2009年1月7日水曜日

Africa:News Round Up 1/7


メジャーなニュースソースは近東情勢とロシアのガス問題で埋め尽くされてしまった感がある今日この頃です。
いつも思うのですが平和というのは当事者が願わなければやってこないのだと思います。もう何十年も戦争状態にあるこの地域では、戦争の中で生まれ育った人が多すぎて、戦争状態が常態となってしまったのでしょう。しかも、太平洋戦争のように大量破壊兵器は使わないということで、小競り合いを果てしなく続けて行くことになってしまっている気がします。

さて、アフリカの情勢ですが数年前より内戦があり、まだ暫定政府から抜け出せていないコートジボワールですが国民の48.9%が貧困ライン(1ユーロ/日)以下というひどい結果になっているそうです。(Afrik.comの記事)ちなみに1985年にはわずか10%でした。これを受けてコートジボワール政府は世銀/IMFの貧困削減戦略文書を作成したそうです。しかし、この貧困削減文書とは言ってみれば世銀やIMFの「融資」を「贈与」に変える魔法の文書であって、この魔法は1回しか使えません。内部の「貧困体質」が改善されない限り、またすぐに借金地獄に陥るのはセネガルの例をあげるまでもないでしょう。ただし、セネガルのように政治的な「優等生」には誰かが救いの手を差し伸べるもので、先日のフランスの緊急融資に続き、今度は中国が5500万ドルという巨額の融資を行うことになりました。(Afrique en Ligneより)セネガルの巨額債務というのは、特にセネガル国民が作っているわけではありません。貧困削減戦略文書には必ず「行政の小型化」という条項があります。アフリカ諸国はパフォーマンスの悪い巨大な行政組織を持っていることが多く、この部分が債務を発生させるガンだと言えるのです。そして、セネガルなどはこの戦略文書後にさらに行政を巨大化させています。こういうのを通してしまうというのは世銀/IMFの目は節穴としか思えないのですが、その程度の「緩い戦略」にすぎません。話をコートジボワールに戻しますが、ここは根っからの農業国であることを考えると、この農業の基盤が内戦によってかなり傷ついた結果の数字と言えるでしょう。

次にギニアコナクリの情勢ですが、ギニアの新政権は旧大統領の腹心だった多数の軍幹部を定年退職させました。しかし、それに飽き足らず、何人かの軍幹部を逮捕しています。これは、この微妙な時期に再び軍部の造反による政権の転覆の芽をあらかじめ潰しておこうということなのだと思いますが、外交に熱心で民主的と思われていたカマラ大統領の本当の顔がコレだとすれば気をつけなければいけないでしょう。(Afrik.comの記事

コンゴ民ですが、ンクンダの軍組織 (CNDP) で内紛が起きているようです。ンクンダは2日ほど前に、自軍のナンバー2を「反逆」のかどで追放しましたが、今度はCNDPの幹部Désiré Kamanziが、「ンクンダはCNDPのトップから追放された」とラジオに語っています。なんだかよくわからない状況のようです。(Afrique en Ligneの記事

先日、アフリカの王様たちがカダフィを頭に「アフリカ連邦」の構想をブチあげているという話をしましたが、今度はそのカダフィ自身が3月のAU会合でこの構想を発表するそうです。マリを訪問中のカダフィ師が語ったところでは、この「連邦政府」は外交、商業、そして防衛だけの機能を持つものだということです。コンセプトとしては面白いと思います。しかし、既にたくさんある地域連合の組織をどうやって統合していくのか、実際にこういうものが作られるには少なくとも数年は構想を温めないと無理という気がします。また、リビアなどと南アという2つの「頭」がどのように共存していくのかという問題もはらんでいます。(Afrique en Ligneより

0 件のコメント: