2008年6月12日木曜日

ODAかNGO/NPOか、それとも・・・


途上国の開発に対して、とかく言われがちなのはODAとNGO/NPOと商社やメーカーなどの企業ベースの活動なんかを「対極の構図」にして、どっちがいいとか、自分はどっち派だとかということです。
でも、私はそういう考え方自体ナンセンスだと思います。

途上国には全部必要なのです!

1つの例としてデジタルディバイドを取り上げてみましょう。
政府やODAがIT振興の政策を打ち出したり、ODAによってインフラ整備や人材育成がされないとデジタルディバイドは解消されません。これらはNGOやNPOにはできないことです。しかし、これがコミュニティレベルになると政府やODAは入っていけません。NGOやNPOの力が発揮される場になります。それに企業ベースの活動が発展することも育成した人材の活用や、それがビジネスとして成立し、経済を活性化していくためには絶対に必要不可欠なことなのです。
しかし、今の状態を見ると、本来なら協力して共通の目的に歩いていくべきところを、お互いに牽制し合い、1から10までを自前でやろうとするような効率の悪いことをやろうとしているように見えることすらあります。

開発そのものも1つの生態系(エコシステム)を作っていくことだと思いますが、それを補助する国際協力もやはり1つのエコシステムなのだと思います。しかし、ともすればトレンドに流されがちで、「普通の人々」が「コモンセンス=常識」で考えても大きな疑問を抱かざるを得ないことを集中的にやっていることもあると思います。
例えば、数年前から「貧困」がクローズアップされているのですが、その対策の柱は「基礎教育」と「保健」と「農村開発」になっています。しかし、基礎教育にも保健にも出費を伴います。これらの出費をごこから出させるのか?もともと貧困にあえいでいる人たちなのに?
また、基礎教育を受けた子供たちが現金収入を求めて出て行く先は?農村なのでしょうか???
もちろん、基礎教育も保健も農村開発も重要なセクターであることは事実で、そこに協力ニーズが高いことも事実です。
でも、それを有機的に結びつけて、適切なシナリオを描くことこそが、援助の効率性を高めることにつながっていく気がします。

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