2008年7月27日日曜日
セネガル相撲(レスリング)
仏語ではLutte Traditionnelleというこのスポーツはここ数年でセネガルで一番人気のスポーツになりました。その前はサッカーだったのですが、2002年のFIFAワールドカップ韓国日本大会をピークに人気が低迷、それとともに成績も落ち目になってしまっています。その頃、セネガル相撲(レスリング)界では、Mohamed NDAO "Tyson"がその2mを超す長身と相撲取りとは一線を画すルックス、特徴的なヘアカットでそのカリスマ性を全開、一挙に国民的スターに躍り出たのです。私も昔スポーツ用品店ですれ違ったことがあるのですが、とにかくデカかったです。さらにTysonは乳製品会社や文房具会社とタイアップ、日本ばりにキャラクター製品まで出していました・・・Tysonの写真のついたノートとか・・・ドレミマリちゃんとかのノリですが今までセネガルでそういうことをしたスポーツ選手はあんまりいません。(サッカーのナショナルチームのはありました)
で、Tysonはその後Bombardierというムブール出身の若いレスラーに倒された後、急速に人気が衰えてしまうのですが、Lutteそのものは次々と新しい選手が登場し、活況を呈しています。
最近のスターはYekiniで、彼は一昨年あたりにチャンピオンに上り詰め、昨年はTysonと待望の顔合わせを行い、Tysonを倒しました。Yekiniは2000年頃通っていたスンベジウンの近くのジムで土曜日の朝に時々会いました。60kgのバーベルを担いだまま50回くらい連続ジャンプしてました・・・
Lutteはそれほど組織化されたスポーツではなく、年間の行事が全部決まっているわけでも、本当のセネガルのチャンピオンが誰なのかも実ははっきりしません。人気が出たレスラーの試合をプロモーターが随時プロデュースしているように見えます。
実はCYVOGUEのすぐそばにあるStade Demba DIOPはこのセネガル相撲のメインスタジアムになっています。昨年まではメディナのIba Mar DIOPで行われることが多かったのですが、今年はもっぱらこっちで試合が行われているようです。
伝統的"Traditionnelle"というだけあって、このセネガル相撲(レスリング)はスポーツ的側面とアフリカらしいおまじないやダンスを組み合わせたエンタテイメントです。メインの試合自体は長くて5分とか、短い時は数十秒で終わってしまうものなのですが、その前にだいたい2時間くらいの前置きや前座があります。前座は若い駆け出しのレスラー達の試合が組まれていたり、やせっぽちのコメディアンがレスリングをやるお笑い系もあります。前置きの方はたいがいスター選手が大きな四駆やベンツを乗り付けて入場し、そこでレスラー本人が一番前、同じジムの他のレスラーたちがだいたい6〜9人、おそろいのTシャツ(スポンサーのロゴつき)を着て、のっしのっしとダンスを披露します。100kg級の巨漢がグループで踊るダンスはそばにいると地響きがしそうな迫力です。ダンスが終わるとおまじないタイムに入ります。これはよくわかりませんがいくつかのプロセスがあります。レスラーは試合中でもたくさんのグリグリを腕、胸、腰、足首などに巻き付けていますが、それをタムタムを叩いてる人のところに持って行くというのと、なんかミルクの入ったような白い液体を頭からかぶるということをするようです。これが終わった後やっと「土俵入り」になります。試合自体はとてもシンプルでお互いに向き合い、手を犬かきのように動かしてタイミングを読み、仕掛けたらがっちりと組み合うか、技をかけます。また、プロのLutteでは叩くのもアリです。そして転ぶか、肘と膝4つともついてしまったら負けです。試合が始まると実況が入ります。これが聞いていると笑ってしまうのですがほとんど実況の半分くらいはライラーイララーを連呼します。これを速くしたり遅くしたりして試合の盛り上がりを伝えます。テレビならまだしもラジオだったらなんだかわかるはずないという気がします。
YouTubeにたくさん動画が上がっているので興味のある方はココで見てください。またAu Senegalの紹介ページはココです。
今日の夕方は今シーズン最後の試合があるようなので、見ておこうと思います。
追記:今終わりました。今日のメインイベントはYekini vs Balla Beye 2でした。結果は持ち前の安定感と力でYekiniが、多少体重が軽くテクニシャンのBalla Beye2を持ち上げて倒しました。
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