2008年7月29日火曜日

アフリカのインターネット基盤


インターネットは基本的には有線の技術で、ケーブルがつながっていることによってそのサービスを利用できます。日本と北米、そしてユーラシア大陸の間もたくさんの海底光ファイバーケーブルによってつながっています。
アフリカのこの海底ケーブル事情はというと、ヨーロッパから西アフリカ、ギニア湾とバスコ・ダ・ガマの航海ルートでアフリカ大陸を周回し、喜望峰を回ってマダガスカルに抜け、インド洋を横断するケーブルがまずあります。(私の記憶が正しければ2本あるはずです。)それと、ダカールではヨーロッパから南米大陸へと大西洋を横断するアトランティスケーブルの中継基地にもなっています。
ダカールがインターネットに恵まれた立地条件にあるのはこのことによるものです。また、ギニア湾岸諸国でも海底ケーブルに接続されている国と接続されていない国があります。アビジャン(コートジボワール)、アクラ(ガーナ)、コトヌ(ベナン)、ラゴス(ナイジェリア)、リーブルビル(ガボン)、それにドゥアラ(カメルーン)は接続されていますが、そのあとはルアンダ(アンゴラ)、ケープ(南ア)に飛んでしまいます。
アフリカの東海岸は10年前くらいまで海底ケーブルがなく、空白地帯のようになっていたのですが、エジプトから紅海を経てアラビア半島を周回するケーブルから、南アに伸びるケーブルができて、良くなっているようですね。
世界のインターネット海底ケーブル地図はココで見てください。

また、海のない内陸のマリ、ブルキナファソ、ニジェールなどはインターネット事情が良くないであろうことは容易に想像できます。現在、ニジェールはUNDPなどの協力によってベナンのコトヌから光ファイバを引き、ニジェールではADSLによるブロードバンド接続ができるそうです。(しかし、かなり不安定という話。)しかし、ケーブルが引かれる前に主流だったのは衛星インターネットでした。これにも種類があって、パラボラを設置して直接衛星と通信する方法が1つ。これは非常に高価で国連機関などでないと手のでない価格でした。もう1つは、通信会社がパラボラを設置し、ローカルなレベルでは他の通信方法を使うもので、Afripaという会社がニアメでは提供していました。このAfripaという会社は西アフリカのあちこちにあって、かなり謎な会社です。で、Afripaと契約するとパラボラではなく、アマチュア無線のようなタワー型のアンテナが立ちます。これとAM電波で通信するのです。
また、ベナンでは海底ケーブルは来ているものの、国営の電話会社のサービスが極めて悪く(というかほとんど機能していない)、電話を引いてもらうのに半年とか1年とかかかってしまうので、ADSLなどの普及する地盤がない国もあります。前に一度話したFirstnetも、多分上流は衛星で、Afripaと違うのはアンテナがAfripaのものより非常に小型で、ほとんどUHFのテレビアンテナくらいしかないこと、そして値段がかなり安いことです。それでも、例えばダカールのADSLのように現地の中流家庭が手を出せる値段ではありません。

このあたり、まだディジタルディバイドの根は深いわけで、これはコンピュータリテラシーより先にネットインフラが改善される必要があるわけです。

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