2009年1月4日日曜日

Art:Mookie "Théorie des jeunes gens"

CYVOGUEの壁面には2枚の絵が飾ってあります。これは8年ほど前に友達だった2人のアーティストから買ったものです。今なら同じお金を機材に回してしまうでしょうが、その頃は多少余裕があったのと、この2枚は本当に気に入ったというのがあります。

入り口に近い方に飾ってあるこの絵は、Mookieというマリ人アーティストが描いたThéorie des jeunes gensという絵です。これはダカールのビエンナル(2年に一度開かれるダカールの大きな芸術祭)のためにMookieが描いた「エジプトシリーズ」の1枚です。このシリーズはCheikh Anta Diopのエジプト古代文明黒人説に基づいたものです。この説というのは前期古代エジプト文明を築いた人々は黒色人種であったという説で、現在まで考えられていたアラブ系のエジプト人だったという説に異を唱えるものです。後期エジプト文明、例えばアレキサンドリアを築いたのはその名の通りマケドニアのアレクサンダー大王につながるマケドニア人で、これはヨーロッパ系の人たちです。
今、ダカールのモダンアートというのはアブストレと言われる抽象的な絵柄がメインストリームなのですが、Mookieはフィギュラティフと言われる具象表現を貫いています。また、彼の特徴は絵の具の使い方で、大量の絵の具を盛り上げるように塗っていき、独特のテクスチャーを作り上げます。半分立体的なので光の当たる角度によって微妙に印象が変わるのが特徴です。
Mookieは今はフランス在住だと思いますが、本人は彼の描く人物に似て2mを超える長身で、痩身、そして驚くほど手足が長く、ある部分では非常に神経質なのですが、違う部分では驚くほど大雑把だったりして、話していて面白い人でした。

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