2008年3月9日日曜日

OLPCが新しいCEOを募集


OLPCプロジェクトが苦境に立っているらしい。これまでもOLPCに立ちはだかる壁について書いたことがある。言ってみればOLPCはiPhoneのようなプラットフォームなのだ。そしてプラットフォームを成功に導くにはエコシステムが必要であり、OPLCには明らかにこれが欠けている。もちろん、エコシステムを作っていくのは難しい。あのMicrosoftですらエコシステム作りは不得手で、他者の作ったプラットフォームを買収などで乗っ取るのを常套手段としている。このあたり、うまいのはApple、adobeそしてGoogleあたりだろう。
もちろん、OLPCをいきなり商業ベースに乗せるのは難しいだろう。しかし例えば国連システム(UNICEF、UNESCO、UNDPあたり)やバイラテラルのODAと協力、タイアップするなり、あるいは先進国の政府が関わってくるのがイヤなのであれば教育系の大手NGO(ここらでは仏系のAide et Action、ENDA、あとはPlan Internationalなど)と協力することでエコシステムを作り上げることはできるはずだ。
アフリカの各地で働く日本の青年海外協力隊員もIT関連の隊員はOLPCの動きに期待し、見守っているはずだし、協力を乞われれば惜しまないと思う。他国のボランティアも同じだろうし、UNVという手もある。
OLPCの前進を阻んでいるのは参加国からかなりな数の注文をとりつけるところと、その代金を前払いさせるところだと思う。アフリカの政府はどこもそのような大金は容易にすっと出すことはできないし、それをしかも「外貨で」用意するのは並大抵のことではない。ナイジェリアがそこまでこぎつけているのはオイルマネーがあるからにすぎない。この初期投資部分だけでもODAやパートナーのNGOに頼ってもいいと思うのだ。もちろん理想を言えばこれは一回限りの措置でサステイナブルな解決策とは言えない。しかし、OLPCを離陸させることの方が重要だと思うのだ。いったんエコシステムができてしまえば、それがマーケットを作っていく。マーケットは雇用を生み、そしてアフリカでのOLPCをめぐるエコシステムが作られていくはずだ。その時点で政府にも理解が生まれ、新しい注文を出すだろうし、政府内にも参加気運が高まるはずだ。
iPhoneを見てもわかるようにまずは機材が流通しなければソフト開発者も、オンラインサービスも出てこないのだ。OLPCのXOラップトップはもう「新しい」とは言えないが、他の低価格ラップトップが持っていない面白い機能を備えているし、XO Sugarが流通し始めれば、Sugarと近いところにいるCanonicalなどがEdubuntuなどのソフトをSugarに移植などということも考えられる。

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