2008年11月8日土曜日

US:オバマ大統領に高まるアフリカの期待


ロイターが面白い分析をしています。
オバマ大統領がケニア人の父を持つことから、「アフリカの息子Son of Africa」としてケニアをはじめアフリカのいろんなところでオバマフィーバーが起こっているわけですが、その中でセネガルのワッド大統領が辛口のコメントを出したということです。
「アフリカ人はオバマ大統領に対し、尋常ならざることや過大な期待を抱くべきではない。アメリカでの選挙がミラクルだったとしても、それがアフリカ大陸を変えるための現金を持ってきてくれるわけではない。」
これに関しては私はワッドに賛成せざるをえません。案外知られていないことですが、アメリカのODAはそれほど多くありませんし、日本やヨーロッパなどと全く別のやり方をとっています。イラクやイスラエルなど政治的な介入をおこなっている国を除いては、そのほとんどが人道的援助として、アメリカのNGOを通じたプログラム援助になります。よって、政府間には全くカネのやりとりはないのです。セネガルのように政府の予算に対して援助が欲しい国の政府にとっては全然ありがたみのないのがアメリカの援助、というわけです。こういうシステムを飛び越えてアメリカが政治的意図を持ってアフリカの政府に現金を落とすということはまずないと思います。
また、オバマ氏は上院議員として南部および東部アフリカを歴訪した際、この地域での問題について非常にはっきりした強い姿勢を示したということで、何人かのアフリカ各国首脳は多少ナーバスになっているそうです。
まず、南アで当時のムベキ大統領のAIDS対策の遅さを痛烈に批判、またジンバブエのムガベ大統領が自国民を危険に晒していることをどうにかすべきだという強い主張を行い、ケニアでは人権と汚職に関する強力なスピーチをナイロビ大学で行って、ケニア政府高官に「オバマはケニアをわかってない」と批判されています、またダルフール問題についても強硬派です。
つまり、オバマ大統領は現在アフリカが抱える様々な問題に対して非常に強い態度で臨んでくるだろう、というのがこの分析の骨子です。
それはブッシュよりもはるかに強く、クリントン以上の強硬な姿勢で臨んでくるかもしれない、ということです。
そういえば、早速ジンバブエのムガベ大統領がオバマ氏に親書を送ったことが伝えられています。内容は大統領選の勝利を祝福するとともに米国ージンバブエの関係修復の用意がある、ということらしいです。
また「途上国のわれわれは、社会を発展させる政策の遂行に向け、あなたの政府と仕事ができることを期待している」と続くそうです。でも、どう見てもムガベがいなくなることこそがジンバブエを良くするために必要条件という気がするのですが・・・

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