2009年5月5日火曜日

Africa:News RoundUp 5/4


セネガル以外の記事です。

まずはコートジボワールですがバグボ大統領が「選挙は10月か11月」という声明を出しました。詳細な日どりについては5月か6月に発表する、とのことです。(JeuneAfrique)この大統領選挙というのは2005年からずっと先延ばしにされていたもので、実質4年のびたことになります。大統領任期というのは5年〜7年が普通ですからバグボは暫定大統領のまま約1期つとめてしまったことになります。バグボ大統領が正確な日取りを今の段階で発表できないのは、コートジボワールは2002年のクーデター未遂のあと、南北2つに実質分断されているからです。そしてバグボ政府の力が及んでいるのは今でも南の半分だけで、いつ北部の反乱分子が動き出すかわからない、という不安があるからでしょう。この選挙後を見据えて国際機関も動き出したようです。コートジボワールにはUNOCIという国連の統合機関が設けられていますが、この機関はクーデター後のコートジボワールの平和構築を主導してきたのです。そして現在は選挙プロセスに注力しているわけですが、その後は南北コートジボワールの統合に力を注ぐとしています。(All Africa)アビジャンだけを見ていればコートジボワールはそれほどかわらない気もするのですが、コートジボワールは巨大な農業国で、地方の疲弊は国力の衰退を意味します。実際、一度とりあげましたがここ数年で貧困層が飛躍的に増えているのです。コートジボワールの傷は意外と深いのかもしれません。

さて、マダガスカルですが政治的混乱はまだまだ続いています。Afrik.comによるとラバロマナナ前大統領の任命した首相マナンダフィ・ラコトニリナ氏がラジョエリナ大統領の暫定政府に逮捕されました。ラジョエリナ大統領も早期決着をつけたいのか、2009年の終わりには選挙を行うと日程を前倒ししてきました。(Jeune Afrique)これは一見国際社会からの圧力に屈してトランジション期間を短くしたようにも見えるわけですが、実際はもっと差し迫った問題が国内にあるとも考えられます。このブログでも何度か書いていますが、アンタナナリブが政治闘争に明け暮れている間に大型サイクロンがマダガスカルを襲い、農村部でかなり深刻な被害を出しているのです。そして、早く手を打たなければマダガスカルは貧困と餓えに突き進んでしまうかもしれないのです。(Afrik.com)そして、正式な選挙を早く行って政権を確立しなければ国際社会からの本腰な援助も期待できませんし、JeuneAfriqueが指摘しているようにラジョエリナ大統領はラバロマナナ大統領と全く同じ転落の道を辿ってしまう可能性があるのです。また、今回の政権交代のプロセスは実質クーデターと変わらず、マダガスカルの行政部分も破壊されたままです。この中で犠牲を強いられているのは間違いなく国民でこれは政治的混乱が長引けば長引くほど破壊は進むでしょう。そしてこの出口の見えない政治混乱をいち早く集結させるためには選挙と言うことなのでしょうか。(Afrik.comの記事

ギニアコナクリでは人権団体Human Right Watchが軍による人権侵害を発表しています。(Afrik.com)軍政なのだからある程度は当然かと思いますし、ギニアの前政権はもっとひどかったかもしれません。

ニジェールではママドゥ・タンジャ大統領がアガデスでトアレグゲリラの代表と会談したそうです。(Afrik.com)隣国マリのトゥーレ大統領が非常に強い態度でトアレグゲリラの一掃に力を入れていることもあり、トアレグ側の態度が軟化しているというのと、ウラン採掘周辺が活気づいてきてニジェールとしてはドル箱のウラン産業を危険にさらしたくないという力が働いた結果だと思います。

ベナンでA型インフルエンザ(豚インフルエンザ)H1N1の疑いのある患者が1名出たとAfrique en Ligneが伝えています。多分、日本での疑い例と同じくただのインフルエンザでしょうが、今2STVのニュースで見た限りではコトヌ空港がかなり厳重なマスク着用などの警戒が行われているようです。この空港は確かに検疫がこのあたりで一番うるさいかもしれません。黄熱病のイエローカードを持ってないとえらい目に遭います。しかし、コトヌの医療機関でPCRができるところなどないと思うのですが・・・検体をヨーロッパかどこかに送って調べているのでしょうか?

最後に、AFD (Agence Francaise de Developpement)のかけ声のもと、開発関係のブログサービスSolidaires du Mondeがスタートしています。これは開発関係の既存のブログをリンクするとともにブログのホストを行うサービスで、ブログを開発のツールとして使っていこうというAFDの新しい取り組みと言えそうです。

1 件のコメント:

http://ameblo.jp/drcityangel/ さんのコメント...

http://ameblo.jp/drcityangel/day-20090504.html
精神科医で公衆衛生大学院LSHTMに入学する予定の者です。
NYからの帰国にあたり検疫を経験しましたので上記に記載しました。
今後ともよろしく御願いいたします。