2009年3月22日日曜日

Senegal:チェブケチャ


今日の昼飯はこれでした。ここ数ヶ月のお気に入りの飯なのですが、このチェブケチャはレストランではほぼ絶対に食べられない飯です。チェブというのはウォロフ語で「米(飯)」のことでケチャは干した魚(ヤボイ)の名前です。これを応用するとセネガルのナショナルプレート「チェブジェン」はチェブ(飯)+ジェン(魚)、チェブヤップはチェブ(飯)+ヤップ(肉)というのがすぐにわかります。
さて、チェブケチャはチェブジェンやチェブヤップなどと違ってなぜレストランで食べられないか?と言うと、これは純粋な家庭料理で他人様にお出しする料理ではないのです。つまり「格の低い料理」とされているのです。
私にとってチェブケチャは懐かしい料理でもあります。昔、タンバクンダの奥にあるニオコロコバ国立公園で働いていたとき、公園内の監視ポストにお昼時に行くと、たいていポストのレンジャーが食べさせてくれたのがこのチェブケチャでした。そんなポストにはもちろん冷蔵庫なんてなく、生ものは腐ってしまいます。しかし、カラカラに乾いたケチャなら保存がきくのです。パラパラしたピラフみたいな飯にこのケチャをほぐしたものを混ぜ込んであるだけ。それに、カーニと呼ばれる唐辛子の粉とマギーブイヨンをついて粉状にしたものをブレンドしたふりかけをかけて食べさせてくれたものです。
そんな昔々の超シンプルなチェブケチャと本日のチェブケチャは全く違います。これはリッチなチェブケチャでとても具沢山です。ベースになる米にはケチャの他にニェベ(豆)とトゥファと呼ばれる巻貝を干したもの、それにもっと小型の二枚貝の中身を干したものが混ぜてあります。その上に、コン(なまずの薫製)、キャベツ、ニンジン、キャッサバ、茄子、ジャハトゥ(苦い茄子)が入っていて、付け合わせにタマリンドのソースまでついているという豪華さ。下手なチェブジェンなんかよりは格段に豪華なチェブケチャです。
セネガル料理はこのようにアレンジによって、同じ名前で呼ばれていても全然違う料理になるのが結構あります。チェブジェンもその1つなのですが、これはさらに「サンルイ風」とかいろいろなバリエーションがあります。一度友達の家でスープカンジャ(オクラとパームオイルのソース)をごちそうになったことがあるのですが、そのスープカンジャには車エビまで入っていました。車エビの入ったスープカンジャを見たのは後にも先にもあのときだけです。
ニジェールのファコホイもこれと同じような家庭料理であんなにおいしいのにレストランでは食えないのです。

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