2008年11月28日金曜日

世界不況がアフリカに及ぼす影響


サブプライム問題に端を発し、リーマンブラザーズ倒産によって加速された世界不況ですが、先進国および新興国のかしましい動きをよそに、アフリカ諸国はなんか「蚊帳の外」・・・といえばいいのか、唖然としているのか、それほどこの問題に対して目立った動きを見せていません。首脳クラスでは唯一ベナンのボニ大統領がちょっとした声明を出しただけです。
しかし、ここに来てじわじわと影響が見えてきました。まず、ナイジェリア。産油国であるこの西アフリカの巨人は原油価格の低下の影響をほぼまともに食らっています。そして、ガボンやコンゴなどの木材輸出国も次々注文をストップされて、在庫がだぶついた状態になっているそうです。このように第一次生産品や地下資源の輸出に頼っている国はこれからどんどんそれらの需要が減らされて、収入が先細りするでしょう。
また、セネガルなどのようにもともと地下資源も少なく、第一次生産品輸出もそれほど多くない国はこれまでも援助に対する依存度が高いのが非常に大きな問題ですが、すでにフランスが援助関係予算の削減を発表するなど、先進国がそろって援助額をカットしてくることが予想され、さらに運営が苦しい状態に陥る可能性があります。
アメリカの次期大統領オバマ氏は、経済の立て直しを危急の問題として着任後、これに対する大きな政策を次々と打ち出すでしょう。しかし、ニューディールがそうであったように、これらの政策はとりあえずはアメリカでの内国的な雇用促進と内需拡大を目指すのではないかと思います。
アメリカがこのように動けばヨーロッパも同じような動きを見せるのではないでしょうか?そして世界というマーケットからヨーロッパというより小さく、コントロールしやすい中での経済の均衡をとろうとする政策に転換するかもしれません。
そういう動きの中でアフリカ諸国がどのように生き残ることができるのかは、各国の問題でもありますがECOWASやSADCといった地域共同体の役割が重要になってくるのではないかと思います。
コートジボワールは早くもヨーロッパとの関税完全撤廃に向けて動いています。やはり、経済的にはもっとも先進的な国だけあります。あれだけの政治的不安の中でもやることだけはやるのだな、と感心しました。

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