2008年9月25日木曜日

南ア:ムベキ大統領辞任


南アのANC内部の権力抗争の結果、ムベキ大統領が辞任に追いやられ、それを追って閣僚10名も大量に辞任する騒ぎになっています。
これは下手をすると、アフリカ全体の主に経済的な不安材料となる可能性があります。
というのは、南アはもちろんサハラ以南のアフリカにおいてもっとも経済的に大きな国であるということがあります。そしてムベキ政権下の経済拡大路線によって、南ア企業は急速に発展し、アフリカの広い地域にわたってその存在の重みを増しています。その最たるものが携帯キャリアのMTNでしょう。
サービスマップを見るとかなり広い地域をカバーしていることがわかります。彼らは様々な国の既存のネットワークを買い取る形で、グループを拡大していったようです。
また、フラッグシップキャリアのSouth African Airwaysも大陸内での存在を増しています。
ダカールはSAAのフライト、ニューヨーク行きの中継地点となっていることもあって、ほぼ毎日フライトがあります。私の記憶が間違いでなければ、5年ほど前には週1便ほどしかなかったので、非常に大きな違いと言えるでしょう。
こういった非常に表面的なものだけでなく、民間レベルの結び付きも深まっていると思います。
これから、南アの政治や経済がどうなっていくのか、かなり不透明感が漂います。もちろん、南アはそれこそコートジボワールのようになることはおそらくないでしょうし、政治的な混乱が国そのものを麻痺させてしまうような事態にはならないでしょう。
しかし、南アの経済的成長が一種アフリカ全体の経済成長の牽引力となっているのも事実で、それが鈍化することはアフリカ全体にとって好ましいことではありません。しかもそれが言ってみれば民族抗争的なバックグラウンドを持っているというのは、先進国から見たアフリカのビジネスパートナーとしての信頼度にもかかわってきます。
さっさと、明確な白黒をつけて南アは大丈夫だということを世界に対してアピールしてほしいものです。

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