2008年8月2日土曜日

さて、アフリカの開発は?


ユーザインターフェイスの話、そしてZuneの話は実はアフリカの開発問題とも関係があると思います。
まず、今アフリカの開発というとまっさきに出てくるのが国連機関とか各国の援助機関とかNGOなわけですが、初心に返ればアフリカの開発の主体はアフリカの民衆であることは言うまでもありません。つまり、開発という一種のシステムのユーザはアフリカの民衆であると言い換えることができます。そこでユーザーインターフェイスを考えてみるわけです。これをモデル化するにはオブジェクト指向言語のオブジェクト(主体=参加者)、インスタンス(イベント)、そしてクラス(属性)というモデルを考えると面白いと思います。簡単に言って民衆の1人1人、構成人員はみなオブジェクトで、それが属性(クラス)を持ち、インスタンスで関係し合うわけです。
そういう基本モデルの中で、各機関(政府、国際機関、民間機関、援助機関)が違ったUIを持つアプリケーションだというモデル化ができます。このモデルにおいては、今までのようなマクロな視点だとかミクロな視点というものがなくなります。それは、それぞれオブジェクトの集合体として共通のクラスを持つインスタンスとローカルなレベルでの各オブジェクトの個別のクラスでのインスタンスということになる。つまり、マクロな視点とはミクロなものの集合体であって、別の主体によるものではないわけです。
モデル化の話はとてつもなく長くなってしまうので、徐々に考えていきたいと思いますが、今でも広まっている「定量的評価」はこのモデルでは全く無価値になります。従来の定量的評価では例えば「10人の漁民が組織化される」というのと「10人の技術者が育成される」というのは同じ10人と見なされたのです。だから「同じインパクトのプロジェクト」だとされて、それではコストの安い漁民の組織化をやりましょうということになる。でも、少し考えればこれが全然違うレベルのプロジェクトであることに気がつくはずだし、それぞれのインスタンス(プロジェクト)に適したアプリケーションがあるはずだとわかると思うのですが、それを明確に説明する新しいモデルが必要なのだと思います。
私は定量的評価が全く無価値だとは思いません。ローカルな各インスタンスの達成度評価においては有効でしょう。つまり、プロジェクトそのものの進行度を測定するのには有効な方法です。しかし、クラスもちがい、対象の広がりが異なる複数のプロジェクトを横断的に評価したり、プロジェクトの採択プロセスに用いるには全く適してないと思います。

さて、Zuneの話ですがMSがZuneを出したのは、iPodに対して勝算があったからであることは間違いないでしょう。我々、素人のウォッチャーが絶対勝算がないとわかっていたのに、世界有数の大企業であり、優秀な経済学者やマーケティングのグールーの意見を仰ぐことも簡単にできたはずのMSがなぜ正反対の判断を下したのか。これは、定量的評価をすればZuneには勝算があったからだと思います。MSは基本的に量に頼って成長した企業ですから、そういう判断をしたのもうなずけます。もちろん、Zuneの敗因はイメージだとか、iTunes+Podの技術的生態系の優秀さといった「定量評価のできない」要因によるものです。まあ、中には単純なマーケティングのミスもあると思いますが。
同じことがアフリカ開発の停滞にも言えるのかもしれません。定量的評価のできないなんらかの要因が脚を引っ張っている可能性が強いのです。それは先日書いた(最後、おちゃらけにしてしまいましたが・・・)植民地時代の負の遺産であったり、アフリカ人のメンタリティによるものかもしれません。しかし、この分析を掘り下げなければ、アフリカは前に進めないのだし、従来の定量的分析に頼っているかぎり、それは解明できないという気がします。もっと、文化的側面、人類学的側面、歴史的側面といったマルチディシプリナリーな分析が必要なのだと思います。この話も長くなるのでまたおいおい書こうと思います。

ともかく・・・
毎日8時間も停電してるところ、そしてエネルギー相が法外な金額を示して、この金額がないと解決できないと言うばかりで何もしないような国では開発は無理という気がしますね。メジャーな援助機関の人たちは、それほどこの問題を重要視してない気がしますが、このような条件下では定量評価も定性評価でも勝算がないことは明らかであって、そういう部分に優先的に援助しないと、いくらHIV感染が減っても、子供の教育が充実してもそのあとで困るというのは、それこそ素人ウォッチャーの目で見て「確実」です。
別に電力会社にテコ入れするだけが、解決策ではないでしょう。代替エネルギーの普及に直接注力するのも手ですし、代替エネルギーへの転換を促す生態系(エコシステム)を構築していくのも1つの手だと思います。

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