2008年11月28日金曜日

世界不況がアフリカに及ぼす影響 2


日本は戦後、安い労働力を軸に第二次産業を発達させ、世界有数の輸出産業を築き上げてきたわけですが、今は日本のモノを作って売る力は急速に衰えているような気がします。20年前、私がアフリカに来た頃は、日本製品の黄金時代でした。アフリカ人の憧れは日本製の電化製品、そして日本車でしたし、街にもそれがあふれていました。それに比べて今の状況はどうでしょう。今、電気製品と言えばSamsungやLGと決まっています。車は日本車から韓国車に移り、今はバスもインドのTATAだし、乗用車もイラン製です。コンピュータはDELLやHPばかりで日本製なんかみないし、携帯はNOKIAです。もうほとんど日本メーカーの製品なんか見ることがなくなってしまいました。車くらいなものです。
もちろん、日本でもこれらの製品を作っているのにアフリカには入って来ない。今はもう日本製品は憧れでもなんでもなくなってしまっているのです。これは日本のメーカーや企業がアフリカをマーケットとして見てなかったからだと思います。それに対してアメリカもヨーロッパも一応アフリカをマーケットとして見ている。新興国はアフリカのマーケット価値をもっと高く捉えているのだと思います。資源を買いあさる中国というのはよく言われていることですが、中国がやっているのはそれだけではありません。アフリカには中国製品があふれています。たとえアフリカが貧乏でも中国はそれをマーケットとして活用し、それがアフリカと中国との関係を密接なものにしているのです。セネガルのビジネスマンと話すと、彼らは日本は行ってみたいとは言うものの、実際にビジネスに出かけるのは圧倒的に中国が多いのです。もはや、日本はただの幻想でありブランドイメージさえ消滅しつつあると思います。
アフリカは貧乏だからこそ新興国が入っていきやすいのではないでしょうか?つまり、これから伸びていく産業やマス対象製品の試金石的な位置になってきたのかもしれません。
世界が不況になっても、アフリカの国民にとってはそれほど影響はないでしょう。もともと、景気から取り残されたマーケットなのですからこれ以上に悪くなることはあまり考えられません。影響を被るのは一部の富裕層と政府くらいのものでしょう。
これはアフリカの相対的なマーケット価値が上がる、ということを示しているのではないでしょうか。

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