2009年5月7日木曜日

Africa:News RoundUp 5/6


まずはニジェールです。フランスとのウラン採掘権の取引、トアレグゲリラの投降についてはお知らせしました。5/4にこのアフリカ最大と言われるイムラレンのウラン鉱山がママドウ・タンジャ大統領、アンヌ・ロベルジオン仏Areva社長の出席のもと、採掘開始のセレモニーが開かれました。(Afrik.com)しかし、このウラン鉱山いろいろと問題がありそうです。Afrik.comによると、Areva社は旧Cogema社といいニジェールで1968年からウランの採掘を行ってきました。しかし、ウラン採掘はニジェールという国の発展に全く寄与しなかったばかりか、主にトアレグで構成される現地住民の暮らしを例えば健康被害などの形で大きな被害をおよぼしてきたのです。ニジェール政府は1961年にフランスと交わした契約により、フランスに市場価格に比べると問題にならないような値段でウランを売っているそうです。放射能に関する調査をしているCRIIRADによると、ウラン鉱山の街アーリットの水道水の放射能レベルは規定値を超えていると言います。また、精錬に大量の水を必要とするため、地層水の枯渇を加速させているとも言われています。また、精錬後の放射能を帯びた泥や発生するラドンガスなどが全く処理されないで放出されているというのです。この放射性の泥はなんとアーリットの病院前でも検出されたそうです。確かにニジェールにとってウランは唯一と言っていい外貨獲得手段であり、ニジェール政府の生命線とも言えますが、これがいくら少数民族であり、人数的には少ないとはいえ住民の犠牲の上に成り立っているのは悲しいことです。また、いかに採掘地域が砂漠地帯とはいえ、国土を切り売りするばかりか、その汚染や資源枯渇を野放しにしていいのか?とも思います。さらに、やっぱり出て来たのがタンジャ大統領が再び大統領選に出馬するために憲法を変更する国民投票です。一連のウランをめぐる動きは周到に準備されたこの政治取引の前振りだったわけです。(Afrik.com)考えてみればタンジャを脅かすのはトアレグしかなかったわけで、それをうまくウラン取引で釣っておいて、このまさに狙ったようなタイミングで国民投票を発表するという、これは反対が出そうなところ(法にうるさいフランスを含め)をうまく押さえた老獪なやり方と言えます。

同じようなコンスピラシオンの臭いがして来たのがセネガルのASI問題です。ただ、これが本当にコンスピラシオンなのであればあまりにヒドいことですが・・・よってこれは多分、コンスピラシオンではないでしょう。一昨日、セネガルの組閣がありカリム・ワッドが入閣したことはお伝えしました。さて、カリムが音頭をとるのが、まさにASI問題の本丸、航空分野です。そして、これはセネガルでは知らない人はいないくらい有名な話ですが、カリムはモロッコ王の独身時代、そして王子時代のお友達なのです。この関係をセネガル政府が使わないわけはありません。多分、このチャンネルでなんとかしようとしてくると思います。ただ、セネガル政府は大きな譲歩をせざるを得なくなることは間違いないですが、ASIを救い立て直す方がモロッコに見捨てられるよりは絶対にいいはずです。そして、無事これを成し遂げればヒーローは誰でしょうか?もちろんカリムなわけです。このあたりが少々臭うわけです。

次にトーゴ問題についてIRIN Newsが記事を出しています。今回のクーデター未遂事件はトーゴの安定度の試金石になるという話です。しかし来年の選挙は荒れそうな気がします。2005年の選挙でも多くのトーゴ人が隣国ベナンやガーナに避難しました。実際、コトヌにはトーゴ人がたくさんいます。私が住んでいたアパートの中にあった会社で使い走りをしていた若い子がいたのですが、彼もトーゴ人でした。

はじめて取り上げるのですが、チャドで不穏な動きがあります。この国は言ってみれば安定していたことなどないので、いちいち取り上げることはしなかったのですが、今回の動きは大きなものになりそうです。スーダンに逃れていたチャドの反乱ゲリラが首都ンジャメナに侵攻しているとJeune Afriqueが伝えています。今年2月にもゲリラはンジャメナに迫り、デビー・イトノ政権は倒されそうになりましたが、フランス軍の介入でなんとかゲリラを追いやることができたようですが、今度はどうなるのでしょうか。

最後に明るい話題を。ヨーロッパと西および南アフリカを結ぶ新しい海底ケーブル「West Africa Cable」が2011年には利用開始できるだろうとAll Africaが伝えています。施行および管理は仏Alcatel-Lucent社が行い、MTNをはじめとする南アの通信会社数社とアンゴラテレコム、テレコムナミビアとトーゴテレコムがすでに使用契約に署名しているそうです。ケーブルの上陸ポイントは南ア、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民、コンゴ、カメルーン、ナイジェリア、トーゴ、ガーナ、コートジボワール、カーボヴェルデ、そしてポルトガルと英国ということです。このうち、ナミビア、コンゴ民とトーゴはこれらの国初の海底ケーブルへの接続となる予定です。

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