2008年6月21日土曜日
iPhoneを買うつもりのない日本人91%
Akihabara Newsの記事より。
私自身、iPhoneは日本でそれほど人気が出ないだろうと書いているわけですが、それはこういうインチキとも言えそうな「インターネット調査」を元にしているわけでも、「バッテリーが交換できないから」なんていう、iPodが登場したときに言われ尽くしたアルカイックな理由からでもありません。
まさしく、Akihabara Newsが指摘している通り、これは日経BPの記事に対する姿勢の問題だと思います。ここは以前にもMacBook Airのメカニカルな構造について極めて的外れな評価を行っています。それについてのコメントはコレです。また、こっちは日経PCの方ですが2007年11月に「壁を作るアップル、壊すGoogle」というこれまたみっともない記事を書いています。(コメントはココ)
日本の経済のお粗末な状態を作り出した責任の一端にはこういった経済ジャーナリズムの「的外れさ」に踊らされた結果なのかもしれないし、もしそうだとすれば日経の責任はとてつもなく大きいと言えるでしょう。
それは置いておくとして、今回の記事内容についてはAkihabara Newsに全く同意します。420人に対するインターネット調査というなんともうさんくさい数字に円グラフをつけて記事にしてしまうのは軽率にすぎるでしょう。まるでネットワーク商法の勧誘資料みたいです。
しかも、その理由が「バッテリーが交換できないから」という、「うそでしょ?」「冗談でしょ?」と聞き直したくなるようなもの。
バッテリが交換できないことで売れなくなるのなら、iPodはヒットしないはずで、MP3のマーケットはバッテリ交換可能なメーカーのマシンで席巻されているはずです。ところが現状はどうなのでしょう?ニューヨークで地下鉄に乗ると1/3くらいの人がPodを持っていて聞いています。日本ではそれほどではないにしろ、iPodは言ってみれば世界で売れまくっているし、携帯デジタル音楽プレイヤーの代名詞でさえある。日経にしてみればShuffleなんてものは「存在してはならない機械」なのでしょう。バッテリの交換どころか曲名表示すらないのですから。
もちろん、iPhoneは日本では世界の他の部分ほどには売れないと思います。でもそれは「バッテリが交換できないから」ではなく、日本のケータイ市場が世界のスタンダードとはかけ離れた特殊なもので、技術的にも特異な進化をしているからです。
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6 件のコメント:
初めまして。Apple-Style さんから寄せて頂きました。
さて、iPhone が売れる・売れないというのは取りあえず7/11以降になればはっきりするわけで、現時点で予言者きどりの断定的判断は、その判断根拠のデータを見れば自ずと判断者のおつむのレベルが知れるという感じがします。
大体、電話などによる直接的な聞き取り調査と違って、インターネットアンケートのような不特定多数を相手に返答されたものだけから推計する方式のアンケートでは、何らかの意図をもった人(大抵「買わない」という否定的な意見の持ち主)が中心になるのがオチです。
逆に言えば、そういう人の中で残り10%の人が買うようだという風に考えれば、これはむしろ iPhone が全世界で10%のシェアを取るという話の実現性の保証になるとも考えられて、好ましい結果とも言えますが・・・。
残念ながらブロッガーの中にもしばしば見受けられますが、こうした中身がないのを刺激的なタイトル(だけ)で人目を引こうとする記事というのは、親の気を引くために床に寝っ転がって大声で泣き叫ぶ幼児と同レベルの稚拙な方法ですね。少なくとも「分別の分かる」まともな大人がすることではありません。
まっ、いずれにしても、1年後ぐらいにシェアがはっきりしたところで、この記事を再度ネットで取り上げて、その記者・編集者の「見識度」の高さ・低さを、お得意のインターネットアンケートで集計すれば面白いと思います(結果は見えていますが)。
頭文字 s 様、
コメントありがとうございます。おっしゃるとおりだと思います。そもそも、iPhoneは山のようにあるケータイの一機種に過ぎないわけで、それのマーケットシェアを云々すること自体あまり意味がないことだと思います。
むしろ、プラットフォームとしてのiPhone/Touchというものが狙ってるのはEdgeでもはたまた3Gでもない、それを超えたところにある何かである、というところに重要なポイントがあるのではないかと。
iPhoneがわずか1年でiPhone 3Gに取って代わられることを考えれば、「どこでもSafariがバリバリ動くような新しい通信の形態」がもう来年、再来年あたりに出てくるかもしれないし、iPhoneやTouchがその道を切り開いていくのかもしれませんし、そうなってほしいと願っています。
TechOnの元記事とAKIHABARA NEWS両方読みましたが、TechOnがiPhoneが売れない理由としてバッテリーが交換できないことを直接上げては無く、バッテリーに対する意見の円グラフが別件の調査として書かれています。
iPhoneを今は購入予定はないと回答した人が91%
電池が外せた方がいいと回答した人が77.1%
これでどうして「バッテリが交換できないから」→「iPhoneが売れない」となるのか理解に苦しみます。
AKIHABARA NEWSを書いた人は来日して6年目ということですので日本語の意味を理解できてないか、恣意的に貶めるための記事を書いたとしか思えません。
oyoyo様、
コメントありがとうございます。TechOnの元記事の最後のパラグラフにこの2つの数字には関連性があるとしっかり書かれていますし、この2つは同時に行なわれた調査のようです。
まず、AKIHABARA NEWS が元記事として示しているのは英文の記事です。記事にははっきりこう書かれています。
"iSHARE determined that the unavailability of replacement batteries could be significantly weakening purchasing intention"
「来日して6年目ということですので日本語の意味を理解できてない」という表現は、いささか不快に思います。
ash様、
コメントありがとうございます。私の言ってる「最後のパラグラフ」を引用していただきよりクリアになりました。
そして、問題そのものは頭文字 s さんのおっしゃるところに戻ってきてしまうのだし、Akihabara Newsさんの言うメディアの姿勢の問題になるわけですね。
私はAkihabara NewsのDaimaouさんの意見は鋭い(pertinent)だと思います。
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