2008年8月29日金曜日
ベナン:ケータイ事情その後
ベナンのケータイ事情とその混乱については昨年5回ほど書きました。簡単にまとめると、ベナン政府と大手キャリア2社との間でケータイ事業の免許料をめぐって対立が起こり、政府はこの2社の通信を2ヶ月にわたって完全にストップしました。その後、復旧しましたがこの2社はいずれも他の会社に事業を売却しています。
現在のケータイ事情ですが、政府系のLibercom、旧Areebaを引き継いだ南アMTN、旧TelecelのMoov、BellBenin、そして最近参入したナイジェリアのGlobalCom(Glo)の5つのキャリアがこの小さな国にひしめいています。数年前には絶対的に不足していて早朝から何日も並んでやっと買えたSIMカードですが、今回はホテル近くのテレフォンセンターで簡単に買えました。価格も、数年前の20000FCFAから、ずいぶん安くなっていて、MTNが6000FCFA、BellBeninが4000FCFA、Gloに至っては1500FCFA。ただ、少しばかりトリッキーでこの1500のなかには1000FCFA分の通信料が含まれているのですが、最初に他のカードを買ってチャージしないとかけられません。
ということで、少し他の国に遅れてこの国にもケータイの大幅な一般化が起こっているわけですが、5つもキャリアがあると、知り合いよっていろんなキャリアということになり、必然的に複数のSIMカードを持つ(特にビジネスパーソンは)ことになり、複数のケータイを持っている人が増えました。また、ダブルSIMと呼ばれるSIMカードを2枚刺して、同時に2つのキャリアで使えるケータイも増えてきているようです。
ベナンのケータイ事情がややこしくなってしまったのは、国営のOPT(郵便通信局)が電話事業のオペレータとしては技術力が弱く、地上線の発達も遅れ、Libercomも新規顧客の獲得に消極的だということが原因ではないかと思われます。
実はケータイの後にインターネットを巡ってもベナンではひと波乱あったようです。以前はOPTの技術的事情によってベナンはアフリカ周回インターネット海底ケーブルに接続はされているものの、そこに事業者が接続することはできず、インターネットプロバイダはVSATなどを使った衛星接続をして、それを一般に小売りしていました。しかし政府はこの海底ケーブルの利用を決めるとともに、すべてのインターネットプロバイダはOPT (BeninTelecom)と契約しなければならない、という決まりを作ってVSATなどの使用を禁止しました。
現在、ベナンのインターネットはつながっているものの、その接続状況はかなりプアな状態だと言えると思います。ネットカフェに行ってみましたが、体感でダカールの半分くらいしか速度が出ない気がします。
インターネット接続環境がこれ以上に困難になると、例えばニジェールではケータイでインターネットするというのが普及してきているそうです。反対にセネガルなどでは簡単にネットカフェとかがあるのでケータイでインターネットしてる人は見ません。
とにかく、ベナンの通信事情はOPT (BeninTelecom) をなんとかしないと、良くならないと言うことです。
セネガルの場合、もともとSonatelは国営とはいえ、それほどひどい状態ではなかったし、FranceTelecomに買われてからは本当に良くなりました。でもベナンのOPTはセネガルで言うとSenelec(セネガルの電力会社。停電の元凶)のようなものなのでしょう。
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