2008年10月29日水曜日

RDC:コンゴ民東部で内戦


中央アフリカの大国、コンゴ民主共和国(RDC、コンゴキンシャサ、旧ザイール)の東部で内戦が勃発しました。
この地方は東の国境でルワンダに接しており、ルワンダのジェノサイドの時に難民キャンプがあったところですが、住民はルワンダやブルンジと同じくツチ族とフツ族に大きく分かれており、今回の内戦も実は反乱軍のリーダーはツチ族のローラン・ンクンダで、かなり民族紛争的色合いが強いようです。
もともと、このRDCという国、ジョゼフ・コンラッド、あるいはTINTINのエルジェを見ても分かるように、西欧人にとってアフリカのカオスをそのまま体現したような国なわけですが、国土が広く、多様性に富み、アクセスは困難という統治の難しさを抱えています。それに加えて見事に紛争を抱えた国に取り囲まれており、9月には東北部のスーダンおよびウガンダの国境地帯でウガンダの反乱軍の攻撃で5万人もの難民が出ています。
今回の内戦の原因は1990年のルワンダジェノサイドにさかのぼります。ルワンダの旧政府軍はフツ族が主体でしたが、ジェノサイドによってツチ族に追われたフツ族が東部コンゴに逃れForces Democratiques de Liberation du Rwanda (FDLR) という武装グループを形成します。そして、ジェノサイドの影響によってサイールのモブツ政権も倒れ、コンゴ民が誕生するのですが、このトランジション時のコンゴ民政府とツチ主体のルワンダ政府の支援を東部コンゴで受けていたのがRCD-Goma (Rally for Congolese Democracy)というグループでした。このFDLR問題は公式には2003年に反乱軍のリーダーが投降したことで終わったことになっていますが、実はルワンダに戻ることを拒否した強硬派のFDLRはコンゴ東部にとどまったわけです。
そして、今回ローラン・ンクンダの率いるCongrès national pour la défense du peuple (CNDP)はこのFDLRの残党と現コンゴ民政府が協力関係にあるとし、FDLR残党を根絶やしにする目的で内戦が開始されたのです。
このことを見ても分かるように、この問題は東部コンゴのみならず、キンシャサをはじめ、ルワンダを巻き込む可能性が大きい重大な問題に発展しかねません。ということで、これからも、フォローしていこうと思います。

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