2009年4月5日日曜日

Madagascar:権力抗争は終わらず


マダガスカルですが、現地での状況は一応の落ち着きは取り戻しているものの、政治的な混乱はむしろ増しているという気がします。その中心アンタナナリブで木曜と金曜にAssises Nationales(国民会議)が開催されました。これは有り体に言ってマダガスカルの有力者を集めた会議ということですが、どうやって民主的な選挙にこぎ着けるか、それを話合うものだったようです。(Afrik.com)その結果、トランジションの期間は24ヶ月から19ヶ月に短縮され、2010年の大統領選挙実施が決まったようです。(Afrik.com)これはマダガスカルの暫定政府が国際社会からほとんどそっぽを向かれ、孤立しているためで、孤立する時間が長くなればそれだけ苦境に追い込まれるということを見越しての判断ではないか?と考えます。この国際社会での孤立化ですが、AUやSADCでの議席を失うことに加え、やはりOIFフランコフォニーからも除名処分を食らいました。(Afrik.com)これに連動してすでにお知らせもしていますが、ノルウェーがまず二国間援助を凍結、米国も人道援助以外の援助を凍結しています。そんな中、フランスは二国間援助の継続を発表しています。(Afrik.com
さて、実質政権を投げ出して姿をくらましたラバロマナナ前大統領ですが、スワジランドに現れ、SADCの会議で顔を売ったわけですが、その会議上で「私は自ら辞任したわけではない。3月17日、ラジョエリナ氏が差し向けた武装したグループに脅されて権力委譲を行った。」と述べたそうです。これに対し、マダガスカル軍司令部がAFPに語ったところでは、「そのような事実はない」ということです。(Afrik.com)これを見ると、ラバロマナナはその退任劇にしっかりカムバックするための言い訳を仕込んでいたのだな、とわかります。そして国民がまとまってはじめてその意味をなす、Assises Nationalesにもラバロマナナ支持者は欠席するそうです。(Afrik.com)私見ですが、こういう「まとまりのなさ」「大人げない行動」がマダガスカルには多く見受けられます。これはラジョエリナ側、ラバロマナナ側、軍部すべてにです。国民性なのでしょうか?もし、仲裁役を買って出る「長老」的立場の人間がマダガスカルにいないとしたら、これはラバロマナナ政治の汚点とも言えます。いいかげん、まとまって話し合いのテーブルにつくくらいの良識を期待したいところです。

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