2008年7月10日木曜日

ニジェールの買い食い


私はニジェールのニアメに1年半いたのですが、その印象は一言で言うと「デカいタンバクンダみたいな所」(ニジェール好きの人ごめんなさい!)・・・。
首都なのですがアフリカの大都市にあるようなもわ〜っと人がいて多種多様でエネルギッシュ!ってところが全然ありません。アビジャンやダカールはもちろん、コトヌさえそういうエネルギー感があるのに。特に日曜ともなればゴーストタウンです。
また、ポルトノヴォやウィダ、サンルイやジガンショールのようなおもむきのある街でもないです。
日常生活から抜け出せるところがありません。ダカールなら海辺に行くとかできるのですが、ニアメではせいぜいGrand Hotelのテラスでニジェール川に夕日が沈むのをながめるくらい。しかも、私はGrand HotelよりはHotel Terminusの雰囲気の方が好きなのです。
Terminusはターミナルという意味ですが、別にバスのターミナルがあるわけでもなく、実はこのホテルがあるところは鉄道駅予定地(だったところ)の真ん前なのだそうです。フランス人はアフリカの植民地に鉄道網を作ろうとしました。ダカール=バマコ間の鉄道、コトヌ=パラク間の鉄道はその名残ですが(今でも使われています)この2つの線の終着駅の予定地がここニアメのTerminusだったわけです。そしてこのプロジェクトは夢に終わり、ホテルとその名前だけが残された・・・というわけです。

またニジェール人は一般にとてもおとなしい人が多く、セネガル人相手のようにガンガン文句つけたりするとシュンとなってしまうので、まるでこっちが悪いことをしているような気にさせられます。
そんなニジェール人が顔色をかえるのを一度だけ見たことがあります。それは親日家のエジプト大使館職員が私の職場の日本人をみんな招いてくれたレセプションの席でした。立食パーティで、メインは羊の丸焼き(ミシュイといいます)だったのですが、このミシュイが運ばれるとあのおとなしいニジェール人がどわわっとダッシュしたのです。私はそのときその場で知り合ったセネガル人とおしゃべりしていて「人が減ったら取りに行こう」と話していたのですが、5分もたたないうちに人がいなくなったので取りに行くと羊は骨だけになっていました・・・

さて、ニジェールでも現地食グルメを堪能していた私ですが、ここでの現地食は日本人の間で「ぶっかけ」と呼ばれています。ですが、この「ぶっかけ」、作っているところがベニノワーズ、トーゴレーズと外国の名前がついているのです・・・基本的にベナンやトーゴの料理なのですね。ニジェールのナショナルプレートはファコと呼ばれる黒い海苔のようなソースです。これはおいしいですけど、トアレグの人が作るので別にニジェールの料理というわけではないようです。(ファコホイと呼ぶようです)
そんなニジェールの食生活で楽しかったのは買い食いでした。特に夕方から夜にかけてです。街の交差点にドラム管が立っていて何か焼いています。小麦粉の袋を切った紙に包んだもので大きなカブトムシの幼虫みたいな形をしています。これはトゥクニャと呼ばれていて、中には牛か羊のモツが入っています。その隣には大きなソーセージを焼いて売っています。これは私はブダンと呼んでいましたが、とてもうまいです。他の国では見たことないですね。あと、普通の焼き肉(ディビテリ)もありますが、これはセネガルの方がおいしいです。
ハウサ風の串焼き肉はトンコと呼ばれる粉をまぶしてあるのが特徴です。これも時々食べたくなるんです。
あと、TerminusとGrand Hotelの間に、「アブロ」を売ってるおばちゃんがいました。アブロはどっちかというとベナンとかの食べ物なのですが、一言で言って「蒸しパン」です。これに小魚を油で揚げたものとトマトソース(辛い)を合わせて食べます。これがなかなかうまいのです。
また、夜頭の上にたらいを乗せてその上に器用に石油ランプをのせて、街灯などない暗いニアメの街路をフラーっと歩いているのはキリンシ売りです。これは干し肉で、ざくざく薄い板状にした肉を干して、味付けしたものです。私はそんなに好きではないのですが、セネガルとかにおみやげにすると喜ばれました。これはニジェールならではのものなのですね。

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