2008年11月18日火曜日

Yahoo!:Jerry Yang CEO辞任へ

ついに、という感じですが、Yahooの創始者の1人であるJerry Yang氏が同社CEOの役職を辞任し、Chief Yahoo取締役に戻ることになりました。先日、MSが「もはやYahoo買収はない」と宣言したばかりですから、MSによるYahoo買収がなくなったことをうけての辞任と言えないこともないでしょう。ニュースなどではYahooの株価の低下を招いた責任云々が取りざたされていますし、確かにYahooの株価は大きく下がったことも確かです。昨年夏には25近くあったのが今は10ほど。大雑把に言って半分以下です。しかし、Nasdaqすべてが下がっていることを考えるとYahooが飛び抜けて下がっているわけではないと思います。Appleも一時は165くらいまで行ったのが、今は80、Googleにしても600を超えていたのが今は300あたり。MSも同じです。
Yang氏のもとで、Yahooはとてもいい方向に転換したと思いますし、Yahooが総合ポータルとしては未だに根強い人気があることも事実。いくら技術的にはるかに優れていてもGoogleのインターフェイスは技術畑でない人々にとってYahooに比べればフレンドリーでない。つまり、GoogleとYahooはうまく棲み分けができているのだと思います。今までは提供するサービスの中身によってユーザの棲み分けが行われていたところを、サービスのインターフェイスによるユーザの棲み分けへの転向を成功させたと言えるでしょう。また、これだけユーザが多くSPAMの巣になりそうなものを許容範囲に押さえているところもすごいと言えます。
Yang氏はMS嫌いでも有名で、MSによる買収に強硬に反対したことはよく知られています。今後、MSが前言を翻してYahoo買収に乗り出す可能性を私はなきにしもあらずだと思いますが、先ほど言ったようにNasdaq全体が落ち込んでいることを考えるとMSにも今はそれだけの余裕はないでしょう。むしろAzureなどにリソースをつぎ込んでいくのではないかと思います。むしろ、Yahooと近づくのではないかと思われるのはAdobe Systemsではないでしょうか。AdobeはGoogleと組んでFlashベースの動画を全世界にあっという間に広げてしまいました。その驚くべきスピードはAppleのQTやMSのWMVが広がるのとは比べ物にならないスピードでした。もちろん、今でもGoogleとAdobeはいい関係のようですが、AdobeとしてはFlashだけに頼らない、例えばAirなどを強力に推進したいはずです。(と思っていたらすでにYahooはAdobe Airを導入していました・・・)Yahooの巨大なユーザ層はAdobeにとってものすごくおいしいはずなのです。

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