2008年11月11日火曜日

Senegal:アフリカ民主主義の未来は暗い


世界経済危機、RDCでの周辺国を巻き込んだ内戦、アメリカの大統領選挙・・・などをよそに、セネガルの政治家はつまらない政争に明け暮れています。昨日、国民議会は多数決で国民議会の長(President de l'assemblee nationale)の任期を5年から1年に短縮する決議を可決し、現職の元首相Macky SALLをその任から解きました。
そもそも、この国民議会の長の任期は憲法に記述されているもので、本来これに修正を加えるとすれば国民投票(レフェランダム)を経なければならないはずですが、この改正案を憲法評議会(Conseil Constitutionnel)が検討した結果、国民議会での絶対多数にて可決されれば有効とされたのです。
しかし、セネガル国民の誰もが、Macky SALLを降ろしたかったのは他ならぬワッドであることを承知しています。そして、自ら弁護士であることからセネガルの法律を熟知していて、抜け道もよくわかっているのです。で、第二期目に入ってからワッドは次々と首相を任命してはクビにし、首相の座を追われたあとはいろんな難癖を付けて政界から追放するというのを繰り返しています。
セネガルがお手本にしているフランスのシステムでは大統領と首相の役割ははっきりと分けられています。大統領は外交を中心に、世界の中でのフランスを代表します。反対に首相は内政の責任者でフランス内部の諸問題は首相が責任を持って解決するのです。
ワッドはこれをどちらも掌握したいので首相の存在が邪魔で仕方ないのでしょう。
セネガルは他のアフリカ諸国が軒並み内戦や共産主義への傾倒などをやっている頃からすでに複数政党で、アフリカ民主主義の優等生としてお手本とされてきました。そして、完全に民主的な選挙の結果、平和裡に政権交代が行われ、その名声は高まったのです。このあと、他の国も次々に民主的プロセスによる政権交代を成功させています。
しかし、ワッドの2期目当選あたりから完全に歯車が噛み合ずおかしな方向に走っています。セネガルはワッドが好む好まないにかかわらず、民主化に関してはアフリカのリーダー的存在であるのに、こんなことでいいのでしょうか?
現在のセネガルの状況を見る限り、暗澹たる気持ちにさせられます。
実際、ダカールの町中には不満が渦巻いています。

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