2008年3月8日土曜日

iPhone SDK


ついに発表されたiPhone SDK。その内容(というか付加物?)はさすがAppleらしくサプライズを含んだワクワクさせられるようなものだった。内容についてはGizmodoさんとかがしっかり書いてるのであえてまとめたりしないが、面白いのはGoogle Androidとのアプローチ比較だろう。AndroidとiPhone SDKはプロダクトとしてのキャラクターとして似たものである。しかしAppleのアプローチは、まず製品を作りある程度浸透させてそのあとでSDKを配布、企業参加を募る、というもの。Androidはあえてハードウェアを作らず、まずその理念だけで企業参加を募って(特に大企業がターゲット)SDKを配布し、Androidをもとにした製品を作ってもらうという全く逆の手法だ。Appleの手法はこれがはじめてではなくすでにiPodとiTunesによってできたモデルを改変したもので、実はAndroidも検索エンジンを一種のSDKと考えるなら自社の手法を踏襲していると言えるのかもしれない。そして、これはハードメーカーとソフトメーカーを取り込んだ一種のエコシステム開発であるという意味で似通っている。Androidが弱いのはやはり牽引するリアルなプロダクトを欠いているということだろう。しかしAndroidが失敗だとは思わない。オープンソースのプラットフォームとしての意義は大きい。しかし、極めて先行きが不透明だ。まず、ハードが出なければ普及しない。それとAndroidは実質Symbian OSを殺してしまう可能性がある。iPhone SDKにはそのようなマーケット全体で何かを殺してしまう可能性はほとんどない。iPhoneでしか動かないのだし、iPhoneは将来的にシェアをのばす可能性はあっても携帯電話という既成市場を席巻するとは考えられない。むしろ、iPhone SDKの副産物はこれがMacにフィードバックされるということなのではないか?Leopardはそこそこ売れている。Vistaに比べればマシかもしれないが、何か決定的な新しいユーザにとっての驚きに欠けるのだ。Tigerの完成度が非常に高いということもあるのだろうが・・・
もしかしたら、iPhoneそしてiPod TouchのSDKを通じて次世代MacOSの新しい姿を模索しているのかもしれない。iPhoneで動いているのはまぎれもないOSXなのだから。

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