2007年7月27日金曜日

今そこにある危機2-セネガルの電力事情


ベナンのGSMほどではないにしろ、こっちもひどいものだ。
セネガルのダカールといえば西アフリカ仏語圏ではコートジボワールのアビジャンにつぐ「大都会」であり、コートジボワールが建国の父ウフェットボワニを失ってから突入した暗黒の内戦時代に入ってからは、事実上西アフリカの中心に戻ったと言ってもいい。

そのダカールは昨年から慢性的な停電に悩まされている。24時間供給が続くことなどまれで、毎日数時間は停電する。そんな状態がもう2年も続いており、状況がひどくなるとメディアや著名人が騒ぎ始め、最終的には大統領が出てきて「これこれこうしましたからもう大丈夫です」とか言って、それで数週間は停電が減る。
でもまたズルズルともとの状態に戻る。
まあ、その度にSenelecは「あれが壊れた、こっちが動かない」といろんな理由を並べ、そして「もうすぐマナンタリの水力発電所が稼働する」だとか「新しい発電所」とか言って「もうすぐ、もうすぐ」を約束するのだが、それがもう2年続いているのですでに「狼少年」。だれも信じる人はいない。

こうなってくるとSenelecが停電させるのは「そうしたいからだ」と勘ぐりたくなる。
新聞で経済学者がSenelecの停電による経済損失はこんなにあると指摘しても大統領はカジュアルに無視しているし、一般的に言われていることに「こんなに停電してるのにSenelecから送られてくる請求書は同じ額」というのも本当だ。むしろ原油の相場が上がっているので「高くなっている」と言った方がいい。

「生産性」や「コスト」を考えなくてもいい政府関係やマージンの大きい大企業は停電しても何百万CFAもする高価な発電機をまわし、公害を助長することをものともせずに仕事を続ける。で、そういうことのできない中小企業や個人経営者はお手上げだ。小型発電機は私も買ったが、それこそものすごい騒音を出すし、発電コストが高すぎてとてもじゃないが採算が取れない。よって停電による被害は弱者を直撃する。
しかし、経済基盤というものを考えればこの負の連鎖がいずれ国力の衰えにつながっていくことは明白なのに・・・このあたりはベナンもセネガルも同じ病根を持っているように感じる。

と、嘆いていても仕方ないので、電気屋と相談してCYVOGUEのソーラー化を検討している。電気屋によればソーラーパネル2枚とバッテリ、インバータ等概算で20万円の出費が必要だが、やってみようと思う。少なくともこれでクリーンなエネルギーによる継続した営業ができるようになるはずだ。停電の影響で客足が遠のいて赤字の現状、さらに赤字が増えるが仕方ない。

笑えるのはこんな劣悪最低な電力会社をセネガル政府は「民営化」しようというのだ・・・
Senelecの主な発電施設や送電施設は植民地時代にフランスが作ったものを引き継いだだけ。
電力需要の増大に従って必要となった施設は日本などの国際協力によって補完。
慢性的なメインテナンス不足によってすべてのインフラが老朽化、常に修理が必要。
職員はおしなべて公社気分で労働意欲が低く、能力も???ストだけは一人前に実施。
こんな会社、誰が買うだろうか?
たとえスティーブジョブスでも立て直しはできない気がする。

1 件のコメント:

アタヤボーイ さんのコメント...

こんにちは!

セネガルの電力事情を調べていて
ヒットしました。5月はセネガルにいたのに
とても残念です。絶対、お店に行ってました。まあ、これで、おわかりのように、ITはかなり苦手です。今ごろ、このHP知るなんてと自分でもあきれています。セネガルで活動しているNGOで、DANKADANKAといいます。太陽光発電を探していました。20万円ですか....。このあたり、もう少し詳しく教えてほしのですが、
よろしくお願いします。