2009年1月8日木曜日

DRM:Killing me softly


iTunes StoreのDRMフリー音楽ダウンロードは着実に増え続け、DRMはゆっくりとではあるものの着実にその死を迎えつつあります。
AppleのスティーブジョブスCEOがあの書簡でデジタル音楽ビジネスの未来を描いてみせたのは2007年の夏頃だったので、あれから1年半。「ゆっくり」とは言いましたが、考えてみればかなり急速にDRMは終わりに近づきつつあります。
あの頃、世間の論調はAppleごときに何ができる?iTunes Storeはメジャーレーベルに見放されて終わり・・・という論調が多かったのですが、それを見事に覆したわけです。しかし、この裏にはAppleのなみなみならぬ企業努力と技術革新を続けてきたわけで、この努力に敬意を表したいと思います。Appleが貫いたこと、それはDRMによるビジネスモデルは間違っていると言うことです。この件について、まるでAppleが知的所有権に関して敵対しているように考えるのは間違っています。確かにAppleの知的所有権に対する考えは一種独特とも言えますが、反対にAppleほど知的所有権に厳しい企業も少ない、とも言えます。それはMacOSXを他のマシンで動かすのを認めない、というポリシーを見てもわかります。ではなぜDRMにAppleは反対だったのか、というとこのシステムが「無意味」だったからです。
とても卑近な例で考えてみるとわかると思うのですが、DRMフリーの音楽は何もCDを購入しなくても、ツタヤ等でCDを借りれば手に入ったのです。なぜCDレンタルはOKで、ダウンロードだけがDRMの足かせをつけられる必要があるのでしょうか?あとは、RIAAやJASRACなどの版権ブローカーの存在です。アーティストが知的所有権を主張するのは当然として、レーベルがアーティストと契約してその作品を買い取り、商品化するのもいいでしょう。それはまっとうなビジネスだと言えます。しかし、版権ブローカーは自分で何を作ることもなく、マージンだけ吸い上げるというまったくもってけしからんことをやっているわけです。これはビジネスですらないのです。ただの恐喝と搾取だと言ってもいいでしょう。生産者にも消費者にもありがたくない存在である、というわけです。
日本では今度はiPodなどのプレイヤーに税金をかけようとしましたが、まったくけしからんことです。

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