2008年10月3日金曜日

橋下知事報道に関して

これに関しては知事の会見も裁判所の判断も至極まっとうなものであるにも関わらず、マスコミの報道姿勢が実態を歪めてしまっているように見えてなりません。原因となった光市母子殺害事件の犯行は理由はどうあれ明らかな殺人ですし、その弁護団の奇妙な主張は実際橋下知事の言う通り「行き過ぎた」ものだったと思います。また、コモンセンスとしては「言い逃れ」と考えるべきだと思います。司法の責任というのはなんでもかんでも情状酌量して刑を軽くすることではなく、社会の規範となる法を厳格に適用することにあるはず。そういう意味では弁護団のあのなりふりかまわない主張というのは、むしろ裁判所がブレーキをかけるべきだったと思います。それをマスコミに露出している橋下知事(当時は弁護士)がテレビでやってしまった。ここがまずかったわけです。
一種の「煽動」と言うことができます。現在進行形で審議中の事件をマスコミがとりあげ、それを番組の中で弁護士がコメントするということはよくあることですが、「弁護士会に電話しろ」というのはコメントの範囲を超えてしまっている。橋下知事はそれを受け止めての謝罪というわけです。
しかしながら、これは光市母子殺害事件での被告側弁護士団の「とにかく何でも精神問題にして責任能力を問う」という「やり口」が正当化されたわけでは全くないわけで、今のマスコミの報道はそのへんを非常にあいまいにして報道しているように感じるわけです。むしろ、普段かなり強引に自分のやり方を通している橋下知事が、謝罪している姿を興味本位でとりあげ、それと比較する形で件の弁護士団のアーカイブ映像を使っている。
とにかく、もともと誤解を招きやすい内容のものをさらに誤解を誘うような形で報道されるそのワイドショー的な取り上げ方というのは疑問を呈さざるを得ません。

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