2009年1月9日金曜日

Guinee:ワッド大統領が電撃訪問


セネガルのワッド大統領が妙な動きを見せています。
ワッドはコナクリを訪問するとされながら、それをキャンセル、「選挙の日時を決めたら訪問する」としていましたが、その24時間後に突然コナクリに降り立ちました。(Reumi.comの記事
外国元首としてははじめてコナクリ入りを果たし、ダディスカマラ大統領と会談を行いました。

さて、選挙の日時ですが、ギニア新政権はまだはっきりと設定したわけではありません。先週末、フランスの協力・フランコフォン国務長官がギニア入りし、2010年末としていたのを2009年中とすることに同意させ、ギニア政府もそれを追って2009年中の実施という漠然とした決定を発表しただけです。これを「日時を決めた」とするなら確かにそう言えないこともないのですが。

ワッド大統領は国家元首としてはじめて公式にギニアの政権転覆を支持する表明を出したり、専用機をギニア新政権に貸し出すなど、ギニアに積極的な援助をしています。もちろん、あの局面でワッドがギニア新政権を支持しなければ、ギニア旧政権は軍の旧勢力と結託して泥沼の内戦に突入したでしょうし、そうなるとセネガルだけでなく、リベリアやシエラレオネなどもその戦争に巻き込まれたでしょう。この点においてはワッドは立派にこの地域の安全を救ったと思います。ワッドの支持がなければフランスもこれだけ早く特使を送ることもなかったでしょう。
しかし、ギニアの新政権を支持するワッドにも何かしらの計算があるのは間違いないでしょう。私はこれはまず1つが「電力確保」なのではないかと思います。セネガルは国土の高低差がほとんどなく、一番高いところで500mほどしかありませんがギニア東部はかなりの高地で水力発電に必要な高低差があります。もちろん、このような発電設備を建設するには何年もかかりますが長い目で見ればセネガル川、ニジェール川上流の電力開発はギニアにとっても周辺国、特にパワーハングリーなセネガルにとっても有用です。あとは、ダカールを人材開発センター化して教育都市にすることを狙っている気がします。そして、コナクリにこういう人材を輸出したいと思っているのかもしれません。
ガーナの民主的な政権交代によって、民主化という意味ではセネガルの優等生という位置はだんだん脅かされているので、セネガルは次のアセットを出してくるはずです。しかし、その分、セネガルの民主化レベルが退化しては仕方ないのですが・・・

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