2008年8月4日月曜日

アフリカ開発:iPodに学ぶ


昨日はZuneについて書きましたが今日は反対にiPodについて書きます。
MS+Zuneが定量的分析において勝算があったのとは対照的にiPodをAppleが出したとき、そこには定量的分析をしても成功の要素はまったくなかったと思います。iMacにてある程度PCでのシェアを伸ばしてはいたものの、Macのシェアは1ケタだったのではないでしょうか。また、忘れてはならないこと、それはiPodの数年前、AppleはPippinそしてNewtonで失敗している。特にNewtonは同じような携帯デバイスでiPodは第2のNewtonになる可能性があったのです。その頃の携帯音楽プレイヤーと言えば、日本ではMD、外国では携帯CDプレイヤーです。実際、iTunesももともとはCDをリップしてリミックス、そしてそれをCD-Rに焼くというのが基本的機能だったのです。

そんな勝算のなかったiPodを支えたのはAppleのファンボーイ達です。それはZune Guyも同じなのです。
違っていたのはAppleの取った戦略と、MSの戦略の違いです。iPodは第一世代からとてもオリジナルなデザインを持っていました。表面はフラットなアクリルの下に純白のパネル、そして大きなホイールにX型に切り込まれた4つのボタン、中央の丸ボタンを配置し、背面は鏡面仕上げのステンレスという従来の携帯音楽プレイヤーとは似ても似つかないデザインをしていました。そしてほとんど毎年新しいモデルを出し、その度に容量は倍増していき、価格は反対に下がっていきました。また、特徴的なCFをシリーズで展開し、同時に有名アーティストのPVや映画やTVにどんどんiPodを登場させたのです。実際iPodのセールス戦略は最も成功したキャンペーンだったのではないでしょうか。
iPodがAppleファンボーイだけでなく、一般に売れ始めたのはこのキャンペーンのおかげだし、タイミングとしては容量が20GBを超えたあたりからだったのではないでしょうか?これは一般的なユーザのライブラリがほぼすっぽりおさまるくらいのサイズなのかもしれません。
そしてiPodはMini-Nano、そしてShuffleと用途別に別れ、生活のいろんなシーンに特化したiPodのラインアップができました。
言ってみればAppleはファンボーイ達の期待に応え続けているのですが、MSはそれができなかったのだと言えます。そもそもiPodはAppleの自社製ですが、Zune第1世代は東芝のOEM製品でこれをみてもZuneの技術的背景が弱いというのを見て取ることができます。多分Zune GuyはiPodとAppleをずっと見ていたのだと思います。だからこそ、MSがZune Guyたち、ファンボーイの期待に一向に応えないのに業を煮やしたのではないでしょうか?その苦い気持ちはよくわかります。

まとめてみましょう。iPodの成功を支えたエレメントは、
1. 特徴的な美しいデザインとそれを支える強力な技術的背景
2. 的確なセールス戦略/広報活動
3. リズミカルな新製品/新デバイス投入と適正な価格の低減
4. ユーザの期待に応えること
だと思います。

このiPod戦略はアフリカ開発にも活かせるのではないかと思います。ちなみにCYVOGUEのコンセプトにもこれらのエレメントは織り込まれています。

蛇足ですが、「5. あきらめないこと。失敗しても計画は温存し、機が熟するのを待つ。」というのをくわえておきたいと思います。
というのはAppleはNewtonで失敗しましたが、コンセプト的には(技術的背景は全く違うもののようです)iPhoneがNewtonのそれを別の形で、しかもかなり近い形でしっかり引き継いでいて、Appleはしっかり成功させているからです。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

私もiPodを友達にはじめて見せてもらったときは感動しました。
ホイールでの操作、新鮮なデザイン、大容量で何曲も持ち出せる。近未来的なものを感じました。

iPod戦略ついてはおっしゃる通りだと思います。
定期的に新商品をだすのでユーザも飽きず、期待に応えていますね。広報も「Get a Mac」などとは対照的に、イメージが良く、素敵だと思います。

この戦略はいろいろなビジネスや製品に応用できると思います。
日本にも、Appleのような企業が出てきてほしいものです。

toshtak さんのコメント...

foxさん、どうもです。
私ははじめて買ったのが第2世代のタッチホイールなのですが、1日中見ていても飽きないほどステキな物体で、持つ喜びみたいなものをもらいました。iPodの容量が増える前はCDを200枚くらい手にもってアフリカと日本を行き来していたんですよ。iPodに入るようになってからは、あの重たかったのが手のひらサイズになりました。

Get a Macはアメリカ人向けなんじゃないのかな?と思います。

AppleやGoogleは文化的産物だと思います。日本も文化的産物な企業を育てればいいんじゃないかと思います。
既存の大企業では無理って気がしますね。