣ネッケル氏の罷免を思わせますし、市民に対する実弾での攻撃もまさにフランス革命において王家の軍が市民に対して発砲したのと同じです。
今マダガスカルで起きていることはある意味ギニアの軍事(しかし無血)クーデターよりもはるかにひどいことだと思います。
そして、これはラバロマナナ大統領がその座を降りるまで続くのではないか、と予想されます。なぜか。もちろんデモを指揮したラジョエリナ氏に全く落ち度がなかったかといえばそうではないでしょう。しかし、大統領という職にあるものが国民に対して銃弾を放つという行為はどんなことをしても許されることではないからです。彼は大統領の椅子に座る資格を失った、あるいはそれを自分から放棄したと言えます。独裁国家において、大統領が秘密警察などを使って政敵を逮捕したり拷問したりすることはよくあることですが、このように市民を無差別に殺害するということはあまりないのです。また、この問題は長引けばムガベ化することも心配です。

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