2008年11月26日水曜日

RDC:停滞するコンゴ民情勢


ここしばらく、コンゴ民情勢についてはお伝えできていません。というのは、目立った動きがないためか、ニュースソースから情報が入ってこないのです。これは小康状態とも言えますが、家を追われた難民にとっては苦しみが長引く状態に他なりません。
戦闘がなくてヒマになってしまった兵はヒマつぶしをはじめます。Allafricaによると北キブ州のキバチ難民キャンプで難民の女性が連れ去られそうになり抵抗したところ、銃で撃たれるなどの事件が起きています。
また、現コンゴ民政権についても、Afrik.comが取り上げているように、反対勢力を力で押さえつけてきた経緯があるのです。これはWikipediaなどでコンゴ民の歴史をひもとけばすぐわかることですが、コンゴ民という国が「民主的」であったことなど歴史上まったくないのです。そういう意味ではこの地域の民主化というのはセネガルをはじめとする西アフリカ諸国とは比較にさえならないと思います。これは、一見民主的で自由経済が成立しているカメルーンやガボンなどにおいても政治的にはほとんど民主的とはいえず、独裁的な大統領による長期政権によって平静を保っているわけで、コンゴ民と比較するのは乱暴としても、コートジボワールがそうであったようにひとたび独裁者が死ねばその後長期にわたって政治的混乱に見舞われることになりかねない危険性をはらんでいるのです。
そういう意味で面白いのが、連邦制をとっているナイジェリアだと言えます。ナイジェリアの連邦制が成功しているかどうかは意見が分かれるところでしょうし、ナイジェリアの悪名は西アフリカじゅうに鳴り渡っていますが、オバサンジョのような影響力のある人物が平和裡に政権を譲って、内国的な政治的混乱が起きていないことは評価するべきだと考えます。国内に目立った多様性を抱えた広い面積を持つ国がとっていくべき政治形態の1モデルだと言えます。
ヨーロッパではEUがフランス主導でMONUCに対する援助の増強を決めていますが、現在先進国の首脳を悩ませているのは世界経済であってコンゴ民の内紛などではないというのは明らかなので、迅速な対応は期待できないでしょう。
また、先日お伝えしたルワンダキガリのデモについては、結果的に平和裡に終了し、フランスでも一応ローズ女史が条件付き釈放されているのですが、当日はキガリ中心部は完全に交通もストップし、大規模なデモが行われたということです。
また、誘拐されたベルギー人ジャーナリストについては続報が全くありません。

0 件のコメント: