2008年6月11日水曜日

Grand Central +Open CL


Gizmodoさんの記事で、NY TimesがSteve Jobsにインタビューした記事のExtractが載っていたのですが、これが面白い。
もちろん、Snow Leopardの概観にかんする記事も読んでいて、この中のGrand CentralとOpen CLについても見ていたのだが、OpenGLの発展形くらいにしか思っていなかった。しかし、このGrand Central + Open CL、思っていたよりもすごいかもしれない。
Grand Centralは一言で言うと、マルチプロセッサの処理をオプティマイズする技術らしい。
現在のPCには実際にはいくつも「プロセッサ」が入っている。最近のMacではCPUがマルチコアになり、Core 2というのは1つのプロセッサの中に2つのプロセッサがビルトインされている。このシリーズには他にもクアッドコア(4つ)、そして8つのものもある。
その他にあるのがGPUというグラフィック処理に特化したプロセッサで、これは通常グラフィックカードに搭載されている。実はこのGPUがとても膨大な処理能力を持っている。
実際、このグラフィックカードを何枚か連結して処理速度の速いPCにしてしまう人もいるようだ。
このグラフィックカードとの連携をとるのがOpen CLらしい。
従来の考えではグラフィックの処理をできるだけCPUからGPUに振り当てて、CPUの処理を軽減し、全体での処理速度を上げるというのが普通であった。Open CLも基本的にはこの考えの上にあるのだが、一歩進めて従来はGPUには振り分けられなかった処理をGPUに振り分けるようにするようだ。
これはユーザからは「見えない」ところにある技術だが、ハードウェアのリソースをどんなハードウェア構成においても適切に使うという意味で革新的であるとさえいえると思う。
しかし、Adobeは「やられた!」と思っているかもしれない。近い将来発表されるPhotoshop CS4は重いグラフィック処理をGPUに振り分ける独自の方法を導入する予定で、ここでもOS CentricなAppleとApplication CentricなAdobeのアプローチの違いが出ている。
Macのユーザに一般ユーザが増えたとはいえ、グラフィック関係のプロフェッショナルがMacの主なユーザ層の1つであることを考えると、このあたりAppleとAdobeが足並みを合わせてくれないとユーザが不便を強いられる結果にもなりかねないのが心配だ。

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