2009年3月3日火曜日

Guinee-Bissau:暗殺の影に麻薬あり


ビサウの状況は比較的落ち着いているようです。一夜のうちにこの国の最有力者2名が死ぬという惨事の後としては考えられないくらいです。ECOWASは昨日調査団を派遣すると発表しました。(Afrique en Ligneの記事)またアメリカ、ヨーロッパに続いてセネガルのワッド大統領もビエイラ大統領の暗殺を非難しています。(Afrique en Ligneの記事)これでギニアのように軍部が政権を掌握するのか?と思ったら軍部にはそのつもりはなく、憲法にしたがって政府の再建を行うとBBCが伝えています。またギニアビサウ政府の閣僚会議は調査委員会を設置することを要請しました。(Afrique en Ligne)またAUもビサウに特使を派遣するらしく(Afrique en Ligne)、昨年12月のギニアクーデター以来、アフリカではものすごい外交合戦が繰り広げられています。
面白いのはBBCが発表しているこの記事です。これはブライマ・カマラというラジオのレポーターが目撃したビエイラ大統領暗殺現場の様子を淡々と語っているのですが、その淡々とした調子がかえって空恐ろしく気味悪いのです。これはビサウ住民がビエイラ大統領に対して抱いていた感情を反映したものなのでしょうか。話によるとビエイラ大統領の支持率は低かったそうです。また、爆死した陸軍司令官と大統領の間には長年にわたって続いた反目があり、お互いに武力を使って殺しあっただけ・・・というのが一般的な反応なのかもしれません。
しかも、今日のFrance 24の報道によると近年ギニアビサウは南米からヨーロッパへのコカインの中継地となっていたという話で、大統領をはじめとするこの国の有力者はこの取り引きに深く関わっていたとも言われています。隣のコナクリでは故コンテ大統領の息子が麻薬取り引きの罪で逮捕されています。ということで、この一連の暗殺劇は確かに麻薬を巡るマフィアの抗争(スカーフェイスのような)にも見えるのです。
とにかくギニアビサウが政治的に安定を取り戻すかどうかは少し時間がたってみないとわかりません。ただ、この機会にビサウを舞台とした麻薬取り引きのマフィアが一掃されるといいのですが・・・
ギニアビサウはセネガルのカザマンス地方と隣接しており、カザマンスのゲリラはギニアビサウとも深いつながりがあります。最近はこのゲリラも鳴りを潜めているのですが、それはギニアビサウ国境地帯にセネガル軍が相当数の部隊を駐屯させているからだともいえます。今回の混乱がまたこの地方の安定に悪い影響を与えないといいのですが。ワッド大統領もそれを気にかけているのだと思います。

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